【大人鐡N】西武鉄道「旅するレストラン 52席の至福」編

■はじめに
 大人鐡シリーズの13回目の「はじめに」にも記載したが、世の中の観光列車には「2人以上」でしか申し込めないものがある。しかし、鉄道会社ではなくて旅行会社が主催するツアーに潜り込めば1人参加が可能となるため、13回目ではその手法を用いてJR東日本の「TOHOKU EMOTION」に乗車した。今回の「旅するレストラン 52席の至福」も同様であり、西武鉄道のウェブサイトからであると2人以上でないと申し込めないが、クラブツーリズム主催のツアーであれば1人参加が可能であるため、そちらで申し込んでいる。
 問題は、金額である。52席の至福のランチコースは諸々(フリー切符など)込みで1万円であるが、対してツアー代金はその3倍となる3万円もする。これならば、2人分で申し込んで「急に1人参加できなくなりました」の方が安上がりである(ただし、手法としては褒められない)。
 しかし、である。コロナ禍でのGoToキャンペーンと地域共通クーポンがある。キャンペーンで7千円割引となり、クーポンが3千円分あるため、実質2万円程度。ツアーでは観光列車に乗るだけではなく、乗車後は三峯神社へのバスツアーや夜食弁当も付いているので、これならば許容範囲である。

@東吾野駅にて

■2020.11.8
 西武池袋駅の出発時間は10時47分であり、よって集合時間も10時20分と遅めである。念のため遅れないように早めに改札口へ行き、パンフレットやフリー切符を添乗員から受け取った。フリー切符は通常のものではなく、52席の至福専用デザインである。

@一式

 改札を通り、添乗員から注意事項を受けてから乗車口へ。頻繁に発着がある駅であるため、入線してきたのは出発の直前であった(転落防止壁が邪魔で、うまく撮影できず)。
 レッドカーペットが敷かれ、そこを通って4号車に入っていった。私の席は4人席で、2人組の初老の夫婦と相席である。

@今日のテーブル

 私の隣は空席である。見渡したところ、4号車(ツアー客)の空席はここだけのようである(後で2号車(西武鉄道販売分)を覗いてみたが、相席をさせないためか、ちらほらと空席があった。売り上げの効率としては、旅行会社のツアーの方が良さそうである)。
 テーブル上には、シートや食器以外に、メニューとコースターが置かれている。このコースターはゴム製のしっかりしたものであり、お土産として持ち帰り可能である。

@自席より

 定刻の10時47分、西武新宿を出発した。私の席は進行方向とは逆であるが、この路線は途中で向きが変わるため、問題はない(しかし、この時点では少し勘違いをしていた。詳細後述)。
 沿線風景と言えば、言わずもがなの東京都内の景色(家だらけ)であるから、特に珍しいものもない。ということで、地元の「西川材」を使用しているという4号車の天井の写真でも紹介したい。

@とりあえず

 女性係員がやってきて、テーブルごとにメニュー等の説明をしていき、そこで飲料の注文を取っていった。ジュースなどのノンアルコールは無料であるが、アルコールは有料である。私が呑まないわけがないので、まずはCOEDOビールで乾杯である。

@昼前なのに

 上井草を過ぎると、西武の車両基地から大勢の駅員が見送りである(慌てて撮影したため、うまく撮れず)。
 東伏見で運転停車をしているうちに、まずはパンが配膳され、しばらくしてから前菜「ハマチと彩野菜のソットアチェート ハーブを添えて」が配膳された。

@前菜から

 中心となるのはハマチの刺身であるが、ハーブが特徴的であり、美味しく頂いた。これに限らず、すべての料理は大きな陶器の皿で提供されるため、配膳が大変そうである。ただし、それに比例するくらいスタッフの数も多い。
 食事中のため(しかもコロナで大きなパーテーションがあるため)3号車のキッチンまで覗きに行くことはできないが、香ばしい香りがしてきたので、次の料理である「ポルティーニ茸と栗の大麦焼きリゾット」の登場は時間の問題である。

@やって来ました

 香ばしい香りの正体は、リゾットと栗の上に乗っているチュイール(平べったい部分)であろう。
 さて、こんな料理があったのでは、追加のアルコールが必須である。料理的にはワインが合いそうであるが、グラスワインを頼んだところで写真は普通である。ということで、ここは地元の日本酒であろう。

@写真重視で注文

 しばらくして所沢に到着したが、到着前に車掌が「進行方向が変わります」とアナウンスしたので、「あれ?」と思った。スイッチバック駅である飯能で進行方向が変わるのは知っていたが、なぜ所沢で、と思い始めたところ、よくよく考えたら今日は西武新宿発であった。秩父方面に行く際はいつも池袋から乗っているため(特急も池袋発)、つい間違えてしまったが、新宿からアクセスすると所沢でも方向転換をしてしまうのである。ということで、私の席が進行方向になるのは、所沢から飯能までであることが判明した。
 同駅を出発。小手指の車両基地でも、駅員たちのお見送りである。

@今度は撮影成功

 沿線風景は家ばかりであるが、数少ないアクセントとして入間基地が右手に見えてきた。
 ほどなくして配膳されたのが、メイン料理である「骨付き鴨肉のポッタキオ ヨーロッパ野菜のパルマ風と共に」である。「やっぱり赤ワインだったかな」と思いつつも、日本酒でも充分に美味しくいただいた(鴨肉のイメージを覆すものであった)。

@表面はパリッと

 周囲を見ていると、食べ進めるのが非常に早いようである(特に酒を呑んでいない人は)。私は我関せずで、ちびりちびりである(そもそも、日本酒はゴクゴク呑むものではない)。
 仏子で停車中に、急行列車に追い抜かれた。これも「観光列車あるある」である。
 日本酒と鴨肉を同時に終了。後はデザートと紅茶であるが、その前にフリードリンクから1品、ということで、ぶどうジュースを頼んでみた。
 ジュースの後にやってきたのが、最後のデザート「リコッタチーズのブディーノ 紅玉ジェラード添え」である。器共々、おしゃれである。

@締め

 飯能でスイッチバックとなり、また進行方向と逆側に戻った。同駅出発後は、街並みも少なくなり、山の景色となっていった。東吾野での停車中にドアが開いたので、ホームでしばし撮影タイム(表紙写真)。

@ヘッドマークも撮影

 同駅では特急「ちちぶ」に抜かれてから出発し、13時18分頃に芦ヶ久保に到着した。ここで20分強の停車時間があるため、近くにある道の駅へ。地場の野菜でも買おうと思ったが、意外に値段設定が高かったため、見ただけで退散。
 ホームに戻り、列車内外の撮影タイムである。3号車のキッチンではまだ作業が行われているが、これは夜の出発(ディナー)の仕込みであろう。

@準備中

 なお1号車は「多目的車両」であるが、今日は何もない日であるため、モノ1つない「ただの車両」であった。
 席に戻ると、手書きのメッセージカードが置かれていた。

@手作り感あり

 芦ヶ久保出発は13時40分。なお、通常は13時50分のようである。その理由は、今日は車両基地でイベントが行われており、それに伴って臨時列車が走ったためであるということであった。
 しばらくすると、イベントが終了した後の車両基地が見えてきた。係員大勢が、こちら側に手を振ってくれている。

@イベントも見てみたかった

 最後に提供された日本茶を飲み終え、係員からの最後の挨拶がテーブルごとにあり、13時58分に終着である西武秩父に到着した。

@あえて車両側面で

 さて、ここからは三峯神社へのツアーである。実は西武新宿での添乗員の説明では、通常は1時間程度である西武秩父駅から三峯神社までの道路が紅葉の時期ということもあって渋滞しており、2時間かかったとのことであった。ということで、希望者はバスツアーに参加せずに離団することも可能であるとのこと。少し考えたが、せっかくなので参加することにしている。
 バスに乗りまず配付されたのが、弁当である。これは夜食ということで、(しかしバス内はコロナで飲食不可のため)帰宅後用である。

@ボリューム大でした

 三峯神社までの道路状況は途中までは順調であったが、やはり駐車場が混雑しており、あと数キロというところでほとんど動かかなくなってしまった。あと500メートル程度という場所で、「歩きましょう」ということとなり、全員でバスを降りて神社へと歩いて向かった。
 紅葉の時期でもあり、大混雑であったが、荘厳な神社と綺麗な紅葉は楽しむことができた。

@あえて本殿以外の写真で

 16時50分集合で神社を出発。本来の旅程であれば、道の駅経由で高速に乗り、新宿到着は20時頃となっているが、この混雑+日曜の夕方である。スマホの予想によると到着予想時刻は20時半を過ぎており、これに道の駅での休憩を含めると21時、となれば自宅に戻れるのは22時半になってしまう。
 ということで、18時頃に立ち寄った西武秩父駅で離団することにした。フリー切符は持っているので、特急料金(710円)だけ払えば鉄道でも帰ることができるし、こうすれば自宅到着は21時半よりも前である。
 それに、まだ新しい特急車両である「ラビュー」にも乗れるので、鐡ネタも増えるから、この旅行記的にも問題なしである。

@最後も、あえて車両側面で

 

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