シベリア鉄道9300キロ

■はじめに
 「シベリア鉄道」――たとい鉄道や旅行に疎い人であっても、今回のこのテーマに関しては殊更な説明は必要ないであろう。モスクワからウラジオストクに至る約9,300キロの鉄路は大陸横断鉄道の中でもその長さで最長を誇り、その区間を走行するロシア号は最長の「国内鉄道路線」として今もその名を誇っている(ちなみに、国際列車ではウラジオストクからキエフに行く列車などの方が走行距離は長い)。
 今回は、ロシア号に乗ってシベリア鉄道を横断することにした。観光要素の強いイルクーツクを通過することには躊躇いも覚えたが、乗るからには通しで乗りたいということと、途中下車しなくても前後合わせて10日間の旅程となる(さすがにそれ以上は休みが取り難い)ため、1本の列車で乗り通すことにした。イルクーツク周辺は、そのうちまた観光で来ればいいだろう。
 逆に通しで乗ることの最大の難点は、清潔に関する問題である。シベリア鉄道には原則的にシャワー等がないため(乗務員用の設備があり、それを幾許かの金銭で使用させてもらったという旅行記はある)、1週間も風呂なしで生活しなければならないのである。仕様がないため、体はウェットタオルで拭き、洗髪はトイレの洗面所で済ますことにした(男ならではの対処法であろう)。

【旅程】
1日目:成田→ウラジオストク(S7航空)[ウラジオストク泊]
2日目:ウラジオストク近郊列車乗車(ウゴリナヤまで)、夜にロシア号乗車 [車中泊@]
3日目:ロシア号(ハバロフスク、ベロゴルスクなど)[車中泊A]
4日目:ロシア号(スコヴォロディノなど)[車中泊B]
5日目:ロシア号(ウラン・ウデ、イルクーツクなど)[車中泊C]
6日目:ロシア号(タイシェト、クラスノヤルスクなど)[車中泊D]
7日目:ロシア号(オムスク、エカテリンブルグなど)[車中泊E]
8日目:ロシア号(キーロフなど)[モスクワ泊]
9日目:モスクワ近郊列車乗車(セルギエフ・パッサードまで)、モスクワからアエロフロート航空に搭乗 [機内泊]
10日目:午前、成田着

 ウラジオストクへの航空便といえば、これまではウラジオストク航空のみであった。しかし今年の3月末よりシベリア航空(S7航空)が成田−ウラジオストク便(名目上はチャーター便)を週に2便運航し始め、しかも土曜日の便があるため仕事がある身としてはかなり使い勝手が良い。ロシア号の出発日(ウラジオストク発は偶数日)に合わせて、7月の2週目に出発することにした。
 例のごとくロシア入国にはバウチャーとビザが必要であるため、個人手配を主義とする私ではあるが、今回も旅行社を通じて手配をしてもらった。


@エカテリンブルグ駅にて

 Part1(ウラジオストク〜2日目途中)

 Part2(2日目途中〜4日目途中)

 Part3(4日目途中〜6日目途中)

 Part4(6日目途中〜モスクワ)+おまけ

 

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