JR四国の様子を確かめに行く旅

■はじめに
 7月の三連休であるが、当初は四国一周の旅を予定していた。特急が利用できるフリー切符を活用して、予讃線の海岸風景や、久々の予土線、高知の日曜市を歩いて大歩危小歩危を経由したりして、牟岐線を含めてJR四国の全路線を再乗車する旅程であった。そもそもは、三連休で航空券が安い区間を検索し、徳島往復を発見したため発案した旅行である。
 しかし、7月6〜8日に西日本を襲った記録的な豪雨により、JR四国と西日本の多くの路線が寸断されてしまった。高徳線や土讃線などはすぐに運行を再開したが、予讃線の特に西側の被害がひどく、予土線に至っては再開の見込みすら立っていない。旅行のキャンセルも考えたが、手数料が50%の早期割引航空券であることと、2泊目の宿泊(高松市)はキャンセル料100%で決済してしまっているため、合計するとかなりの額になってしまう。
 ということで、1泊目の宇和島の宿泊を徳島に変更し、以下のように旅程を大幅に変更した。

初日:徳島空港到着後、以前から行きたいと思っていた大塚国際美術館へ。その後は小松島線の廃線跡を探索(徳島泊)
2日目:「四国再発見早トクきっぷ」を利用して、伊予西条へ(途中、災害による代替バス区間を経由)。四国鉄道文化館を見学してから、高松に戻る(高松泊)
3日目:特にすることもないので、以前訪問した男木島(猫島)へ行き、その後はJRで徳島へ移動して、帰京。

@本山駅にて

■2018.7.14
 朝一番の便で羽田から徳島へ飛ぶ。いつもなら徳島駅行のバスに乗り換えるが、今日は鳴門公園行の路線バスである。
 このバスは大塚国際美術館も経由するが、まだ開館時間前なので、まずは鳴門公園まで行って散策である。

@定番

 「渦の道」などは以前に経験済みであるので、散策後は美術館に向かった。
 かなり大きな美術館であり、普通に回っても2時間はかかった(詳細については、美術が得意な方のブログにお任せしたい)。今日の西日本一帯は35〜38度の猛暑日になるようであるから、美術館巡りには最適な日である。

@有名な展示

 写真は数枚にする予定であったが、美術に疎い私でも知っている知っている絵画(厳密には、ここにあるのは絵ではないが)が多くあり、気が付けばかなり撮影していた。
 さて、次は小松島線跡である。美術館前を通るバスは徳島駅まで行くが、久々に鳴門線に乗るために鳴門駅前で路線バスを降りてJRに乗り継いだ(しかもこうした方が安くなる)。

@次はこれ

 土曜の昼だというのに1両だけの車内はかなり混んでいたので、最後部に立って流れゆく景色を眺めることにした。13時06分に出発。
 徳島駅到着後は明日の切符(四国再発見早トクきっぷ:利用当日は買えない)を窓口で買ったが、まだ30分ほど時間がある。しかし外は酷暑であり、とても歩き回る気にはなれず、ビル内の本屋で時間を潰した。
 続いて乗るのは、14時24分発の牟岐線である。

@これまた混雑

 定刻に出発して地味な景色の路線を走り、14時41分に中田(ちゅうでん)に到着。小松島線は、ここから1駅だけ支線として分岐していた路線である(正確には、本来は小松島港方面が本線であり、国鉄が牟岐方面に路線を延長したため、行き詰まりになっているこちらが支線になってしまったものである)。
 駅前すぐから、寄り添うように自転車道があるが、これが廃線跡である。牟岐線の路盤と別れても、それはずっと続いている。

@歩きやすいが、暑い…

 日差しがかなり強いため、恥も外聞もなく雨傘を差しての散策である。
 汗だくになって25分ほど歩き、やっと小松島港駅跡に到着した。今はSL広場となっており、公園内にはSLと客車も展示されている。

@そろそろ再塗装が必要でしょうか

 廃線後33年も経過しているし、都市部であるため路線の残骸などは見当たらなかったが、全路線跡が整備されて残っているので、歴史の跡を巡ることは十分可能である。ただし、歩くのはもっと季節の良い時期がお勧めである。今日にしても、小松島線以外の鐡ネタがあれば、そちらに行っていたであろう(他に思い浮かばなかった)。

@しかし、廃線跡では猫を何匹か発見

 酷暑の中、川を渡って南小松島駅にたどり着き、15時39分の列車で徳島市内に戻った。まだ早いが、今日はここでネタ切れである。安ホテルに投宿。

■2018.7.15
 5時半頃にホテルを出て、歩いて徳島駅へ。予定より早く着いたので、6時02分発ではなくその前の5時48分発に乗ることができた。高松まで、2時間程度の各駅停車の旅である。
 高松で接続する列車は、8時16分発である。通常との違いは、行先が「本山」になっている点であろう。本山−観音寺間の財田川に掛かる橋の土台が豪雨の影響でずれてしまい、約1か月の補修期間が必要とのことである。

@イレギュラー

 定刻に出発し、ひたすら西へ。この辺りは見慣れた沿線風景であるので、特急列車ですっ飛ばしたいところであるが(当初の予定はそうであった)、こればかりは仕方がないであろう。
 9時48分、本山に到着した。こんなことでもなければ、まず途中下車することなどない駅である。代行バスは、駅前すぐの場所に停まっていた。

@これで連絡

 代行バスに乗り継いだのは25名くらいであり、バスはすぐに出発した。
 路線と並走する道路があれば被災状況がわかるのであるが、残念ながら全く違うルートであるため、その辺りの確認は不可能であった。10時04分頃、観音寺駅に到着。
 しばらく駅構内で待ってから、10時37分発の伊予西条行に乗り込んだ。3両もあるため、ガラガラである。定刻に出発し、1時間ちょっとで伊予西条へ。その足で駅前にある四国鉄道文化館へ向かった。

@新幹線もある

 実は、かなり前にこの施設は訪問したことがある。よって旅程作成の時点ではパスしかかったが、ネットで検索したら南館なる施設が増設されて、展示車両が増えているではないか。よって、再訪した次第である。
 北館の展示を見終えてから、橋を渡って南館へ向かった。こちらは、まずジオラマ展示があり、その奥には3両(SL、気動車、機関車)が展示されている。北館の展示もそうであるが、車両によっては運転席にも入れるようになっている。

@懐かしい国鉄色

 懐かしい色をした気動車(キハ65)に入ってみると、まず目に付いたのが小さいテーブルに付いている栓抜きである(タイに行ってJR車両の寝台車に乗った際に使用できるチャンスがあったのだが、係員がサービスで開けてしまった。もちろん、今なお国内に残っている国鉄型車両にはこの栓抜きが残っているが、「瓶の飲み物」を持ち歩くこと自体がないため、まず使うことがない)。
 そう思って車外に出ると、なんと瓶飲料の自動販売機があるではないか。これは、明らかに私のような人間を狙ったものである。ということで、罠に嵌ったかのようにして100円のコーラを購入した。

@まんまと…

 その後は駅前の物産館のテーブルで時間を潰し、13時29分の各駅停車で観音寺へ戻った。
 再度代行バスであるが、観音寺に直行する特急バスもあるので時刻を聞いたところ、1時間後の出発であったので、それは諦めて本山行に乗り込んだ(観音寺行は、特急列車の発着に合わせて運転されている)。
 ということで、本山駅に戻ってきた。次回、この駅に訪れることはあるだろうか。

@この駅にとっても稀な体験?

 15時24分発の快速サンポートに乗り、約1時間で高松に到着。そこから高徳線に乗り換えて安ホテルのある屋島まで向かった。

■2018.7.16
 いつも通りに早起きし、今日はフリー切符もないのでホテル直近の駅である潟元駅(琴電)から旅の始まりである。

@踏切で反対方向に行く列車を撮影

 瓦町で乗り換えて高松築港まで移動し、そこからは歩いてフェリー乗り場へ向かった。一昨日から酷暑続きであるが、切符売り場は長蛇の列であった。
 8時00分のフェリー(座席はすべて埋まっている)で、女木島を経由して約40分で男木島へ。昨年の秋に男木島にいる猫の一斉去勢をしたというニュースがあったが、さすがにすぐには減少しないであろう。…と想像していたが、現実的には数える程度しかいなかった。暑いせい(日陰に隠れていたせい)かもしれないが、拍子抜けである。

@ちらほらと発見(前回は同じ場所で大漁だったのだが)

 その後は集落内にある現代アートを見て回ったが(ついでに猫も少しだけ遭遇)、9時過ぎだというのに玉のような大汗である。今日も全国的に危険な暑さ(地域によっては40度の可能性も)になるようであり、島内散策は50分ほどで切り上げ、残りの時間はフェリー乗り場近くにある待合室で時間を潰した。

@今後は猫ではなくアートで人集め?

 さて、後は11時00分のフェリーで高松に戻り、空き時間でうどんを頂いてから徳島へ移動して、予定の飛行機で飛び立つだけである。…という心積もりであったが、乗り場近くの店が開き、そこで「サザエ飯」が売っているではないか。思い起こせば、前回もサザエ飯を買っている。ということで、それを買って頂くことにした。

@締めの一品(変更後)

 当初予定よりは随分とスケールダウンした旅行内容であるが、それなりに四国を楽しめたとは思う。

 

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