【大人鐡D】西日本鉄道「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」編

■はじめに
 「食事付き観光列車」をメインテーマにして「大人グルメ」をサブテーマにしているこの「大人鐡」であるが、今回は5回目である。これまでは第三セクター鉄道やJRであったが、今回は初めての私鉄(西日本鉄道の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」)である。
 私鉄でこの手の観光列車となれば、近場に西武鉄道の「旅するレストラン」があるが、第1回の「はじめに」で書いたように、その列車は2人組以上が申込対象となっているため、私のシリーズでは対象外である。それに対してTHE RAIL KITCHEN CHIKUGOは、「専用ウェブサイトで申し込めば相席にならない」ことを保証しているため、安心して一人旅ができるようになっている。
 ということで、かなり早めにネットで申し込み(ランチプラン8,800円)。座席は選べないが、相席にならないのだからどこでも問題なしである。
 乗車日の4日前、メールで乗車券が送られてきた(通常は「5日前」に送られてくるようであるが、天皇誕生日のため遅れたようである)。テーブルは3号車の9番、座席表で見てみると、窓と並行した2人席であった。横向きの席が多いこの列車の中では、個人的には当たりの席であると思う。

@西鉄福岡駅にて

■2020.2.29
 7時25分の便で福岡空港へ飛び、まずはJR博多駅で3月末に乗車する「〇〇のはなし」の指定席券を手配した(無事にカウンター席を確保。いわゆる「10時打ち」であったが、それでも残り僅かであった)。
 時間があるため、ぶらぶら歩きながらキャナルシティを経由して天神(西鉄福岡駅)へ行き、駅窓口でTHE RAIL KITCHEN CHIKUGO専用の一日乗車券を確保。今日は大牟田到着後はここに戻ってくるが、単純片道よりも安いたったの550円である。

@パンフレットと一緒に

 まだ11時20分であり列車の出発まで30分もあるが、することもないので有人改札を通ってホームに入った(プリントアウトしたメールが乗車券となる)。列車の入線時刻は11時33分とのこと。しばらく待合場所で時間を潰してからホームに向かい、待ち構えて撮影。

@今日のレストラン

 車両入口付近には記念撮影用のベンチなどが置かれていて、利用客は順番にそこで撮影している。私はその必要はないので、今のうちとばかりに我先に車内に入り、係員しかいない車内を撮影した。

@3号車内部

 続いて、キッチン(とピザ窯)がある2号車、先頭の1号車を探索。それから自席へと戻った。
 「はじめに」に書いた通り、私の席は窓に沿った2人用席であり、景色が見やすい位置である。机上には、すでに前菜などがセッティングされている。

@今日の食卓

 定刻の11時50分、手動のベル(トライアングルのようなもの)が鳴り、西鉄福岡を出発した。
 なお食前酒については、「あまおう」のワインかノンアルコールのジュースを選ぶことができるが、当然前者を選んである。

@まずはこれから

 いつもの西鉄電車より、ゆっくり走っているようである。これならば、テーブルにあるものも落ちる心配がない。
 車内では、内部の意匠などの説明もアナウンスされていた(天井や机なども、地の産物を用いているとのこと)。余談ではあるが、列車側面や内部で使用されているフォントには、地物の特産品(食材や工芸品や観光資源)が散りばめられている。どれが何を示すのか、想像してみても面白いであろう。

@色々あり

 続いて配膳されたのは、野菜のプレートである。いずれも地場産であることは、言うまでもない(のちに出てくるピザもそうであるが、「野菜推し」が続く)。

@ボリュームあり

 なお、食前酒などは3口くらいで平らげてしまっているため、地物のビールを注文してある。野菜のプレートの後に、それが配膳された。
(日本酒も焼酎もウィスキーも地物が用意されているが、市販のものと比較して一番味の違いが出るのはビールだと思っている)

@待っていました

 春日原で運転停車(乗降扱いをしない停車)。この停車は、通常の列車に抜かれるためのものである。
 今日は朝だけ雨でその後は曇り予報であったが、かなりの大雨である。しかし、車内で食事をするだけの旅であるため、影響はない。もとより、西鉄大牟田線は「景勝路線」ではないから、「お目当ての海や山が見えない」ことになる心配もいらない。
 12時21分に西鉄二日市を過ぎてから、お肉のプレートが運ばれてきた。

@これまたボリュームあり

 お肉を頂いている途中でビールがなくなってしまったため、追加注文である。この次はピザであるためワインにしたいところであるが、メニューを見るといつの間にか地元のワインがなくなっていた(ボルドー産だけである)。ということで、焼酎に変更である。
 2号車のピザ窯についての説明があるということで、いそいそと2号車に向かった。

@これがピザ窯

 あれこれと説明を受けてから自席に戻ってしばらくすると、ピザの配膳である(2人で1枚。よってお一人様の私は半分のみ)。2種類の混成ピザである。「おいしい菜」というのも苦みがアクセントで美味であり、ゴボウも意外にピザに合うものであった。

@メインです

 ピザを頂いていると、花畑駅に到着した。ここで20分近くも停車するため、ドアが開いて下車が可能となる。
 想像するにこの停車は、もちろん「抜かれるため」でもあるが(都合4本くらいの列車に抜かれた)、時間調整でもあるように思える。コース料理を提供するためにはそれ相応の時間が必要であり、しかも柳川で下車する人もいるため、あまり早く着いたのでは余裕がなくなってしまうのだろう。

@停車中

 なお、車内でのその他のサービスとしては、記念乗車券の配布や撮影タイムなどがあった。
 同駅を出発すると、最後のデザート(チョコレート)である。飲み物は3種類あるハーブティーから選ぶこととなるが、私は「ほうじ茶+レモングラス」にしてみた。

@締め

 13時45分、西鉄柳川に到着。ここで1/3くらいの乗客が下車した。その後もゆっくり走り、大牟田到着は定刻通りの14時14分。今日の「ランチ」はここで終了である。
 一日乗車券を使ってすぐに戻ってもいいのであるが、下車時に大牟田観光のクーポン券をもらっていて、これを使わない手はない。動物園や石炭科学館(いずれも無料になる)は行っている暇がないが、観光プラザで使用できる1,000円分の金券は捨てがたい。

@その前に駅前にあった市電を撮影

 JR駅側にある観光プラザへ行き、せっかくであるので「この辺らしいもの」ということで、高菜や海苔やお菓子などをあれこれ買った。150円ほどオーバーしてしまったが(その分は別途支払い)、予想外の収穫である。

@戦利品

 その後は、西鉄特急に乗り二日市へ。往路は2時間弱もかけた区間であるが、わずか45分程度である。大宰府線に乗り換えて雨の中天満宮を再訪し、16時38分に西鉄福岡に戻ってきた。
 さて、今日の宿であるが、ビジネスホテルでは味気がない。そこで近場で検索すると、筑前山手駅付近のお寺にある宿(宿坊ではない)にそそられたので、そこの「アップグレード」プランにしてある。
 バスで博多に向かい、篠栗線で筑前山手へ。歩いて宿に向かって投宿した。
 夕食であるが、予想以上の豪華さであった。今回の旅では「大人グルメ」を想定していなかったが、これをもってそれに充てることとしたい。

@超豪華

■2020.3.1
 さて、今日は観光列車も大人グルメもない予定である。どうしようかと検討した結果、大島に行くことにした。この辺りは以前「猫鐡」として何度も訪問しているが、大島は猫島としては有名ではないため、未訪問である。
 宿でゆっくりしてから9時頃にチェックアウトして、階段で有名な筑前山手駅へ。

@三江線の宇都井駅ほどではないが(前日撮影)

 9時27分の列車に乗り、吉塚で乗り換えて東郷へ。10時30分発の路線バスに乗って港(神湊)へ行き、11時15分のフェリー(本来は高速船であったが、事情によりフェリーに代替)で大島へ向かった。
 大島も「猫島」としてネットに掲載している人もいたが、見つけたのは3匹だけであった。猫の収穫量(?)は少なかったが、神社で沖津宮の御朱印をしてもらえば、気分はもう世界遺産(沖ノ島に行った気分)である。

@滞在時間は観光中心で

 13時00分のフェリーで神湊に戻り、13時40分の路線バスで東郷駅へ、その後はJRと地下鉄を乗り継ぎ福岡空港へ。後は16時25分の便で東京に戻るだけである。
 鉄道ともグルメとも何ら関係ないが、今回は往路も復路も「スターウォーズ仕様」の飛行機であった。ラウンジでこの旅行記を作成していたら目の前に駐機したので、取り急ぎ記念撮影。

@これで帰ります

 

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