【petit-tetu】とりあえずパリから東へ

■はじめに
 またパリ出張である。帰国日に時間の余裕があるため、これまでにルーアンやルマンに訪問しており、旅行記に仕立て上げたこともある。
 さて、今回はどうしようか。その気になれば英国まで往復できるが、復路に何かあって帰国便に搭乗できなかったら大問題である。よって、「何かあってもバスなどの代替手段で戻ってこられる」範囲が対象である。
 北方面のルーアンと西方面のルマンに訪問済みであるため、今回は意味もなく東へ行くことにした。フランスの路線図と国鉄のネット上の時刻表と相談し、行先はセダン(スダン)にした。往路は直行TGVで2時間、復路は3つ乗り継いでシャルルドゴール空港に直行であり、途中のランスで1時間ほど乗り換え時間があるため、ここでも観光ができる。セダンは特に観光地というわけではないが、欧州の都市は何かしら聖堂や城などがあるので、散策するだけで観光になるであろう。

@ランス駅にて

■2018.12.8
 ここ最近、毎週土曜日になるとパリ市内では大規模デモがあり負傷者なども発生しているが、人の出入りが制限されるのは凱旋門からシャンゼリゼ通り付近だけであり、少し郊外のホテルに滞在している私は影響なしである。
 念のために6時半頃にホテルを出て、7時10分前にパリ東駅へ。この季節の欧州は、まだ真っ暗である。

@夜明け前

 しばらく駅構内を歩いたりして時間を潰し、電光掲示板にセダン行のホームが表示されるのを待った。出発の10分くらいまえに「9番線」と出たため、そちらへ向かった。
 なお事前にネットで買う際に値段を見たところ、セカンドクラスとファーストクラスの差があまり大きくなかったので、往路はファーストクラスを押さえてある。

@今日の一番手

 車両は後ろからファーストクラスの11号車・12号車とあり、私は13号車なのでその次のはずであるが、なぜか3号車と表示されているではないか。謎である。その次にあるカフェカーを挟んでその先は全部セカンドクラスであるため、ここが13号車であるに違いない。
 他の女性客が「この列車はどこ行き?」と念押しで聞いてきたので、「セダン」と答えるついでに「ここは3号車?」と聞いたところ「13号車」と答えてきたので、このようなことはよくあるのかもしれない。

@こんな車内(出発時には満員に)

 購入時に窓側を押さえておいたが、窓との相性は最悪(2/3が壁)である。毎度、TGVの座席指定はギャンブルである。
 Wi-Fiが使えるようなのでスマホを繋いでみると、位置情報や旅情報が表示されるようであった。各駅の出発予定時刻が表示されるページがある。

@メニューページ

 この列車の前のフランクフルト行などが軒並み15〜20分遅れていたので心配していたが、定刻の7時58分に何やらアナウンスがあった。嫌な予感がしたが、フランス語はお手上げである。そこでふと先ほどのWi-Fiを思い出してスマホを付けてみると、さっそく時刻が更新されて8時28分発になっているではないか。遅延は褒められないが、変なところが素晴らしく俊敏である。
 この通りの時刻であればセダン滞在は40分程度になってしまうが、そもそも目的のある旅ではないので、何ら問題はない。逆に、明るくなった中で出発できるから、鐡旅としては良かったのかもしれない。
 遅延予定より若干早い、8時25分に出発。市内はゆっくりと走り、郊外に出ると高速走行になっていった。いかんせんかなり曇っているのと、窓の汚いため、撮影はなかなか難しい。

@よって2枚連続スマホ画面で(300キロ超)

 窓との相性が悪く外を見るには真横を見ないといけないのと、曇天+窓汚れのせいで撮影する気もないので、Wi-Fiのネットでメールを見ていたら、なんと今日の帰国便が3時間近くも遅れるというではないか。ただでさえ念のため空港に早く戻る予定であるのに、手持無沙汰がさらに追加である。
 ふと横を見ると、少しだけ雲が切れて青空が見えた。特に何かがあるわけでもないが、とにかく撮影である。

@少し見えた

 久々に街っぽくなり、9時12分にランスに到着した。ほぼ満員であった私の車両内の乗客はほとんど降りてしまい、6人くらいになってしまった。しかし、これ幸いということで、窓との相性の良い席に移動した。
 同駅を9時15分に出発。ここから先は高速走行用の路盤ではないため、時速130〜160キロで走り続けた。時折、雨も降り始めた。
 いくつかの駅に停まり、10時03分にシャルルヴィル・メジエールに到着した。乗客はさらに降り、もう2人しかいない。

@到着直前の川

 ここでは、本来の時刻表では12分停車である。「こんなところでなぜ」と思っていると、7分停車した10時10分に後ろ向きに出発した。まさかのスイッチバックである。
 田舎風景の中を走り続け、定刻から21分遅れの10時25分にセダンに到着した。

@駅は立派

 遅延したため、とても城の方までは行くことができない。ということで、駅から見えている聖堂まで行ってみることにした。
 しかし、雨が降り始めてかなり寒い。なんとか聖堂までたどり着き、荷物に仕舞っていた手袋を出して付けて、急いで駅に戻った。
 今頃、パリではデモで大騒ぎであろうが、こんな国境近くの小さな町でもやっていた。しかし、規模はかなり小さかったが。

@近くで撮ると問題ありそうなので「引き」で

 さて、次はTER(近郊各駅列車)でランスに行く予定であり、切符は当然ネットで購入済みである。しかし、Eチケットでは11時17分発が電光掲示板では11時16分になっているし、列車番号も違うし、そして1番線と掲示されているのに列車は2番線にいるし、もしこれが言葉の通じない国であったら大混乱になりそうな感じである。
 田舎駅で他に選択肢がないので、2番線に行ってそれらしき列車に乗り込んだ。

@次はこれ

 定刻に出発…と思ったが、駆け込み乗客がいて、しかも改札直結の1番線から地下道経由の2番線に変更されているため時間を要し、1分遅れの11時17分に出発した。
 小さい地味な駅にも停車し、シャルルヴィル・メジエールでスイッチバックして、ひたすらランスを目指していった。基本的に曇り時々雨であるが、強風の関係で稀に青空が覗く瞬間もあった。

@その瞬間

 12時39分、ランス到着。1時間ほど時間があるため、ド定番のノートルダム大聖堂である(駅から近いのがありがたい)。しかも大聖堂へ行ってみると、クリスマスマーケットが開催されているではないか。大聖堂内の観光と共に、しばし雰囲気を楽しんだ。

@大聖堂かマーケットか悩んだ挙句、鐡写真に(路面電車)

 もう少し観光したい気持ちがあるが、仕方なく駅へ。次に乗るのはシャンパーニュ・アルデンヌ行である。そこは要するにTGVと接続する駅であり、この列車はそのための「リレー号」のような位置づけである(先ほどと全く同じ車両のため、写真は省略)。
 定刻の13時42分に出発し、13時54分に到着した。
 さて、次は14時06分発のシャルルドゴール空港行TGVである。途中駅であるため、あまりこの寒空で遅延を待ちたくはないが、14時07分に入線してきてくれた。

@これが最後

 セカンドクラスの車両であるが、窓との相性は最高(独り占め状態)であった。しかし、今度は進行方向と逆であった。やはりギャンブルである。
 金太郎飴のような「どこを切っても同じ」景色を見続け、空港駅到着は定刻ぴったりの14時38分であった。
 問題は、ここから6時間以上も待たねばならないことである。しかし「救う神」もいて、15ユーロのミールクーポンが出たのだが、レストランだけでなく売店でも使えるという。売店で「お菓子やチョコも買えるか」聞いたら大丈夫ということで、予定外の追加土産を購入することができた。

@やっぱり大聖堂の写真を1枚掲載

 

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