【大人鐡42】JR九州「ふたつ星4047」編(+祝・西九州新幹線開業)

■はじめに
 食事付き観光列車に乗るこのシリーズであるが、今回の対象は、今年9月23日の西九州新幹線開業に合わせて運行を開始した「ふたつ星4047」である。午前便は武雄温泉を出発し長崎本線等を経由して長崎へ、午後便は長崎を出発して大村線等を経由して武雄温泉に向かう行程となっている。
 今回はこの観光列車(午前と午後両方)に乗るだけでなく、部分開業をした西九州新幹線にもついでに乗ってくることにしている。土曜日朝の長崎便を特典航空券で押さえ、新大村から新幹線で長崎へ行き、午後便の観光列車で武雄温泉に移動し、そしていつもは安宿であるが、今回は2食付きの豪華な温泉宿に投宿。翌日曜日は午前便の観光列車に乗車し、諫早で途中下車をして、そして諫早から新幹線で武雄温泉に戻り(西九州新幹線制覇)、そしてリレー特急で博多に行って福岡空港から帰る行程にしている。
 運行開始直後ということもあり観光列車の指定券確保は難儀を極めたが、土曜の午後便はなんとか窓側席を確保、日曜の午前便はタッチの差で窓側席は逃してしまったが(席を選択してネット決済手順を踏んでいる間に誰かに先を越された)、なんとか海側の通路側席を押さえることができた。そして別サイトで、午前便で提供される特製弁当も予約・決済をしておいた。

@長崎駅にて

■2022.10.22
 8時30分の便で羽田から長崎へフライト。当初の案では長崎空港から諫早駅までバスで移動してそこから新幹線に乗るつもりであったが(新幹線の場合隣駅までの自由席特急券が特例で安くなるため)、調べてみたら新大村から長崎まででも特急券が安いことが判明したため、空港から新大村駅まで歩いてそこから乗ることにした。
 小一時間ほど歩き、開業したての新駅に到着した。

@出来立て

 開業してまだ1か月ということもあり、見学や「試し乗り」の地元民などでそれなりの人出であった。しかしこの駅、観光案内所こそあるが、売店もないし券売機も1台だけという、非常に寂しい駅である。
 観光列車や博多に向かう際の特急券はネットで手配済みであるが、ここからの乗車券(自由席特急券)はまだ手配していないため、その1台しかない券売機で購入した。

@いざ

 この時点で12時14分発の新幹線まで30分弱ほどあったが、いかんせん駅周辺にも特に何もない。早めにホームに入って、新幹線がやってくるのを待ち続けた。
 待つことしばし、武雄温泉からやってきた新幹線が入線してきた。

@初乗車

 定刻に新大村を出発。そしてあっという間に諫早に到着してすぐに出発し、長崎到着もあっという間であった(12時29分到着)。在来線である長崎本線は「線形」が悪い(カーブが多い)ので、余計に新幹線が早く感じるのかもしれない。早いことは良いことであるが、皆が長崎に買い物などに行ってしまって諫早の商店街などが衰退しないか心配である。
 観光列車の長崎出発は14時53分であり時間があるため、路面電車資料館に行ったりして時間を潰した。

@久々に来ました

 14時過ぎに駅に戻り、14時20分過ぎにホームに上がってみると、もうすでに「ふたつ星4047」は入線していた。もしかしたら、武雄温泉からの午前便が到着してそのままホームに係留されていたのかもしれない(詳細不明)。

@敢えて反対側のホームから撮影

 今日は満席であるため、次第にホーム上の人も増えてきたが、列車のドアは閉まったままである。とりあえず、まずは外部の撮影である。列車名が「ふたつ星」であるため車体の各所に星マークが二つ並んでいるが、これを見て「電車三段式寝台」を思い浮かべてしまうのは、ある程度の年齢以上の鉄道ファンなら自然の摂理である。
 14時45分頃、ドアが開いたので中に入った。車内の意匠は豪華であり、様々な絵などが掲げられている。

@一例

 定刻の14時53分、長崎を出発した。長崎本線は浦上から二手に分かれるが、この列車は海が見える方の長与を経由する。車両は改造されているため座席と窓の相性はまちまちであるが、事前に座席図を把握して相性が最適な席を押さえているので問題ない。

@完璧

 しばらくすると、左手に大村湾が見えてきた。列車はスロー走行となる。
 景色は奇麗であるが、長崎本線や大村線自体はここ数年でも何度も乗っている区間である。「久々」という意味では、明日乗車する午前便の区間の方が該当する。
 15時30分、諫早に到着した。ルートが違うとはいえ、新幹線とは大違いの所要時間である。

@スロー走行時

 諫早で15分ほど停車となる。午後便では先着6名限定で「長崎スフレ」が予約注文できるのでネット注文してみたが、残念ながら間に合わなかった(いったんは受付されたが、後日にキャンセルメールが届いた)。その代替として2号車のカウンターで何か買おうとしたが、出発してからずっと行列である。諫早停車時も行列は解消されなかったので、仕方ないので並ぶことにした。

@ドアが開いた直後に撮れた2号車内の写真(この後は人だらけに)

 時刻的に酒を呑むタイミングではないし、地元のお茶も面白そうであるが「冷たいお茶だけで500円もなぁ」という気もする。そこで、アイスソルベを買うことにした。「トレイン」というのが観光列車用に作られたものということらしいが、フルーツが一番見栄えがしたので、それを500円で購入した。

@スフレの代替として

 大村線に入ると、所々で海が見えて来る。ただし、残念ながら夕日になるにはまだ早く、日差しは高いままである。
 16時20分、千綿に停車した。ここでしばし時間があるため、乗客はホームに降りることができる。やはりまだ夕日には早いが、あれこれと撮影してみた。

@こんなアングルでも

 同駅出発後は南風崎(はえのさき)で対向列車との行き違いのため停車し、その後はハウステンボスに停車。ここでも停車時間があったため、ホームでの撮影大会となった。
 同駅を出発し、海から離れて早岐を過ぎると内陸に向かい、有田などを過ぎて、定刻の17時45分に武雄温泉に到着した。
 いつもなら「安ホテルで半額スーパー食材」となるが、今日は旅館でコース料理である。定価は16,500円であるが、楽天の株主優待で1,500円割引となり、全国旅行支援で5,000円引きとなり、1万円である。部屋食であり、料理も一気に運ばれてくるのではなく何回にも分けて配膳される形式であり、優雅な夕食タイムであった。

@武雄温泉と言えば(楼門)

■2022.10.23
 宿の朝食後はのんびりと武雄温泉を散策したりして9時半過ぎにチェックアウトし、駅へと向かった。コンビニで車内用の酒を買ったりしてホームに上がると、10時過ぎに「ふたつ星4047」が入線してきた。周囲を見ると、旅行会社のワッペンを付けている団体客が多い。今日の指定券は昨日以上に争奪戦が酷かったのは、これが理由であろう(旅行会社が事前にある程度押さえていた模様)。

@今日も乗る

 定刻の10時22分、3号車を先頭にして武雄温泉を出発した。江北(先月までの駅名は肥前山口)までは反対向きに動いて、スイッチバックをして長崎本線に入ることとなる。
 今日は通路側の席であるが、目の前はカウンター席になっており大きな窓があるし、隣の窓側席の人も何かと2号車のラウンジや通路に撮影に行ったりすることが多い人であったので、撮影には困らなかった。

@カウンター席を覗き込む(出発前)

 10時38分、江北に到着した。肥前山口時代に何度か乗り換えなどをしたことがあり、思い出はある駅である。この駅付近は新幹線開業とは直接関係がないため、駅の雰囲気は以前と同じままであった。
 しかし今日は、観光列車の到着に合わせて地元の人が出迎えをしており、マルシェも開店してスイーツなどが売られていて賑やかであった。

@歓迎の横断幕

 10時46分に江北を出発。上述した通りスイッチバックをしたため、ここからは1号車が先頭となる。武雄温泉駅で買っておいた酒を呑み始めた。
 新幹線の開通によりこれまで長崎本線で長崎まで直通していた在来線特急がなくなるため、江北から諫早まではアクセスが難しくなる区間である。途中の肥前鹿島までは、特急こそ残るもののその本数は少なくなり、肥前鹿島から先は各駅停車(もちろん少ない)だけである。今後、この区間の鉄道に乗ることは少なくなるであろう。
 11時06分、肥前浜に到着した。駅前はお祭り騒ぎであり、駅構内や仮設テントで多数の店が営業中であった。仮設ステージでは音楽の演奏も行われている。

@ゆるキャラも登場

 仮設売店では唐揚げなども売っているし、駅では千円の「日本酒呑み比べセット」なども売っていてかなり惹かれるが、購入済みの酒以外にこれらを追加したら諫早到着時には完全に出来上がってしまうことが確実であるため、残念ながら諦めることにした。新幹線フィーバーも納まり、この区間が完全にローカル線に成り下がってしまったら、また来ようと思う(ゆっくりと観光もしてみたい)。

@今日は撮影だけ

 同駅停車中に、2号車に行ってネットで購入済みの弁当を受け取った。弁当は2種類あり、1,440円の「4047弁当〜佐賀牛すき焼きのり弁〜」と2,520円の「特製ふたつ星弁当〜佐賀牛二段重のり弁〜」があるが、思い切って高い方である後者を頼んである。
 自席へ持って帰り、まずは撮影である。外側は風呂敷で包まれており、もちろん持ち帰り可能である。

@見るからに豪華

 風呂敷を外して掛け紙も剥がし、2段式の弁当を開けてみた。上下段ともに豪華に佐賀牛があり、特に上段(おかず)の牛肉は甘くて美味であった。酒のつまみになるものも多く、購入済みの缶焼酎を呑みながら一品ずつ頂いた。

@昼から豪華に

 列車はすでに肥前浜を出発しており、時折左手には海が見えたりしていた。11時34分に多良に到着し、ここでもしばし下車タイム。ホームにある「幸せの鐘」を鳴らす乗客もいた。
 同駅を出発後も、左手には海が見え続けた。以前は特急「かもめ」に乗車してよく見た景色であるが、上述した通り今後は足が遠のくと思われる。そのうち、意図的にこの地方を旅行したいと思う。

@海が見え続ける

 小長井に停車し、ここでもしばし撮影タイムである。駅のすぐ横は海であり、遠くには普賢岳も聳えている。

@こんな感じで

 同駅を出発し、諫早には12時25分に到着した。観光列車はこの先長崎まで行くが、私はここで下車して新幹線に乗り換えることとしている。
 諫早駅舎であるが、新幹線開業によって新しく普請されていた。バスターミナルも併設されており、見覚えのある懐かしい駅前にあるボロいバスターミナルは閉鎖されていた。

@新駅舎

 すぐには新幹線には乗らず、小一時間諫早の町を散策してから13時27分発の新幹線に乗り込んだ。この先は新大村から武雄温泉までの区間を制覇して「JR完乗」を継続させることとして、そしてその後はリレー特急に乗って博多に向かい、16時20分の便で羽田に戻るだけである。

@西九州新幹線制覇

 

■ 鐡旅のメニューへ戻る

 「仮営業中」の表紙へ戻る

inserted by FC2 system