【第三セクター応援鐡旅I】関東編

■はじめに
 第三セクター鉄道を「鉄印」「(食べ物などの)消える系グッズ」「その他(駅弁等)」で応援するシリーズであるが、今回は関東の4社(わたらせ渓谷鉄道、真岡鉄道、鹿島臨海鉄道、いすみ鉄道)が対象である。いずれも日帰り可能であるが、週末にまとめて乗ると少しせわしなくなる。よって、数回に分けて乗車することにした。
・1回目(8/28):真岡鉄道、鹿島臨海鉄道
・2回目(10/9):わたらせ渓谷鉄道
・3回目(10/24):いすみ鉄道

 まずは真岡鉄道と鹿島臨海鉄道であるが、「ときわ路パス」を使って訪問することにした。実は昨年の8月にも、このパスを使用して両社を訪れている(拙文「【petit-tetu】ときわ路私鉄再訪の旅」参照)。前回と同じルートでは面白くないため、今回は「反時計回りで」「ひたちなか海浜鉄道を追加」「真岡鉄道と鹿島臨海鉄道は途中(鉄印が買える大洗と真岡)まで」にすることにした。
 2回目は会社の同僚とのイベントに「相乗り」でわたらせ渓谷鉄道に乗り、3回目は、とある事情で使用することになった「秋の乗り放題パス」の最終日に大原までアクセスして、いすみ鉄道に乗ることとなった。

@神戸駅にて

■2021.8.28
 最寄駅からJRに乗って取手駅まで行き、いったん改札を出て自動券売機で「ときわ路パス」を購入。再度改札を入り、7時34分発の列車で水戸に向かった。
 水戸駅で、まずは鹿島臨海鉄道に乗り換えることとなる。昨年度に乗車した際は「クーラーがほとんど効いていない車両」で難儀したが、今日は比較的新しい車両であったので安心した。

@これで大洗まで

 8時56分に水戸を出発。常磐線から分かれて以降は高架の路盤となり、大洗には9時10分に到着した。
 さて、まず鉄印であるが、駅窓口に行ったところ「売店で」ということであったので、そちらに向かった。

@カードももらえた

 続いて、消える系(食べ物など)のグッズである。事前にネットで調べており、「かりんとう」があることは知っていたが、売店の鹿島臨海鉄道グッズコーナーには置いていないようである。店内を探してみると、他の一般のお菓子と同じ場所に紛れて置いてあったので、それを1つ購入した。

@思っていたより大きい袋

 昨年は鹿島神宮まで乗り通したが、今日はここで折り返すことにしている。
 9時37分発の水戸行は、昨年度に「蒸し風呂状態」で難儀した古い車両であったが、去年よりは空調が頑張っているようであった(それでも、扇風機も全開であったがやはり暑かった)。
 車内でかりんとうを数粒齧ったりして、水戸には9時55分に到着。10時05分発の常磐線に乗り、勝田到着は10時10分であった。
 ひたちなか海浜鉄道は10時08分に出たばかりであり、次は10時43分である。猛暑のため街歩きをする気にもなれないため、駅のコンビニに入ってみると、「奥久慈しゃもべん」なるものを発見した。常陸大子駅の「奥久慈しゃも弁当」なら食べたことがあるが、それとはまったく違うものである。調べてみると、水郡線復旧に合わせて今春にできたとの由。ということで、買ってみることにした。

@こんな内容

 もう少し肉の量が欲しいところであるが、「さすが軍鶏」という歯ごたえであった。
 さて、次に乗るのは「第三セクター」とはまったく関係がない「ひたちなか海浜鉄道」である。10時43分発に乗り、のんびりと揺られているうちに11時11分に終着の阿字ヶ浦に到着した。前回訪問時は駅付近をあれこれと歩いたが、今日は猛暑であるため、駅近くにあるキハ20系を見るくらいである。

@定番

 11時18分発の列車で、勝田に戻った。
 ここからの乗り継ぎは非常に上等で、勝田では3分で常磐線(水戸行)に乗り換え、水戸では4分で同じく常磐線の各駅停車に乗り換え、友部ではやはり4分で水戸線に乗り換え、そして12時58分に到着した下館でも3分で真岡鉄道への乗り継ぎである(うまく接続でき過ぎていて、逆に忙しいくらいであった)。

@今日の2社目

 13時01分に下館を出発し、真岡には13時24分に到着した。
 ここ真岡駅には、カフェもあるし、「SLキューロク館」も隣接しているのでネタが多い。…と思っていたが、カフェはコロナ禍も影響したのか今春に閉店しており、キューロク館も緊急事態宣言に伴って8月20日から9月12日まで臨時閉館であるという。訪問の延期も考えたが、9月以降どうなるかも不透明であるので、とりあえず来てしまった。いずれにしても、鉄印は購入できるし、駅の売店も営業している。

@まずは鉄印から

 SLキューロク館は休館中であるが、屋外展示されている車両であれば見学可能である。館内には旧型車両も展示されており中に入れるようであり、それを見られないのは残念であるが、窓越しであればなんとなくの様子は見ることができる。

@今回は屋外展示のみで

 駅舎に戻り、売店で消える系のグッズ購入である。意外にあれこれと選択肢があり、その中から「SLせんべい」と「石炭クッキー」を選んで購入した(他にも「揚げせん」やコーヒーもあった)。

@消える系グッズ

 14時20分の列車で下館に戻り、関東鉄道に乗り換え。そのまま取手に行くにはまだ早い時間帯であるため、水海道で途中下車して町散策をしてから取手に戻り、駅前スーパーで食材を購入してから家路についた。

■2021.10.9
 会社の行事で、偶然にもわたらせ渓谷鉄道に乗る機会が訪れた。いつもならば東武鉄道の各駅停車(ロングシート)で相老駅(わたらせ渓谷鉄道と東武鉄道の接続駅)までアクセスするのが常であるが、今日は経費が別から出ているため、特急「りょうもう」での移動である。

@優雅に

 定刻の7時40分に浅草を出発。相老までは遠いというイメージであったが、それはロングシートに揺られていたから(しかも乗り換えがあったため)であり、特急であればダイレクトにアクセスできて2時間未満であるので、楽々であった。
 乗り換え時間が少しあったので駅付近を散策してから相老駅に戻り、まずは鉄印である。

@こんな感じ

 桐生方面からやってきた列車に乗り、10時15分に相老を出発した。
 右手に渡良瀬川を時折見つつ、小さなトンネルを抜けたりしながら、11時00分に神戸(こうど)に到着した。
 さて、ここでの「応援」ネタは「レストラン清流」である。昔の東武特急の車両をそのまま再利用しているレストランであり、通常の食事以外にも駅弁なども販売している。

@こういう外観

 実は以前にも訪問したことがあり、その際はここで「やまと豚弁当」(手ぬぐい付)を頂いたのであるが、今日は「舞茸ごはん定食」にすることにした。
 食券を買い、しばらくして準備されたが、かなりのボリュームである(特に、4個もある舞茸の天ぷらが巨大である)。値段も1,250円とそれなりにするが、なかなかの充実具合であった。

@巨大天ぷら

 無事に完食して、11時30分頃から約3時間かけてダム周辺を数人でハイキングした(これが行事であり、交通費が支給される)。ダム近辺の急坂だけ難儀したが、後はそれほど難しくないコースであった。
 鐡旅とは関係ないが、1葉だけ写真を載せておきたい。

@滝かこれか悩んで、こっちに

 神戸駅に戻り、レストラン清流で酒や土産を買いそろえて、復路に乗車するのは「トロッコわたらせ渓谷」号である。整理券料金が(コンビニ発券の場合は手数料も)発生するが、わたらせ渓谷鉄道といえばトロッコであろう。
 14時39分、トロッコ列車が入線してきた。

@やって来ました

 このトロッコの場合、足尾行の下り列車は指定席であるが、上りの大間々行は自由席である。「団体さんで混んでいたらどうしよう」と思っていたが、ガラガラであった。

@独占

 定刻の14時46分に神戸を出発。左手には渡良瀬川が見えたり隠れたりしている。
 さて、食べ物などの「消える系グッズ」での応援であるが、レストラン清流の売店に「トロッコサブレ」なるものがあったので買ってある。わたらせ渓谷鉄道オリジナルグッズではなくて、個人商店のものであるが、レストラン清流の売り上げ=わたらせ渓谷鉄道の売り上げでもあるので、買うことにした。もちろん、ハイキング後の一杯(よく冷えたビールと群馬の地酒)も購入である。

@一式
 15時37分に大間々に着き、9分の乗り換えで桐生行に乗って相老で下車。ここからの復路も、私らしくなく特急「りょうもう」号である。

■2021.10.24
 仕事の関係で「秋の乗り放題パス」(3日間有効)を買い、最終日が余っていたのでそれを使用することにしている。JRで大原まで行き、いすみ鉄道で鉄印入手+グッズや弁当購入、そして「おまけ」としてJRで馬橋まで移動して流山鉄道に乗ることにしている。

 関東鉄道の「急行夜空」に乗ってから一旦家に戻り、最寄駅から再度JRで大原に向かった。
 それにしても、上総一ノ宮まではロングシートだし、それ以降に乗り継いだ列車も、1両にボックスシートが2個しかない(それ以外はロングシート)。これでは、各駅停車で「駅弁とビール」などできなくなってしまう。

@旅情なし

 仕方ないので先頭部分に立って景色を眺めつつ、大原まで移動した。10時49分着。
 いすみ鉄道との接続は良くないため、ここで45分以上も時間がある。ということで、まずは食べ物などの「消える系」グッズの購入である。あれこれ種類があって悩んだが、鉄板ネタとして「い鐵揚げ」と「キハカレー」にしてみた。

@今回の「応援」

 券売機で大多喜までの切符を買い、ホームへ。1両だけの車両に対して、もうすでに15人くらいが並んでいた。
 車内に入り、各ボックスはもう埋まっていたので、やはり先頭部分へ。列車は空いている方がいいが、収支を考えるとやはり混んでいた方がいいのだろう。

@菜の花の季節は劇的に混みますが

 定刻の11時35分、大原を出発した。長閑な景色の中を走り続けるが、沿線で撮影をしている人々があまりに路盤の近くに立ったり三脚を立てたりしているので、危ないことこの上ない。いすみ鉄道は「撮り鉄」に対して公にも苦言を呈しているが、その理由がよくわかる状況である。
 途中、国鉄型の車両とすれ違った。レストラン列車として運用されているものである。

@去年乗りました

 12時04分、大多喜に到着した。窓口に向かい、鉄印の購入である。

@ゴールも見えてきた

 大多喜には古い家並みなどもあるため、そちらを観光。無料の施設を見たりして、その足で隣駅である城見ヶ丘まで歩き、そこから13時00分発の列車で大原に戻った。

 さて、このまま家に帰っても寂しいので、「灯台下暗し」で未乗車であった流山鉄道に乗ることにしている。14時20分発の列車で上総一ノ宮へ向かい、JRを乗り継いで馬橋までやってきた。
 流山鉄道は、都心に近い場所にありながら、令和のこの時代になってもICカードも使えず、切符の購入が必要である。200円の切符を買い、ホームに入った。時刻表の文字にも昭和の雰囲気を感じる。

@車両も昭和風

 終点の流山まで乗車。それにしても、よく揺れる(目で見てもレールが波打っている)。
 流山からは古い街道を歩き、JRの三郷駅から家路についた。

 さて、実は大原駅の売店で駅弁を買ってある。乗車時間が短いため車内で食べるのはせわしないと思い、予約しておいて帰り際に購入してある。これを、早めの夕食としていただくことにしている。
 「いすみの宝石箱」という駅弁であり、立派な車両の装丁に包まれている。1品1品、丁寧な作りであった。

@豪華

 

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