【大人鐡31】山形鉄道「プレミアムワイン列車」・長野電鉄「ワイントレイン」編

■はじめに
 食事付き観光列車に乗車する「大人鐡」シリーズであるが、今回の対象は、タイトルにもある通り山形鉄道の「プレミアムワイン列車」と長野電鉄の「ワイントレイン」であり、奇しくもワイン繋がりである。
 山形鉄道のイベント列車の数はあまり多くないが、1月に「プレミアムワイン列車」、2月に「薬膳列車」、3月に「地酒列車」をそれぞれ1本走らせるというパンフレットをネットで発見。自身の予定などを考慮して、1月22日運行のプレミアムワイン列車を電話で申し込んでおいた。ワイン数種に特製弁当が付いて、6,500円也。
 長野電鉄については約1年半前に「北信濃ワインバレー列車」を経験済みであるが、再度似たような観光列車に乗車することにした。今回の方がワインの種類が多く(10種類以上)、しかも安価(4,000円)である。土日の運行がないため旅行者としてはアクセスしづらいが、金曜日(1月21日)の便に乗ることにした。なおこちらについては、ネット上で予約・決済をした。
 実は「酒繋がり」ということで、1月29日に運行予定であった由利高原鉄道の「日本酒ソムリエ列車」も申し込んでいたが(料金の銀行振込も終了)、コロナの影響もあってこちらについては運行中止となってしまった。次回以降に期待、である。

@長野駅にて

■2022.1.21
 ワイントレインの長野駅出発時刻は18時34分であるため、午前中は出勤し、いったん家に戻ってから私服に着替えて東京駅に向かい、新幹線「あさま」に乗り込んだ。
 ちなみに、今回は「大人の休日倶楽部パス」を使用している。これを大活用して金曜・土曜の移動に使うだけでなく、実は日曜・月曜にも別の観光列車(「富士山ビュー特急」と「ROYAL EXPRESS」)に乗ることにしている(これについては後日に別の旅行記に仕上げたい)。
 17時41分に長野到着。スーパーで持ち込み用ツマミなどを買ってから、長野電鉄の乗り場へと向かった。

@表示もされている

 この時点で時刻は18時10分頃であり、18時20分出発の列車の改札を待つ乗客がコンコースで大行列していた。人は少ない方が良いが、地方私鉄の場合は、収支を考えるとこういう光景の方が嬉しい限りである。
 ワイントレイン専用の受付があったので、そこに行って今日の切符と抽選券をもらった。

@一式

 しばらくしてから、通常の改札とは違う改札が開き、ワイントレインの乗客はそこを通ってホームへと向かうこととなった。
 私も早速ホームに降りて行き、3号車の自席へと向かった。コロナ禍もあってボックス席は「2人まで」となっており、もちろん1人でも利用可能である。「北信濃ワインバレー列車」の時は「2人以下は1,000円増(トータルで7,000円)」であったが、今回はそれも該当しない。

@こんな席

 席上にはすでに弁当とメニューが置かれており、窓際にはグラスが2つある(赤用と白用で、白用にはすでに「リンゴのシードル」が注がれている)。まだ出発前であるが、早速シードルから頂いた。

@寄せてみる

 酒だけというわけにもいかないので、列車が動く前から特製弁当も開けてしまった。弁当と言っても、ローストビーフの下にご飯が少しあるだけで、全体的には「ワインのツマミ」というような内容である。

@ツマミ的弁当

 今日のワインは、12種類である(国産の赤2、白3、ロゼ1、海外の赤3、白3)。まずは国産の赤から、メニューにある順番通りに頂くことにした(まだ出発前)。
 定刻の18時34分に長野を出発。赤ワインの時は弁当にある肉などを頂き、白ワインの時は持参したチーズなどを頂き続ける。
 どのワインの写真を撮ってもほぼ同じ(グラスの状態)である。しかも、外は暗いので景色も見えない。ということで撮影はお休みし、呑み続けるだけである。

@ワイン一式(係員が注いでくれる)

 「北信濃ワインバレー列車」の時は昼であったため観光アナウンスがあったが、今日はもう日暮れであるため、それもない。しかし、長野電鉄はもう何度も乗車しているので、「今はあの駅付近だな」「あの鉄橋を超えているな」というのは、なんとなく分かる。

@無理やり外も撮影

 18時59分、須坂に到着した。この時点で日本産ワインを制覇したので、外国産へと移行することとした。
 人それぞれ嗜好が違うと思うが、やはり赤ワインに関しては、海外産(特にフランス)の方が「さすがだな」という感じであった。
(日本産の名誉のために補足すると、白ワインの中で一番好みであったのは、日本産の「ペンギンズリーブ」であった)
 19時08分、小布施に到着した。車両にはトイレがないため、ここで30分以上のトイレタイムである。

@もう夜です

 コロナ以前はここで物品販売があったり、また抽選会を実施したりしていたようであるが、前者はなくなってしまい、後者については復路の車内で行われるという。
 そういう店舗もなくひっそりとした駅構内であるため、車内に戻ってひたすら呑むだけである。停車中に海外産ワインもすべて制覇して、後はお気に入り(フランス産の赤と、白は先述したペンギン柄ワイン)だけを呑み続けることにした。
 19時42分に小布施を出発。ここで抽選会である。最初の景品は「自動車販売店から提供されたミニカー」ということであったが、なんとまさかの当選である。

@いきなり当たってしまった

 それ以外の景品は、ガソリン券、ホテル優待券、そして最後は「ワインバレー列車招待券」であった。ガソリン券は使用場所が限られそうであるし、優待券は割引されるだけ(しかも2人以上でないと使用できない)である。最後の招待券は欲しかったが、まぁミニカーでも良しとしよう(縁起は良い)。
 ヘロヘロ状態になり、権堂(長野の手前)で下車した。今日の安ホテルは、この駅のすぐ近くである。

@グッズ一式(権堂駅にて)

■2022.1.22
 今日は「プレミアムワイン列車」に乗るために赤湯駅に向かうが、普通に新幹線を乗り継いだのでは時間が余り過ぎてしまう。ということで、飯山線経由で向かうことにしている(真冬の飯山線の景色は壮観である)。
 まず乗車したのは、6時11分発の新幹線である。というのも、大人の休日倶楽部パスでは「しなの鉄道」に乗れないため、飯山まで新幹線で行ってそこから飯山線に乗り換えなければならないのである。
 6時22分、飯山に到着した。ここで在来線への乗り換えである。

@大雪の跡

 6時39分発の列車は、2分ほど遅れて長野方面から入線してきた。
 同駅を出発すると、右手に千曲川を見ながら、雪景色の連続である。冬に乗る飯山線での注意点は「大雪による運休」であり、かといって雪が少ないと醍醐味も薄れる。ベストなのは「大雪が続いた翌週の天候が落ち着いている日」であり、今日はまさにそれである。

@雪景色の一例

 意外に長い4両編成であったが、戸狩野沢温泉で乗り換えて以降は、1両編成であった。
 念のために朝の時点でJR東日本の運行状況を確認しているが、今日は11時30分〜13時30分という中途半端な時間に「除雪のために運休」とある。比較的乗客が少ない時間帯に、大きな作業をしてしまうのであろうか。

@さすがにあの記録には届かず(森宮野原駅にて)

 十日町到着は、定刻に戻って9時27分であった。ここまで来れば、もう安心である(ほくほく線(北越急行)と新幹線は雪に強いため)。
 しばし待ち、ほくほく線に乗り換えて越後湯沢へ。新幹線「たにがわ」で大宮まで移動し、「つばさ」に乗り換えて赤湯には13時20分に到着した。なかなかの「大移動」である。
 10分ほど歩いてスーパーに行き食材を買ったりして時間を調整してから、駅東側にある山形鉄道の駅舎に向かった。赤湯には何度か来ているが、いつも西側にあるJRの駅舎ばかりであり、こちら側は初めてである。

@味わいあり

 駅舎に入ったが、受付のようなものはないようであった。そういえば、予約時に「ホームへお越しください」と言われていたことを思い出し、跨線橋を渡っていくと、ホームに降りる階段の手前に小さい受付が設置されていた。そこで参加費の6,500円を支払い、一日乗車券を受け取った。

@今日の移動手段

 受付の紙が見えたので少し覗いてみると、今日の参加者は11人だけのようである(4人+3人+2人+1人+1人)。コロナの影響もあるのかもしれないが、いずれにしても「中止しない」判断をしてくれたことは有難い。
 14時16分頃、荒砥方面からの定期列車が入線してきた。2両編成であり、そのうちの1両がプレミアムワイン列車である。

@入線(左手には新幹線も)

 早速車内へ。以前のワイン列車ではミニ樽なども車内にあったらしいが(余所様のサイトを参照)、今回はかなりシンプルな内装であった。テーブル上には、今日のワイン4種の説明書きと、ウェットティッシュが置かれている。

@シンプル

 メニューには、地元ワイン4種が記載されている。今回の列車は、ワインを「がぶがぶ呑む」という趣旨ではなくて、珍しいワインをテイスティングする、というような感じのようである。

@今日の4種

 14時35分、赤湯を出発した。進行係の女性職員のアナウンスに続き、山形鉄道社長自らの挨拶である。コロナ禍もあってイベント列車は中止の連続であり、今日のこの列車は2年ぶりの運行であるとのこと。まん延防止やそれに伴う飲酒制限など、根拠のない自主規制がそれこそ「まん延」している中で、よくぞ運行してくれたと思う。
 早速、配膳された弁当も頂く。ご飯ものは皆無で、すべてが「ワインのツマミ」である。

@今日のツマミ

 車内では、次々とアナウンス(ワインの内容や、沿線の説明)があった。JRとの共用区間など、私が意外に知らない情報もたくさんあった。
 今日は珍しいワインが紹介されているが、赤でも白でもロゼでもない、オレンジ色のワインは初めてであった。

@オレンジ

 15時34分、終着の荒砥に到着した。ここで20分少し停車して、15時59分の定期列車と一緒に折り返すこととなる。
 荒砥に来るのは、昨年5月に「鉄印」収集の際に訪問して以来である。その際は駅の売店で辛みそをかったのだが、それがそこそこ美味だった記憶があるため、今日もまた買ってしまった。

@再度購入

 15時59分に荒砥を出発。復路では、リストに載っていない朝日町の赤ワインが提供され、追加で一升瓶ワイン(白)が追加された(ただし、呑める量としてはテイスティングの枠を超えていないが)。
 そして、ここでじゃんけん大会である。まずはクリアファイル3名分で、これは撃沈。しかし、「誰かが何か当たるまで続ける」方式であり、しかも残り物ほど高価になるようであった。次のワインオープナーも撃沈し、続いての「革製コースター」でやっと勝ち残った。

@地元ワイナリーのもの

 なお、最後の人はワイングラスであった(やはりこれが一番高そう)。最後に全員で、半自動の高級ワインオープナー争奪戦を行い(これは欲しかったが、撃沈)、そうこうしているうちに終着の赤湯には16時51分に到着した。
 私のように量をたくさん飲む人間にとっては呑み足りないが、あくまで「珍しいワインを飲む」のが目的であり、それに夕方のこんな時間にヘロヘロになったのでは旅館に行くのも危うくなるので、このくらいの「ほろ酔い」でいいのだろう。

@お疲れさまでした

 赤湯駅売店で、これまた前回も購入した辛みそを買い、スーパーで安食材や酒を大量に買ってから赤湯温泉の安旅館に向かい、熱い湯に浸かり、そして今度はしっかりと酔っぱらってから就寝した。

 

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