「駅舎に泊まる」旅 Part9(東京駅編)
■はじめに
駅舎自体に宿泊するこのシリーズであるが、私が調べた限り駅舎に泊まれそうな施設は出尽くしたと思われるので、ラスボス的に東京駅に登場してもらうことにしたい。旅行記のタイトルも「最終編」にしてもいいのだが、この先また新たな施設ができるかもしれないため、第9弾ということにしてある。
東京ステーションホテルについては、今さらここで説明するまでもないであろう。超一流ホテルであり一度は泊まってみたいと思う人も多いであろうが、問題はその値段である。一番安い部屋に素泊まりしても、平日でも5万円くらいはしてしまう。これに朝食(5,000円くらい)を付けたり、窓からの眺望が良い部屋にすると、さらに値段は高くなっていく。
しかし今回は、まだコロナ禍の騒ぎが収まっていない9月冒頭くらいにあれこれ検索し、東京駅のドームが見える部屋に朝食を付けて4万円ちょっとで押さえることに成功している。通常のホテルと比較するとまだまだ高いが、東京ステーションホテルとしてはかなり安いはずである(旅行支援が再開されてからも検索してみたが、これを下回るプランは皆無であった)。
ただ単にホテルに泊まるだけでは面白くないので、「灯台下暗し」で未訪問であった東京近郊の鉄道関係展示施設をいくつか訪問してからチェックインすることにした。
【過去のシリーズ】
「駅舎に泊まる」旅 Part1(田川伊田駅編)
「駅舎に泊まる」旅 Part2(高野下駅編)
「駅舎に泊まる」旅 Part3(平岡駅編)+とにかく特急に乗るだけの旅
Part4(東海編)
「駅舎に泊まる」旅 Part4(比羅夫駅・阿仁前田温泉駅編)
「駅舎に泊まる」旅 Part5(天塩弥生駅編)
「駅舎に泊まる」旅 Part6(二俣本町駅編)
「駅舎に泊まる」旅 Part7(日田駅編)
「駅舎に泊まる」旅 Part8(尾道駅編)
@東京駅にて
■2022.12.2
最初に向かうスポットは、東京から外れて神奈川になってしまうが、ロマンスカーミュージアムである。小田急で向かうのが当然早くて安いが、今日は青春18きっぷを利用するため、JRの乗り継ぎである。
まずは、今日の宿泊先である東京駅に向かった。翌月曜日から出張があるため、大きな荷物を預けるためである。
@東京駅ドーム(今日はドームが見える部屋に泊まる)
9時02分発の東海道線に乗り、茅ヶ崎で乗り換えて海老名へ。小田急の海老名駅と隣接するロマンスカーミュージアムまでは、歩いてすぐである。
900円の入場券を買い、館内へ。各種ロマンスカーが展示されているのは知っていたが、旧車も展示されていた。
@このような車両も
順路通りに進み、ロマンスカーが展示されているゾーンに移動した。新旧様々な車両が展示されているが、ここに写っている3両で言えば私が乗ったことがあるのは一番手前だけである。車内に入ることができる車両もいくつかあり、展望車両の先頭部分などは子どもたちに人気のようであった。
@各種勢揃い
車両が展示されているフロアから一つ上に移動すると、ジオラマの展示である。通常はジオラマなどあまり興味を示さないが、ここの展示はかなり規模が大きく、電飾なども奇麗であり、「これならちょっと模型を運転してみたいな」と思う内容であった(子どもが行列していたので、私は遠慮)。
@その一部
見学後はJR駅に戻り、11時25分の列車に乗車。橋本と八王子と立川で乗り換え、青梅へとやって来た。次の目的地は、ここから徒歩15分くらいの場所にある青梅鉄道公園である。小高い丘の上にあるため、最後は階段の連続であった。
たった100円の入場料を払い、園内へ。建物がある周囲には、7両のSLと各1両の機関車と電車が展示されている。
@旧車あり
そこから一段下がったところに降りると、0系新幹線が展示されている。車内に入ることが可能であり、もちろん運転席にも上ることができる。
@懐かしい
屋外に展示されている車両を見た後は、建物内の展示を見学した。ロマンスカーミュージアムに比べればかなり規模は小さいし古いが、地域密着で地味に頑張っている雰囲気はある(家族連れがたくさん来ていた)。
@個人的に気になる展示
青梅駅に戻ってJRに乗り、立川で乗り換えて国立へやって来た。次の目的地は、ひかりプラザ(新幹線資料室)である。国立駅から10分弱歩き、目的地に到着。0系新幹線はついさっき見たばかりであるが、どうせ東京駅に戻るルートの途中にあるので、寄ることにした次第である(ある意味、東京駅を象徴するような車両なので、2度目の登場でも良いこととしよう)。
@また0系
車内にある展示を見たり運転席に上がったりしてから、隣接する建物にある鉄道展示室を見学して、国立駅に戻った。
中央線に乗り、東京駅へ。やっと東京ステーションホテルへ、となる前に、東京ステーションギャラリーに寄ることにしている。私は美術には疎いが、ちょうど「鉄道と美術の150年」という企画展をやっており、これは訪問必須である。
株主優待で半額の700円で券を購入し、作品を見学した。
@パンフレットなど
館内には、様々な鉄道関連の絵画や写真などが展示されていた。赤松麟作の「夜汽車」などは美術の本などで何回か見たことがあるが、予想以上に大きなサイズであった。
なお館内の作品は当然撮影不可であるが、ドームの2階部分にある展示数点は撮影可能である。
@一例
時刻は17時頃となり、やっと東京ステーションホテルである。
フロントに行って手続きをし、係員に案内されて部屋に向かった(ここがビジネスホテルとの違い)。なお今回はドームが見える部屋にしているが、北側のドームのようである。フロントは駅舎の南側にあるため、長大な廊下を歩き続けて突き当りまで進んで行った。フロントから自室までの距離としては、過去最長であろう。
@今日の部屋
部屋自体は驚くほど広いわけではないが、天井が高いため圧迫感はない。
寝室の横には、大きな風呂と洗面所がある。アメニティなど多種多様でたくさんあるが、私が使うのはその一部だけであろう。
@豪華
カーテンを開けると、ドーム内を見下ろすことができる。1階には券売機や改札があり、2階はミュージアムの外部展示部分(先ほど歩いたばかり)、そして3階がホテルの部屋となっている。
@この角度で見るのは初めて
引き出しを開けてみると様々な資料などが入っているが、コースターや絵葉書もあったので、これはお土産として持ち帰ることとした。無料のミネラルウォーターのペットボトルやドリップコーヒーも、ホテルオリジナルである。
@無料のものは頂く
さて、自室の確認が終わった後は、館内の探索である(それ用のパンフレットもフロントでもらっている)。
長大な廊下の各所には、鉄道関係の写真やポスター(の縮小版)や資料が掲示されている。また、南北のドームには、東京駅に関連する資料が掲示されているバルコニーが設置されている。
@バルコニーの一例
上述した通り、建物(駅舎)自体が横長(南北に長い構造)であるため、2階と3階の廊下は非常に長大である。迷わなくて済むように、エレベータのある場所はライトの色が少し違っている。
@これでも半分の長さ
3階の探索を終えて、続いては2階である。このフロアには、松本清張が良く宿泊したという2033号室(当時の209号室)がある。ホテル全体が改修されていて当時の雰囲気は残っていないが(窓からもホームを見渡せなくなっている)、廊下に飾ってあったものは小説「点と線」が掲載されている雑誌と時刻表であった。
@当時を偲ぶ
さて、探索はこのくらいにして、続いては夕食である。「夕食も豪華にホテルで」となると軽く1万円は超えてしまうし、それに加えてがっつり呑んだりすればさらに高額になってしまう。ということで、これは諦めることにした。
かといっていつもと同様の安食材では面白くないため、今日は東京駅らしく「東京弁当」を買ってある。1,850円となかなかの額なのでいつもは手が出ないが、その掛け紙からしても、今日にふさわしい駅弁であろう。
@記念掛け紙
追加の総菜と共に酔いどれてから、就寝。
■2022.12.12
5時前に起床。ドーム内を見てみたが、人は皆無であった。初めて見る景色である。
あれこれPCで作業をしてから6時半に4階にあるアトリウムに向かった。ここが朝食会場となる。
@豪華絢爛
朝食は、ブッフェスタイルである。ビジネスホテルでの朝食であれば「とりあえず端から順に少しずつ」みたいにするが、今日はとてもそんなことができないくらい多種多様の料理が並べられている。大食漢であれば「数往復チャレンジ」となるが、そもそも私は朝食がなくてもいいタイプである。とりあえず、いくつかをお盆に並べて自席で頂いた。
@少しずつ
注文すれば調理してくれる卵料理などもあったので、あれこれ試したかったが、朝からこれ以上は無理である。
そのうち係員が飲み物の注文を取りに来たので、コーヒーを注文した。ケーキがあったので「これは別腹か」と思ってそれを取ったが、あれこれ見ていると先ほどはなかった「鰻のせいろ」があるではないか。ついそれも取ってしまい、うなぎ+ケーキという謎の締めになった。
@食べ過ぎ
朝食を食べ終え、自室へ。チェックアウトは12時まででありもう少しゆっくりしたいが、今日はこれから出張があるためもう出掛けなければならない。7時15分頃に部屋を出て、フロントまで延々と歩き(北側の部屋に滞在する人は、急いでチェックアウト時は要注意である)、そして東京駅からJRに乗って出張に出掛けた。
@今日は東京駅から出勤