【大人鐡58】青い森鉄道「酒のあで雪見列車」・岳南電車「岳南ビール電車」編

■はじめに
 今回は地域も内容も全く違うが、2つの観光列車を紹介したい。
 1つ目は、青い森鉄道の三沢から青森までを走る「酒のあで雪見列車」である。走行区間が青い森鉄道であるため、タイトルにもそのように記載したが、この列車は青い森鉄道が企画運営しているものではない。三沢にある「星野リゾート青森屋」の企画であり、車内での案内役などもそこの社員である。もちろん、車両や運転手は青い森鉄道であるから、表題も間違いというわけではない。数年前から運行されているのを知っていたので、情報を発見した昨年のうちに申し込んでおいた。
 「あで」とは「アテ」、つまり「酒のツマミ」という意味である。マグロ尽くしの内容であり、日本酒も複数本付いて、10,000円也。
 続いては、静岡の岳南電車が運行する「岳南ビール電車」である。岳南電車でも時折食事付き観光列車を運行しており、地元グルメの「つけナポリタン」であったり、肉であったりと内容はその時によって異なる。定期的に開催されていれば申し込みやすいのであるが、神出鬼没であり、いつ企画が立ち上がるのか不明である(よって、定期的にウェブサイトを訪問したり検索したりしなければならない)。
 1月の中旬になり、ビール電車の案内を発見した。今回の内容は鍋2種類ということである。地元感はあまりないが、これを逃すと次の企画がいつか分からないので、早速申し込んでみた。5,000円也。

@吉原駅にて

■2024.1.28
 「酒のあで雪見列車」は2月にも運行されるが、なぜこの週の便を申し込んだのかというと、大人の休日倶楽部パスが利用できるからである。青森までの陸路は往復するだけで大散財となるため、この切符が使用できるのは有難い。
 5時台の列車に乗って、大宮から「はやぶさ1号」で八戸へ。青い森鉄道に乗り換えるが、乗り継ぐのは快速「しもきた」なのでJR車両である。9時50分、三沢に到着した。

@三沢駅にて

 集合時間は11時10分までであるため、まだまだ時間がある。三沢駅は改装されてから大きなフリースペースが出来ているので、そこでしばしスマホタイムである。
 上述した通り、酒のあで雪見列車は星野リゾート青森屋が主催している。よって、集合場所は青森屋のフロントである。宿泊者にとっては便利であるが、列車だけに乗る私の場合は、駅から青森屋まで歩いて行かねばならない。ということで、10時半頃に歩き始めた。

@ひたすら歩く(敷地入口)

 10分強歩いて、やっと本館のフロントに到着した。参加費1万円を支払い、その後はラウンジ(無料コーヒーあり)で待機である。
 しばらくして名前が呼ばれて、袋(日本酒持ち帰り用)と記念切符が渡された。所謂「硬券」である。

@記念品

 11時15分頃に送迎バスに乗り、三沢駅まで戻って来た。フリースペースでしばし時間調整をしてから改札を通り、ホームへ。待ち構えていたのは2両編成であり、行先は「臨時」となっている。酒のあで雪見列車の小さなポスターも掲示されていた。

@車両

 係員に案内されて、自席へ。私はお1人様で申し込んでいるが、相席にはなっていなくてボックス独占であった。すでに机には、2段の弁当と日本酒などが置かれている。

@宴の席

 送迎バスは2回に分けて運行されているため、車内の乗客はまだ揃っていない。手持ち無沙汰の時間は、ホームに降りてゆるキャラ「モーリー」の撮影会である。

@大人気

 乗客も揃い、11時45分、三沢を出発した。
 さて、まずは弁当である。一の重には、なめろうやお造り、田楽や串カツ、山掛けやサラダなどが入っているが、すべてマグロである。

@マグロ尽くし

 日本酒の1本目であるが、最初から机にセットされていた男山である(有名な旭川の酒蔵ではなくて、八戸の酒である)。手に持った瞬間に思わず「熱っ」と言いそうになってしまったが、要するに燗になっているのである。左にあるのはマグロのヒレで、これに漬けて風味を増して呑むのである。

@マグロのヒレは初体験

 弁当の二の重であるが、こちらは握り寿司や血合いのしぐれ煮、胃袋のぬた和えや皮のにこごり、心臓のガーリック炒めや磯部揚げなどで、やはりひたすらマグロである。箸休め的に、マグロではないゴボウやフルーツが入ってはいるが。

@豪華

 これらを箸で突いているうちに、追加の冷たい日本酒2本が配布された。中身はもちろん日本酒であるが、ラベルはここでもまたマグロである。

@追加2本

 野辺地での停車ではドアが開いたので、しばし冷たい風に当たったりした。
 再出発後の車内では、弘前ねぷたの「お囃子」の生演奏である。青森らしい音色が響き渡り続け、酔いもあり、ちょうど良い雰囲気である。

@演奏中

 しばらくすると右手に海が見え始め(浅虫温泉付近)、列車は13時05分に青森に到着した。これにて、観光列車は終了である。
 時刻的には余裕で今日中に帰ることもできるが、月曜は有休にして、明日は「リゾートしらかみ」に乗ってから帰ることにしている。この日は、弘前まで移動して、プチ観光をして終了である。

■2024.1.29
 今日はリゾートしらかみに乗る前に、鯵ヶ沢に行って散策である。6時47分発の列車に乗り鯵ヶ沢で下車し、歩いて道の駅に向かった。ここは以前に来たことがあるが、ブサかわ犬「わさお」の像ができたということなので、それを拝みに来たのである。

@有名犬

 像を見るのは一瞬で終了であるが、この道の駅には相撲関係の展示(舞の海中心)があるため、それを見たりすれば暇潰しに最高である。
 来た道を戻り、駅へ。しばし待ち、入線して来たリゾートしらかみに乗車した。

@ここから乗る

 この列車も観光列車であるが、もう何度も乗っているし、大人鐡シリーズでも50番目で紹介済みである。よって、詳細は省略したい。

■2024.2.3
 今日はまず、岳南電車の接続駅である吉原へ向かうこととなる。JRで直行したのでは芸がないので、最安の方法をあれこれ考え、「定期の範囲にあるJR駅から新宿へ」「小田急の株主優待で小田原へ」「JRで吉原へ」という移動手段にした。
 ということで、小田急で移動である。

@「もころん」デザイン

 車内は混雑していたが、次第に乗客は少なくなり、小田原直前ではガラガラであった。
 JRの静岡行各駅停車に乗り換え、吉原には12時過ぎに到着した。駅近くに評判の良いスーパーがあるため、そこに行って夜用食材の購入である。
 しかし、海鮮の弁当も旨そうである。静岡県に来て、マグロを買わないという手もない。つい、昼用に鉄火丼を買ってしまった。

@今週もマグロ

 ビール電車の受付は17時45分からであり、今日はそれまで一日券を使ってあれこれ乗り潰すことにしている(岳南電車は乗車済であるが、せっかくここまで来ているので)。
 ということで一日券の購入であるが、期間限定でバレンタインの一日券が売っている。よって、それの購入である。

@チョコ付き

 ホームで待つことしばし、だるまのヘッドマークを付けた1両編成が入線してきた。12時57分に出発。富士山を見ながら、まずは終点の岳南江尾まで乗り通した。
 駅近くのスーパーで夜用食材をさらに追加購入し、13時58分の列車に乗った(バレンタインのハート形ヘッドマーク付き車両)。
 しばし乗車し、岳南富士岡で下車。というのも、ここには機関車などが数両係留されているからである。

@その一例

 岳南富士岡駅の側面には、かぐや姫が描かれている。ということで、駅からは少し遠いが竹取物語に縁のある公園まで歩き、復路は比奈駅まで歩いて戻って来た。そこから岳南電車に乗って吉原本町で下車し、予約してある安旅館に投宿してしばし休憩である。
 身軽になって追加食材などだけを持ち、17時35分発の列車で吉原に向かった。まずは、ビール電車の受付である。

@私の券

 受付は早々に終わったが、まだ車内には入ることができない(18時20分から入れるとのこと)。そのうち、撮影だけならホームに入って良いとなったので、早速撮影タイムである。
 ビール電車は2両編成であるが、実はこの車両は今日初対面ではなく、昼過ぎに岳南江尾駅で目撃済みである(駅構内に係留されていて、テーブルなどの準備作業中であった)。

@ビール電車

 18時20分となり、車内へ。私の席は車両の端であったが、隣との間隔は余裕があり、ゆったりと呑めそうである。机上には、岳南電車オリジナルの「バリ勝男クン(つけナポリタン味)」が置いてある。
 しばらくしてから、車両中央までビールをもらいに行った。これで一式の完成である。

@最初の一杯

 18時35分、吉原を出発して車内では乾杯が行われた。
 今回は鍋が2種類付くが、それが提供されるのは岳南江尾駅である。それまでは、勝男クンで呑むか、持ち込み食材で呑むこととなる(持ち込みは自由)。ということで、昼過ぎに買っておいた黒はんぺんの揚げ物と、浜松肉餃子で一献である。

@静岡モノで一杯

 工場夜景を見ながら走り続け(呑み続け)、18時57分に折り返し地点となる岳南江尾に到着した。運行距離が短い(呑み時間が確保できない)ため、ここで1時間弱も停車する形式を取っている。
 ということで、ここで鍋である。今日はモツ煮と鶏鍋ということで、まずはモツから頂くことにした。

@ツマミとして頂く

 停車している車内でモツ+ビールを続けていたが、やはり鶏鍋も気になる。一度に2つもらったのでは冷めてしまうため時間差にしたが、やはり鶏鍋ももらいに行くことにした。
 鶏鍋の方は、やさしい味であった。ご飯に合いそうである。

@鶏鍋

 ひたすら呑み(食べ)続けていたが、「お鍋が少し余っている」というアナウンスがあったので、モツ煮を再度頂くことにした。
 この駅の周囲に何もないのは、昼過ぎに来た時に承知済である。時折、新幹線が轟音を立てて通過していく(すぐ近くに東海道新幹線の高架がある)。

@右が定期列車で、左が居酒屋状態の車両

 同駅を19時51分に出発。岳南電車では「夜景電車」(車内の電灯を落として工場地区の夜景を楽しむ)を実施しているが、今回のビール列車では、復路で夜景電車が実施されるという。
 ということで、しばし停車して夜景を堪能したりした。

@工場夜景

 すっかり呑み疲れ、20時20分に吉原に到着してビール電車は終了である。
 折り返し20時27分の電車に乗って吉原本町に戻り、安旅館で就寝。

■2024.2.4
 今日は、ただ帰るだけである。吉原本町から吉原までは岳南電車で帰ってもいいのだが、宿から駅まで中途半端な距離があるし、吉原まで歩いても40分程度のようなので、散策代わりに歩くことにした。
 ジヤトコ前駅からは、線路に沿うように歩く。工場+岳南電車を撮影して、旅の終了である。

@雨模様

 

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