【petit-tetu】SLニセコ号と仙石線
(「プチ鐡」では、写真を中心に簡易報告的に著します)

■はじめに
 タイトルがデタラメなのには訳があり、今回の旅程については、「風が吹けば桶屋が」方式で決まってしまったからである。
 そもそもの始まりは「ANAのアップグレードポイントが余ってしまった」から始まり、「昨年度末のキャンペーンで余ったポイントを電子マネー化した(3千円分)」→「三宅島空港からの復路での航空券として発券した」→「火山ガスで欠航。金額は戻ってきたが使用期限は7月末まで」→「国内線航空券の予約は2か月先までできるため、9月末の北海道への片道航空券を7月末に予約決済した」である。
 それでも、北海道に着いてからの予定が未定である。ちょうど「SLニセコ号」が走り始めた季節であるためそれに乗ることにし、あとは東京に戻るだけであるが、普通では面白くないため、フェリーで仙台へ行き、被災地の現状を少し見てから新幹線で戻ってくることにした。

@SLニセコ号(倶知安駅にて)

■2011.9.23
 3連休の初日であるため、早い時間帯の便は2か月前の予約でも高値であった。よって、予約したのは17時発の便である。
 昼過ぎには羽田に行ってしまい、アップグレードポイントでプレミアムクラスに変更し、あとはラウンジで適当に過ごす。
 新千歳空港から札幌まではバス移動(北海道中央バスのバスカードが余っていたため)。札幌でのホテルは、宿泊サイトのポイントを使って無料で利用した。よって、現金支出はほとんどない。

@思えば、「匠味」は初めてであった

■2011.9.24
 8時頃に札幌駅へ行く。8時20分少し前に、苗穂方面からディーゼルカーに牽かれたSLと旧型客車が入線してきた。
 私は個人的に、SLは「乗るもの」ではなく「見るもの」と思っているが、このSLニセコ号の良いところは、変に豪華な客車ではなく旧型客車を改造しているという点である。こういうのであれば、乗るのも良いと思う。

@客車内の様子

 定刻より2分ほど遅れの8時33分に札幌を出発。小樽で長い停車時間があり、ここでSLが先頭になる。小樽から先は、SLが煙をまき散らしながら本気で走り始める。

@機関車内の撮影もさせてもらえる(罐の近影)

 車内では「2キロ目指してベジグラム」というイベントが行われるという。全員が参加できるわけではなく、まずは簡単なクイズに応募し、その正解者から5人だけが選ばれてゲームをするという。この手のクジ運はまったくないので諦めており、やはり名前は呼ばれなかった。しかし、5人のうちの1人がすでに下車してしまっていたということで追加の1名が選ばれることになり、なんと私の名前が呼ばれてしまった。いそいそと会場のカフェカーへと向かう。
 ゲームのルールは簡単で、要するに野菜を2キロ、目分量で袋に詰めるだけである。牛乳パック2本を頭に思い浮かべながらやってみたところ、なんと奇跡的にぴったり・・・2倍の4キロ。もちろん最下位であった。

@「ピタリ2倍で賞」は、ありません

 参加者5人には、商品があった。もちろん順位づけはするが、1位から順に欲しい商品を取っていいというだけ。大きなゼリーセットが1つ、小樽のガラス製品の醤油さしが1つ、ファイルやストラップなどのグッズセットが3つで、私は最後に残った醤油さしを頂いた。

@個人的には一番嬉しい商品

 蘭越で折り返したニセコ号は、倶知安で乗客全員を降ろす。一度客車から離されたSLは、点検を受けたり給水されたり、石炭の燃えカスを吐き出したりと、なかなか忙しい。

@燃えカスがいっぱい

 多くの乗客は観光に向かったり折り返しのSLに乗車したりするようだが、私は普通列車で長万部へ向かい、そこから特急で苫小牧へ向かった。
 苫小牧からはバスでフェリーターミナルへ向かい、名古屋行のフェリー「きたかみ」に乗り込む。個室は軒並み満室であったが、一番安い2等船室は1/3程度であった。大きな船体は、19時に苫小牧港を出港していった。

■2011.9.25
 定刻より10分ほど早い9時50分に接岸、しかし長蛇の列になった乗客の下船にかなりの時間がかかり、外に出られたのは10時05分であった。

@つぶれたコンテナがゴロゴロ

 多賀城駅まで、津波の爪痕が所々で残っている道を歩いて行く。ほどよい時間にやってきた仙石線で松島海岸駅へ向かう。ここからはJRの代替バスに乗り換えるが、出発は40分後であるため、しばらく松島の街並みを歩いてみた。何度か歩いたことのある場所であるが、観光客はほどほどに戻ってきているようである。
 11時40分に出発した代替バスは、被災地を縫うように走っていった。置き去りにされた仙石線の車両があったり、バラストが流されてしまった路盤なども見られたりした。

@代替バス

 代替バスは矢本までで、そこから先は鉄道に戻る。しかし電車はまだ走れないため、普段は陸羽東線で使用されているディーゼルカーである。

@車体側面にはこんなコメントも

 石巻市は、仕事で何回となく訪れたことがある。駅前は「地震の影響が少しあるな」程度しか感じられなかったが、日和山から見下ろした港湾方面は、私が知っている石巻市とはかけ離れたものになってしまっていた。

@被災現場の悲惨な写真を載せても仕様がないので、商店街で買った「かきクリームシチューパン」を(200円)

 仙台への直行バスは長蛇の列、代替バスを乗り継ぐ方法は面倒、ということで、小牛田経由で仙台へ戻った。仙台では適当に時間を潰し、「トクだ値」で押さえておいた「やまびこ」のグリーン車で東京へと向かった。

@石巻ネコ(がんばれ)

 

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