沖縄1万円旅(鐡ネタ落穂拾い)

■はじめに

 今月はニュージーランド以外に北海道も行っているため、もう遠出する余裕はないはずである。しかし、先月ふとLCCのサイトを見たとき、那覇片道3,000円というのを見つけてしまい、うっかり決済をしてしまった。せっかくなので、究極的な吝嗇旅行をしてみようと思う。ついでに(毎度のことであるが)、鐡ネタを拾ってこようと思う。
 沖縄県の鐡ネタについては、去年の旅行「RACで行く大東島の旅」で訪問済みである(壺川東公園や浦添市にある軽便鉄道のレール、ネオパークオキナワの鉄道や南大東島のサトウキビ鉄道跡など)。そもそも鉄分の少ない沖縄なのでもう大きなネタは残されていないのであるが、今回は雑巾を絞り切る思いで小ネタを拾うことにしている。

 経費についても絞りに絞り、以下のようになった。
・飛行機代:3,000円×2(+手数料400円)=6,400円
・宿泊費(個室):2,100円×2(−ポイントを4,000利用)=200円
・レンタカー(免責&ガソリン込):3,300円(−ポイントを2,000利用)=1,300円
・空港連絡バス:900円×2(−ポイントを200利用)=1,600円
・ゆいレール(一日券):700円
 合計で、10,200円である。これくらいならば、今月3回目の旅行だが懐には響かないであろう。

@決まったそうです(半年前ですが)

■2014.1.24
 いつも通りの早起きをして東京駅に向かい、6時20分のバスで成田空港へ向かった。
 往路については昨日の午前中にウェブチェックインを済ませてある。今回は吝嗇旅行であるため、余計な出費を要する「座席の事前指定」は行っていない。那覇までの飛行時間ならば三列の真ん中(窓側でも通路側でもない席)になってしまってもいいだろう、と思って指定しないままチェックインしてみると、なんと宛がわれた席は1A (最前列窓側)であった。足元が広いため事前に指定すれば1,200円もする席であり、これは幸先が良い。
 その席に座り、那覇空港へと向かった。那覇到着後はいつもと違って滑走路の端まで行き、LCC専用のターミナルに停まった。

@超快晴

 予定より少し早く到着したため、まだ昼前である。とりあえず連絡バスで国内線ターミナルへ移動してからは、ゆいレール展示館へ行ってみた。昨年訪問したばかりであるが、明日はレンタカーで軽便鉄道の跡を巡ったりするので、念のための予習である。

@お決まりですが

 再び国内線ターミナルに戻ってからは那覇空港駅へ行き、ゆいレールの一日乗車券を買って壺川へと向かった。まずは小さな鐡ネタとして、「壺川駅前弁当」という駅弁を買うためである。
 この弁当は、“日本最南端の駅弁”として駅弁大会などでも販売されたりしている。しかし、実際には壺川駅では売っていない。それどころか店舗自体駅前になく、壺川駅とその次の旭橋駅の中間くらいにあるのである。
 それはさておき、名称が「駅弁」なのであるから、頂かないわけにはいかない。…そう思って訪問したのであるが、この店舗の情報を出発前にあれこれ検索してみたところ、どうにもランチの握り寿司が気になってしまった(しかも安い)。悩んだ挙句、昼は握り寿司にし、駅弁は夕方に買って夜に頂くことにした。

@500円なら納得

 続いての鐡ネタは、与儀公園で展示されているSLである。
 安里で下車してしばらく歩き、公園に到着した。SLは目立つ場所にあるのですぐに発見できたが、周囲をすべてフェンスで囲われているためあまり近づくことはできない。乗降口に階段が付けられているので、昔は自由に乗ることができたのかもしれないが。

@写真も撮りにくい

 沖縄に存在した鉄道は軽便鉄道などの小さなものだけであり、この巨大なSLが島内で走ったことはない。あくまでも、沖縄の子どもたちのために寄贈されたものである。
 さて続いては、軽便鉄道に関する展示である。実はかなり昔に、「沖縄県立博物館に軽便鉄道の枕木がある」という情報を目にした記憶があるのだが、最近はいくら検索してもヒットしないのである。それを確かめるため、ゆいレールに乗って「おもろまち」で下車し、博物館へ行ってみた。
 結局、枕木はなかったが、軽便鉄道に関するビデオ上映と切符や定期券の展示があった。この博物館は平成18年に移転したらしいので、もしかしたらその際に展示内容が変わってしまったのかもしれない(もしくは、件の情報がガセネタであった可能性もある)。

@歴史を学ぶ

 続いての鐡ネタは、沖縄電気軌道の遺構である。場所は都ホテルの近くらしいが、どう工夫してもゆいレールを利用できない位置にあるので、仕方なく2キロ以上の道を歩いて行った。
 1月末とは思えない暑さの中を歩き、ホテルの敷地内に勝手に入って探してみると、たしかにネットで目にしたコンクリートの塊を発見することができた。言われてみれば路盤のようにも見えるが、いかんせん廃止後とてつもない年月が経っているため、事前の下調べがなければ見つけることは不可能であろう。

@もはや「廃線跡」とは言えず

 その後は石畳などを適当に観光し、首里駅からゆいレールで市内へ戻って安宿に投宿した。
 荷を置いてからは身軽になって例の店へ行き、弁当の注文である。注文を受けてから作るので多少時間がかかったが、見るからにボリュームがあって美味しそうである。
 再びゆいレールで移動し、公設市場の近くにあるスーパー(私がいつも利用するところ)で惣菜やビールを買い、部屋に戻ってからそれらを頂いた。
 弁当は沖縄的な食材が多く、海ぶどうもあり、何よりも白身魚の漬けが良かった。ランチに比べれば割高であるが(800円)、本土の駅弁では時折「1,050円もするのに、これ?」というのもあるので、そういうのに比べれば良好である。

@美味しく頂きました

■2014.1.25
 今日はレンタカーで県内の鉄道関係の遺構を訪問する予定であるが、その前にゆいレールで「日本最南端の駅」である赤嶺へ行って来ようと思う。というのも、昨日ゆいレールの一日券を買ったのであるが、この手の一日券はたいていは「買ったその日(一日間)有効」であるのに対し、ゆいレールの一日券は「買った時点から24時間有効」なのである。つまり、今日の昼まで利用できるので、意味もなく訪問することにしたのである。
 赤嶺駅の近くには最南端を表示する碑があり、駅構内には最北の駅である稚内との比較パネルもあったりして、それなりの「演出」があった。

@以前来たことがあるのですが

 その後はゆいレールで県庁前まで戻り、歩いてレンタカー屋へ行って手続きをした。まず目指すのは、軽便鉄道糸満線の遺構である。
 国道で南下し、糸満駅跡付近にやってきた。ここには駅跡にトイレの跡だけが残っているという情報があったのだが、どうにも見つけられなかった。もしかしたら、撤去されてしまったのかもしれない。
 続いては、すぐ近くにある照屋交差点付近へ行ってみた。ここは残念ながら雑草がうず高く生い茂っており、仕方ないので廃線跡の道路だけを写真に写して退散することにした。

@線路跡

 続いての鐡ネタは、宜野湾市立博物館である。来た道を戻り、那覇市内を通り抜けて10時過ぎに博物館に到着した。ここには近場で発掘された軽便鉄道の台車が展示されているのだが、展示室内ではなく建物に入ったすぐの場所に置いてあった。以前ここを訪問した時は閉館日であったので、やっと実物を目にすることができた次第である。

@現存するのはこれだけとのこと

 台車以外の常設展示にも目を通し、再び北上した。次に目指すのは、普天間川にある「軽便橋」である。
 この橋は軽便鉄道の廃線跡に存在する歩行者用の橋であり、橋自体はすでに新しいものに取り換えられているのであるが、名称に軽便の文字が残されているのである。
 事前に調べてきた地図を頼りに、目的の橋を探し当てた。東西すぐ近くに自動車も通れる大きな橋があるため存在意義はあまりなさそうな橋ではあるが、軽便の名が付けられているからこそ、今後も残り続けてほしいものである。

@走っている情景を思い浮かべる

 さて、沖縄に関する鉄道関係ネタは、もうここまでが限度である。仕方ないので、この後は道の駅巡りである(もはや鉄道とは全く関係なし)。
 道の駅「かでな」へ行ってからは残波岬で綺麗な海原を堪能し、その後は道の駅「許田」へ行った。
 関係ないついでで、次に目指すのは鉄道とはまったく関係ない駅弁の店である。出発前に検索していて偶然発見したものであるが、ただ単に店の名称に「駅弁」「ホーム」が使用されているだけである。
 名護市内で渋滞に引っ掛かり、その店に到着したのは13時過ぎであった。昼時なのでここで弁当でも買おうと思っていたのだが、なんと休みであった…。

@鐡ネタに入れていいでしょうか…

 2時間もかけてここまでやってきたのは、実はこの店だけが目当てではない。季節柄「桜まつり」がこの近辺で行われているので、それを見に来たのである。
 しかし、名護市内は渋滞が激しく、八重岳も会場に行くまでの山道がとんでもないことになっていたので、まともに訪問できたのは今帰仁城址だけであった。

@道路でも堪能できる

 あとは那覇市内に戻るだけであるが、せっかく天気もいいので(しかもガソリン使い放題のプランなので)、東部にある平安座島や浜比嘉島方面へ行ってみることにした。
 天気は快晴、海も青く、所々で停車してはそれらを写真に収め続けた。

@晴れ晴れ

 その後は沖縄名物の大渋滞に各所で引っ掛かりながら那覇市内へ戻り、安スーパーで安食材を揃えて安宿でそれらを頂いた。

■2014.1.26
 今日は12時30分の便で戻る予定であり、それまで時間がある。しかし、さすがに鐡ネタに関しては逆さにしても鼻血も出ない状態なので、普通に観光するだけである。
 天気予報では曇り所々雨であったが、予想外に晴天である。歩ける範囲で外人墓地や崇元寺石門を観光し、市場で自分用の土産(スパム)を買ったりして、ネット上で評判が良い沖縄そばの店へ行って敢えてご飯物(軟骨丼)を食したりした。

@朝からがっつり系

 国際通りの近くにある宿に戻って身支度をしてからは、今回の吝嗇旅行を締め括るため、歩いて那覇空港へ向かった。時間が読めないので多少早歩き気味で歩き続け、宿から歩くこと約55分(バスターミナルからは約40分弱)でLCCターミナルの建物がある入口に到着した。しかし規制区分の関係で、ここから先は歩いて入ることはできない(LCCターミナルが貨物ターミナル内にあるため)。このことは事前に調べてあったので、仕方ないのでさらに10分以上歩いて国内線ターミナル前にある連絡バス乗り場へと向かった。
 国内線ターミナルへ行く途中、連絡バス2台とすれ違ったが、さすがに乗せてはもらえないだろう。空は次第に雲が多くなり、天気予報の通りになっていった。

@ここで入れさせてほしい…

 搭乗率4割程度の飛行機は予定通りに飛び立ち、成田には15時少し前に到着した。中途半端に早い時間帯であるが、「機会があったらそのうち」と思いつつもなかなか訪問する機会がなかった交通科学博物館に行けば、家に着くのはちょうど良い時間帯に落ち着く。

@本日の1枚“夕日とA380”(博物館の展望台より)

 

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