【大人鐡P】島原鉄道「しまてつカフェトレイン」編

■はじめに
 今回の目的は、島原鉄道の「しまてつカフェトレイン」である。実は恥ずかしながら、食事付き観光列車に乗るシリーズの作成を続けていながら、先月までこの列車の存在を知らなかった。別の列車についてネットであれこれ調べていた時、各地の観光列車一覧のようなページがあり、そこで偶然発見したのである。
 車両自体はほとんど(まったく?)改造されていないが、各コース(ランチorスイーツ)とも飲食物が複数回提供されるものであり、これはもう充分に「大人鐡」の対象である。ということで、11月の最終週の土曜日のランチコースに空きがあったため、速攻でネットで申し込んでおいた。なお、この手の観光列車で複数のコースがある場合、スイーツよりはランチの方が値段が高いのが普通であるが、このカフェトレインの場合は、ランチが5,000円、スイーツが5,500円と「逆転現象」が起きている。
 さて、観光列車自体は上記の通りそれほど高いものではないが、長崎県に行くまでが大散財となる可能性がある。あれこれ検討し、JALのパックにして、さらにGoToを使ってなんとか17,900円にまですることができた(これに地域共通クーポンが4,000円分付くので、実感としてはさらに安くなる)。なお旅程であるが、長崎空港の単純往復ではなく、島原鉄道乗車後は船で熊本に渡り、日曜日は熊本空港から帰ってくることにした(その方がパック旅行代金が安くなるため)。そこでの小さな目的は、末端部分を微妙に乗り残している熊本市電の乗り潰しである。

@大三東駅にて

■2020.11.28
 7時25分の便で羽田を飛び立ち、久々の長崎空港へ。連絡バスに乗り込み、「しまてつカフェトレイン」の出発駅である諫早駅へと向かった。
 10時30分前くらいに諫早駅前(バスターミナル)に到着した。諫早に来るのは久々であるが、記憶にある古ぼけた駅とバスターミナルを想定していたところ、バスターミナルは以前のままであったが、駅が真新しくなっていた。「田舎駅(←失礼)にしては思い切ったな」と思ったが、よくよく考えたら新幹線開業に向けての準備であった。

@なるほど(面影なし)

 その出来立てホヤホヤの駅舎に入り、島原鉄道の窓口へと向かった。カフェトレインの切符は事前にネットで購入済みであるから、後は窓口で名前を言って切符を受け取るだけである。

@受付中

 切符を受け取り、あれこれと説明を受けた。切符を見れば一目瞭然であるが、観光施設(お城など)2か所の無料拝観券も付いている。また、裏面は「復路の切符」となっており、実質は往復切符となっている(今回は熊本へ抜けるため利用しないが、諫早に戻る場合は重宝される切符である)。

@こんな切符

 さて、出発時刻(11時10分)までまだ30分以上もある。かといって諫早駅周辺にはこれといって見るものもない。
 そこでJRの改札の方に行ってみると、スマホでのアンケートについて声を掛けられた。いつもなら適当にあしらうのであるが、そのアンケートが地元の漁協主催のものであったことと、答えれば粗品(牡蠣)がもらえるということで、現金なもので答えてみることにした。簡単な質問に答え、粗品(先着500名)をゲット。

@今晩のツマミに決定

 カフェトレインは10時56分に入線してくるということなので、50分過ぎに島原鉄道の改札へと戻った。団体さんも乗車するようであり、あれこれと説明を受けている。
 その時刻になり、列車が入線してきた。

@お出まし

 早速車内へ。団体さんは1号車のようであり、私は2号車であった。コロナもあってボックス席は2人までに制限されており、残り2席には猫の座布団のようなものが置かれている。もちろん相席ではなく、ボックス席占領であった。

@こんな車内

 私のボックスは残念ながら右側(山側)であるが、途中の大三東(おおみさき)で長時間の停車もあるため、海撮影はそこでも可能である。
 出発前に、まずは水が配膳された。地元の湧水との由。

@とりあえず撮影

 定刻の11時10分に諫早を出発。今日はランチコースであるが、いきなりランチではなく、まず簡単なスイーツ、その後にランチ、おまけでさらにスイーツ、となっている。
 観光アナウンスを聞いているうちに、コーヒーが配膳され、それから最初のスイーツが配膳された。

@クリーム多めのスポンジケーキ

 4口くらいでケーキを平らげ、早速お代わりしたコーヒーをすすりつつ、観光アナウンスに耳を傾け続けた。もう何度も乗っている島原鉄道であるが、こうして説明を聞いてみると、知らなかったことが多いことに気づかされる。いつもは、「ただ単に乗っている」だけである。
 愛野駅で停車してドアが開き(積み込み作業?)、すぐに出発した。続いて配膳されたのは、鶏ハンバーグのランチである。

@今日のランチ

 そちらを頂いていると、熱々のほうじ茶も配膳された(やはりコーヒーよりお茶である)。
 なお、いつもの私なら「ではここで一杯」とビールか日本酒でも始めるところであるが、この観光列車は、なんと「アルコールのメニューはご用意しておりません。持ち込みもご遠慮ください。」とウェブに記載されているくらい超真面目(?)なのである。ということで、今日は真面目にノンアルコールである。
 古部駅を過ぎると、左手に諫早湾が広がってきた。「海の写真はお預け」と記載したが、それまで待っていられないので、通路側の席に少しだけ移動して無理して撮影。

@ちょっとだけ

 ハンバーグ丼を平らげてからは、長閑な景色を眺め続けた。続いてやってきたのは、車内販売(グッズ等)である。
 しかし、私には収集癖はないため、グッズ類や記念切符を買うことはまずない。ということで、本来ならスルーするところであるが、3色ボールペンなのに全部赤色という「赤字ペン」という涙ぐましいものがあったので、珍しくそれを買うことにした(実は諫早駅の窓口でもそれを発見していて、珍しく心を惹かれていたのである)。

@いつでも赤字です

 12時15分、海際にある駅として有名な大三東に到着した。ここでしばし撮影タイムである。ホームには「黄色いハンカチ」がたくさんあるが、これは絵馬のようにして旅行客が願いを書いて結び付けているものである(ハンカチはホームにある「ガチャガチャ」で購入可能)。

@とりあえず海

 ここで、なんと45分も停車する。観光列車にありがちな時間調整であるが、立て続けに3つも食事が出てきたのでは満腹になってしまうので、時間を開けるという意味もあるのかもしれない。
 撮影にも飽きて車内に戻っていたところ、12時半前くらいに列車が急にバックし始めた。一瞬戸惑ったが、10秒くらいで理由が推察できた。つまり、長時間停車中に定期列車に追い抜かれる必要があるが、上りと下りの路線(ホーム)は進入方法が決められているため、いったんバックしてそこから折り返して上りホームに退避し、下りホームを空けてそこに定期列車を通すためである(結果は、思った通りであった)。
 上りホームに移動し終わって、配膳されたのが最後のスイーツ(チーズケーキ)である。

@本格的

 さらにお代わりをしたコーヒーとともに、美味しく頂いた。
 定刻の13時10分、島原に到着。これで観光列車の旅は終わりである。しかし、先述した通り、この列車の切符には2か所の観光施設の切符も付いている。ということで、まずはお城から訪問である。

@外見

 その後は「鯉の泳ぐまち」を歩いてもう一つの観光施設(四明荘)を拝観し、湧水などを見学しながら歩いて島原外港へ向かった。島原には何回か来ているが、こうしてきちんと観光をしたのは初めてである。
 先述した通り、今日は諫早方面には戻らず、船で熊本に渡ることにしている(ただ単に、長崎往復のパック旅行が高かった→復路を熊本にしたら安くなった、という理由だけで)。窓口で切符を買い(地域共通クーポンが役立った)、船へ。

@大型高速船

 15時45分に出港し、30分強揺られて熊本港に到着。しばし待ってから路線バスに乗り込んで市内に向かい、パックに付いてくる安ホテルに投宿した。

■2020.11.29
 さて、今日は観光列車とはまったく関係のない日であるが、おまけで記載である。
 まずは、市内電車(路面電車)の乗り潰しである。路面電車については、特に熊本駅から中心部までは数えきれないくらい乗っているが、あやふやな記憶によれば、新水前寺駅前から健軍町までは未乗のはずである。
 ホテルから辛島町の電停まで行き、6時04分発(始発)に乗車した。

@真っ暗

 終点の健軍町まで行き(これで熊本県制覇)、折り返しの列車で上熊本駅前まで移動した。まだ少し時間があるため、熊本電鉄にも少し乗るためである。
 しばし駅で待ち、昔の地下鉄銀座線の車両が入線してくるのを待ち構えた。

@やってきました

 定刻の7時50分に出発。「青ガエル」が引退する際に来たときは大賑わいであったが、今日は何もない日曜日であるので、乗客は私を含めても3人だけである。
 終着の北熊本で御代志行に乗り換え。しかし、最後までは乗り通さず、途中の堀川で下車した。理由は、「一番安い一日乗車券の範囲が堀川まで」「御代志まで行ってしまうと、空港連絡バスに微妙に間に合わない」「そもそもこの路線は乗ったことがある」という複合理由である。
 しばらくしてやってきた藤崎宮前行に乗り、終着駅から通町筋バス停まで歩き、空港連絡バスに乗り込んだ。まだ9時というのに帰るのはもったいないが、メインテーマはしっかり堪能できたので問題なしである。

@ヘッドマーク

 

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