四国満喫、乗っているだけの旅

■はじめに
 「山の日」を含めた三連休、ここに夏季休暇を1日足して四連休にしてどこかに行こうとしたが、詳細が決まらないうちに7月になってしまった。もとより、どこに行くにしても「混んでいる」「(価格が)高い」「暑い」の三重苦である。
 ダメ元と思い、国内の特典航空券を探したが、軒並み×である。移動を前日の夜にしても同様であったが、なぜか8日夜の徳島便だけが空いており、しかも連休最終日(12日)夕方の高松便にも空きがあったので、何も考えず取ってしまった。
 さて、旅程である。あれこれ検索していると、JR四国が「夏休み四国満喫きっぷ」なるものを出しており、4日間乗り放題(特急自由席含む)でたったの13,000円だという(しかもネットで買えて送料無料)。ということで、こちらも何も考えず買ってしまった。
 乗り放題系の切符を使用した四国周遊は過去に何度かやっており、新鮮味はないが、暑い夏だからこそ「乗っているだけ」の旅が成立するとも言える。旅行記にするようなネタはないであろうが、備忘録として残しておくことにした。

@江川崎駅にて

■2019.8.8
 終業後に羽田へ。19時40分発の便は、機材繰りで20分ほど遅れてしまった。徳島着は25分遅れで、バスで移動して22時過ぎに安ホテルに投宿し、安食材で酔っ払ってから就寝。

■2019.8.9
 さて、今日からは4日間ひたすら「乗りまくる」だけである。お盆前の連休ということもあり、また件の切符は座席指定ができないのが気掛かりであるが、なるべく始発駅から乗るような旅程にしてある。
 まずは、7時00分発の「うずしお4号」である。

@逆光

 JR四国の特急は編成が2〜3両程度のものが多いが、この列車は5両もある(本州の特急からすると驚くことではないが、JR四国としては長編成である)。
 定刻に出発。高松が近づくにつれて乗客も増え、私の隣にも座る人がいた。サラリーマンも多いようである(高松で9時に始まる会議にも間に合う?)。
 高松到着8時13分。駅前のスーパーはもう開いているかな、と思って行ってみると、更地になっていた。仕方なく、駅のコンビニで飲料等を購う。
 さて、次に乗るのは8時45分発の「いしづち3号」である。

@電車特急

 もちろん定刻に出発。我々の年代にとって、「JR四国に電車」というのは、まだまだ慣れないものである(私が子供の頃、四国に電化区間は皆無であった)。
 観音寺を過ぎると、所々で海も見えてくる。風光明媚なところであるが、実は仕事で4か月前に乗ったばかりであり、新鮮味は若干薄い。

@しかし奇麗

 松山着は11時15分。ここでは特急「宇和海」には乗り換えず、海線経由でゆっくりと移動することにしている。
 11時40分発の1両編成に乗り込み、定刻に出発。シートがほぼほぼ埋まるくらいの乗客がいたが、伊予市でかなり下車し、海線に入ってからは、最近は観光地としてやたら有名になってきた下灘でさらに下車して、車内は数人だけになってしまった。

@「伊予灘ものがたり」と行き違う

 伊予大洲には13時15分に到着。暑すぎて歩きたくないが、無料の博物館まで行ってそそくさと展示を見て帰ってきた。
 続いて乗るのは、13時58分発の「宇和海15号」である。なんだか、8年前にやった「四国内の特急を乗り尽くす」旅の擦り直し旅のようになってきた。

@続いてはこれに

 振り子式列車に揺られ、14時26分に卯之町に到着した。観光気分になれるような気候ではない(暑すぎ)であるが、このまま宇和島に行っても早すぎるため、ここで1時間ほどプチ観光である。ということで、旧い街並みを歩いてから駅に戻ってきた。
 今日の最後は15時32分発の「宇和海17号」である。宇和島着は、15時51分であった。
 いつもは安食材であるが、スーパーの横に鮮魚店があったので覗いて見たところ、今日はサバの刺身がお勧めだという。それを買い足してみたところ、美味しいのなんのって。

@結果、買い過ぎ(中央右がそのサバ)

 サバのせいで呑み過ぎてから、就寝。

■2019.8.10
 5時半過ぎにホテルを出て、宇和島駅へ。今日はこれから予土線に乗るが、待っていた車両は一部の人には有名な「なんちゃって新幹線」であった(もちろん正式名は別にあり、「鉄道ホビートレイン」である)。雑誌ではよく見ていたが、実際に目の当たりにすると違和感ありありである。

@ついに対面

 定刻の6時04分に出発。前回予土線に乗った時は超ガラガラだった気がするが、連休+特別車両ということもあり、家族連れを含めて10人以上の乗客がいる。
 北宇和島を過ぎて予讃線から分岐すると、すぐに路盤は貧弱になり、これでもかという低速になった。運転席の速度計は、30キロを下回っている。「時速30キロ以下で走る0系新幹線(もどき)」という、なかなかシュールな感じである。敷設工事の開始があと何十年か遅ければ、トンネルと橋を多用して一直線にしたであろうが。
 のんびりと、スマホの「位置ゲーム」をしながら、田舎景色を見続けた。

@「海洋堂ホビートレイン」と行き違い

 土佐昭和を過ぎると、明らかに新しい敷設工事による路盤となり、トンネルと鉄橋を繰り返して一直線に走り続ける部分が多くなった。窪川着は8時09分。
 しばし駅で待ち、続いては「土佐くろしお鉄道」の「四万十くろしおライン」で中村へ向かうこととなる。予土線は「久々」という感じであるが、四万十くろしおラインは「かなりご無沙汰」であり、前回がいつか思い出せないくらいである。
 8時27分に出発。日の当たらない右側に陣取ったが、海が見えると左側や後方に行って眺めたりした。

@後方の景色

 9時24分、中村着。40分ほどで宿毛行と接続するが、それに乗っても宿毛で2時間以上の暇ができてしまうため、中村で2時間ほど観光をすることにしている。なお、理由は後述するが、今日の夜はここ中村まで戻ってこなければならない。
 赤鉄橋や一條神社に行ってから、新しい駅の待合室でこの旅行記を書いたりして、11時34分発の宿毛行に乗り込んだ。

@なんのデザイン?

 30分ほど揺られて、終点から1つ手前の東宿毛で下車した(宿毛駅付近は大型店舗等しかなく、散策しても面白くないため)。
 水路のある街並みを歩き、賑わいのない廃れた商店街を歩く。さて、復路も東宿毛から乗るのが便利であるが、1駅だけ残すのは気掛かりなので、炎天下の中25分ほどかけて宿毛まで歩いた。

@ゆるキャラお出迎え

 12時50分発の列車で中村に戻り、すぐの乗り継ぎで13時24分発の特急「あしずり8号」に乗り込み、高知までは1時間40分の旅である。
 高知では15分の乗り継ぎで、各駅停車の奈半利行へ。行き先が示す通り、途中からは土佐くろしお鉄道の「ごめん・なはり線」に乗り入れるものである。

@1両編成

 定刻の15時19分から3分ほど遅れて出発し、時折右手に海を見ながら奈半利へ。奈半利駅近くのスーパーで夕食材を買って、17時18分発の列車に乗り安芸で乗り継いで高知には18時30分に戻ってきた(何度か乗っている区間であるため、旅行記としてはあっさり省略)。
 程よい時刻であるため、この旅程を組んだ際は高知で宿泊することを想定していた。連休であるが、大都市のビジネスホテルは逆に空いているのが定番である。と思ってネットで検索すると、まさかの空室ゼロであった。もしやと思って行事を調べると、やはり「よさこい祭り」と重なっていた。
 ということで、必死になって探した結果が、中村駅前のホテルである。特急で2時間弱もかかる場所に戻るわけであるが、それはそれ、フリー切符を持っている強みである。乗車している途中で日が暮れてしまうが、夜の一献を車内で始めればいいだけである。
 ということで、駅のコンビニで酒を仕入れてから、18時55分発の「あしずり11号」に乗り込んだ。

@アンパンマン列車

 日が暮れてからは一献を始め、20時48分に中村に到着後は、ホテルに投宿して就寝。

■2019.8.11
 今日は6時08分発の「南風6号」からである。始発駅ということもあり、最前列の座席(前を見通せる)を確保できた。今日もアンパンマン車両である。
 定刻に出発。この区間に乗るのは昨日と今日で3回目であるが、昨日の往路は日差しを避けて左側に座り、復路は日が暮れていたため、今日は今日なりに海の景色を十分に楽しむことができた。

@これぞ土佐

 7時58分に高知に到着。市内を適当に散策して(いつも定番の「はりまや橋」など)、続いて乗るのは9時13分発の「南風8号」である。
 少し早めに並んだため、こちらも最前列を確保である。定刻に出発した。
 まだ朝の中途半端な時間であるが、高知駅で地物の駅弁が売っていたので、つい買ってしまった(3種類あり、いずれも500円以下という、駅弁にしてはリーズナブルな設定である)。それをお供に、大歩危などの景色を楽しんだ。

@安い

 10時19分に阿波池田に到着し、8分の乗り継ぎで「剣山6号」に乗り込んだ。
 それにしても、大歩危や小歩危以外にも見所の多い予土線とは違い、景色がこの上なく地味な徳島線である。せめて、吉野川にもう少し沿って走ってくれれば、と思う。
 徳島にそのまま行っても接続が悪いため、鴨島という駅で降りて「ぶらり」してみたが、見事なまでの「シャッター商店街」であった。開いている店を探す方が大変なくらいである。

@これでも「銀座」だという

 徳島へ移動し、続いては13時30分発の牟岐線海部行である。
 定刻に出発し、のんびりと景色を眺めているうちに、15時38分に海部に到着した。ここで、久々に阿佐海岸鉄道に乗り換える(「四国フリー切符」などではこの鉄道は利用できないが、今回の「夏休み満喫きっぷ」では利用可能なため)。
 しばらく待つと、15時53分発の列車が入線してきた。たった2駅しかない路線なのであるから、もっと接続を良くしたり、直接乗り入れをしたりすればいいのに、と思うが。

@JRと揃い踏み

 定刻に出発。車内には5人ほどの乗客がおり、そのうち数人は室戸方面へのバスに乗り継ぐようであった。
 16時04分、甲浦に到着した。折り返しが16時58分発であるが、この駅周辺には何もないことは前回の訪問で承知済みである。ということで、前回と同じように、片道15分ほど歩いてビーチまで往復してきた。
 駅に戻り、件の列車で海部に戻った。車内は手作り感満載の電飾等があり、あれこれ努力しているようである。

@天の川的な感じ

 甲浦で乗り換え(ここでも微妙に15分の乗り継ぎ時間あり)、17時24分の列車に乗り込み、17時59分に到着した日和佐で下車した。
 なぜ徳島まで行かないのかというと、明日から「阿波踊り」が始まる(混雑している)からである。時刻的にも丁度いいし、駅前に安ホテルとスーパーがあったため、今日は日和佐泊りである。

■2019.8.12
 ここ日和佐で有名なものといえば、やはり四国23番札所の薬王寺であろう。早朝に起き、散策がてらにお参りしてきた。

@せっかくですから

 少しゆっくり目で、7時過ぎにホテルを出て7時13分発の「むろと2号」を待った。いつもなら朝6時台の列車で移動するところであるが、フリー切符を活用するため特急を待つことにしたのである。

@旧型車両

 定刻に出発。自由席から前方の景色を眺めつつ、8時18分に高松に到着し、5分の乗り継ぎで「うずしお6号」に乗り換えた。8時23分に出発したが、ここから先は3日前の繰り返しである。
 9時13分に高松に到着し、各駅停車等を乗り継いで10時40分に琴平に到着した。
 別のホームには、「四国まんなか千年ものがたり」が停車している。三陸への旅行記でも書いたことだが、私もそろそろ年齢的に「フリー切符で乗り放題」は卒業して、あちら(お高い観光列車)に移行しなければいけない。

@そろそろあちらに

 10時59分の特急に乗り、阿波池田には11時21分に到着した。私が想定したミッションは、ここで終了である。

 さてここから先は、同じルートで高松まで戻り、空港連絡バスに乗り継ぐだけであるが、1時間ほど暇がある。ということで、つい1年前に散策したばかりの「うだつがある街並み」などを歩き、スーパーで地場の野菜などを買って時間を潰した。

@おはぎも発見

 

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