セイロン鉄道紀行

■はじめに

 今回は、私にとって初訪問となるスリランカである。どうしてもインドと似たようなイメージを持ってしまいがちであるが、インドでも北部と南部では雰囲気がまったく違うように、スリランカは、まったくもって別の国である。治安も安定しているようであり、詐欺師云々というような話も多くは聞かない(もちろん、外国だけあってそういう人はそれなりにいるし、治安が悪い地域もある)。
 この手の国(発展途上国以上先進国未満)は鉄道の予約が難しく、スリランカも例外ではない。スリランカ国鉄のウェブサイトでは時刻検索はできるものの、ネット予約や決済はまだ整っていないのが実情である。
 ただし、実は例外がある。スリランカ国内には「エクスポ・レイル」と「ラジャダニ・エクスプレス」という会社が独自に鉄道を運行しており、これらの切符はネットでの手配が可能である(しかも、座席指定も座席図から選べるという充実度合である)。
 独自に運行しているといっても、個別に列車を走らせているわけではない。スリランカ国鉄が運行する列車に1両だけ追加して、独自のサービス(リクライニングシートや無料の食事)を提供しているのである。よって、数時間〜1日の乗車で990〜2,400スリランカルピー(1スリランカルピー=約0.8円)という料金であり、現地の感覚からすると超高級列車であるが、日本の物価からするとそれほどでもないだろう。
 事前にあれこれ考え、以下のような旅程を立てた。

12月28日:深夜に羽田を飛び立ち、バンコク乗継でコロンボへ(昼頃到着)。市内観光と、駅へ行って予約済みの切符をもらう+ネットでは予約できない国鉄の切符を入手(コロンボ泊)。
12月29日:エクスポ・レイルでコロンボからバドゥッラへ移動(バドゥッラ泊)。
12月30日:エクスポ・レイルでバドゥッラからコロンボへ移動(コロンボ泊)。
12月31日:ラジャダニ・エクスプレスでマータラへ移動。プチ観光後にバスでゴールへ移動し、同じくプチ観光をしてからラジャダニ・エクスプレスでコロンボへ移動(コロンボ泊)。
1月1日:国鉄でアヌラーダプラへ日帰り観光(コロンボ泊)。
1月2日:国鉄でカダガナワにある鉄道博物館へ。同じく国鉄でキャンディへ移動し、観光後はエクスポ・レイルでコロンボへ移動(コロンボ泊)。
1月3日:市内観光後、昼過ぎの便でクアラルンプールへ。成田行に乗り継ぎ(機内泊)。

 会社の同僚からは、「え? シーギリヤに行かないの?」と驚かれたが、私の旅行は第一に鉄道が来るのだから仕様がない。それに、アヌラーダプラもゴールもキャンディも、一応世界遺産である。


@キャンディ駅にて

前編(2016年12月28日〜30日)

後編(2016年12月31日〜2017年1月3日)

 

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