【大人の社会科見学D】新幹線浜松工場見学ツアー(おまけで特急「おうめ」)

■はじめに
 鉄道関係の見学会等に参加してみるこのシリーズであるが、今回はJR東海が主催するツアーであり、正式名称は「浜工団体専用新幹線で行く! JR東海浜松工場へGO」というものである。メインとなるのはドクターイエロー(新幹線の「電気軌道総合試験車」)であるが、それ以外にも、以下のような内容がある。

・「日本一短い?新幹線」の展示
・下から新幹線を眺めよう!
・横に動く新幹線を見てみよう!
・普段は見られない保守用車両を見学

 復路では弁当とバニラアイスが付いて、指定席利用の場合は26,500円。浜松までの往復新幹線(指定席)が含まれているとはいえ、それを差し引いても1万円弱の料金であるから、弁当が付いているとはいえ見学会としてはなかなかのお値段である。しかし、無料の見学会などは大混雑が必須であるから(ネットでの情報によると、博多での見学会はとんでもない行列であったらしい)、落ち着いて必ず見学できるという意味では、これくらの出費は仕方ないのであろう。
 おまけとして、翌週に乗車して来た臨時特急「おうめ」(奥多摩行)についても触れておきたい。

・過去のシリーズ
【大人の社会科見学@】新幹線車両基地見学ツアー
【大人の社会科見学A】貨物線乗車体験ツアー
【大人の社会科見学B】会社線車両基地見学ツアー
【大人の社会科見学C】立山カルデラ砂防体験学習会


@浜松工場にて

■2023.10.22
 5時台に家を出て最寄駅から乗り継いで、6時半頃に東京駅にやって来た。
 新幹線の切符は、事前に郵送されてきている。通常のツアー用切符(自動改札が通れない)は横長が多いが、今回の切符は通常の切符と同じ大きさである。しかし、有人改札しか通れないという点では、やはりツアー用の切符である。

@うっかり自動改札に入れてしまいそう

 出発一覧の電光掲示に当該列車が載っていなかったので、改札を通る際に駅員に番線を聞くと「15番線」とのこと。一覧にはなかったが、15番線のホームには「団体」が表示されていた。しばらく待っていると行先票が「団体」となっている新幹線が入線してきたので、早速乗り込んだ。

@団体

 周囲を見渡すと、やはり家族連れが多い。小さな男の子が多く、ドクターイエローの玩具を手にしている子もいる。
 私は幸いにも窓側(A席)であったが、出発前になってC席に座る人が来た。今日は、浜松工場に入線する際に「新幹線が踏切を通過する」という場面があるため、窓側であることはかなり重要である(乗客がいる車両は限られている=無人の車両もあるので、全員窓側にしてもいいのに、と思うが)。
 定刻の6時54分に東京を出発。車内では、ドクターイエローの見学時間が指定された紙とパンフレットが配布された。

@見学は9時25分から

 8時07分に浜松に到着。事前郵送されている行程表によると浜松工場到着は9時15分であるから、この先の移動が気になるところである。
 同駅を8時13分に出発し、しばらくすると本線から分岐して側線に退避した。ここで折り返して、工場へ向かうこととなる。
 側線に停まった時点で8時18分であったが、折り返しがなかなか出発しない。その間に、多数の新幹線に抜かれたりしていった。

@退避中

 8時38分、やっと動き出した。本線から分岐し、住宅街の中を走っていく。本線走行時は子どもに朝食などをあげていた「良きパパ」たちも、分岐線に入ると子どもほったらかしで動画撮影などに夢中になっているのが面白い。
 超低速で10分ほど走り続けると、新幹線で唯一の踏切を通る。私の席は窓側であるが、この時間帯は超絶逆光である。隣の3号車が無人であったため、そちらに移動して撮影することにした。
 乗客が乗っている新幹線がここを通るのは珍しいため、今日は外にも「撮影部隊」がいた。

@新幹線が踏切を通る

 8時57分、浜松工場の検修庫3番線に入線した。下車の準備を待つ間に復路用に座席を回転させてしばし待ち、9時03分にやっと下車することができた。
 新幹線関連のツアーはこのシリーズの1回目に参加しているが、その時は車両基地内については車内からの見学であったため、駅でない場所で下車するのは今回が初めてである。

@初下車

 私は4号車にいたが、下車する乗客としては一番手であった。まずは、ドクターイエローのところへ。人が多くなると車両だけの撮影が難しくなるため、人が少ない時点での撮影をするためである(最近は、画像処理をしないと人々の写真も掲載できないので)。

@我先に

 続いては、その隣にあった「日本一短い?新幹線」である。通常の1号車と16号車だけを連結させたものであるが(表紙写真)、もちろん今回のために特別に(意図的に)繋げられたものである。動力車両がないため(パンタグラフがない)、これだけでは走ることもできない。
 こちらも、人が少ないうちに撮影することができた。

@展示用

 私に割り当てられているドクターイエローの見学時間は9時25分からであるが、まだ少し時間がある。そこで一番近い検修庫に行ってみると、連結器部分を開けた状態の新幹線が係留されていた。JR東日本では、例えば「はやぶさ」と「こまち」の連結があるため珍しくはないが、JR東海の車両ではあまり見ることができない光景である。

@16両以上に連結しませんから

 指定された時間となったため、ドクターイエローの車内見学へ。今回は時間削減のため、車内での写真撮影はできないし、観測ドームや運転台への立ち入りもできない。まさに「見るだけ」であるが、希少な機会であるから、目に焼き付けて置くだけである。

@先頭部分にあるカメラ

 続いては、保守用の特殊車両の見学である。
 1番手は「入換動車」。読んで字のごとく、新幹線車両を入れ換えるために使う車両である。バラバラになった新幹線車両は単独では動けないため、これで牽引して工場内を移動させるのである。

@入換動車

 続いては「クレーンワゴン」。これも読んで字のごとく、クレーンを掲載している車両である。架線用の電柱などの重量物の取り換え作業をする際に、活躍する車両である。

@クレーンワゴン

 そして最後は「確認車」で、これも読んで字のごとくである。多数のライトがあることからも分かるように、始発列車の前に走行して、線路上の状況を確認するための車両である。

@確認車

 その後は、一番端の庫に行き、一段低くなっている通路を歩きながら新幹線車両の見学である。車軸目線で見ることができるため、普段は見ることができない連結部分なども見ることができた。

@台車を下から

 続いては敷地の一番奥に行き、新幹線が横に移動するのを見学である。「トラバーサ」というもので、新幹線車両を横に移動させて敷地内を移動させるものである。今日は、30分に1回ほどこれが実施されている。

@意外と速い

 といった塩梅であれこれと見学。帰路の集合時間は11時35分であるが、11時過ぎにはもうすべて見終えてしまったため、自席に戻ってしばし休憩である。
 11時40分にドアが閉まり、12時05分にやっと動き出した。工場で説明等をしてくれた職員等がお見送りをしてくれている。
 踏切を渡って進んで行ったが、待避線にはなかなか辿り着かない(長時間停車である)。その間に、配布されていた弁当を食べることにした。

@おむすび弁当

 12時32分に、やっと本線に沿う側線に到着。そこでまた長時間停車して12時55分に動き出し、12時59分にやっと浜松に到着した。
 同駅を13時08分に出発。浜松工場から浜松までの所要時間は1時間19分であったが、浜松から東京までも旅程上は1時間19分である。
 そして最後は、新幹線で一番有名といっても過言ではない、あのカチコチのアイスクリームである。

@締めの一品

■2023.10.28
 臨時特急列車「おうめ93・94」号は、「青梅線 秋の陣!」の一環である「酒の陣」として運転されるもので、「新酒・もみじ回廊号」という名称が添えられている。特別な車内放送やクイズ大会、グッズのプレゼントが行われるという。青梅線で特急に乗ったことはないため、今回乗車してみることにした。
 最寄りのJR駅で「休日おでかけパス」を買い、武蔵浦和で埼京線に乗り換えて新宿へ。9時頃に到着したが、列車の出入りの激しい新宿駅ではまだ目的の特急は入線していなかった。
 待つことしばし、9時16分発の特急「おうめ93号」が入線してきた。

@短い編成

 山ほど特急列車が発着する新宿駅であるが、この車両が出入りするのはあまり多くないし、それに5両編成であるのが特異である。駅のアナウンスでも、ホームの南側まで車両が来ないことを案内していた。
 早速車内へ。今日はほぼ満席ということで、私の隣も他の人が座っていた。
 定刻に出発。中央線快速の合間を走るため、あまり高速で走ることはできない。
 立川を出発すると、色々な案内一式が配布された。

@一式

 今日は車内販売があるということだが、なかなか回ってこない。何かを購入すると記念の硬券がもらえるということなので、たくさんの人が利用しているのであろう。
 青梅線内に入ると、さすがに景色も長閑になってきた。車内販売は相変わらず来ないが、その前に記念品が配布された。

@記念品

 青梅線内でも停車駅があるが、本来は4両編成がデフォルトであるため、短い5両編成の特急でも1両ははみ出てしまう駅もあった。
 10時35分に沢井を出発して、終着の奥多摩までもう20分程度であるが、車内販売がやっと回ってきた。私は収集癖がない(硬券がなくてもいい)からスルーしたが、それ欲しさにビールやお菓子を買っている人もいた(終着まで時間がないため、買ったものを飲み食いせずにバッグに入れる人多数)。
 定刻の10時55分、奥多摩に到着して、臨時特急の旅は終了である。

@歓迎の横断幕

 さて、奥多摩が目的でここまで来たわけでもないので、11時00分の列車でとんぼ返りである。臨時特急の名称「新酒・もみじ回廊号」にあやかって、新酒巡りの実施である。
 先ほども停車した沢井で下車して、歩くこと5分程度、造り酒屋に行き、飲食ができる場所を確保して一献である。新酒の直詰めと、ホルモンを購入したのであるが、川沿いの一番良い席が偶然空いていたので、そこを確保して「新酒」だけでなく「もみじ」も遂行である。

@美味しく頂く

 300ml全部頂いたので、もうほろ酔い気味である。その足で対岸にある寺に行ったりしてから、沢井駅まで戻った(駅まではかなりの急坂である)。
 12時27分の列車に乗り、続いての目的地は国分寺である(アルコールの影響で、車内ではかなり寝てしまったが)。
 無事に国分寺で下車。その理由は、イベント「酒の陣」に関連して、ここでも「国分寺でカンパイ! 青梅線ほろよいフェ酒ティバル」が行われているからである。

@ここにも先ほどと同じ酒蔵が

 さて、後は家に帰るだけであるが、休日おでかけパスを使って少し寄り道をすることにしている。
 立川に戻り、南武線に乗り換えて武蔵小杉にやって来た。目的は、今年3月に開通した相鉄・東急直通線に乗るためである。
 私は日本国内の鉄道全線に乗車しているが、それは完乗が目的ではなくて、旅行好きが高じて結果的にそうなっただけである。よって、新線が開通しても乗るためだけに訪問することはしないが、しかし、「全線完乗」ではない状態になってしまう。それが気持ち悪いため、今日の機会を利用することにしたのである。
 ということで、乗車はあっさり終了し、その後はJRで戻るだけである。

@「完乗」に戻りました

 

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