【大人鐡40】えちごトキめき鉄道「乾杯!! 納涼急行」編(おまけで関東鉄道「ビール列車」も)

■はじめに
 食事付き観光列車に乗るこのシリーズであるが、今回は「えちごトキめき鉄道」の「乾杯!! 納涼急行」である。えちごトキめき鉄道に関しては雪月花に乗ったことがあるし(拙文「【大人鐡F】えちごトキめき鉄道『えちごトキめきリゾート雪月花』編」参照)、昨年の11月には「バル急行」にも乗っており(拙文「【大人鐡30】えちごトキめき鉄道『バル急行』編」参照)、特に後者は、使っている車両(455系・413系)や内容(呑み放題)という意味では、今回の列車とほとんど似ている。
 同じ観光列車には乗らないことにしているのだが、なぜ今回この列車に申し込んだのかというと、申し込み時点で「7月末から8月2週目まで、3週連続して週末の予定がない」という状態であり、「ほとんど同じだけど、もう申し込んでしまえ」となったのである。一式で、6,800円也。
 その後、前の週に小湊鉄道の「夜トロビール列車」に乗ることになったのだが、だからと言ってこの列車をキャンセルする必要もない。青春18きっぷが使える期間であるから直江津までの移動は最小限の経費で済ませられるため、せっかくであるから訪問することにした。

 おまけとして、この旅行の2週間前に乗車した関東鉄道の「ビール列車」についても追記しておきたい。
 ビール列車については昨年の10月に、この「大人鐡」シリーズの27回目として乗車している(拙文「【大人鐡27】関東鉄道『ビール列車』編(おまけで「急行夜空」号も)」参照)。よって再乗車したところで目新しいものはないのであるが、ここで契機となったのが地域の旅行割引である。「コロナ感染者増加により国の旅行支援が延期」→「いば旅あんしん割(千葉県民も使える)が8月末まで延長」という流れがあり、ビール列車の場合「定価6,000円−あんしん割3,000円」で3,000円となり、そして地域クーポン券が2,000円もらえるため、実質1,000円なのである。特製弁当+ビール(や缶チューハイ)呑み放題+一日乗車券が付いてこれであるから、つい申し込みをしてしまった。

 今回の旅行記で紹介する観光列車は、いずれも呑み放題の列車である。間に挟まった小湊鉄道の「夜トロビール列車」も同様であったため、結局、「3週連続予定がない」どころか、「3週連続で呑み放題」となった。


@直江津駅にて

■2022.8.13
 週末にかけて台風が近づいていて関東にも直撃する予報であるが、それから逃れるような旅程になっている。青春18きっぷを使用してひたすら直江津へ向かうが、それだけでは早く着いてしまうため、土合で途中下車をすることにしている。
 早朝に家を出て、各駅停車を乗り継いで高崎までやって来た。少し時間があったので改札の外に出てみたが、面白いものを配布中であった。「1つ持って帰ろうか」と思ったが、使い道が思い浮かばずに断念(帰り道だったらもらっていたかも)。

@切符の芯

 8時23分の水上行に乗り込み、水上で長岡行に乗り継いだ。
 水上を9時44分に出発し、湯檜曽を過ぎてトンネルに入ってしばらくすると土合である。ここ土合駅は「モグラ駅」としても知られており、下り線(註:鉄道としての「下り」であり、勾配としては上っている)のホームが地中深くにある。よって駅舎に行くためには、400段以上の階段を上がらなければならない。

@モグラですから

 それにしても、ホーム付近は凍えるような寒さである(まさに天然のクーラーだが、効き目はクーラー以上である)。下車した乗客はほとんどいないが、ホーム上は10人以上の観光客で賑わっていた。彼らは、自動車で来ているのである。
 必死になって階段を上がり、駅舎へと向かった。かなり疲れるし、上に行けば行くほど気温も暑くなってくる。10分以上かけて、待合室に辿り着いた。
 さて、ここで疲労を慰めてくれるのが、高崎で買っておいた駅弁である。

@定番

 弁当を食べ終えてからは、近くにある砂防堰堤を見に行ったり、駅近くにあったドライブインに行ったりして時間を潰してから駅に戻って来た。
 なおこの土合駅舎であるが、カフェとして再活用されている。営業は11時からということなので、「ビールくらい飲んでいくか」と思ったが、今日はテイクアウトのみの営業のようであった。

@趣あり

 階段をひたすら降りて、11時49分発の長岡行に乗り込んだ。トンネルを過ぎると、台風の影響がまったくない晴れ間となった。
 長岡では接続が悪く1時間以上も調整し(すぐに接続する特急列車はあったが、ご存じの通り青春18きっぷでは乗ることができない)、長岡発14時44分の列車に乗って直江津に向かった(16時13分着)。
 いったん安ホテルに荷物を置いて、風呂に入ったりしてから再度駅にやって来た。改札付近にある臨時受付にて、納涼急行の資料を受け取った。

@今日の案内

 改札を通ってホームへ降りてみると、列車はすでに入線していた(表紙写真)。早速車内へ。私の席はロングシート+会議用の机であるが、今日はただ呑んでいるだけであるからこれで問題はない。恐らく、ボックス席の乗客は「朝から晩まで455」などの企画で乗車しているようである。なお、今日はこの鉄道会社の名物社長も同乗している模様。

@車内の様子

 机の上には、特製弁当と団扇、そして最初の1杯である缶ビールが置かれている(その後、乗車記念カードも配付された)。今日の弁当は地元の料理屋「汐路」さんが担当とのことで、掛け紙もこの列車専用となっている。

@掛け紙

 まだ列車は動いていないが、隣の2号車ではすでに酒盛りが始まっている。ということで、私もフライングで始めてしまうことにした。
 早速弁当の蓋を開ける。見るからに海鮮尽くしであり、料理に関しては昨年乗車したバル急行よりもこちらに軍配を上げたい。大小の巻貝類や寿司数種、そして蟹も多数ある(左上にあるのはエビフライではなくて、カニフライである)。

@かなり豪華

 定刻の17時45分、数人の関係者に見送られて直江津を出発した。
 さて、後はひたすら呑み続けるだけである。難儀するのは、やはり蟹である。食べやすくなるように切り目も入れられているが、できれば胴体の部分も奇麗に食べてしまいたい。専用の蟹スプーンがないため、割りばしやカニの爪の先を使って必死に穿り返し続けた。

@食べて呑むだけ

 17時58分、有間川に到着した。オーシャンビューの駅だからこその停車であるが、この時点になって大雨が降って来てしまった(台風のせいで不安定な天候となっている)。海側のホームまで行く気になれず、仕方なく望遠を使用して撮影するだけである。

@無念

 同駅を18時10分に出発。蟹と格闘しながら、ひたすら呑み続けた。ビールは3本くらいで見切りを付け、続いては日本酒である。前回同様のワンカップであったが、えちごトキめき鉄道特別デザインであった。

@こんな感じ

 前回乗車時も説明のあった「デッドセクション」を経たりして、18時36分に糸魚川に到着した。ここで8分ほど停車し、折り返しはどこにも停まらず30分強で直江津に戻る旅程となっている。
 復路内では、駄菓子のセット、冷凍みかんが配付された。また小さな神社も周って来たので、賽銭を入れて記念カードを頂いた。そしてひたすら、日本酒のお代わりである(4本くらい呑んだかも)。

@駄菓子

 19時15分、直江津に戻って来た。大雨の影響で北陸新幹線も運転を取り止めているということで、雨雲の位置があと少し違っていたらこちらも危ないところであった。

■2022.8.14
 今日はひたすら帰るだけである。最初に乗車するのは快速の長岡行であるが、駅に行って見ると待ち構えていたのは特急用車両であった。これは儲けものである。ちなみに、グリーン車は使用不可とのこと(その理由は「通路扱い」ということで、面白かった)。

@特急「いなほ」用

 定刻の7時17分に出発。小さい駅を飛ばして快走するし、しかも特急用車両であるため快適である。乗客も少なく、私がいる6号車は私だけで独占である。
 という塩梅で順調であったが、大雨の影響で信越本線が不通となっているということで、途中で止まってしまった。不通になっているのは長岡よりずっと先であるが、不通が影響して長岡駅のすべてのホームに列車が停まっていて入線できないという。仕方ないが、急ぐ旅ではないから待つのみである。
 結局、長岡到着は定刻から32分遅れた8時53分であった。遅れがあと5分短ければ、「宮内で下車して上越線に乗り換え」も可能であったが、こればかりは仕方がない。

@文章が長くなってきたので、直江津で買った地元のパンを紹介

 しかし長岡駅で降りてみると、電光掲示板に「8:37水上」が残っているではないか。駅員に聞いてみると、上越線自体は定時運行だが、車両運用の関係で出発が遅れているという(信越線方面から来る車両が宛がわれる予定)。であれば、次の10時34分発まで待たなくても、待合室にいれば8時37分発の列車が動き出すかもしれない。
 ということで、待合室でしばし待機していると、9時半頃にアナウンスがあり、そして9時39分に無事に長岡を出発した。待機作戦、無事成功である。
 水上・高崎・新橋でひたすら乗り継いで、やって来たのは竹芝客船ターミナルである。というのも、来週は夏休みを使って初めて小笠原に行くことにしており、そのためのPCR検体を提出に来たのである。無事に行けますように。

@祈願

■2022.7.31
 前回ビール列車に乗ったのは10月半ばであるが、季節外れの寒さで震えるくらいであった。今日は猛暑日が予想されており、ビールを飲むという意味では最適である。
 大汗をかきながら最寄駅へ向かい、新松戸で乗り換えて関東鉄道との接続駅である取手に向かった。しばし取手駅付近の観光をしてからスーパーで持ち込み用食材を買い、関東鉄道の取手駅へと向かった。今日のビール列車は守谷駅出発であるが、取手駅の改札では「ビール列車に乗ります」と言うだけで通ることができる。

@まずは普通の列車で守谷へ

 11時49分発の列車で守谷へ向かい、12時07分に到着した。ここでも「ビール列車」の一言で有人改札を通り抜け、近場に設営されていたビール列車の臨時受付へと向かった。検温と消毒を済ませ、ワクチン3回接種の証明と免許証を見せて、参加費の3,000円を支払い、そしてクーポン券2,000円分を受け取った。日帰り旅行であるため、これは今日中に使わなければならない。

@一式

 列車の入線時刻は12時43分頃ということであるが、駅前広場は酷暑で立っているのも辛いため、近くにあったフードコートに入って涼み、入線時刻直前になってからホームへと向かった。待つことしばし、2両編成のビール列車が入線してきた。

@マークのデザインが変わった

 早速車内へ。私の席は車両端側に近いところであるが、ドアのすぐ横で出入りはしやすい。どうやら、お1人様の参加者が4人集められた一角のようである。
 机の上には、すでに弁当箱と「最初の1杯」が置いてある。弁当箱の表紙は、お品書きも兼ねている。

@これで呑み倒す

 出発予定時刻は12時55分であるが、動き出す前から案内役の「寅さん」(もどき)が音頭を取り乾杯が行われた。
 この列車は持ち込みOKであるため、取手駅前のスーパーであれこれ買い込んでいる。スモークチーズと生ハムまでは前回と同じ内容であるが、美味そうな刺身があったので、それもつい買ってしまった。

@ツマミの山(ほぼ自宅状態)

 あれこれ買い揃えたが、メインは特製弁当である。チャーシューやウインナーなどもあり、ベーコンはつい最近テレビ番組「青空レストラン」で紹介されたものであるという。肉系以外にも、各種フライやサラダ、和総菜などが所狭しと詰められている。

@これまたツマミの山

 定刻の12時55分、守谷を出発した。私のいる車両はお1人様4人以外に、女性の団体様と、カップルが2組ほど乗車している。
 ビールは注文しなくてもどんどん持ってくるため、ペースがかなり早い。しかし大汗をかいた後なので、どんどん呑めてしまう。
 しばらくして、水海道に到着した。ドアが開いただけで熱風が入ってくるほどの酷暑であるが、このくらい暑い方がビールには最適である。
 しばし停車してから同駅を出発。右手の遠くには、筑波山が見えている。

@暑そう

 13時33分、石下に到着した。ここで14分ほど停車(トイレ休憩)である。トイレはまだ行かなくても大丈夫であるが、とりあえずホームに降りてみると、日差しが痛いくらいであった。すぐに車内に戻り、気分転換で缶チューハイを頂いた。
 同駅を13時47分に出発し、13時59分に下妻に到着した。ここで46分ほど長時間停車することになる。いったん下館方面に動き、普段は使われていない番線へ移動した(ここに停車することにより、通常のダイヤを乱すことがなくなる)。

@退避中(左側が定期列車で、右側がビール列車)

 前回訪問時はホーム上で若い女性による鍵盤楽器の演奏があったが、この酷暑ではそれはないようであった。ただし、ガマの油売りの口上をする人は今回も待ち構えていた。
 駅前を散策後は、車内でビールを飲んだり、ホーム上で行われているガマの油売りを聞いたりして時間を過ごした。それにしても暑い。
 14時45分、下妻を出発した。さすがに呑み疲れており、復路ではゆっくりと呑むだけである。

@それでも呑み続ける

 15時44分、守谷に戻って来た。これでビール列車は終了である。
 このまま家に帰ってもいいのだが、せっかく一日乗車券があるので、16時05分発の列車に乗り込んで再度下妻方面へと北上した。呑み過ぎの影響で少しウトウトとしながら、16時52分に到着した騰波ノ江(とばのえ)で下車。目的地は、ここから20分ほどで歩いて行ける道の駅である。
 そこを訪問して、騰波ノ江駅に戻って来た。旧い瀟洒な駅舎である。

@駅名標も味がある

 18時24分の列車に乗り、守谷へ。守谷で取手行に乗り継いだ。
 そのまま家路に…は就かない。というのも、2,000円のクーポン券は今日中に使用しないといけないのである(茨城県内の指定された店舗でしか使えない)。取手駅付近に使える店があればいいのだが、どうにもなさそうである。そこで事前にあれこれ検索し、戸頭駅付近にあるドラッグストアで使用することにしている。
 ということで、戸頭で下車してその店に向かい、ボディーソープなどを大量買いしてからやっと家に向かった。

@もう夜です

 

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