【petit-tetu】思い付きの静岡路

■はじめに

 9月後半の飛び石連休について、すべて休むわけにはいかなかったが、23日を休んでインドに行くことにしていた。そして前半の3連休については放置していたが、直前になって「せっかくの連休なのだから」とどこかに行こうと思った。しかし、適当な行先(安いところ)もないため、やはり諦めることにした。
 ところが前日(9月16日)になり、せっかくの連休をずっと家にいる気になれず、「どこでもいいから近場で何か小ネタを」という考えになり、あれこれ調べたところ静岡鉄道でイベントをやっていることを知り、特に興味があるというわけではないのだがそれに行ってみることにした。
 日帰り可能な距離ではあるが、旅気分を演出するために1泊にした。あとは適当に、鐡ネタとB級グルメネタを絡めるだけである。

@新清水駅にて

■2016.9.17
 当然鉄道で移動するのだろうと言われるかもしれないが、予算の都合で高速バスである。ネット割引等を足すと清水まで片道2,050円であるから、仮に青春18きっぷの利用可能期間だとしても鉄道では敵わない。
 銀座・有楽町付近をぶらついてから東京駅に向かい、12時00分発のバスで清水へ向かった。いつもは早朝出発であるが、こういう時間に出発するのもいいものである(ただ単に、午前中に選択肢があまりなかっただけでもあるが)。

@足柄SAにて

 連休初日であるが故の渋滞に嵌り、終点である三保の松原に到着したのや約1時間遅れの16時頃であった。とりあえず、世界遺産を散策する。

@観光客多し

 清水駅前で降りずに三保の松原まで来たのは、世界遺産を見るためではない(そもそも今日は曇天であり、富士山は見えないのである)。この近辺には国鉄時代に清水港線という路線があり、1日に1往復だけ旧型客車が走っていたのである(1984年に廃止)。10年くらい前にまだバイクを持っていた頃、この辺りをツーリングして廃線跡を「つまみ食い」したことがあるが、今回はもう少し本格的に見てみようと思う。
 まずは、終着駅(三保駅)の跡へ行ってみる。引き込み線用の小さなディーゼルカーと貨車が、敷地内に展示されている。

@今は公園になっています

 その後は、遊歩道になっている廃線跡を歩いて行った。
 本来はすべて歩くつもりであったが、バスが1時間遅れてしまったためこのまま歩き続けたのでは清水着時点で日が暮れてしまい、市場で魚を買うこともできない。よって、路線バスの車庫があるところからバスに乗ることにした。この先の廃線跡にも車両が展示されている場所があるが、そこは明日訪問すればよい。

@廃線跡

 バスで駅前まで移動し、閉店間際の市場で刺身を入手。激安ホテルに投宿して、さて、前回清水に来た際に断念した「もつカレー」の入手である。ホテルのすぐ近くにある店に行ってみると、まだ6時過ぎだというのにもう売り切れであった。つくづく、縁がないようである。
 しかし、市場で刺身は手に入れることができたし、コンビニの唐揚げが静岡県限定で「桜えび」風味であったのでそれも足し、なんとか「静岡」らしくなった。

@こんな感じ

■2016.9.18
 今日は月に2回の朝市の日ということもあり、エスパルスドリームプラザまで歩いて行って生姜や手羽先を買ったりした。
 9時過ぎにホテルを出る。イベントは静岡鉄道の長沼駅付近で行われるが、ホテルがJR清水駅のすぐ目の前であるため、往路はJRで東静岡まで移動することにしている。

@ご当地ですから

 9時17分の列車に乗り、9時25分に到着(速さではJRの圧勝)。そこから数分歩いて長沼駅まで行ってみたが、イベント会場らしきところにどうやって入っていいのかがわからない。とりあえず駅入口に行ってみると、まさかの中止ではないか。

@旅の主目的が…

 確かに早朝に雨は降っていたし、大雨洪水警報も出ているが、現状はずっと曇り(+無風)である。決断が早すぎる気もするが、最近はクレーマーが多いため、こんな日に行事を開催して転んで怪我でもしたら責任転嫁させられかねないから、仕方がないのかもしれない。
 長居しても仕様がないので、新清水までの切符を買ってホームへと向かった。

@イベント撤収中

 すぐに来た列車に乗り、新清水へと移動する。先頭車両に変な人(大声を出す人)がいたので途中駅で降りて次の列車を待ったが、これが功を奏し、やってきたのは「ちびまる子ちゃん」のラッピング車両であった。

@当たり
 
 見た目だけでなく、車内放送の声も「まる子」であった。
 10時過ぎに清水に戻り、元から行く予定であった港の市場内の店に行って、かなり早めの昼食にした。清水と言えばマグロであるが、ただ単に良い部位であれば都内でもどこでも買えるので、脳天の部分を使用したものを思い切って注文してみた。

@甘し(そして高し)

 食事を終えて外に出ると、イベントの中止も納得というような大雨と強風である。しかし雲の流れも速いため、5分も待てば再度歩けるようになった。
 今朝すでに歩いたのであるが、エスパルスドリームプラザまでは、廃線跡が遊歩道として整備されている。

@このように

 エスパルスドリームプラザは旧駅跡であり、それらしい設備等(駅舎など)は残っていないが、木材を陸揚げする際に使用されていたクレーンだけが残されており、登録有形文化財として指定されている。
 その施設を過ぎるとしばらく廃線跡はないが、じきに復活してくる。その道を歩き、車両が展示されている場所へと向かった。

@廃線跡です

 しばらくすると大きな道路と合流して、並走するようになる。左手には鈴与の大きな工場が並んでいる。
 確かこの辺に車両が展示されていたはずなのであるが、いくら歩いても見つからない。そのうち鈴与の工場が終わってしまったため、持ってきた資料を見てみると、車両が展示されていたのは先述した「大きな道路と合流」する辺りだったようである。そこまで戻ってみると、確かにそれらしき「跡地」があった。

@無念


@以前の様子

 さて、これで今回の目的(鐡とグルメ)は終了である。メインがキャンセルとなってしまい、「だったら清水でなくてもよかったのでは」となってしまうが、旅のきっかけを作ってくれたのだから良しとせねばなるまい。
 幸い雨もほとんど降らず、降っても小雨程度であったので、さらに歩いて清水の次郎長関係の施設2か所(どちらも無料)を見学し、エスパルスドリームプラザで自分用のお土産(2回連続でフラれた腹いせに、もつカレー)を買い、無料シャトルバスに乗って駅まで移動してから、14時10分のバスで東京へと向かった。
 いつもは至極詳細な予定を立ててから旅に出るが、出発前日に急に思い立って出かけてみるのも、悪くないかもしれない。

@歩き疲れた後に喉を癒す

 

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