【大人鐡46】JR東日本「日本酒を楽しむSake列車」「角打ち列車」編

■はじめに
 食事付きの観光列車に乗るこのシリーズであるが、今回はJR東日本の2種類の列車が対象である。JR東日本が企画するツアー商品にありがちであるが、それぞれ正式名称は長く、「アキモト酒店セレクト! 日本酒を楽しむSake列車 横手日帰りの旅」「久留里の地酒が楽しめる!!『奥房総 久留里新酒まつり 角打ち列車』」である。
 前者の「Sake列車」については観光列車「リゾートしらかみ」の「くまげら編成」が使われており、車内で奥羽本線沿線にある酒蔵の日本酒5種類と特製おつまみが付き、お土産としてオリジナルグラスが付く。秋田から出発して横手に到着した後は、バスで旅館に移動して松花堂弁当などを頂き、その後は秋田ふるさと村での自由時間を経て駅に戻り、リゾートしらかみ車両で秋田に戻る行程である。11,000円から旅行支援が適用されて8,800円也。
 後者の「角打ち列車」は、久留里線の木更津から久留里まで運転される企画列車であり、5種類の日本酒試飲とおつまみ、地元の水と楊枝と枡が付いて、4,200円である。
 この列車を発見したのには紆余曲折があり、最初は観光列車「B.B.BASE」を使用した「BOSO地酒バルトレイン」を情報サイトで発見したのである。「これは申し込まねば」と思ったが、ウェブサイトに行ってみると「2名様以上でお申し込みください。1名様でのお申込みはできません」とあり、ここで撃沈である。しかし、画面をスクロールして下を見てみると、「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」とあり、そこでこの角打ち列車を発見したのである。車両が違うし(あちらは観光用車両でこちらは通常の車両)、試飲数は違うし(あちらが16種でこちらは5種。たぶん呑める量が違うのであろうが)、乗車時間は違うし(あちらは2時間程度でこちらは45分)、料金も違うが(あちらは3,930円でこちらは4,200円)、しかし近場であるし、その場ですぐに申し込みを済ませた。
 結局、2月の1週目から「5週連続」で日本酒列車となった。

@秋田駅にて

■2023.2.25
 今回の秋田までの交通手段であるが、新幹線となると安いものがないため、またしても航空券のパック旅行である。秋田空港往復と秋田市内のホテル1泊が付いて30,000円、旅行支援で5,000円安くなり、「じゃらん」のクーポン3,000円を適用させて、22,000円である。
 最寄駅の始発列車で羽田空港へ向かい、7時10分発の便で秋田へ。秋田空港に到着してからは、リムジンバスで秋田駅へ向かった。

@ここ数年、秋田駅ではこいつが出迎えてくれる

 改札口前にあった臨時受付に向かい、手続きをして資料一式や酒の入った紙袋を頂いた。
 待合室へ移動して、中身の確認である。座席位置を記した紙やバスの号車を示す名札以外に、クーポン券が入っている。旅行支援(日帰り分1,000円)以外にも、秋田県特有の違う種類の紙クーポンも1,000円分入っていた。

@書類関係一式

 続いて日本酒であるが、「試飲」レベルではなくて、5種類それぞれ1合分入っていた(瓶はすべて同じ)。参加費がそこそこするのでそれなりの量が入っていると予想していたが、なかなかの分量である。もちろん、車内ですべてを呑むのは難しいであろう(不可能ではないが、その後の観光が大変になってしまう)。

@日本酒5種

 その他一式も、机上に並べてみた。日本酒5種についてのお品書き(説明)や、記念のグラス、そして酒運搬用の箱を模したペン立てである。また、チェーサー用のペットボトルの水と、日本酒の種類ごとに分けて使えるようにプラスチックのカップが5つ入っていた。

@その他一式

 列車の入線は9時50分頃ということであったので、しばし時間調整をしてからホームへと降りて行った。待つことしばし、くまげら編成が入線してきた。今日はいつもの運用とは異なるため、列車の行先票は「臨時」であり(表紙写真)、ホーム上の電光掲示板では「団体」になっている。

@今日は秋田から南下します

 早速車内へ。私の席は窓側であったが、隣がいないだけでなく、横一列で1人(もしくは1組)程度である。参加者はバス2台で50人程度であり、それが2〜4号車に分散しているため(1号車は業務用)、今日はガラガラである。
 10時01分、駅員に見送られて秋田を出発した。

@行ってきます

 リゾート列車としては歴史のある部類に入る「リゾートしらかみ」であるが、この編成もだいぶ古くなってきたと思う(エンジンもガラガラと必死に頑張っている)。しかし、今日はいつもと違うルートなので、かなり新鮮である。
 まずは日本酒の1本目を開けて、先ほど配付されたツマミ一式で一献の開始である。

@秋田のツマミ類

 車内では、酒店主のお話が続いている(今回配付された酒の事や、歴史にまつわる話など)。今回の5種類のうち、2種類は蔵出しであり市販はされていない種類とのこと。
 車内で呑むのは2合くらいにしておこうと思ったが、ツマミが美味しいため(いぶりがっこチーズや鮭の塩麹焼きなど)、結局4合近く呑んでしまった。
 なお今回は同じ瓶で小分けにしているため、撮影用の一升瓶が車内に置いてある。

@撮影のみ

 少し呑み過ぎて、11時18分に到着した横手で下車した。ここからはバスで観光等である。
 バスに乗り換えて、まずは旅館に向かった。ここで松花堂弁当が出るが、日本酒も少しだけ付く(白飯は最近話題の「サキホコレ」)。食後には、稲庭うどんも出てきた。

@お昼タイム

 昼食後は、バスで「秋田ふるさと村」へ移動して、しばし観光である。
 無料で見られる施設を見学したり、外のあった「かまくら」を見学したりした。また、秋田県独自の紙クーポンがここで使えるということなので、秋田っぽいお土産を購入した。

@戦利品

 観光の時間が終了してからバスで横手駅に戻り、後は秋田駅に帰るだけである。
 14時37分、横手を出発した。復路は4号車で先頭となったため、時折展望スペースへ行ったりして前方を眺めたりした。
 なお、復路でも日本酒が少しだけ提供された。こちらについても撮影用の四合瓶が置いてあったので、そちらを紹介。

@こんな酒

 16時00分に秋田に到着し、呑んでばかりいた日帰りツアーは終了である。パック旅行に付いている安ホテルに投宿。

■2023.2.26
 今日は夕方の便で戻るだけであるが、それまでどうするか悩み、災害から久々に復活した秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣−阿仁合を乗ることにした。使用する切符は「あきたホリデーパス」であり、通常は2,440円であるが、大人の休日倶楽部会員であれば1,880円となる。

@初めて使用

 6時13分発の大館行に乗り込む。これに1時間20分以上も乗り続けるが、ロングシートなのが残念である(せめて、ドアから遠い部分にクロスシートを少しだけでいいから置いてほしい)。
 鷹ノ巣に7時39分に到着し、しばし時間調整をしてから8時10分発の秋田内陸縦貫鉄道に乗り込んだ。災害から復活してからは、初乗車である。

@おめでとうございます

 定刻に鷹巣を出発。ぼんやりと景色を眺めているうちに、9時10分に阿仁合に到着した。
 ここからは、そのままのルートで戻ることにしている。駅の売店で限定のシフォンケーキを買ったり駅前にある鉄道関係の展示館(以前にも見たことがある)を見たりしてから、9時45分発の鷹巣行に乗り込んだ。

@車内で頂く

 鷹巣には、10時41分に戻って来た。
 さてこの後であるが、当初は追分まで戻ってそこから男鹿線に乗ることにしていた。しかしその場合、秋田到着が14時48分で、空港連絡バスの出発が14時55分。列車が5分くらい遅れると、厄介なことになる。
 ということで、今朝になって急遽予定を変更して、土崎で下車して観光することにした。秋田港駅の方に行けば何か車両が係留されているかもしれないし、その近くには道の駅などもある。
 鷹ノ巣発10時54分の列車(もちろんロングシート)に乗り込み、土崎には12時17分に到着した。
 秋田港駅方面に向かって歩き出すと、左手に公園があり、いきなり鐡ネタ(D51)との遭遇である。

@偶然

 その後は15分くらい歩いて秋田港駅に向かったが、これといった車両はなかった(機関車が1両あっただけ)。近くにあった道の駅に行ったり100メートル以上ある無料の展望台に登ったりしてから、土崎駅へと戻った。
 13時52分発の列車で秋田に戻り、秋田駅前から空港連絡バスに乗って秋田空港へ。当初の予定より少し早く到着したので、ラウンジで一休み(この旅行記の作成等)である。
 なお秋田空港のラウンジはつい3日前にリニューアルオープンしたばかりとのこと。そこに日本酒の試飲が置いてあったのだが、オープンを記念して大吟醸である。ということで、日本酒の旅の最後を日本酒で締め括ることができたのであった。

@最後も日本酒

■2023.3.5
 地元の千葉県での開催であるため、7時過ぎにゆっくりと出発。京成とJRを乗り継いで、9時過ぎに木更津に到着した。しばしタヌキの置物が多い街中を散策し、9時40分過ぎくらいに改札近くにあった臨時受付で手続きを済ませた。
 案内の資料と、水や枡、おつまみが入った麻の袋をもらって、手続きは終了である。

@一式

 列車の入線は9時53分ということであり、それまではしばし待機である。ホーム上の電光掲示では「団体」となっている。日本酒を飲む列車なのに出発時刻は10時15分と早めであるが、掲示されている時刻表を見てみると、久留里線は6時台から22時台まで出発列車があるが、10時台だけ1本もないのである。つまりこの時間帯が、「スジを引きやすい」のであろう。
 しばらくして、列車が入線してきた。これが折り返し、角打ち列車となる。

@準備中

 ロングシートのいつもの車両であるが、テーブル(酒用の箱)などを置いたりして準備をする必要があるため、しばしホーム上で待機である。ホーム上でも小さいカップに酒を注いだり様々な準備中であり、参加者はあれこれと記念撮影をしていた。

@私も撮影

 10時10分頃、やっと準備が整って車内に入ることができた。私の座席番号は「14番」という中途半端なものであったが、鐡の神様(?)がいたずらしたのか、1両目の最前列という特等席であった。ロングシートの中では、一番の席であると言えよう。席の前にはお盆が置かれており、日本酒以外にも、豆乳を使ったお菓子とイチゴが置かれてある。

@自席の様子

 通常運用されている普通の車両であるため、特に観光用に装飾されているわけではないが、広告のところには日本酒の銘柄が挟まっているし、樽や幟も車内に搬入されていて、雰囲気は形成されている。
 なお車内にいた係員によると、新酒まつり自体は3年ぶりの開催のようであるが、この列車の運行は初めてとのこと。

@日本酒列車的に

 定刻の10時15分に木更津を出発。音頭があって乾杯をして、あとはひたすら呑むだけである。机の上には小さい試飲用のカップが5種類分あるだけであるが、なくなれば次々とお代わりが可能である。
 ということで、おつまみを開いて一献の継続である。全体的にイタリアンであり、美味しく頂いた。

@なぜかイタリアン

 45分という短い乗車時間であるため、のんびり景色を眺める余裕はなく、急いで呑まなければならない。最初のうちは他の人も「5番ください」と個別にお願いしていたが、だんだんと面倒になり、「全部ください」と言う人も出てきたので、私もそれを真似した。
 ところで、この「鐡旅」シリーズでは、「えちごトキめき鉄道「バル急行」」と「JR西日本「SAKU美SAKU楽」」に乗車した際にテレビ撮影があって、いずれも私の姿が映ってしまうという失態(?)があったが、今日は新聞記者が乗っていて取材を受けてしまった。記事になるかどうかは、後日に要確認である。
 しばらくすると、久留里名産の雨城楊枝が配付された。

@もったいなくて使えない

 急ピッチで呑み続け、11時00分に到着した久留里で、観光列車は終了である。
 今日は駅付近で新酒まつりが行われているだけでなく、「駅からハイキング」も開催中である。お城やお寺など、3時間程度歩くつもりで来たのだが、予想以上に呑み過ぎてしまったため、もうそこまで歩く気になれない。結局、駅付近を散策して酒屋を覗いたりした程度で、12時55分の列車で戻ってしまうことにした。

@お疲れさまでした

 

■ 鐡旅のメニューへ戻る

 「仮営業中」の表紙へ戻る

inserted by FC2 system