【大人鐡54】伊豆箱根鉄道「反射炉ビアガー電車」編(+祝・開業「宇都宮ライトレール」)

■はじめに
 今夏は4つのビール列車に乗車して、このシリーズの52番目と53番目に取りまとめた。本当は5つのビール列車を予約していたが、大井川鉄道の「ビアホーム」は最少人数に達しなくて催行されないことになってしまった。「他に何かないか」と探したところ、見つけたのがこの「反射炉ビアガー電車」である。三島から修善寺の往復で、ビール飲み放題以外におつまみと「ほむら焼き(鶏モモ肉の炭火焼)」が付いて、6,600円也。他のビール列車より若干高い感じであるが、ビールが普通の銘柄ではなくて、クラフト地ビール(しかも4種類呑み放題)であるからであろう(そう考えると、逆に割安かもしれない)。
 ちなみに、「ビアガー」とは如何に、と思っていたが、電車の電の字の上に「デン」のルビが振ってある。つまり、「ビアガーデン」と掛かっているのである。
 ついでに、開業したばかりである宇都宮ライトレールに乗ってくることにした。路面電車の新規開業となると、なんと75年ぶりであるという。今後の社会形成(運転手不足・環境問題・高齢ドライバーによる事故等々)に、一石を投じる流れになるのかもしれない。

@伊豆長岡駅にて

■2023.9.2
 元より今日は宇都宮ライトレールに乗るつもりでいたため、その足で三島に移動してビール列車に乗ることにしている。
 6時台に最寄駅から青春18きっぷで移動して、9時頃に宇都宮へ。実は私は中高生時代を中心に8年ほど宇都宮に住んでいたので、良く知っている土地である。

@開業ムード満開

 上記の写真は西口であるが、ライトレールの乗り場がある東口へ移動した。
 これを読んでいる人で30年前の宇都宮の状況を知る人は多くないかもしれないが、以前の東口は非常に寂しい雰囲気であり、正直何もなくて、地元の予備校があるくらいであった。それが、1年前に商業施設(ライトキューブ宇都宮)が開業し、そして今年はライトレールの開業、見違えるように発展していた。

@新駅

 9時12分発に乗ろうと思っていたが、乗客対応等で遅れているようで、折り返しの列車がやって来た時点で9時18分であった。
 すぐ後の列車(折り返し9時24分発になる)も続いて到着したため、そちらは急遽2番線に入線。2本同時にドアが開いた状態になったが、後発の方が先頭部分に立てそうであったので、そちらに乗り込んだ。9時12分発は遅れて21分に出発し、こちらは定刻の9時24分に出発した。

@路面電車ですから

 出発してしばらくは、道路上を走行する。信号もたくさんあるため、あまりスピードは出ない。
 それにしても、沿線には「撮影部隊」がたくさんいる。開業して1週間経過しているが、まだまだその手の需要は高そうである。
 本来は12分間隔であるはずが、先行の列車は遅れておりさらに信号に引っ掛かったりしているため、すぐ目の前を走っていた。一般道が組み入れられると、やはりこういう状況になりやすいのであろう。

@100メートルくらいしか離れていない

 市街地を抜けると専用の路盤となり、スピードも速くなっていた。
 途中はあまりにも田んぼが多くて、このルートで乗客は乗るのか心配になって来たが、その先には高校や大学や野球場があり、平日でもある程度は見込めるのであろう。
 対向列車とすれ違ったが、あちらも2本がかなり近い距離で走っていた。先行列車が遅れても、なかなか挽回できないのであろう。
 なおグリーンスタジアム前では、対向列車が駅を通過していった。一瞬驚いたが、この駅は道路を跨いで上下線で違う場所にあったのである。

@通過しているように見える

 「ゆいの杜」付近になると、路盤はまた道路上に移って行った。辺りは大規模小売店舗やチェーン系列の飲食店が多くあり、駅からこんな離れた場所にこんな栄えた場所があるとは知らなかった(そもそも、私が住んでいたのは駅から南西方面であり、北東方面は来たことがなかったのであるが)。
 最後は工業団地の中に入り、終点の芳賀・高根沢工業団地に到着して新規路線の旅は終了である。

@お疲れさまでした

 折り返しの列車で戻るが、疲れたので復路は座ってのんびり移動である。
 しかし最後までは乗らず、駅東公園前で下車をした。というのも、その前の駅に掲示してあった地図に、駅東公園に電気機関車(EF57)があるという記述があったからである。
 いそいそと歩き、目的の機関車を発見して、ミッション終了である。

@柵があって近づけない

 公園からは15分ほど歩いて宇都宮駅に戻ったが、ライトレール乗り場は大勢の人で溢れていて、商業ビルまで人が続いて乗車整理がされていた。朝早く家を出てきて、良かったと思う。
 さて、ここからはひたすら三島を目指すのみである。11時52分発の湘南新宿ラインに乗り、大船で乗り換えて熱海へ。更に乗り換えて三島に移動して、一旦ホテルにチェックインして身軽になってから三島駅に戻った。

@すでに掲示されている

 参加証については、事前にネット予約してコンビニで発券してある。それを見せて改札を通り、受付で詳細な座席の場所を教えてもらってから、いざ乗車である。

@行先表示もビアガー電

 私は車両端の一角であったが、ぎゅうぎゅう詰めの10人席である(ロングシートで間隔を開けずに座る感じ)。幸い一番端であったので出入りはしやすいが、目の前の机はスペースが半分しかない感じである。
 すでに机上には、おつまみやほむら焼き、また呑み放題の4種の地ビール以外の特別な1本の瓶ビール(もちろんクラフトビール)がセットされている。

@自席の様子

 出発は17時30分であるが、「集合時間は17時10分」とあったので、それに合わせて早めに来ているが、もうすでに車内は宴会状態である。ということで、私もコップを頂いて瓶ビールを注いで始めることにした。
 特別の1本は、ベニーヘイジーというもので、非常に薫り高いビールであった。

@いただきます

 車内には係員以外にも、新聞やテレビの取材の人がいて、また伊豆箱根鉄道の広報の人などがあれこれ撮影をしており、これまた映ったり掲載されたりしてしまう危険性大である。
 おつまみは9種で、伊豆椎茸やわさびウィンナーなどである(出発後にあったアナウンスによると、地場の素材で手作りをしているとのこと)。

@手振れ写真

 そして机上で目立つのが、ほむら焼きである。鶏モモ肉の炭火焼であるが、焼き鳥のタレのようなものが沿えてあり、それを掛けて頂く形になっている。

@豪快に

 まだ出発していないが、完全宴会モードであり、私も1本目のビールはなくなってしまったため、呑み放題ビールに移ることにした。往路では2種類のクラフトビール「早雲(そううん)」と「ラズベリー」があるということなので、まずは早雲を頼んでみた。

@まだ出発していません(後方ではテレビ取材中)

 2杯目も無くなりそうになった17時30分、やっと出発した(定刻であるが)。係員によるアナウンスがあった後に乾杯の音頭があったが、車内はもう大盛り上がりである(すでに出来上がっているため)。数種類のビール列車に乗って来たが、過去最高に騒がしいと思う。

@画像処理が面倒なため、天井の写真で

 ビールのお代わりであるが、ラズベリーを頼んでみた。見た目上は先ほどのものと変わらないが、口にした瞬間に「酸っぱ!」と言いそうになるくらい酸味のあるビールであった。私の経験では、過去最高に酸っぱいビールであったと思う。

@写真上はほぼ同じ

 ドアは開かないが各駅に停車し、そこで定期列車に抜かされたりしている(まっ直ぐ修善寺に向かったのでは、早く着き過ぎてしまうためであろう)。
 伊豆長岡に停車し、ここではドアが開いて10分程度のトイレタイムとなった。私はまだトイレは大丈夫であるが、駅スタンプを押し、そしてホーム上でビールのお代わりである。

@ひたすら呑む

 同駅出発後も、ひたすらビールとおつまみである。薄暗くなってきた18時31分に修善寺に到着し、ここで折り返しまで34分の停車である。トイレ休憩でもあるが、今日は売店が特別に開いており、多数の酔っぱらい客相手に大盛況であった。
 私も、みしまコロッケを1つ購入した。

@ツマミの追加として

 もうこの時点で結構呑み過ぎ(食べ過ぎ)であるが、復路は違う種類のクラフトビールが2種類呑み放題となるため、帰り道でも頑張らなければ(?)ならない。
 修善寺発は19時05分であるが、停車中にすでに復路の2種類に交換されていたので、まずはスコティッシュエールから頂いた。

@写真では区別しにくいので、こちらを掲載

 修善寺を出発し、復路もひたすら飲み会モードである。今回はコロナもあって4年ぶりの開催ということで、もちろん席は早い段階で売り切れとなったという(昨年度に「コロナ対応版」で実施してはいるが、通常版での実施となると4年ぶりとのこと)。
 往路と同様に、伊豆長岡でトイレ停車である(復路は、さすがに私もトイレに直行であった)。
 最後にハニーヘイジーを頂いたが、これまた深みのある味わいであった。酔っぱらい状態ではなくて、「最初の1杯」として呑んでみたいと思う。

@限界に近い(が何回かお代わりした)

 車内では、スマホを使ったクイズ大会が行われ、上位者には豪華景品も送られていた(かなり難しく、私は上位には残ることができなかった。鉄道関係は当たっていたと思うが、ビール関係がかなり分からなかった)。
 最後にデザートが提供されて、ビール列車は終了を迎えた。

@優しいデザート

 そのまま三島まで戻っても良いが、私は19時54分に到着した三島田町で下車した。というのも、ホテルはここから歩いた方がかなり近いのである(酔っぱらい状態であるため、歩く距離は短くしたい)。
 千鳥足でホテルに向かい、ベッドに直行である。

@夜の三島田町駅

 

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