スコットランド落穂拾い

■はじめに
 今回の目的地は英国であり、2回目となる。前回の失敗は、「日の短い年末年始に行ってしまった」ということである。朝の8時過ぎまで暗く夕方4時過ぎには日が暮れてしまうため、緯度の高い(さらに日の短い)スコットランドは訪問対象外にした(元より、日程の都合もあったが)。
 今回はその教訓(?)を活かし、日の長い7月である。レールパスを用いて、スコットランドの鉄道に乗ることにしている。
 落穂拾いは他にもあり、「夜行列車に乗る」ということである。今回はスコットランドを目指す、ということなので、ロンドン発フォートウィリアム行のカレドニアン・スリーパー号の寝台券をネットで手配しておいた(レールパスがあるのだからそれを用いれば安く入手することもできるのだが、その手法が面倒(電話する必要あり)であったため、通常の割引価格で買ってしまった)。

【旅程】
1日目:羽田からヒースローに飛び、カレドニアン・スリーパーで北上(車内泊)。
2日目:フォートウィリアムから、インヴァネスまで移動(インヴァネス泊)。
3日目:インヴァネスからウィックまで往復し、その後カイル・オブ・ロカルシュまで移動(カイル・オブ・ロカルシュ泊)。
4日目:インヴァネスに戻ってから、アバディーンまで移動(アバディーン泊)。
5日目:アバディーンからロンドンまで移動し、夜便で羽田へ(機内泊)。

@サーソー駅にて

■2017.7.6
 ヒースロー空港は入国審査が混雑しているイメージがあるが、昨今のテロの影響であろうか、今回は1時間半も時間を要してしまった。空いている空港であれば3分もかからないから、これは辟易である。
 前回はレールパスを使ってヒースローエクスプレスで市内に移動したが、今回はそれができないため(レールパスを使うのは明日から)、地下鉄で安く移動した。思い出のあるキングクロス駅にて、レールパスのヴァリデーションと、最終日の指定席(無料)を手配した。

@一安心

 歩いてユーストン駅まで移動。カレドニアン・スリーパーの出発までまだ2時間以上も時間があるため、ファストフードの店やスーパーで食材やビールを買い、駅前近くにある芝生の座席で一献を始めた。

@ユーストン駅

 3本買ったビールのうち2本を飲み終えた21時少し前にホームに行ってみると、列車はもう入線していた。編成は、座席1両とロビーカー1両、寝台5両の合計7両が基本形であり、それが3つ連なっている。私が乗るフォートウィリアム行が一番前で、それ以外はインヴァネス行とアバディーン行である。

@横面

 先頭まで行って写真を撮ってから、指定された部屋に入る。2段寝台であり、無料の水とタオル、アイマスクや耳栓のセットなどが置いてある。上段には陽気な英国人がいて「どこから来たんだい」みたいに話しかけてきたが、他の部屋の下段が空いていることを車掌に教えてもらったらしく、しばらくしてそちらに移って行ってしまった。

@こんな室内

 定刻の21時15分に出発。まだまだ外が明るくて景色が見えるのが嬉しい。
 車掌が検札に来て、「明日の朝にコーヒーかジュースがある」ということで、7時に届けてもらうことにした。
 車窓を見つつ、残り1本のビールと安食材を食べきって、就寝。

■2017.7.7
 時差ボケの関係で2時過ぎに起床。二度寝して再び起きると、ちょうどエディンバラ・ウェイヴァリー駅に到着したところであった(3時51分着)。

@早朝の駅構内

 ここで、長大な編成は3つに分割されてそれぞれの行先に分かれることとなる。そのため、同じホームの上を少しだけ移動したり戻ったりを繰り返している。いつの間にか、私がいる客車の隣りに電気機関車が連結されていた(ここでスイッチバックすることになる)。
 同駅を4時51分に出発した(作業が複雑とはいえ、1時間も停車するとは)。寝台の窓は小さいのと、進行方向と逆向きになってしまったので、ここから先はロビーカーに座っていることにした。一部の席は朝食用に「Reserved」になっているが、その他の席は自由に座ることができる。

@こういう車内

 天気あまり良くなく、少しだけ雨も降り始めている。
 5時46分にグラスゴー・クイーンストリートに到着し、2分後に出発。左手には、前回この町に来た際に訪問したリバーサイド博物館の建物が見えた。
 この後、路盤は意外に登り続け、辺りの景色も緑が深くなっていった。左右に大きく曲がりつつ、平原のような景色の中を走っていった。

@デッキのドアの窓は手で開けられる

 ロングレールではなくなったので、車輪は「ガタンゴトン」という大きな音を立てている。
 7時になったのでジュース(とお菓子)をもらうためにいったん自室に戻ったが、昨晩のクーラーが今や暖房に変わっているではないか。確かに、自室に戻った理由はもう一つあり、上着を着るためでもあった。
 再びロビーカーに戻り、景色をぼんやりと眺め続けた。時折、川に沿って渓谷のような景色になることもある。とある駅ですれ違いのために停車したが、対向でやってきたのは貨物列車であった。

@貨物もあり

 長閑な景色を見続け、定刻より2分早い9時53分にフォートウィリアムに到着した。
 向かいのホームには、趣の変わった車両が停まっている。これは観光列車「ジャコバイト号」であり、この列車とこの路線のここから先にあるグレンフィナン高架橋は、ハリーポッターが好きな人にとってはかなり有名なものであろう。

@観光SL

 鐡旅と銘打っているからにはこれに乗ると思われそうだが、実は乗らない。というのも、この路線の終着駅(マレイグ)まで行きたい気持ちは山々であるが、そうしてしまうとこの近辺であと1日滞在しなくてはならなくなる。そうするとスコットランド東部にほとんど行けなくなってしまうため、今回はフォートウィリアムで折り返すことにしている。
 それに、別場所でも書いたことがあるが「SLは乗るものではなく見るもの」という持論があるため、出発の様子を拝むことが出来れば、SLに関してはもう充分満足である。

@見るもの

 10時20分にSLが出発した後は、1時間ほどの時間を埋め合わせるべく、市内にある要塞や教会などを徒歩観光し、スーパーで買い物をしたりしてから駅に戻った。
 次に乗るべき列車は、11時40分発のグラスゴー行である。出発の10分ほど前になって、マレイグ方面からの列車がやってきた。

@ディーゼル4両編成(左に係留されているのはカレドニアン・スリーパー)

 車内に入って空いている席に座ったが、ふと気付くと指定済の紙が頭の辺りに刺さっているではないか。急いで、別の座席に移動した(幸い、まだ空いていた)。
 定刻に出発し、朝見た景色を逆回しで見続けた。相変わらずの曇天であるが、所々で晴れ間も見え始めてきた。北海道(道東や道北)をさらに壮大にしたような景色である。

@こんな景色

 定刻から1分遅れの15時30分に、グラスゴー・クイーンストリートに到着した。乗り換え時間が19分だけだったので少し心配していたが、ほぼ定刻であり問題はなかった(この先の旅程でも、一部遅延があったが、ほとんどは時間に正確であった)。
 ここからはインヴァネスに向かうが、直行便がないためまずは15時48分発のスターリング行に乗ることになっている。やはりディーゼルカーであったが、先ほどとは違って新しい車両であった。

@比較的新しい

 定刻に出発。意外に多い乗客(乗車率90%以上?)であったが、16時06分に到着したクロイでほとんどが下車してしまった。スターリング着は16時32分。
 特に目的はないが、乗り換え時間が50分ほどあるため駅付近をぶらついた。欧州の国々は、こういう「どうでもいい散歩」でも歴史ある建物に遭遇するから、暇つぶしには最適である。

@駅自体に趣がある

 晴れ間が多くなり、暑くて上着を脱ぐくらいであった。
 さて、ここまではスコットレイル(スコットランドの鉄道会社)の車両ばかりに乗ってきたが、ここからインヴァネスまでは、ヴァージン・トレインズの運行である(最終日のアバディーン−ロンドンもヴァージン社である)。
 ホームで待つことしばし、懐かしい赤色の車両が入線してきた(前回訪問時に何回か乗った)。

@再会

 車内に入ったが、なかなかの混雑っぷりである。8割ほど埋まっており、それ以外の席にも指定済みの札が掛かっているが、この札には指定されている区間が記載されている(例えば、グラスゴーまでの指定であれば、その先は自由に座っても良い)。ということで、札はあるものの自由に座れる席をやっと見つけて、そこに落ち着いた。
 17時23分に出発し、インヴァネスまでの道のりは2時間半以上である。景色は相変わらず北海道のようであるが、時差ボケもあって半分くらいはウトウトと寝てしまった。

@羊さんたち

 20時12分、定刻から8分遅れでインヴァネスに到着した。夏日のおかげで、まだまだ明るい時間帯である。
 スーパーで夜の食材や酒を買い求め、駅のすぐ近くにある安ホテルに投宿した。

■2017.7.8
 朝早く、まずは市内の散策である。教会が多く、落ち着いた感じの町であった。

@早朝

 6時半過ぎに駅へと向かう。コンコースには意外に多い乗客が待っていたが、そのほとんどはエディンバラ行を待っている人たちであり、一足先にそちらのアナウンスがあると辺りは閑散としてしまった。
 出発の15分くらい前になってウィック行のアナウンスもあったので、ホームへと向かった。これから乗るのは2両編成のディーゼルカーであり、英国最北の駅であるサーソーまで行き、そこでスイッチバックをしてウィックまで行く列車である。

@今日はこれから

 窓が薄汚れていたので、ウェットティッシュを取り出してホーム上から自席の横の窓を拭いてみた。自分で窓を拭く、となると、宮脇俊三氏のシベリア鉄道をいつも思い出す。
 定刻の7時00分に出発。しばらくすると、右手にビューリーファース(入り江)が見えてくる。昨日よりも、若干青空が増えたようである(この先、またすぐに曇りになってしまうが)。

@つかの間の晴れ

 しばらく進んでこの入り江と別れ、草原地帯を走り抜けると、別の入り江がまた見えてくる。そこには所々に塔のような建物があるが、あれは明らかにオイルリグ(油田)であろう。場所的にも、北海油田に近いところである。北海油田自体は枯渇気味であると聞いているが、これだけの設備があるということは、まだまだ採掘できるのかもしれない(それとも、もう採掘はできないが設備だけが放置されている?)。

@油田

 油田に続いて「スコットランドらしい」ものが、ウィスキーの工場である。線路沿いに大きな倉庫のような建物があれば、たいていはウィスキー工場であり、使用済みなのかこれから使うのかは不明であるが、樽が山のように積んであったりするので一目瞭然である。

@ウィスキー工場

 路盤はいったん海岸から反れて内陸に入り、大きく迂回していく。それに伴い、景色も山っぽくなっていった。車内放送によると、「リクエストストップ(要望による停車)」というのが多いようである。しかし、必ず停まるというわけではなく、減速して駅に近づいて誰も乗客がいないことがわかると、そのまま加速して通過してしまう。
 9時40分頃になると、また右手に海が見え始めた。今度は入り江や湾ではなくちゃんとした海であるため、長大な海岸線である。

@北海

 海以外に気になるのが、ワゴンでやってきた車内販売である。日本では、16両編成の新幹線ですら収益が上がらず廃止されているというのに、わずか2両(乗客は20人程度)の列車で営業しているのである(前回訪問時には、1両編成でも営業しているのを見かけた)。スコットレイルの人件費を私が心配しても仕様がないが、気になるところではある。

@営業中

 しばらくすると海岸線から離れ、また内陸部へと入っていく。辺りの景色は平原に続く平原であり、北海道というよりは北欧のフィンランドやスウェーデンの田舎を走っているかのようである。最初の頃はちらほらと羊や馬もいたが、そのうちに生き物や人工物は皆無となり平原だけになってしまった。

@絶景

 平原を走り続け、11時01分にジョージマス・ジャンクションに到着。ここで一旦スイッチバックをして別の路線に入り、英国最北の駅であるサーソーへと向かう。11時15分、サーソーに到着した。

@最北の駅

 停車時間がせめて10分くらいあれば駅舎の外まで出てみたいのであるが、残念ながらすぐに折り返しとなる。
 今来た路盤を戻り、ジョージマス・ジャンクションに戻る。そのまま東へと進み、定刻から17分遅れた11時48分にウィックに到着した。いかにも「最果ての街」という長閑なところである。

@終着駅

 列車の遅れによって散策時間は40分程度になってしまったが、歩ける範囲内で港近辺を散策した。
 急いで駅に戻り、12時34分発で同じ行程を戻る(定刻に出発)。当初の予定ではインヴァネスまで戻ってそこからカイル・オブ・ロカルシュ行に乗る予定であったが、とある駅で長時間停車して対向列車を待ったため、遅れが生じてしまっている。元よりインヴァネスでは50分以上の余裕がある旅程であったが、あまり遅れてしまうと乗り継ぎができない危険性がある。
 少し焦って持ってきた地図を見てみると、手前のディングウォールでも乗り換えられそうである。念のため通り掛かった車掌に聞いてみたら、やはり大丈夫だとのこと。ということで、ディングウォールがどういう場所かはわからないが、急遽そこで乗り換えることにした。

@途中の駅にはこんな絵もあり

 17時03分、ディングウォールに到着した。ホーム上にあった電光掲示によれば、定刻から37分の遅れである。乗り継ぎできるかどうかの不安から、逆に1時間半もの余裕ができてしまった。
 さて、この駅ですべきことは夕食の確保である(本来はインヴァネスのスーパーに行く予定であった)。駅を降りた瞬間は「しまったジャンクションみたいな場所だったか」と一瞬不安になったが、駅から西の方へ歩いて行くとすぐに町並みとぶつかった(大きなスーパーも発見した)。
 音楽がするので近づいてみると、なにやらお祭りのようなものをやっているようであった。

@謎の祭り

 偶然出会った行事を見届け、先ほど発見したスーパーへ行って夜用の食材を買ったりしてから駅に戻り、18時29分発のカイル・オブ・ロカルシュ行に乗り込んだ。
 すぐにウィック方面との路盤と分かれ、西へ西へと進んで行った。ローカル線らしい「ガタンゴトン」の連続音である。所々に集落があるが、それ以外は動物侵入を防ぐための柵以外はまったく人工物がないようなところを走り続けた。

@豊かな水

 そのうち雨が激しくなり、水滴が窓に付いてしまって写真撮影はできなくなってしまった(明日、戻る際に撮ればいいだろう)。
 雨の中を走り続け、20時30分過ぎ(確認せず)に終着駅であるカイル・オブ・ロカルシュに到着した。駅は港の奥まったところにあり、もしオーバーラン事故を起こせば車両が海に転落しそうな場所である。「列車の写真を撮っているのに背後に船が見切れている」というのは、初めての経験である。

@港兼駅

 強くなってきた雨の中を3分ほど歩き、予約済みのホテルに投宿した。
 さて、今晩の食材はディングウォールで買い集めた品々である。スコットランドは愛国心が強いようで(独立国ではないが)、スーパーの品物にも、スコットランド産には国旗をモチーフにしたマークが付いている。ということで、今日はスコットランド産のチーズ・ハム・魚(鯖)にしてみた。

@地の物

■2017.7.9
 夜中には窓枠の音がするくらいの大雨と強風であったが、朝になると止んでいた。
 無料で付いてくる、本格的なイングリッシュ・ブレックファストを頂いてから、しばし近所を散策した。鐡な人向けの博物館のようなものがあったが、残念ながら営業時間が限られているようであった。

@無念

 今日は日曜であり、ただでさえ本数の少ない路線がさらに少なくなり、2往復だけである。よって始発の出発時刻が10時20分であり、時間は余り過ぎるほど余っている。ということで、対岸に掛かっている大きな橋の方まで片道30分くらいかけて散策したりした。
 ホテルに戻り、10時前には駅へと向かった。駅舎内には鉄道博物館があるようだが、残念ながら日曜は休館日である。ということで、意味もなく駅付近をぶらぶらと歩き回った。

@今日も「鐡と船」の写真

 10時20分、まばらな乗客を乗せた2両編成のディーゼルカーが出発した。昨日の逆回しの景色であり、どんよりした空であるが、雨は降っていないので写真撮影が可能である。

@一例

 湾のようなところや湿地帯、湖のようなフィヨルドを経て、そのうち平原となり、だんだんと山間が深くなって行った。

@駅付近以外は人工物が何もない

 ディングウォールで昨日乗車した路盤と合流し、終着のインヴァネスには定刻から6分遅れの12時58分に到着した。
 本来の旅程では、ここからパースまで南下し、そこからアバディーンに移動することにしていた(ただ単に、時刻検索をしたらエルギン経由の列車が1本もなかったので)。しかし、パースまでは一昨日ほとんど乗車済みであるし、そこから先も明日乗る予定である。
 そこで、各駅構内に掲示されていたポスターによると、どうやら臨時工事中ということで、代替バスも出るという(レールパスでも乗れるはずである)。ということで、初の試みとして代替バスに乗ってみることにした。

@このポスターとスコットレイルのウェブサイトを参考に予定変更

 途中のキースまでは列車が走っており、次の出発15時29分発である。ということで、2時間以上もあるため、歩いていける範囲であれこれ観光をした。

@予定外の観光

 城の写真や猫の写真を撮ったりして市内を歩き回り、15時過ぎに駅に戻って件の列車に乗り込んだ。意外に多い乗客を乗せ、定刻に出発。
 近距離でかなりの乗客が降りたが、2つ目の駅を過ぎると工事中の路盤が沿うようになってきた。もしかしたら、不通区間はこのような工事をしているのかもしれない。

@想像ですが

 16時27分、臨時の終着駅であるキースに到着した(ウェブに掲載されていた臨時時刻表によれば、3分の早着である)。それにしても、代替バスがなければまず訪れることがないような、田舎の駅である。
 駅前には2台のバスが待機しており、前の方に乗り込もうとすると「アバディーン? だったら後ろの方」と言われたので、そちらに乗り込んだ。早々に乗り込んだので、最前席をゲット。

@小さい駅

 16時40分になり、代替バスは出発した(臨時時刻表の通り)。バスは2台に分かれているが(アバディーン行と、「それ以外の駅」行)、こういう場合、時刻表通りに走るのは前のバスだけでこちらのバスはアバディーンまで直行してくれるような予感がする。
 しばらくして鉄道駅を示す道路標識が現れると、前のバスだけが左折をして、こちらのバスは直進してアバディーン方面に走り続けた。思ったとおりの展開である(予想が当たったので、ちょっと嬉しい)。

@こちらは直進

 雨が降り出してきた中、バスは高速道路のような専用道を走り続けた(信号がたまにあるので、一般道路ではある)。アバディーン市内に入ると人家やビルが増え、そのうち街になり、17時52分にアバディーン駅付近に到着した。臨時時刻表では到着予定時刻は18時35分であり、直行したことによってかなり早く着いたことになる。鉄道で直行すれば17時46分着予定であり、それよりは若干遅れているが、キース駅での待ち時間を考えればかなりの大健闘である。

@お疲れさま

 ここ数日は冷たい夕食が続いたため、近場の店でフィッシュ&チップスを買い、酔いどれてから就寝。

■2017.7.10
 早朝、1時間ほど市内を散策して大聖堂を見たりしてから、安ホテル(個人経営)のわりにはちゃんとした朝食を頂き、7時半過ぎに駅へと向かった。
 今日は7時52分発の列車に乗り、ロンドン着は14時51分予定であるから、約7時間も同じ列車に乗りっぱなしである。一昔前で譬えれば、「はつかり」で青森から上野まで通しで乗るようなイメージであろうか。
 列車は、先日ちょっとだけ乗ったヴァージン社である。

@これに乗り続ける

 向かいのホームには、カレドニアン・スリーパーが停車していた。インヴァネス駅でも見かけていたので、実際に乗車したフォートウィリアム行を含めてすべて見かけたことになる。
 ロンドン・キングクロス行の編成は、2等6両と1等3両が前後の機関車に挟まれている形であった。乗り込んでみると、指定の札がかなり多くの席に掛かっている(8割以上)。
 その札の裏を見ると「AZUMA」と書かれている。日本風の響きであるのは当然で、これは来年導入される日本製の車両「あずま」の宣伝であった。英国の鉄路は今回の旅でかなり乗り尽くした感もあるが、こういう車両に乗るためにまた来てもいいような気もする。

@期待

 さて、沿線の見所はいくつかあるが、最も有名なのはスコットランドの5ポンド紙幣にもその姿があることからも名が知れている「フォース鉄道橋」であろう。前回英国に来た際には、わざわざ近場から見るために最寄駅で降りて写真を撮りに行ったくらいである。
 今回は、そこを走り抜けることとなる。残念ながら雨模様(写真のフォーカスが雨粒に当たってしまう)であるが、写真や動画を撮り続けた。

@とにかくでかい

 10時27分にエディンバラに到着し(3日ぶりに戻ってきた)、同駅を出発してしばらくすると、スコットランド脱出である(イングランドへ)。ヨークなど、前回の訪問の思い出がある街にいくつか停まり、14時49分にロンドン・キングクロスに到着した。
 さて、あとは空港に行くだけである(レールパスがあるので、ヒースローエクスプレスが利用可能)。空港へ移動してカウンターに行ってみると、機材繰りの関係でまさかの3時間半遅れであった。
 仕方なく、一旦市内に戻り、ハイドバークを散策したりポンドをドルに両替したりして時間を潰し(註:ポンド札は新札に移行中であり、古い紙幣は使えなくなる)、再びヒースローエクスプレスに乗って空港へと向かった。

@何回も乗る羽目に

 

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