【大人鐡H】長野電鉄「北信濃ワインバレー列車」・しなの鉄道「軽井沢リゾート号」編

■はじめに
 食事付き観光列車をメインターゲットにしている大人鐡であるが、次回は8月9日に平成筑豊鉄道の「ことこと列車」に乗る予定であった。しかし、コロナの勢いが日に日に増していき、いつ何時「県境をまたぐ移動」の自粛が求められるかわからない状態となってしまった。私は都民でないのでまだマシであるが、これ以上感染が広がると、また自粛要請が出てしまうかもしれない。
 ということで、この週末も観光列車に乗ることにした。検索して行き着いたのが、長野電鉄の「北信濃ワインバレー列車」である。この大人鐡の第一回目にて「列車がかなり改造されていること」を条件として挙げており、そういう意味では対象外の列車である(テーブルの設置と、ワインカウンターの増設程度の改造)。しかし、内容的には充分に観光列車であるため(ワイン飲み放題とお弁当)、ラインアップに加えることとした。
 ついでに、ということで、つい先日(7月4日)に運用を開始したばかりのSR1系による、しなの鉄道の「軽井沢リゾート号」にも乗ってくることにした。平日は通勤用快速列車であるが、土日祝日は観光列車となり、一部の席を対象に食事付きプランが発売されているのである。コース料理のような豪華なものではないし、そもそも改造車両ではない(新造車)であるが、参考として付け加えておきたい。

@ワインバレー列車内にて

■2020.8.1
 しなの鉄道と長野電鉄に乗るということで、またしてもJR東日本の「週末パス」を利用しての移動である(いくつかの私鉄や第三セクター鉄道にも乗車可能)。少しでも新幹線乗車区間を減らすために大宮から新幹線に乗り、8時38分に長野に到着した。
 今回は湯田中発のワインバレー列車を予約しているため、まずは湯田中まで移動しなければならない。8時51分発の列車は昔の「成田エクスプレス」の車両で運用されている特急「スノーモンキー」である。

@特急料金は別払い(100円)

 早起きしたおかげで、湯田中で2時間弱ほど時間がある。ということで、歩いて渋温泉まで行ってきた。
 湯田中駅に戻り、窓口で予約済みのメールを提示してワインバレー列車の切符を受け取った。

@こんな切符

 11時10分頃、ワインバレー列車が入線してきた。今更説明の必要もないであろうが、小田急のロマンスカーとして活躍していた車両である。

@雨が降ってきた

 この列車は「特急ゆけむり〜のんびり号〜」として通常の特急よりはゆっくりと(観光アナウンス付きで)走行するものであり、4両編成のうち1両がこの「北信濃ワインバレー列車」として運用されている。
 女性係員に案内されてワインバレー列車の車内に入ったが、なんと乗客は私だけであるという。観光列車での「1両貸切」は、「おれんじ食堂」以来2回目である。
(土曜日午前の湯田中→長野行であり、空いているとは予想していたが、想定以上の空き具合であった)

@この車両を独り占め

 今日の私の席は、2Aである。この観光列車を予約することとなった1つの決め手が、「相席にならない」というものである。1〜4人であれば、人数に関係なく専用のボックス席が宛がわれる(ただし、3・4人の場合は6,000円である料金が、1・2人の場合は7,000円になる)。私のようなお一人様にとっては、心強い予約方式である。

@今日の宴の席

 机上には、この列車用のお弁当「特別箱膳」と、最初の一杯(白ワイン)がすでにセッティングされていた。まだ出発の10分前(11時25分出発予定)であるが、さっそく一献を始めさせていただくこととした。

@いただきます

 ワインはなみなみ注がれているわけではないため、最初の一杯はすぐにカラになってしまった。さっそく追加であるが、今日は赤ワイン4種、白ワイン3種あるようである。とりあえず、私が好きな赤をワインリストの上から順にいただくことにした。

@写真上は区別付かず

 箱膳の中身であるが、ワインを意識してか「ごはん」というよりは「つまみ」である。小さなお寿司にしても、具にはアボカドやチーズが入っており、明らかにワイン用である。
 観光アナウンスを聞きながらそれらをつまんでいると、車内販売が通りかかった。せっかくなので、買おうと思って狙っていた「えりんぎにぎり寿司」を購入した。

@食材追加

 車内では、あれこれと観光アナウンスが続けられていた。長野電鉄には何回となく乗っており沿線のこともある程度知っていたが、信州中野に県庁があった話は初めて知った。また、沿線のキノコ工場の話も初耳であった(新しい建物が多いとは思っていたが、説明を受けて初めて理解した)。
 小布施に到着し、しばし停車(トイレ休憩的な感じ)。

@スノーモンキーと行き違う

 小布施を出発した後も、ひたすらワインのおかわりである。どのワインの写真を撮っても同じであるため、カウンターにあった赤ワインたちの写真を掲載したい(白ワインたちは別途冷やされている)。

@左から順にいただく

 観光アナウンスは継続しており、歌あり解説ありで様々である。ホリ〇モンが収監されていた長野刑務所の説明も、初めて耳にしたものであった。乗り慣れた長野電鉄であるが、こういう説明があると新鮮な感じがしてありがたい。

@もう出所していますけど(刑務所)

 観光列車では、駅ではない場所(景勝地)で停車したりする。長野電鉄は運転本数が多い地方都市部の列車であるためダイヤ上難しそうであるが、橋の上で2分ほどの停車時間が設けられていた。

@これも観光列車ならでは

 赤ワインを1周してからは、当然のことながら白ワインに移行している。そちらもコンプリートしてからは、赤で一番気に入ったチャオチャオロッソを最後にもう1杯いただいた。

@こちらは白ワインたち(手前はぶどうジュース)

 さて、ここまでは想像通りの旅であったが、最後に予想外の展開があった。というのも、女性係員がやってきて、この観光列車に長野県から補助が出ているとの説明があったのである。国によるGO TOキャンペーンではないが、長野県版の観光補助のようなもので、この場で現金3,000円がもらえるという。書類に署名をするだけで現金3,000円であるから、ありがたく頂くこととした(まさかの展開)。
 12時32分に長野に到着し、観光列車の旅は終了である。

 2分後に出発する各駅停車で善光寺下まで移動し、久々に善光寺をお参りした。

@強烈晴れてきた(激暑)

 さて、明日の「軽井沢リゾート号」の出発は、長野駅9時10分である。それまでここにいる必要はないため、今日は週末パスを活用して、飯山線と「ほくほく線」などを経由して高田に宿泊することにしている。
 14時12分発の戸狩野沢温泉行に乗り、飯山で下車。SLを見に行ったり、夜用の食材を買いにスーパーに行ったりした。

@SL

 15時52分発の越後川口行に乗り、十日町・犀潟・直江津で乗り換えて高田へ。駅から歩いて数分の場所にある激安ホテルに投宿した。

■2020.8.2
 今日の旅は、6時09分発の妙高高原行から始まる。つい先月「えちごトキめきリゾート雪月花」の旅で乗車したばかりの区間であるが、前回との違いは、快晴であるため妙高山の全容をくっきりと掴める点であろうか。

@快晴

 妙高高原でしなの鉄道に乗り換え、6時53分に同駅を出発した。そのまま長野に行ったのでは早すぎるため、黒姫で下車し、小林一茶ゆかりの家などを徒歩観光。駅に戻り、黒姫発7時57分の列車で長野に向かった。長野駅でしばし時間があったため、待合室で待機。
 9時少し前、軽井沢リゾート2号が入線してきた。

@新車です

 旧JR(というか国鉄)の「お下がり」車両を使い続けてきたしなの鉄道が、満を持して登場させた新造車両である。冒頭の「はじめに」も記載したが、土日祝日は観光向けの快速列車となり、数席だけであるが食事付きのプランが設けられている。
 実は私は、鉄道の車両に関する情報には疎く、新しい車両に関しても「○○がデビューする」というのすら知らないことが多い。このSR1についても同様で、先月11日に「雪月花」に乗車した際に、偶然知ったのであった。帰宅後にあれこれ調べて、食事付きプランの存在も知ったのである。
 車内に入り、さっそく私の席へと向かった。すでに食事もセッティングされている。

@こんな具合

 コロナ対策ということで、2人席であるが1人しか予約できなくなっている。
 なお、食事付きプラン用には4つのスペース(本来の定員は8人)用意されており、それぞれテーブルが設置されている。テーブルは2人席の上にかぶさる形になっているため、通常の倍のスペースを取っていることになる。食事つきプラン(2,000円)のうち、500円は指定券分であるが、スペース代も含まれていると言えよう。

@こんな構造

 定刻の9時10分に出発。さっそく食事を頂く。パンは3種類で、季節の野菜を使ったサンドウィッチと、メロンをそのまま載せているクリームパン、そしてスコーンである。さらに、ドライフルーツ(りんご)と、りんごジュースも添えられている。いつもは朝食を食べないため、3つのパンでお腹いっぱいになってしまった。

@美味しく頂きました

 さて、沿線自体は乗り慣れた風景である。晴れてはいたが、残念ながら浅間山は雲をかぶってその姿の半分以上を隠してしまっていた。
 軽井沢到着は10時12分。乗車時間は62分である。通常の列車であれば1時間半くらいかかる区間であるから、食事云々はさておき、普通に快速列車としても利用価値がありそうである。

 さて、ここでテーマにしていた観光列車の旅は終了である。後は帰るだけであるが、青春18きっぷが余っているため、今日は吾妻線に久々に乗り、水上にある温泉宿に泊まることとしている(月曜は有休を取って青春18きっぷを活用)。
 そのようなことから、久々にJRバスで横川へ抜けることにしている。

@週末パスでは乗れません

 しばし旧軽井沢を散策してから駅に戻り、JRバスで横川まで行き、横川発12時10分の列車で高崎へ。それから、各駅停車で吾妻線が分岐する渋川まで移動した。

@渋川ではこんなイベントが開催中でした

 これから万座・鹿沢口まで往復するが、各駅停車を待っていたのでは水上到着が夜遅くなってしまう。ということで、往路だけ、途中の長野原草津口まで特急「草津」に乗ることにしている。このようにして、部分的に特急や新幹線を活用できるのが、週末パスの利点である(青春18きっぷには真似できない部分)。

@入線中(上り特急も出発中)

 万座・鹿沢口まで行き(列車本数が少ないため大前まで行くのは諦めている)、帰りは各駅停車で渋川へ移動した。そこから上越線に乗り換えて水上へ移動し、崩れそうな建物である安旅館に投宿した。

 さて、明日は青春18きっぷを使って、まずは六日町まで往復し、その後は青梅線などに久々に乗ることにしているが、大人鐡とはまったく関係ないため、削除である。
(今回もサブテーマである「大人グルメ」は登場しなかったが、ボロ宿の夕食が豪華であったため、それを掲載して旅行記を終えたい)

@これで酔いどれました

 

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