【petit-tetu】第三セクター探訪(おまけで只見線)

■はじめに
 7月の三連休、ぼやぼやしていたら、予定を決めないうちに近づいてきてしまった。航空券などは高いし、青春18きっぷも使用できない時期である。ということで、JR東日本の「週末パス」に落ち着いたが、どこへ行くかが問題である。
 しばし考え、北陸新幹線開業によって影響を受けている(であろう)信越地方の第三セクター鉄道(北越急行、えちごトキめき鉄道、しなの鉄道)を訪問することにした。
 それだけではネタ不足であるため、往路に只見線を訪問することにした。今から3年前に訪問して「夏休み落穂拾い」として旅行記にしたが、その当時の感覚としては「多分このままバスになってしまうだろう」という雰囲気であった。しかしその後、まさかの大逆転(?)により、2021年に鉄道として復活予定であるという。ということで、もう一度代行バスに乗ってみることにした。

@越後川口駅にて

■2019.7.14
 週末パスは、別料金を支払えば新幹線も利用可能である。晴れ予報ならば大宮から新幹線に乗って時間を稼ぎ、喜多方でも散策しようかと思ったが、朝から大雨である。ということで、各駅停車を乗り継いで、郡山までは「修行」である。しかし、青春18きっぷの季節の場合、乗り換える度に「席の取り合い」で辟易とするのであるが、今回はそれが全くなかった。週末パスの方が1日当たりの値段は高いが、こういう利点もある。

@磐越西線に乗り換え

 郡山発10時44分の列車に乗り、会津若松へ。途中から雨も上がってきた。
 もう少しで終着駅という磐梯町で、列車は行き違いのために停車してしまった。「こんな場所で停まったら、定刻に着かないのでは?」と思って不思議に思っていると、なんとすれ違ったのは四季島であった。まさかの遭遇である。

@週末パスなど比較にならない値段

 四季島のせいで、定刻から3分ほど遅れて会津若松に到着した。ここで1時間ほど時間があったので街並みを歩き、駅に戻って13時07分発の只見線(会津川口行)を待った。やって来たのは、国鉄時代の生き残り車両である。

@これに乗ることができるのもいつまでか

 定刻に出発。時折寄り添う只見川は、今日も滔々と流れている。
 14時58分に会津川口に到着。代行バスまで30分以上も待ち合わせ時間があるが、特に見るべきものはない。適当に歩いてから駅に戻り、待つことしばし、バスがやって来た。

@可愛いデザインになっていた

 バスからは大量の乗客が降りてきて会津若松行の列車に向かっていったが、逆に乗り込んだのはたったの5人(地元民2人と旅行客3人)だけである。
 15時35分に出発し、各駅付近にある仮乗降場に1つずつ停まっていった。時折見える路盤の上は雑草だらけであるが、再開通前に奇麗になるのであろう。
 16時25分に只見に到着。ここで、待ち時間がまさかの2時間10分である。町を適当に歩いたり、スーパーに行って食材を買ったりしたが、それでも時間が余りすぎているため、仕方なく駅の待合室でこの旅行記を書いたりして時間をつぶした。

@街歩きで案山子発見

 幸いなことに、駅に無料Wi-Fiがあったため、待ち時間はあっという間に過ぎていった。
 さて、次に乗るべきは1日に3本しかない小出行である。出発の直前に折り返し運転として入線してきたが、降りてきた乗客は3人だけであるし、乗り込んだのも3人だけ(代行バスに乗っていた地元民以外の3人)である。虫食い区間(不通区間)が開通すれば、このような惨状から脱却できるのであろうか。
 車両は、これまた余命幾許もないようなキハ40である。

@化石クラス

 18時35分に出発し、長い長いトンネルを抜けるとだんだんと日が暮れ始め、19時48分に小出に到着した。川の対岸にある安旅館に投宿。

■2019.7.15
 6時前に宿を出て、6時15分発の列車で六日町へ。ここまでの旅程は青春18きっぷでも可能であるが、ここから先が「週末パスならでは」であり、第三セクターを乗り継ぐこととなる。まずは、北越急行からである。国内出張が多い部署にいた頃、北陸方面へ行く際に何度となくお世話になったことがあるが、各駅停車で乗り通した経験はほとんどないと思う。

@1両だけ

 車内には5人しかいなかったが、JRから乗り継いできた学生が増え、約10人となり定刻の6時57分に出発した。
 各駅には「通貨列車の風圧」を注意する文言があるが、特急がなくなってしまった現在ではもう不要であろう。学生は十日町で降りてしまい、閑散とした1両編成はトンネルの中を疾走し続けた(速度はかなり速い)。
 7時57分に直江津に到着。次に乗るべきは、8時12分発の「えちごトキめき鉄道」である。6両編成が到着して学生を吐き出し、2両切り取られて4両編成となった。これが妙高高原行となる。

@作業中

 直江津は鉄道の要所であり、改札の外には「新潟県鉄道発祥の地」の銘板もある。今も3つの車両がホームに入っているが、しかしいずれも第三セクター鉄道であるのが「時代の流れ」である。
 定刻に出発。比較的新しい車両であるのはいいのだが、残念なロングシートであった。
 この路線についてであるが、JR時代は「妙高」号があり、それに乗ったことをふと思い出した。しかし乗車すること自体が久々であるので、二本木のスイッチバックを久しぶりに味わった気がする。

@ここからバックする

 9時02分に妙高高原に到着し、4分の乗り継ぎで「しなの鉄道」へ。県境があるから仕方ないが、利用する側としては「一手間」増えてしまっている(もちろん料金も)。
 しなの鉄道ということで、王道の「JRおさがり車両」である。

@ブレなし

 9時06分に出発し、峠を越えるとだんだん下っていき、街並みが近づいてきて9時50分に長野に到着した。50分ほどの待ち時間はスーパーでの食材探しに充て、続いて乗車するのもしなの鉄道である(ただし、途中の篠ノ井まではJRの路盤)。
 もちろん、定番の「おさがり車両」である。しなの鉄道は、過度な車両への投資はせず、また駅の売店経営もシビアであったりして、ある意味きっちりとした経営をしているように感じられる。

@ド定番

 10時44分に長野を出発し、終着の小諸には11時48分に到着した。
 さて、後は家に戻るだけであるが、軽井沢経由にしてしまうと途中のバス代(碓氷峠)が必要になるし、新幹線で帰るには早すぎるので、小海線経由で帰ることにしている。
 12時02分発の小海線は、偶然にもハイブリッド車両であった。見所の多い小海線であるが、今回の旅のテーマではないため、旅行記はここでおしまい。

@ハイブリッド車両

 

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