【大人の社会科見学A】貨物線乗車体験ツアー

■はじめに
 鉄道愛好者向けのツアーに参加をするこのシリーズであるが、今回の内容は、通常では乗車できない数本の貨物線に乗車するものである。ツアーの正式名称は「国鉄特急型電車『185系』で満喫夏休み 首都圏ぐるり旅 新宿発品川行き(新金線・武蔵野貨物線・東海道貨物線)」であり、かなり長い。表題にある貨物線などを経由し、千葉や熱海方面へも行くものである。また貨物線を走るだけでなく、通常は停車しない場所(田端操車場や新小岩操車場など)に進入するのも売りのようである。弁当や記念切符が付いて、窓側席で28,000円也。
 問題は、「旅行記に仕上げられるか」という点である。車窓として見える景色は、いつもの「首都圏の町並み」である。通常は旅客列車が走らない貨物線にしても、その希少性の雰囲気は写真にすることができない。いまいち臨場感のない旅行記になってしまいそうで、そこだけが心配である。

@吉川美南駅にて

■2022.8.27
 集合場所は新宿駅(新南口)であるため、8時頃に到着するように向かった。指定された場所に向かい、健康チェックシートを渡して検温されて、そして資料一式を受け取って受付手続きは終了である。案内文以外に、今日の時刻表と、参加証と記念切符(硬券)2枚が付いている。

@一式

 この時点で8時過ぎ。列車の入線時刻は8時35分で出発は8時57分であるから、まだまだ時間がある。
 それにしても、新宿駅自体はたまに来るが、「新南口」に来ることは珍しい。適当に散策すると、suicaペンギンの銅像に行き当たった。こんなものがあるとは。

@知らなかった

 することもないので有人改札を通って中に入り、店舗がたくさんある南口方面に行ってあれこれ買い込んだりしてから、今日の列車が入線する6番線へと向かった。
 ホーム上は、撮影目的の人で大賑わいである。予定された8時35分、6両編成の185系が入線してきた。

@敢えて側面の写真で

 あれこれ撮影をしていると、行先票がぐるぐると回り始めて、様々な行先が現れてきた。特急「踊り子」はもちろんのこと、ホームライナーや快速、普通も混ざっている。これは、サービスの一環であろう。

@185系が小山に!

 反対側の先頭車両に行ってみると、ヘッドマークも回転中であった。こちらについても、特急「踊り子」はもちろんのこと、「臨時特急」や「臨時快速」など多種多様である。最終的には、今日の仕様である「団体」に落ち着いた。

@やはり「踊り子」の印象が強い

 8時45分頃にドアが開いたので、早速車内へ。国鉄型の特急に乗るのは久々である。
 なお今回の参加費は冒頭に示した通り28,000円であるが、1人参加で通路席であれば20,000円である。ただやはり、通路側を買っている人はいないようであった(通路側に座っているのは、2人以上で参加している人達だけのよう)。

@今日の席

 定刻の8時57分、新宿を出発した。山手線の各駅を通り過ぎていくが、それぞれの駅で撮影目的の人がたくさん待ち構えている。
 最初の目的地は田端操車場であるが、そのまま進入することはできない。上中里を過ぎた時点まで行き、そこからスイッチバックをして敷地内へと入っていくことになる。

@スイッチバック直前

 一旦停止してからスイッチバックをして、操車場へと入って行った。右手には、前回の社会科見学で滞在した新幹線車両センターがあり、左手には尾久車両センターが見えている。

@変な車両発見

 9時22分、当初予定より12分遅れて田端操車場に到着した。それにしても小さい操車場である。ここで30分以上停車するため、持ち込んでいたPCでこの旅行記を作成したりした。

@停車中(上部で常磐線特急通過中)

 9時54分、予定通りに田端操車場を出発した。しばらくはゆっくり走るが、いつもと違うのは「踏切が多い」という点である。
 その後は常磐線と合流して、金町へと向かっていった。

@綾瀬で小田急(ロマンスカー)発見

 10時10分、2分遅れで金町に到着した。ここから貨物線(新金線)に入るが、その前にまた40分ほど停車である。ということで、PCを起動させてこの旅行記の作成である。
 旅行記も追い付いてきてしまい(?)、10時半過ぎからは新宿で買っておいた品で一献の開始である。

@結局呑む

 ビールはすぐに消えてなくなり、缶チューハイに移行したところで、定刻の10時52分に金町を出発した。
 実は私は松戸市民であり、通勤の経路に京成本線が含まれている。7年前に引っ越してきたのだが、通勤時に変な路線(単線なのに電化されている)が交差しているのを発見して、そして情報を調べたのがこの新金線なのである。これまで何度も跨いで来たが、初めてそこを乗り通すことができる。
 さすがに貨物線だけあり、踏切が多い。この路線を旅客化しようとする動きもあるらしいが、この踏切が問題であるという。そして今日は、沿線の撮影者も多い。
 京成本線の下を潜り、新小岩操車場に行く手前で川を渡るが、巨大な橋脚が残されていた。鉄橋の付け替えをしたことがあるのか、それとも複線計画があったのか。

@知りませんでした

 11時02分、新小岩操車場に到着した。ここで22分ほど停車するが、その間にツアー用の弁当が配付された。オリジナルの掛け紙付きである。内容は、揚げ物など意外にがっつり系であった。

@こんな内容

 シュウマイと弁当と酒を平らげ、定刻の11時24分に新小岩操車場を出発した。ここからしばらくは、通常の路線を走るだけである。酒の影響もあって、少しウトウトとしてしまった。
 総武本線から外房線に入り、12時05分に到着した誉田(ほんだ)で折り返す。同駅を12時15分に出発した。
 蘇我から京葉線に入り、西船橋からは武蔵野線に入った。しばらくすると東松戸を通過する。こんなことを書くと個人情報のバラマキであるが、実はこの辺りは私の近所である。東松戸駅は「一番の最寄駅」ではないが、この駅に近いスーパーは週末に良く利用するし、JRで常磐線や東北本線を利用する場合は、この駅から旅行をスタートすることが多い。

@ご近所通過中(北総線の駅)

 見慣れた風景の中を走り去り、13時25分に吉川美南に到着した。ここで20分停車するが、ドアも開いてホームに降りることができる(下車できるのは、吉川美南と熱海だけ)。ということで、早速下車して撮影である(表紙写真)。
 ホーム上の行先案内が特別版になっているというアナウンスがあったので、それも撮影である。

@文字が入り切らない

 暑かったのでホームにあった自販機でアイスを買ったりして時間を潰してから、同駅を13時45分に出発した。その後しばらくは、通常版の武蔵野線である。
 通常版でなくなるのは、14時38分に府中本町を過ぎてからである。武蔵野線は西船橋から鶴見までの路線であるが、府中本町から先は貨物専用であり、旅客列車は通らないのである。
 府中本町を通過してしばらくすると、左手に南武線が分岐していく。ここから先は、当然初乗車である。

@これは南武線(私は貨物線へ)

 始めて乗車する区間であるが、残念ながらほとんどがトンネルである。長大なトンネルを15分以上も走り続け、やっと抜けたところで左手に見えて来るのが梶ヶ谷貨物ターミナルである。たくさんのコンテナ等があったが、「川崎市専用」が謎であった。

@川崎市専用コンテナ

 その後も別の長大なトンネルを抜け東海道本線に近付き、辿り着いたのが鶴見である。機関車がたくさん係留されているが、超絶逆光で撮影は難しかった。

@無理やり

 鶴見を15時24分に出発。相鉄線との乗り入れが始まった羽沢方面に行くが、今回は羽沢以降も貨物線を走り続け、小田原までそれが続くこととなる。
 トンネルを走り抜け、東戸塚以降は東海道本線とほぼ並走する。違いは、こちらの路盤には駅が近付いてもホームがない、という点である。

@沿線風景

 走っている路盤が違うとはいえ、沿線風景は東海道本線とほぼ同じである。ひたすら快走し、小田原の手前で東海道本線に合流した。
 その後も快走し続け、左手に海も見えてきて、16時34分に熱海に到着した。ここで折り返すが、停車時間は50分弱あるため、いったん車外に出なければならない。というか、後はひたすら帰るだけであるため、貨物線の旅はほぼ終わったようなものである。

@お疲れさま(「回送」になった)

 駅付近を適当に散策。普通のお土産はあまり惹かれなかったが、「村の駅」なる店舗で地場産のしいたけとキクラゲを購入。ホームへと戻って列車に乗り、予定より1分遅れの17時24分に熱海を出発した。
 19時03分、品川に到着して、貨物線の旅は本当に終了である。

@東海道本線並走中

 

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