【大人鐡57】鹿島臨海鉄道「大洗ほろ酔い列車」・JR東日本「水戸線地酒列車」編
■はじめに
今回は、茨城県内での2つの観光列車である。
予約順で紹介すると、まずは12月2日に運行される鹿島臨海鉄道の「大洗ほろ酔い列車」である。鹿島臨海鉄道でも時折観光列車を走らせており、今年の3月にも「キッチントレイン」が運行されたりしていたため、その動向は注視していた。そして大洗観光協会が主催するこの列車の情報を突き止めたため、予約した次第である。少し悩んだのが、実はこの日の夜遅くに欧州への出張に出発することになっていたのだが、観光列車に乗車してもいったん家に帰ることができる余裕があるため、申し込むことにした。弁当に一品料理、地酒が3本付いて7,900円也。
続いては、11月23日に運行されるJR東日本水戸支社企画の列車であり、正式名称は「E501
SAKIGAKE −水戸線地酒列車−」である。水戸線地酒列車自体は過去にも運行されたことがあるが(これで3回目)、今回は「E501
SAKIGAKE」という文言が追加されている。E501というのは車両の形式であり、観光用に改造(机の設置など)が行われて、そして今回の観光列車がデビューの日であるという。
この列車については、前回「復興 浜通り酒巡り号」に乗るためにいわきに向かっている際に、車内でPC検索をしていてその存在を発見して、そして予約したものである。酒巡り号と似たようなコンセプトであるため少し悩んだが、大洗ほろ酔い列車だけでは旅行記としてのネタ不足になるかもしれぬと思い、また同じ茨城県ということで、申し込むことにした。地酒が小さいカップで7種類とおつまみ、その他土産が付いて5,500円也。
@大洗駅にて
■2023.11.23
最寄駅6時過ぎの列車に乗り、乗り換えを繰り返して取手にやってきた。今回の2つの観光列車を効果的に(安価に)利用できるのは「ときわ路パス」であり、しかも大人の休日倶楽部用は1,670円と格安である。パスの有効範囲内でしか買えないため、12月2日用も含めて取手駅の券売機で2枚購入した。
@茨城県内ほぼ乗り放題
7時10分発の列車に乗り込んだが、すぐに龍ヶ崎市で下車した。上述した通り茨城県内の鉄道が私鉄も含めて乗り放題であるため、「もったいない病」を発揮して関東鉄道竜ヶ崎線に乗るためである。つい3か月前に「竜鉄ビール列車」に乗るために来たばかりであるが、せっかくであるから再訪である。
@今日は普通の列車
終点の竜ヶ崎まで往復し、龍ヶ崎市からJRに乗って土浦で乗り換えて、水戸には9時33分に到着した。受付時間は9時50分から10時までなので、しばし売店(複数)の訪問である。
受付を済ませて7番線に向かったが、まだ列車は入線していない。ということで、しばし行先案内などを撮影して時間潰しである。
@改札付近の例
その後も待ち続けたが、なかなか入線してこない。結局、10時17分に入線してきた(出発までたったの2分)。どうせ使用されてないホームなのだから、せめて出発の10分くらい前には入線してほしいところである。
車内に入り、取り急ぎ自席に向かった。乾杯用の酒と枡、そして水が置かれてある(パンフレットやステッカーは、受付でもらったもの)。
@机上
定刻の10時19分、水戸を出発した。乾杯が行われた後、追加で配膳されたのは日本酒6種である。カップの下には、それぞれの銘柄が書かれてあり、それらの詳細については、受付でもらったパンフレット内に説明がある。
@撮影用に箱から出してみる
とりあえず呑み続けるが、この時点でまだツマミはない(友部で搬入されるため)。水戸駅で安ツマミ(じゃがりこなど)を買っておいて正解であった。
友部に停車し、ここでは食材の搬入だけでなく、しばらく停車である。歓迎用の横断幕(駅員や地元の人が掲げている)や、出発前は時間がなくてうまく撮れなかった先頭車両などをあれこれ撮影した。
@やっと時間が取れた
同駅を出発して、やっとツマミと酒が揃った状態となった。車内アナウンスでは、各酒蔵の人による説明が繰り返されている。説明の後はその人が車内を通るので、質問がある人はあれこれと尋ねていた。
折詰はツマミ中心の内容であるが、茨城らしくあん肝も含まれている。
@手振れ写真
車内には沿線の観光協会の人も乗り込んでいて、笠間からはお猪口とお菓子、結城からはピーナツと紬の小物(そしてそれぞれに関係するパンフレット)が配布された。
今回の列車では7種類の日本酒が提供される。試飲サイズのカップということで、仮に40mlだとしても280ml、つまりカップ酒程度である。人によっては「ほろ酔い」になれるかもしれないが、私だと「ほろ」くらいなので、水戸駅で追加の酒を買ってある。
@追加分
そのうちの1本を開けて呑み続けていると、大きな配膳箱と共に「お代わり」がやって来たではないか。早速、7種のうちの4種を追加で頂いた(その後も3〜4個もらったので、当初の量の倍くらいを呑んだことになる。結局、追加で買った2本のうち1本は持って帰ることになった)。
@お代わりがあったとは
ほろ酔いを超えた状態(泥酔よりはまだ手前)となり、終点の結城には11時41分に到着した。改札口付近は大勢の人が出迎えており、いくつも横断幕が出ていた。
駅前には観光物産館があるが、ここでもイベントが実施中であった。もうかなり呑み疲れた状態であるが、試飲があったのでつい2種類ほどもらってしまった。
@おつまみももらった
さて、後は帰るだけであるが、「もったいない病」の続きとして、真岡鉄道に乗りに行くことにしている。真岡駅には「鉄印帳の旅」で2年前に来ているが、コロナの緊急事態宣言の関係で「キューロク館」に入れなかったのである。よって、そのリベンジも兼ねている。
ということで、真岡鉄道に乗り換えて真岡までやって来た。今日は、キューロク館内の旧型車両も無事に見ることができた。
@やっと入れた
今日はSL運転日ではないが、イベントが行われていて、旧型ディーゼルカーが解放されていたり(ただし車内に入るのは有料)、SLが単独で駅構内を行ったり来たりしていた。
真岡を後にした後、最後の「もったいない病」は関東鉄道常総線である。しかし、JRで乗り継ぐよりもこれが一番早く帰れる手段でもあるため、一石二鳥ではある。
@最後はこれ
■2023.12.2
今日は11時50分までに大洗に集合すればよいため、9時頃に家を出れば充分である。しかし、上述した「もったいない病」を発病して、まずは「ひたちなか海浜鉄道」に乗ることにしている。
6時頃に家を出て、JRを乗り継いで勝田までやって来た。1両編成のひたちなか海浜鉄道に乗り込む。
@今日はこれから
定刻の8時42分に出発。もう何度も乗っている路線であるため、終着の阿字ヶ浦まで往復するだけでは面白くない。そこで急遽予定を変えて、途中の那珂湊で下車し、反射炉のある公園などを散策してから帰って来た。
勝田からはJRで水戸まで移動して、そこから先は鹿島臨海鉄道で大洗までの移動となる。
@まずは普通の列車で
しばらく乗車して、11時27分に大洗に到着した。取手からここまでの正規料金は1,670円であり、片道でもう切符(ときわ路パス)の元を取れてしまったことになる。
コンビニに行って追加用の発泡酒等を買ってから駅に戻り、受付を済ませた。資料以外に、パンフレットや小物などが袋に入っていた。
@一式
受付はあっという間に終わったが、乗車できるのは12時15分頃であるという。手持無沙汰であるので、つい先ほど買った発泡酒は、水戸で買っておいた安物追加食材(今回もじゃがりこ)と共に待合室で頂いてしまった。
12時15分頃、車両ごとに整列してホームへと向かって行った。私の席であるが、お1人様でも1ボックス専用できるようになっていた。
@今日の宴の席
出発は12時32分であるためしばらくまだ時間があるが、待っているのは性に合わないため、日本酒を頂き始めることにした。今日は3種類(「月の井
純米吟醸」「月の井 本醸造超辛口原酒」「彦市
純米吟醸」)があるが、まずは純米吟醸から頂くことにした。
@すぐに呑み始める
酒を呑むからには、当然アテが必要である。今日は駅弁以外に、「あんこうの供酢」があるためそれを頂くことにした。あん肝は1つだけであったが、身や皮や内臓など、様々な部位が楽しめる内容であった(個人的には内臓がヒット)。
@供酢
弁当も早速開けて、おかずの部分をツマミとしていただく。水戸駅などでも売っている印籠弁当であるが、今回は特別にサツマイモご飯バージョンである。
@駅弁
定刻に大洗を出発。ひたすら呑んでいるうち、12時51分に折り返し地点である新鉾田に到着した(この時点で、もう1本目は空である)。2本目を開けて呑み始めていると、13時05分に動き出して、同駅近くにある引込線へと入って行った。ここで、やっと落ち着いて酒蔵の人による「日本酒の説明」が行われることとなる。
@引込線へ
3本目は原酒であるが、これは敢えて最後まで取っておいた。アルコール度数が高いため、焼酎のように割って飲めるというのである。車両の一部にアレンジコーナーがあり、そこで氷や炭酸水をもらってきて、一風変わった日本酒を楽しんだ。
@炭酸水割り
車内では、運転席での撮影大会が行われ、その後はビンゴ大会が開始された。なかなかそろわなかったが、最後にやっとビンゴに。原酒を1本頂いた。
じきに、新鉾田を出発。酔っぱらい状態で大洗に戻り、14時21分に到着して観光列車は終了である。水戸行の列車はつい数分前に出発したばかりであり、次は15時05分までない。酔い覚ましも兼ねて、しばし駅付近の散策である。
@お疲れさまでした