【第三セクター応援鐡旅C】北信越編(おまけで仙台地下鉄乗り潰し)

■はじめに
 第三回目となる応援旅であるが、今回は「北越急行、しなの鉄道、えちごトキめき鉄道」の3社が対象である。
 いつもと違うのは出発地が福島駅であるという点である。詳細は個人情報になるため記載できないが、「新潟県や福島県での仕事が入った」→「がんばれば大部分で各駅停車が利用できる」→「普通車限定の“北海道&東日本パス”を購入」→「4日分使用したが、まだ3日分余っている」という塩梅である。そして金曜の仕事が福島で終わったため、そのまま安ホテルに滞在していたのである。

 おまけ旅行記として、前週の日曜に実施した「仙台地下鉄乗り潰し」も載せておきたい。
 私は、日本国内のほとんどの鉄道は乗車済みである。旧国鉄(JRや第三セクター鉄道)はとっくにすべて乗車済みであり、私鉄も「おおよそ」は乗車している。実は私鉄でも未乗車であるのは、東武東上線や秩父鉄道の一部など、数えられる程度であるが、ではなぜ「おおよそ」なのかとうと、地下鉄のかなりの部分が未乗車なのである。東京や大阪は別件もあったため乗り潰しているが、札幌と仙台、名古屋で未乗車の線区が多い。
 かといって、それ(地下鉄)に乗ることを目標に旅行をしたいとは思わない。私は「鉄道好き」というより「旅行好き」であるため、景色が見えない地下鉄は「単なる移動手段」でしかないのである。
 そんな私に、絶妙な好機(?)がやってきた。これまた詳細は記載できないが、「青森県での仕事が入った」→「“大人の休日倶楽部パス”が使える日程であったのでそれを使用」→「仕事で3日分使ったが、1日分余っている」というものである。言うなれば、1日無料でどこにでも行ける状態になったのである。
 JR東日本管内を自由に移動できるため、これを利用して仙台まで行き、地下鉄を制覇して戻ってくることにした。新幹線単純往復ではつまらないため、往路は特急「ひたち」で上のから仙台まで直行である。

@なぜか新島々駅にて(理由は旅行記内で)

■2021.7.10
 福島駅前にある安ホテルをチェックアウトして、6時01分発の郡山行に乗って移動をした。郡山着6時47分。駅弁でもあるかと思ったが、やはり朝早すぎて売店の開店前であった。大人しく、6時52分発の磐越西線に乗り込み、会津若松着は8時08分。短い乗り換え時間で売店まで行ってみたが、やはり駅弁は入荷前であった。ということで、濡れおかきだけを買って大人しく磐越西線のホームへと向かった。これから乗るのは、8時14分発の新津行である。

@新しい車両

 定刻に出発(ホーム上では「お座トロ展望列車」が只見線に乗り入れるイベントの準備中であった)。
 さて、ここから新津まで3時間18分の旅である。事前に調べた際に「3時間以上?」と不思議に思ったのだが、途中駅で長時間停車があるためであった。急ぐ旅ではないため、それはそれで楽しもうと思う。
 最初の長時間停車は、野沢である。25分も停まるため駅からかなり遠くまで歩いてみたが、つげ義春の漫画に出てきそうな古い旅館(もう営業していなさそう)がいくつもあったり、駅には小さな展示コーナーがあったりしたので、充分に楽しむことができた。

@駅のミニコーナー

 野沢を9時27分に出発した。会津若松出発時はそれなりにいた乗客も、野沢以降は2両で片手未満である。
 続いての長時間停車は、狐の嫁入りで有名な津川である(18分停車)。この駅は以前も同様のパターンで下車したことがあるが、今日もまた降りてみた。

@狐がお出迎え

 駅スタンプももらい、同駅を10時33分に出発した。
 途中下車できるような長時間の停車はこれが最後であるが、10時48分に停車した五十島(4分停車)では必ずホームに降りなければなるまい。というのも、この駅で「SLばんえつ物語」号と行き違うからである。
 小雨の中待ち続け、迫ってきたSLの撮影である。

@無事成功

 同駅を出発した後は、寄り添う川をぼんやりと眺め続けた。新津には11時32分に到着。
 今日は順調な乗り継ぎが続くが、ここ新津では1時間弱の時間がある。ということで、駄菓子や学校給食的メニューを売りにしている店(鐡ネタ展示もあり)に行ったりして時間を潰した。
 ついでに駄菓子も買ったが、小さい頃はあまりこういったものを買ってもらえなかったため、思い切ってあれこれ買ってみたところ、レジで「216円です」と言われて、その安さに驚いてしまった。タイムスリップして小さい時分の私に買ってあげたい気分である。

@駅で頂く

 12時27分発の列車で長岡に移動し、長岡発13時48分の列車で越後川口に移動し、越後川口発14時15分の列車で十日町に移動した。14時41分に到着。やっと、今回の旅(第三セクター鉄道)の始まりである。
 北越急行(ほくほく線)の鉄印については、平日は直接記帳してもらえるが、土日は書置きである。それはそれで仕方がないので窓口に行ってみると、土曜日なのになぜか記帳してもらえた(今日は「鉄印1周年」ということで行事をしていたようである)。

@ラッキー(直接記帳)

 さて、続いては「消える系」のグッズ(食べ物など)である。隣接する観光案内所にほくほく線のグッズが置いてあるが、やはり食べ物などはないようである。
 ということでその場を去ろうとしたが、この辺りは「へぎそば」が有名である。それらのラインアップを見ているうちに、代替として蕎麦を2種類ほど買ってみることにした。

@せっかくですから

 ホームに向かい、15時09分発の直江津行に乗り込んだ。ほくほく線はトンネル部分が多いため、車内で電飾イベントが見られる「ゆめぞら」号などが当たるといいな、と思っていたが、普通の車両(1両編成)であった。
 定刻に出発。トンネルばかりなので景色は堪能できないが、かつては特急「はくたか」が疾走した高速走行用路盤であるため、1両編成の列車も怖いくらいの高速走行である。

@虫川大杉で行き違いのため停車

 JRの路盤と合流し、直江津には15時55分に到着した。さて、鉄印である。
 それと同時に、切符の購入も必要である(えちごトキめき鉄道は「北海道&東日本パス」の対象外であるため)。

@無事に入手

 「消える系」のグッズであるが、えちごトキめき鉄道ではカレーを売っているはずである。しかし、窓口(JRと共通)を見渡したが、どこにも見当たらない。
 もしやと思って、鉄印入手後に待合室内にあるJR系列の売店に行ってみると、無事にそこで発見した。しかも、通常版だけでなく、「くびき牛」を使用した高級版(値段が高い)も発売されたようである。これは、両方買わなければなるまい。

@当然です

 ホームに向かい、16時33分発の妙高高原行に乗り込んだ。定刻に出発。
 今日は雨模様のため山々は見えないが、観光列車である「雪月花」などでここ数年でも何回も乗った区間であるから、その時を思い出しながら懐かしく景色を眺め続けた。

@直江津出発時

 二本木のスイッチバックも過ぎ、しなの鉄道との接続駅である妙高高原には17時24分に到着した。
 ここで5分の乗り継ぎ時間で、しなの鉄道に乗り換えとなる。待ち構えていたのは、国鉄時代から頑張っている車両であった。

@貫禄あり

 定刻に同駅を出発し、終着の長野には18時13分に到着した。駅構内のスーパーで食材を揃えて、徒歩15分くらいの場所にある安旅館に投宿した。

■2021.7.11
 さて、残りは「しなの鉄道」だけであるが、実は今日は乗車しない。というのも、年明け早々(1月)に「そろそろ次の旅のネタを考えないと」思いこの「第三セクター応援鐡旅」の実施を考え、直後にネットオークションで鉄印帳が定価以下で売っていたので入手し、そして2月に「大人鐡」シリーズでしなの鉄道に乗車した際に、すでに記帳してもらっているのである。ということで、しなの鉄道への応援は昨日の乗車券だけである(高価な「ろくもん」に2回も乗っているので、それでお許し願いたい)。

@すでにあり

 となれば帰るだけであるが、直帰するのは面白くないため、久々にアルピコ交通「上高地線」に乗ることにしている。この路線はJRの「週末パス」でも乗車できるため、別料金を払うのはもったいないが、しなの鉄道の代替で応援(?)である。
 6時31分発の列車に乗り、松本方面へ。姨捨で5分の停車時間があったので有名な日本三大車窓を眺め、7時15分に到着した聖高原で下車した。今朝まではずっと曇天であったが、雲が切れて晴れ間が見えてきている。

@快晴へ

 駅前をぶらついたりホーム上にいる観音様を拝んだりしてから、7時26分発の快速に乗って松本へ向かった。8時02分到着。
 いったん改札を出て、券売機で一日乗車券を購入した(単純往復と同じ値段であるが、切符が手元に残るのが良い)。
 いそいそと、7番線ホームへと向かった。久々の乗車である。

@お久しぶりです

 8時19分に出発し、小さな駅に停まりつつ、終着の新島々には8時52分に到着した(記載したい事項はたくさんあるが、主目的(第三セクター鉄道)ではないため、省略)。
 旧島々駅舎などを見てから、9時22分発の列車で松本に戻ってきた。
 さて、後は10時40分発の高尾行に乗って帰るだけである。3時間半以上も乗車するため、一杯飲んでウトウトしながら帰るのがベストである。問題は、ロングシートに当たる可能性があることである。ロングシートでも6両編成のうち1か所だけ景色と直角の席があるが、トイレの前であり、食事向きではない。
 あれこれ考えたが、一か八かで駅前のスーパーで一献セット(山賊焼きやチューハイ、牛乳パン)を買ってしまうことにした。外れたら(ロングシートになったら)、家まで持って帰る決意である。
 しばらくして、列車が入線してきた。211系はボックスシートもロングシートも同じ「顔」なので区別が付かないが、幸運にもボックスシートであった。車内で酔っ払い決定である。

@ほっと安心

 出発前から山賊焼きで一献し、上諏訪付近以降はしばらくウトウトと。高尾到着後は中央線快速で都心へと向かった。

■2021.7.4(おまけ旅行記)
 8時00分発の仙台行特急「ひたち」に乗るべく、上野駅に向かった。駅構内の店舗で弁当や酒を揃えて、さてホームである。
 何が嬉しいかというと、上野駅の頭端式ホーム(13〜17番線)から出発できるということである。このホームは、以前は東北地方への長距離夜行列車が出発していたところであり、その形式(頭端式)から、この上なく旅情を醸し出す空間なのである。

@啄木歌碑(ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを 聴きにゆく)

 頭端式ホームを利用することはたまにあるが、ここから「長距離列車」に乗るのはかなり久々である。そもそも特急の運転形態自体が細分化される傾向にあり、長距離特急自体が少なくなっている。
 なお、「ひたち」の仙台直行列車は3往復あるが、残りすべては品川方面発着であるため、この頭端式ホームを味わえるのはこれから乗る「ひたち3号」のみである(註:もちろん、いわき行なども頭端式ホームからの発着はあるが)。

@いざ乗車

 定刻に上野を出発。大昔に乗った急行「八甲田」や、つい数年前に乗った寝台「あけぼの」のような出発の感覚である(ものの1分で通常の路盤と合流してしまうが)。
 さて、仙台までは4時間半くらいかかるが、途中の水戸やいわきまでは仕事でもちょいちょい乗る区間であり、物珍しいものはない。ということで、弁当で一献である。
 最初は駅弁でも買おうと思っていたが、通常の店舗の方で売っていた弁当の方に惹かれたので、そちらを購入してある。

@朝から呑む

 弁当と焼酎を平らげてからは1時間ほどうたた寝をして、目が覚めてからはぼんやりと外を眺め続けた。定刻の12時29分に仙台到着。
 地下鉄の駅に向かい、まずは1日乗車券の購入である。

@土日は安い

 まずは東西線で荒井に向かった。到着後、駅ビル内に震災に関する展示施設があったので、それを見てみる。
 折り返しに乗り、八木山動物公園まで乗車した。これで東西線は制覇である。
 再び折り返しに乗り、仙台で南北線に乗り換えて泉中央へ(最後は地上に出る部分もあった)。ホームの長さに余裕のある駅で、やっと車両の撮影も可能となった。

@無事に撮影

 またまた折り返しに乗り、終着の富沢まで乗り通した。これで南北線も制覇であり、仙台地下鉄完乗である。
 さて、この駅の近く(徒歩15分程度)には市電の博物館(仙台市電保存館)があり、ぜひ訪問したいのであるが(当初旅程では訪問可能であった)、今日は30分程度しか時間がないため、訪問は諦めて戻らないといけない。というのも、出張中に宅配便の不在票が届いており、しかもクレジットカードのため、本人受取が必須である。来週も出張が続くため、今日(日曜日)の19時までには家に戻らないといけない。ということで、急遽新幹線を早い時刻に変えたため、市電の博物館に行く時間がなくなってしまったのである。

@ポスターで我慢

 そのまま折り返しに乗り、JRに乗り換えるために長町で下車した。中途半端な時間があったので駅構内にあったスーパーで宮城産のホヤの天ぷらなどを買い、JRで仙台に向かい、新幹線に乗り込んだ。「はやぶさ」であるが、「こまち」用の車両で運用されているものである(赤いはやぶさ?)。前方には通常の「はやぶさ」車両も連結されているが、こちら(赤)の方が座席が横4列なのでゆとりがある。
 さて、後は呑んで帰るだけである。仙台駅で楽天イーグルス仕様のチューハイや仙台味噌のおにぎりを買っているので、それらを頂きながら宮城での「ほぼ無目的な」旅を締め括るだけである。

@今日は呑んでばかり

 

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