【大人鐡59】静岡鉄道「しぞ〜かおでんトレイン」・天竜浜名湖鉄道「天浜線地酒列車」編

■はじめに
 今回は、静岡県内の2つの食事付き観光列車である。
 1つ目は、静岡鉄道である。「静岡おでん祭」に関連して例年開催されているものであり、おでん以外にオードブルが付き、ビール(通常版以外に黒ビールもあり)と日本酒も呑み放題で、5,000円(+コンビニ決済110円)である。過去にも運行情報を見つけたことがあるが、予定が合わなかったり売り切れであったりして、今回やっと申し込むことができた。
 追加で、天竜浜名湖鉄道の地酒列車にも乗ることにした。天竜浜名湖鉄道については「天浜線ビール列車」にすでに乗ったことがあるが(このシリーズの53回目)、上記の「おでんトレイン」と同じ日の昼に運行するということで、どうせ静岡に行くのであるから乗ることにした。車内での日本酒や弁当以外に、酒蔵見学も付いて5,500円也。
 各地の日本酒列車やビール列車に乗ってきているが、同じ日にハシゴするのは初めてである。

@西気賀駅にて

■2024.2.10
 掛川(天竜浜名湖鉄道との接続駅)に行く安い手段は高速バスやJRの各駅停車であるが、今日は天浜線の宮口駅に10時10分集合であるから、新幹線移動が必須である。
 回数券が廃止された以降もチケットショップで安い切符を買えるが、今日はJR東海の「EX予約」でグリーン車に乗ることにした。自由席定価よりは若干高いが、指定席定価より安価でグリーン車に乗ることができる。ちょっとした贅沢である。

@朝からゆったり

 定刻の6時30分に東京を出発。ゆったりとした車内を過ごし、たくさんの「のぞみ」に抜かれたりしながら、掛川には8時04分に到着した。
 ICカードで改札を抜けて、天竜浜名湖鉄道の駅へ。今日は一日券を使っての移動となるが、切符は事前に案内と共に郵送されてきている。
 しばし待ち、入線してきたのはミツバチ模様の車両であった。このデザインに乗るのは、初めてだと思う。

@まずはこれで移動

 最前列部分のロングシートに陣取り、8時18分に掛川を出発。9時08分に到着した天竜二俣で下車した(この列車は宮口までは行かないため)。駅近くのドラッグストアで持ち込み用の追加食材を買い、9時50分発の列車に乗って宮口には10時04分に到着した。
 受付(と言っても郵送されてきた参加証を渡すだけ)を済ませ、酒蔵の人に先導されて同駅を出発した。数分歩き、瓶詰工場の2階でまずは15分くらいの動画(酒の造り方)鑑賞である。

@工場にて

 動画を見終えた後は、試飲である。多種多様な試飲があり、本格的な日本酒はもちろんのこと、ほとんどワインやスパークリングのように感じられる異種もたくさんあった。試飲サイズのカップとはいえ、空きっ腹で何杯も呑んでしまったので、もうほろ酔い気分である。

@こちらは本格的日本酒ゾーン

 11時05分に酒蔵を出発し、駅に戻って来た。
 列車は11時18分に入線するということであったが、7分ほど遅れてやって来た。なんと、掛川から乗って来たミツバチ模様の車両である(天竜二俣到着後に、テーブル等がセットされた模様)。
 しかも、私の席はロングシート部分の最前列、つまり朝に乗っていた部分である。

@今日2度目

 11時29分、宮口を出発した。
 パンフレット等に酒の提供形態(量など)が書いていなかったので心配していたが、机上には300mlが1本置いてあり、お土産として座席に箱入りでもう1本あり、全部飲めば600mlである。今日は夕方にあと1本の観光列車(そちらは呑み放題)があるので、1本程度にしておこうと、この時点では思っていた。

@合計2本

 しかしまず、酒よりはツマミである。空きっ腹で試飲を重ねてしまったので、今は固形物を頂きたい。出発するや否や、おつまみ弁当を頂くことにした。

@ツマミ一式

 天竜浜名湖鉄道は駅数が多いため、食傷気味になる時があるが、今日は各駅を通過していく。今は亡き急行列車にでも乗っているかのような感じである。
 「天浜線ビール列車」の時との違いは、今日は観光アナウンスがずっと続いている点である。国鉄二俣線時代の話などもあったが、だんだんとアルコールが回ってきて大声で談笑している団体もあり、あまり聞いている人は多くなかった。
 すっかり刈り取られている田んぼであるが、この辺りは酒米として有名な山田錦を育てているという。

@最前列の特権(座りながら撮影)

 西気賀でトイレ休憩の停車があり(表紙写真)、同駅出発後も日本酒の続きである。
 結構早い段階で1本目が無くなってしまい、結局2本目に手を付けてしまった。もう歯止めが効かないため、ツマミ(持ち込み)も追加である。

@静岡らしく

 三ヶ日で折り返し、今度は最後尾からの眺めを見続けた。結局、2本目も飲み干してしまい、13時09分に天竜二俣に到着して終了である。
 すぐに接続する掛川行がないため、再度ドラッグストアに行ったり駅前にあるSLを見たりして時間を潰してから、13時49分の列車に乗って掛川へ。JRで静岡まで移動し、安ホテルに荷物を置いて身軽になった。
 シャワーを浴びてから、新静岡駅へ。間隔が10時間くらいあれば酒も抜けるが、たったの4時間ではまだかなり残っている。
 17時少し前に受付が始まったので、名札を受け取った。

@切符代わり

 早速、ホームへ。一番手で受付を済ませたので、車内はまだ関係者だけである。すでに机上にはおでんやツマミやお土産の枡などがセットされている。参加者同士の間隔もみっちりであり、コロナなどもう関係ない感じである。

@車内の様子

 出発前からビールを頂けるということなので、早速お願いした。日本酒を2本空けてから、まだ4時間程度。酒飲みの私でも、「せめて19時くらいの出発が良かったな」と思うくらいである。

@こんな状態

 折詰の内容は、昼よりもワンランク上の感じである。おでんも付いているので(呑み放題でもあるし)、コストパフォーマンスはこちらに軍配が上がりそうである。
 おでんであるが、紐を引くと温まる形式であったので、早速温めてしまった(実は、出発後にその手順の説明があったのだが、その時点で私は温かいおでんを半分も食べている状態であった)。

@しぞ〜かおでん

 写真では大根に隠れてしまっているが、静岡名物の黒はんぺんも、もちろん入っている。
 まだ出発前であるが、2杯目に行く人続出である(黒ビールもあるので、それを頼んだり、ハーフにしたりして呑む人もいた)。私も、熱燗(これまた呑み放題)を頂くことにした。

@結局日本酒

 17時30分、新静岡を出発した。すでに宴会状態である。
 しばらくすると、車内ではクイズ大会が開始された(6人チームで戦う。復路でも続けられて、最優秀グループには賞品があったが、私のいたグループは残念ながらトップにはなれなかった)。
 熱燗を何本もお代わりしてすっかり呑み疲れた状態になり、新清水に到着。ここで、トイレ休憩となる。

@私は撮影タイム

 折り返しで新清水出発後も、ひたすら熱燗を繰り返した(翌朝、久々に二日酔いになってしまったくらいである)。
 車内では、じゃんけん大会も行われた。この手のもので勝ち抜くのは難しいが(このシリーズの44回目での大阪モノレールでは、最後まで勝ち残って4合瓶をもらったこともあるが)、今回は1回目で勝った人が少なく、1勝だけでいきなり貰えてしまった。

@戦利品

 酔っぱらい状態で新静岡に戻ってきて、酒付き観光列車のハシゴは終了である。毎日これをやっていたらアル中まっしぐらであるが、三連休の初日であるから大目に見ることにしよう。

■2024.2.11
 今日はただ帰るだけであるが、鐡ネタを拾いつつ戻ることにしている。
 7時台にホテルをチェックアウトして、静岡駅へ。JRに乗って沼津で乗り換えて、御殿場にやってきた。御殿場線には何度も乗っているが、御殿場で降りるのは初めてかもしれない。

@目的その1(御殿場駅近くのSL)

 上記写真を撮影してから、駅に戻り、JRには乗らずにアウトレット行の無料バスに乗り込んだ。
 この「大人鐡」シリーズでは、時折「大人グルメ」(お高い料理)を行っているが、最近はご無沙汰である。静岡と言えばうなぎか海産物、ということで、地物の寿司を頂くためである。
 人気店であるため開店直後から並んでいたが、10時半頃には席に着くことができた。地魚中心のセット(静岡らしい桜エビや生しらす入り)を注文。

@美味

 食後は巨大なアウトレット内を散策し、無料バスで12時頃に駅に戻って来た。
 アウトレットに行ったのは食事目的でもあるが、実は時間調整でもあった。というのも、これから山北にある鉄道資料館に行くのであるが、前回は12時開館であることを知らずに、午前中に来てしまったのである。今日はそのリベンジということで、12時27分の列車に乗って山北に向かった。
 資料館は駅前すぐの観光案内書がある建物の2階にあり、アクセスは良い。

@やっと訪問

 資料一式を見させていただいた後は、1階でしばし休憩。後は、JRで松田まで行ってから、チケットショップで買った小田急の株主優待で帰るという「ケチケチ作戦」である。
 山北の駅に行くと、自動券売機がなくて有人の切符の簡易販売がされている。どんな切符なのか興味があるので(さすがに硬券ではないだろうが)、ICは使わずに切符を買ってみると、特殊券(青春18きっぷや、今は亡き個室寝台の指定券、ツアー用の乗車券など)で使用されているサイズの切符ではないか。この駅には切符を発券する機械もないため、日付無しで松田駅にて印字されており、押印が日付を証明するようである。これは、松田で「無効」印を押してもらい、もらって帰ろうと思う。

@初体験

 

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