petit-tetu】東海「ぶらり途中下車」
(「プチ鐡」では、写真を中心に簡易報告的に著します)

■はじめに
 私事ではあるが、5年くらい前までは国内出張が多い部署にいたものの、現在の部署に異動になってからはほぼ出張とは縁のない勤務内容であった。しかし、9月末に急に韓国への出張が決まった。
 これ幸いということで、仕事中心であるため限られた旅程ではあるが、できる範囲で鐡ネタを拾って来ることにした。


@慶州駅にて

■2014.9.23
 前日に釜山入りし、今日は慶州に移動するのみである。朝早く起きてチャガルチ付近をあれこれ散策し、その後は鐡ネタを探して歩き続ける。数少ない鐡ネタである東亜大学にある路面電車については拙文「島から海外へ出国してみる(鉄分若干少なめ)」で紹介済みであるため、今回のネタはこの程度で勘弁してもらえればと思う。

@「四十階段」付近で再現されている踏切

 ホテルに戻って支度をしてから釜山駅に行き、10時30分発のKTXに乗ること約30分、新慶州に到着した。ここに来るのは約2年ぶりである。
(この後は仕事となり、また鐡ネタもなかったため、しばし省略)

@駅周辺には何もありません

■2014.9.26
 25日までの仕事を無事終えて、その日は釜山に戻る同僚と離れて私1人だけで慶州に泊まった。目的は、翌日に在来線に乗って以下のネタを拾うことである。
・月内へ行って港町散策(+原子力発電所を眺める)
・文化遺産に指定されている南倉の駅舎を訪問
・2013年12月に新線区間が開通となった松亭より南の区間を初乗車

 朝6時過ぎにホテル(モーテルを改造した程度のもの)を出て、慶州駅へと向かった。

@良い天気(慶州駅舎+貨物)

 浦項からやって来たムグンファ号(ディーゼル機関車に牽かれる客車形式)に乗り込み、定刻の6時28分に出発した。これまで3回くらいは乗車している区間であるが、やはり外国であるので新鮮な沿線風景である。

@この駅から世界遺産の仏国寺へ行くのは難しいです

 仏国寺を出発すると、工場地帯や田園が入れ代わり立ち代わり現れていった。駅に停まるごとに、乗客もだんだんと増えていく。また、韓国の鉄道ではめったに行われない(たまたま私が遭遇しないだけかもしれないが)切符の確認(車掌が機械を手にして、切符が発券されていない席に座っている乗客に対して切符の有無を確認するもの)も行われていた。
 そんなこんなで、最初の目的地である月内には7時34分に到着した。田舎駅であるが、私以外にも5〜6人が下車した。

@韓国で「ぶらり途中下車」初体験

 この駅付近で何が目立つかといえば、古里原子力発電所である。というのも、東海南部線の車内からその姿が丸見えなのである(日本ではありえない)。これまでこの区間を乗るたびに「原子力発電所が丸見えだ!」と一人で驚き(他の乗客は気にしていないが)、一度降りてみたいと思っていた駅なのである。
 駅から10分ほど歩き、小さな漁港へと辿り着いた。港の先には防波堤があって多くの釣り人客で賑わっており、その目の前には発電所がすぐ目の前に鎮座している。

@シュールな絵?

 発電所の存在以外は、何の変哲もない漁村である。長閑な港を散策してから月内駅に戻り、8時27分発のムグンファ号を待った。こんな時間帯に釜山市内とは逆方向の列車に乗る人はいないようで、ホームで待っているのは私一人だけである。
 列車は定刻にやって来たが、今度は客車ではなくてディーゼルカーであった。

@これで1駅だけ戻る

 ほんの10分だけの乗車で、南倉に到着した。小ぢんまりした駅であり、そもそも文化遺産に指定されていること自体があまり有名でないため、観光客が訪問するようなところではない。

@ホーム側より

 しかし、駅舎を出るとこの駅舎に関する説明版があり、また入口のすぐ右手には、文化遺産に指定されていることを示す道路側小さな銅版が嵌め込めてあった。

@道路側より(正面)

 さて、駅舎訪問はあっという間に終了である。釜田行の列車まで30分ほどあるので、近くにあるマーケット(開店前)を散策したりして時間を潰した。
 最後の目的である新線区間の乗車のため、9時14分発の釜田行の列車に乗り込んだ。
 9時39分に機張を過ぎて4分くらいすると、左手に路盤が増えて複線となった(新線区間は原則的に複線のようであるが、まだ部分開通的な要素もあるようで、所々では左側の路盤を走行した)。

@線路以外もあれこれ工事中

 新装開店となった松亭には、9時45分に到着した。当たり前だが、新品のまっさらである。同駅を46分に出発してしばらくするとトンネルに入り、これまた新装開店(旧駅からは距離的にかなり遠くに移転した)となった海雲臺に到着したが、ホームと駅舎はトンネルとトンネルに挟まれたような場所にあった。
 同駅を出発してトンネルを抜けた後も、しばらく新しい路盤が続いて行った。まだ開業していない建設中の駅も2つほどあったが、周囲に住宅もかなり多いため、これらが開業すれば釜山市内への通勤に重宝されることが予想される。

@今日は通過

 旧線に合流してからは当然のように減速(所々で停車)したが、釜田に到着したのは予定通りの10時09分であった。
 この区間の開通によって時間は短縮されたので「改正」であるが、しかし松亭から南の区間は車窓としてすばらしい海を眺められる数少ない路線であったので、景色を楽しむ人にとっては残念な「改悪」でもある。しかし、沿線風景を求める鉄道ファンなぞは社会のほんの一部であろうから、新線開通は良いことであるに違いない。
 釜田に到着した後は歩き慣れた釜田市場を歩き、西面でテジクッパを頂いてから、空港へと向かった。

@最後に1つくらいは食ネタを

 

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