【大人鐡O】JR東日本「ゆざわShu*Kura」「フルーティアふくしま」編

■はじめに
 JR東日本の「Shu*Kura」は、もっぱら「越乃Shu*Kura」として運行されているが、運行日によっては行先と列車名が変わり、新潟行になる場合は「柳都Shu*Kura」となり、越後湯沢行になる場合は「ゆざわShu*Kura」となる。私の予定と旅程の前後を勘案し、今回は「ゆざわ」に乗ることにしている。
 上記いずれも、有名なのは車内で提供される料理と酒であるが、残念ながらそれらが堪能できる1号車はツアー専用であり、しかも2人以上でないと申し込みができない。これまでにも、2人以上でないと申し込めない観光列車に関しては、旅行会社主催のツアーに潜り込んでなんとか参加したりしてきたが、このShu*Kuraについては、かなり検索したがそういうツアーは見つけられなかった。
 ということで、この列車には普通の座席の指定席(3号車)も連結されているため、それに乗るしかない。車内販売でこの列車専用の日本酒は買えるので、後は駅弁でも買い込んでおくだけである。そう決めて、指定券発売日(1か月前)にJR駅に行ってみた。「指定席なら楽勝だろう」と思っていたが、なんと窓側席は最後の1席であり、通路側も数えるくらいしか空いていなかった。慌てて、窓側の確保である(私の横も埋まっていたので、おそらく誰かがキャンセルしたのであろう)。

 「フルーティアふくしま」については、読んで字のごとく福島県のフルーツを使用したスイーツを提供する列車である。こちらについては、1人用のカウンター席もあるため、申し込みは簡単である。
 ただし、スイーツだけを購入することはできずに、乗車券もセットになっている。今回、私は2日間有効の「週末パス」を利用するため、正直なところ乗車券はいらないのであるが、まぁ仕方がない。ネット上で、郡山から会津若松までのセット(ツアー扱い)を申し込み、決済しておいた(受け取りはJR駅の券売機で可能)。

 今回の内容は「大人鐡」としては若干欲求不満な部分もあるため(特に前者)、おまけとして、今年いっぱいで退役となる「現美新幹線」にも乗ってくることとした。さらに追加のおまけで、新津にある鉄道資料館も再訪である。

@上越妙高駅にて

■2020.11.21
 先述した通り今回は「週末パス」を利用するが、観光列車以外はいつも以上に経費削減をするということで、高崎までは各駅停車である。高崎からやっと新幹線に乗ったが、なんと自由席は満席で立つ人もいるくらいであった(超密)。軽井沢で席が空いたが、予想外の人出の多さである。
 9時54分に上越妙高に到着。急いで売店を経由してから、「えちごトキめき鉄道」のホームへと向かった。

@入線済

 あれこれ撮影してから(表紙写真含む)、3号車の自席へと向かった。定刻の10時02分、数人の駅員から見送られつつ上越妙高を出発。出発後にアナウンスがあるが、出だしはあの「国鉄時代のオルゴール」であった。車内はあれこれ改装されているが、元はかなり古い車両ということである。

@3号車のフリースペース

 しばらくして高田に到着。向かいには「雪月花」が停まっていた(これから上越妙高に行って乗客を拾うためである)。つい数か月前の乗車が懐かしい限りである。
 さて、まずは酒の入手である。2号車のカウンターに行き、Shu*Kura限定の大吟醸酒を入手してきた(1合瓶で1,000円もする)。あと100円出せば他の銘柄の4合瓶(純米酒)が買えてしまうが、ここはラベル中心でこちらを選択である。

@写真的にも重要

 できれば1号車で提供される料理を味わいたいところであるが、前述したとおりツアーは2人以上が対象である。ということで、酒のアテは、上越妙高駅で買っておいた駅弁である。この辺りの駅弁といえば、JRの駅弁イベントで「駅弁大将軍」に選ばれたことのある「鮭めし」と「鱈めし」があるが、ツマミにもなるという口コミを頼りに、今回は鱈めしを購入してある。ちょうど直江津(これらの駅弁を製造している業者がある町)に到着したので、こちらもいただくこととした。

@たしかにツマミになる

 今回は窓側席ではあるが、右側なので海とは反対である。しかも、日差しが痛いくらいであるが、ブラインドを全部閉めると景色が見えなくなるため、痛さに耐えつつ駅弁を頂き続けた。
 しばらくすると、左手に海が見えてきた。それと同時に、急に雲が多くなり、まさかの雨粒である。フリースペースに移動して海を見続けているうちに、列車は青海川に到着した。ここでしばし停車時間があるという。

@雨の中撮影

 撮影後は車内に戻り、駅弁+日本酒の続きである。
 しばらくすると、女性係員がやってきて「ふるまい酒」の提供である。以前は2号車でやっていたらしいが、コロナ禍もあり、すでに小分けにしたものを配るだけである。量はほんの少し(一口分だけ)であるが、こういうのは非常に嬉しい。

@瓶を撮影させてもらいました

 さて、2号車のイベントスペースではジャズコンサートが行われている。事前に整理券を入手しており、私は11時からの回である。その時間になったので、2号車に移動した。しばしジャズタイムである。

@ゆったり

 ジャズを聴いているうちにもう少しだけ呑みたくなってしまったため、15分のミニコンサートが終わった後、カウンターに寄って追加の酒とツマミを購入した。酒はJRとの提携で作られている「しゅぽっぽ」というもので(550円)、ツマミは鮭の焼漬である(400円)。

@二次会(?)開始

 このようにして地の酒と地の食材を頂いていると、「普通の指定席も悪くないな」という感じである。
 11時33分に長岡に到着。ここで進行方向が逆になるため、座席の回転である。同駅出発後は、2合も?んでしまった影響もあってしばらくウトウトとして、12時31分に到着した浦佐で下車した。ここから現美新幹線に乗るためである。
 駅を降りてはっと思ったのは、まったく思い出がない=初めて下車する駅であるという事実であった。越後湯沢や長岡などは数えきれないくらい乗り換えたり降りたりしているが、よくよく考えれば浦佐で降りる事情などこれまで皆無であった。
 下車前に駅付近のお寺に関する車内アナウンスがあったのを思い出し、雨の中そちらを参拝。

@観光も

 駅に戻り、新幹線自由席の切符を買ってホームへと向かった。なぜ浦佐から長岡まで乗ることにしたのかというと、「現美新幹線の引退まで1か月を切っているため、かなり混雑しているはず」「展示物を見るだけであれば、10分もあれば充分」「隣駅であれば新幹線特急料金(自由席)が安くなる」という理由である。
 しばらくして、現美新幹線(とき453号)が入線してきた。

@最初で最後

 車内に入ったが、想像以上の大混雑であった。密も密、超絶密である。
 定刻の12時57分に浦佐を出発。とりあえず、各車両を回って展示物の鑑賞である。ぶらぶら歩いているうちに、車掌が「乗車記念ポストカード」を配布し始めた。ちょうど良いタイミングで乗ったようである。

@展示の例

 13時09分、長岡に戻ってきてここで下車である。それにしても、今の時点でこの大混雑であるのなら、12月は「全車指定」のような対策を取らないと、大変なことになるのではないかと思う。
 長岡からは13時40分発の各駅停車に乗り、新津へ(14時35分着)。新津には明後日にまたやってくる予定であるが、30分ほど時間があるため、鐡分多めの商店街を歩いて時間をつぶした。

@この手の絵が多い

 新津発15時10分の列車で坂町に移動し、坂町からは17時12分発の列車で米沢へ。久々の米坂線であるが、この時期の東北地方であるため日は完全に落ちて暗くなっており、車内ではスマホが友達である。
 19時15分に米沢に到着し、駅付近の安ホテルへ。すぐ近くのスーパーの総菜が半額祭りになっており、しかも地域共通クーポンも使えたため、ほぼ自腹なしであった。

■2020.11.22
 7時過ぎにホテルを出て、7時18分発の各駅停車で福島へ。板谷峠を超えて(峠の力餅売りは早朝から健在)、福島で乗り換えて、9時01分に郡山に到着した。ここで50分くらい微妙な時間があるため、適当に散策+待合室でスマホ、である。

@大宣伝中

 9時38分の磐越西線・会津若松行が出発してしばらくしてから、その1番線に「フルーティアふくしま」が入線してきた。2両編成で、先頭の2号車が客席、1号車がカウンター+売店である。

@フルーティアふくしま1号(実物)

 早速、一番手で車内へ。しばらくして半分くらい埋まったが、コロナで間引いているわけではなく、ただ単に朝早すぎて売れていないだけのようであった。
 私の席は、写真手前右側にある1人用のカウンター席である。2人用と4人用は一段高い「ハイデッカー」になっているが、なぜか1人用だけフラットである(よって、少しだけ低い)。しかし、席はゆったりしていて悪くはない。席上には、紙のシートと乗車記念のポストカードが置いてある(今回の旅では、3つの観光列車すべてでカードがもらえた)。

@客席の様子

 定刻の9時52分、数人の駅員に見送られながら郡山を出発。「走るカフェ」を売りにしている通り、女性係員の制服もカフェの定員のようなものであった。
 しばらくして、ケーキ(今回はタルト)2種類が配られた。頑丈な箱の中に入っていたため、まずはそこから出して写真撮影である(ラップも外したかったが、そうすると形が崩れそうであったため断念)。

@タルト2種類

 今回のタルトは、2種類とも福島県の「みしらず柿」が使われている。「柿が入っている」ことは承知していたが、それにしても一つひとつが大きいこと。ゴロゴロと食べ応えがあり、量的にもかなり多めである。
 なお、飲み物も付いている。福島の「もも」のジュースと、ホットコーヒー。それ以外にもオーダー制で、冷たい飲み物(アイスコーヒー、アイスティーなど)も無料で注文可能である。

@デフォルトの2種類

 あっという間に食べつくしたが(もっと味わえばよかったか)、それにしてもお腹いっぱいである。実は郡山駅で売店を適当に見ていた時に、魅力的な駅弁があったためかなり惹かれたのであるが、買わなくて正解であった(この満腹状態から、追加で駅弁は食べられない)。
 することもないので、1号車のカウンターに行ってみた。あれこれ撮影。

@グッズも買えます

 自席に戻り、追加で注文したアイスコーヒーを飲みつつ、沿線の風景を眺め続けた。変化に乏しい沿線であるが、唯一の例外は、猪苗代駅付近から右手に見えてくる磐梯山である。

@これは別格

 1号車に行ってさらに紅茶も注文し、それを頂き終わってから、11時18分に到着した会津若松で下車した。これで、観光列車の旅(メインネタ)は終わりである。
 さて、今日の宿(咲花温泉)に直行しても時間が余りすぎるため、まずはこの周辺での暇つぶしである。「週末パス」を活用して会津鉄道に乗ることにしたが、「塔のへつり」までは時間的に行けないし、湯野上温泉に行ったところで何もない。ということで、芦ノ牧温泉である。

@会津鉄道に

 12時00分の列車に乗り、芦ノ牧温泉へ。なおこの駅にしても、猫駅長以外は特に何もない駅である(温泉街は歩けないほど遠い)。
 ここで1時間ほど時間がある。猫以外にも、旧い車両を使った施設の展示物を見たり神社を見たりしたので、予想以上に見るものはあったが、それでも20分もあれば充分である。残りの時間は、待合室である。駅舎内にある売店(猫グッズ多量にあり)にはひっきりなしに客が来ているが、その9割以上は車でアクセスしているようである(鉄道利用客は少数派)。

@猫は撮影不可

 13時13分の会津若松行に乗車。そのまま会津若松まで行っても1時間ほど待ち時間ができてしまうため、西若松で降り、鶴ヶ城をチラ見してから本町通りを経由して会津若松まで歩き、同駅を14時33分に出発する各駅停車で咲花に向かった。日も落ちてきた16時36分に咲花に到着。歩いてホテルに向かった。
 なお、今回もサブテーマである「大人グルメ」はないため、旅館の内容をいつもより上級にしてある(GoToも使えるので)。宿自体は超ボロだが、料理はなかなか良かった。

@左上は釜飯(さらに味噌汁とデザートもあり)

 こんな夕食であるから、当然酒も必要である。地の酒が2種類あるということだったので、両方頼んでみた。料理を食べているうちに酒が切れたため、左側を再注文。300mlのミニサイズとはいえ、3本も呑んだのではやはり呑みすぎである。

@新潟ですから

■2020.11.23
 早朝から、大雨の音で目が覚めた。しかし天気予報によれば、雨はこれから止んでいくようである。
 朝食後にチェックアウトしてから、雨の中咲花駅周辺を散策しつつ駅へ。8時56分発の新津行に乗り込んだ。新津着は9時28分。当初予定ではレンタサイクルを借りるつもりであったが、雨は上がっているものの、いつ振り出してもおかしくない天気である。ということで、歩いて行くことにした。歩いたところで、せいぜい30分程度である。
 鉄道資料館への道はほぼ道なりまっすぐであり、しかも商店街の各店舗には道しるべ(?)もあるので安心である。

@その一例

 10時頃に鉄道資料館に到着。300円を支払って中へ。以前来たことがあると言っても、かなり大昔(20〜30年前)であるため、気持ちとしては初訪問のようである。展示品もかなり新しいから、おそらく相当数は入れ替わっているだろう。外(敷地奥)にあった展示車両などは、まったく記憶にないから、初対面のはずである。
 様々な展示があったが、詳細な説明は余所様の丁寧な旅行記に譲るとして、写真だけを1葉掲載しておきたい。

@やはり車両で

 さて、後は新津市内のスーパーで地域共通クーポンを使って、それから帰るだけである。当初は「お先にトクだ値スペシャル」の50%割引を狙っており、「三連休とはいえ、昼の12時台なら楽勝だろう」と思って事前申し込みをしておいたところ、なんと秒殺であった。ということで慌てて再検索して、13時台の燕三条発の35%割引を押さえてある。
 12時27分の列車で東三条へ行き、弥彦線に乗り換えて燕三条へ。
 ところで、現美新幹線が引退ということで、上越新幹線の越後湯沢から新潟までの各駅でイラスト展が行われている。一昨日は浦佐と長岡でそれを見たが、今日も燕三条で見ることができた。個人的には、燕三条がお気に入りである。

@かわいい

 13時31分の新幹線に乗り、一路関東へ。

 

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