【大人鐡M】のと鉄道「のと里山里海号」・JR西日本「花嫁のれん」「べるもんた」編

■はじめに
 のと鉄道の「のと里山里海号」については今年4月に乗車予定で決済までしていたが、ご存じの通りのコロナウイルスで運休となってしまっていた。7月から運行を再開したということであり、再挑戦である。ランチ(寿司御膳。2,550円)とスイーツのプランがあるが、もちろん寿司をいただける列車を選択した。
 北陸地域ではJR西日本も観光列車を走らせているので、今回はそれらも乗車することとしている。「花嫁のれん」は金沢から和倉温泉まで運行されているもので、こちらについても出発時刻によっていくつかのプランがあるが、今回はスイーツのプラン(2,000円)を選択してみた。なお通常の観光列車は土日祝日の運行が多いが、この列車に関しては月曜日も運行していたため、火曜日からの出張に合わせて(前乗りして)乗車することとした。
 「べるもんた」は愛称であり、正式名称は「ベル・モンターニュ・エ・メール」である。1両だけの編成で指定券入手が難しかったが、なんとか確保できた。なおこちらも食事の選択肢はいくつかあるが、この列車の特異である点は「寿司職人が車内に同乗している」という点であるので、「ぷち富山湾鮨セット」(2,000円)を事前購入しておいた。
 ということで、少し詰め込み過ぎの感はあるが3つの列車の乗車記録である。前後に出張があったため、それに合わせて2回に分けての乗車である。

@七尾駅にて

■2020.10.19
 朝7時台の新幹線「かがやき」で金沢へ移動して、9時51分に金沢に到着した。しばし駅構内をぶらついてから、10時過ぎに出発ホームへと向かった。読んで字のごとくホーム上では「のれん」でお出迎えである。

@花嫁のれん

 車両もすでに入線していた。元はかなり古めのキハ48であるが、外装・内装ともに全体的にお色直しされている(各地の観光列車でよくあるパターンである)。

@こんな車両

 切符を見せて車内へ。1号車には物販カウンターがあり、伝統工芸品の展示などもある。私が確保しておいたのは2号車にあるカウンター席(1人でもお気楽)である。月曜日なので空いているかと思っていたが、意外に8割くらいの席は埋まっていた。

@2号車内部

 荷物を置いてから、1号車にも訪問してみた。こちらは通路脇に格子があったりして、意匠的にはこちらの方が凝っているようである。あちらこちらが金箔だらけであり、良くも悪くも豪華な感じ(成金みたい)である。
 定刻の10時15分に金沢を出発した。観光列車であるので、アナウンスもある。係員が来て食事用の紙シートをセッティングして、しばらくしてから事前注文しておいたスイーツが配膳された。

@カメラの絞り間違えた(暗い)

 かなり甘めのチョコレートケーキであるので、コーヒーをすすりながら薄くスライスしつつ少しずつ食べ続けた。飲み物はコーヒーかお茶か選択できるが、コーヒーにして正解であった。

@乗車記念も配られた

 さて、スイーツセットは2,000円するが、このケーキとコーヒーだけでこの価格ではない。持ち帰りも可能な「焼き菓子セット」も付いており、しばらくしてから持ち帰り用の袋とともにそれが配膳された。なおこのセットは車内カウンターでも買えるようであり、見てみると値段は1,200円であった。つまり、「800円のケーキセット」を食べたようなものと考えれば、妥当な線であろう。

@超有名パティシエ

 沿線自体は超地味であり、観光スポットもあまりないため、アナウンスも控えめである。それを補完するためか、2号車内には大きなテレビがあって、地元の祭りの様子などを紹介されていた。
 10時59分、唯一の停車駅である羽咋に到着した。羽咋は仕事で10年以上前に何回か来たことがあるが、当時からこんなに「宇宙人推し」であっただろうか…。

@駅構内にたくさんいる

 11時08分に羽咋を出発。相変わらずの地味な景色の中を走り続けて、11時34分に七尾に到着した。次の和倉温泉までは乗らず、ここで下車することにしている。
 七尾も久々なので、散策するために当初は50分後に出発する各駅停車で金沢に戻ろうと思っていたが、実は翌週に「のと里山里海号」に乗るために再訪することになってしまった。ということで、すぐに出発する金沢行(11時35分発)に飛び乗った。
 「なんだか撮影している人が多いな」と思ったら、なんと今月デビューしたばかりの新型車両ということであった(相変わらず、車両情報には疎い)。

@なるほど

 13時08分、金沢に戻ってきた。
 さて、明日の午後は仕事で福井県に行かなければならないが、今日の午後と明日午前は暇である。ということで、「富山地方鉄道乗り潰し」をすることにした。乗り潰しといっても、未乗車であるのは不二越・上滝線と路面電車の一部だけであるが。「大人鐡」とはまったく関係ないが、簡単に紹介しておきたい。
 まずは新幹線で黒部宇奈月温泉へ行き、そこから新黒部駅まで歩いて向かい、2日有効のフリー切符を使ってまずは宇奈月温泉へ。やってきたのは「東急電鉄」である。

@東急です

 ロングシートに揺られながら、久々の宇奈月温泉へ。ここに来るのは3回目くらいであるが、いつもは黒部峡谷鉄道に乗るためである。ここまで来て、それに乗らずに帰るのは初めてである。
 その代わり、駅付近を散策して橋の上や展望台から峡谷鉄道の路盤などを眺めた。これらは、初めて見た景色である。
 駅に戻り、ホームで待っていたのは「西武鉄道」であった。

@西武です

 富山市内まで戻り、稲荷駅付近の温泉(鉱泉)に投宿。

■2020.10.20
 早朝に宿を出て、稲荷駅へと向かった。今日は不二越・上滝線経由で立山まで行き、立山線で富山市内に戻ってきて、路面電車を全区間乗るだけである。
 ホームに行くと、操車場には「近鉄」が係留されていた。車両好きの人であれば、このような各種私鉄の車両に乗るためだけに、きっと訪問するのであろう。

@近鉄です

 上記のタスクを無事に終えてから、福井方面に向かった。

■2020.10.31
 前日まで京都で仕事であったため、そのまま自腹で宿泊し、早朝に京都からはるばる各駅停車のみで金沢へ向かった。なお、途中の長浜以降は「北陸おでかけパス」を使用している(事前購入済)。
 金沢からは、先週に乗車したばかりの七尾線である。先週はデビューしたての最新車両であったが、今日は国鉄ちっくな旧車両である。京都から乗り換え時間も含めて6時間半、12時00分に七尾に到着した。

@国鉄です

 持ち込みOKの観光列車であるため駅売店で酒を入手してから、ホームへと向かった。しばらくして2両編成の「のと里山里海号」が入線してきて、準備が整ってからドアが開いた。

@こんな車両

 私の席は、オレンジが基調の「里山車両」のカウンター席である。コロナ対策ということで、別の人(別団体)とは1席開けるようになっていて、私の席は本来なら4人も座れる長いカウンター席であった。海側も見渡せる良い席である。細長い席の上には、すでに寿司御膳とお茶とデザートが配膳されていた。

@今日の席

 それら以外にも、乗車記念カードとクリアファイルなども置いてあった。
 12時25分に七尾を出発。早速風呂敷を開いて、寿司御膳である。ネタには平目やあわび、ずわい蟹などがあり、かなり豪華である。

@うまい

 なおレモンにすっかり隠れてしまっているが、小さいながらもふぐのから揚げやのどくろの塩焼きも入っており、これらは酒のツマミとして最適である。ということで、七尾駅で買っておいた酒類の登場である(ビールは普通のものしか売っていなかったが、日本酒は「のとトロッコ」仕様で)。

@今日の宴

 12時48分、能登中島に到着した。ここで10分程度の停車である。まだ寿司が半分以上残っているが、いったん蓋をして途中下車である。というのも、駅構内にある郵便車両(オユ10)の内部が見学できるからである。
 この駅は何度も通過しており、郵便車両の存在には気づいていたが、途中下車するのは初めてであるし、内部に入るのももちろん初めてである。

@こんな内部

 12時59分に能登中島を出発。車内では、女性係員による観光アナウンスも続けられている。見所では3回ほど一時停車をして景色を堪能できるが、快晴ということもあってなかなかの良い眺めであった。地味な七尾線がかわいそうなくらいである。

@景勝路線

 桜で有名な能登鹿島を過ぎ、イルミネーションで飾られている短いトンネルを抜けて、13時28分に終着の穴水に到着した。短い乗車時間であるので、これ以上の内容(コース料理など)は無理なのであろう。しかし、お手軽に観光列車を体験できるとも言える。
 穴水の街中を散策してから駅に戻り、14時15分の七尾行に乗り込んだ。3両編成であり、1両目が普通車両、2・3両目は「のと里山里海号」(スイーツプラン)である。
 定刻に出発。先頭車両であるので、イルミネーションを見るために最前部へ立ってみた。

@こんな感じ

 観光列車のアナウンスは聞こえてこないが、先頭車両内でも車掌があれこれと地声でアナウンスをしていた。かなり詳細な内容であり、歴史や地理的な内容に関しては、観光列車内でのアナウンスよりも上なのではないかというくらいであった。
 観光列車が連結されているため、能登中島での停車もまたあった。郵便車両は先ほど見ているので、今回は隣にあった地元の売店へ。ジェラートが有名ということなので、うっかり買ってしまった。

@能登ミルク

 七尾に到着後は、JRで金沢へ。安ホテルに投宿した。

■2020.11.1
 今日も「北陸おでかけパス」の利用である。本来は、新高岡10時01分発の「べるもんた1号」に乗車して、早めに帰ることを目論んでいたが、指定券発売日の午前に窓口に行ったのにすでに売り切れであった。それでは、ということで氷見11時05分発の「べるもんた2号」を調べてもらったところ、なんとこれも売り切れ。ということで、新高岡13時54分発の「べるもんた3号」のカウンター席をなんとか入手したのであった。1両しかないので、席数も限られているからであろう。
 ということで、午前中は暇である。あれこれ考えたが、まずは6時52分発の列車で魚津まで行ってみた。引込線の廃線跡などを歩いて海まで行ってみる。

@蜃気楼は見えず

 9時46分発の列車で高岡まで戻り、城端線に乗り換えて城端到着は12時01分。街中にあるお寺や古い町並みを徒歩観光してから駅に戻り、12時45分発の列車に乗り込み、新高岡には13時33分に到着した。駅売店で酒を入手して、準備は万端である。
 しばらくして、城端方面から「べるもんた」がやってきた。

@出発時刻ギリギリにやってきた

 車掌に切符を見せて、車内へ。ボックス席とカウンター席があり、私の席はカウンターの端の席である。車内の意匠に関しては、地元の工芸品(木彫り)などがあちこちにちりばめられている。

@車内の様子

 13時54分に出発するや否や、一献の開始である。実はこの列車には「ほろ酔いセット」もあるので、それも買ってしまおうかと思っていたのだが、個人的には内容的にいまいち惹かれないものであった。ということで、新高岡の駅で買った「地元のビール2種類+サーモンかまぼこ」という、オリジナルセットでの一献である。

@乗車記念と一緒に

 出発してすぐの13時57分、高岡に到着した。同駅の出発は14時25分である。どうしてそんなに長時間停車するのかというと、まずは時間調整であり(氷見線は短いので、それだけでは車内サービスが終えられない)、あとは移動である。つまり、城端線と氷見線は系統が違うので、駅構内で大移動をしないといけないのである。
 いったん出発して7番線から東方面に移動し、ポイントを通過してから駅方面に戻って、2番線(氷見線)にやってきた。車掌がその様子をアナウンスしており、ある意味で観光要素となっているようである。
 移動が終わったころに配膳されたのが、鮨セットである。

@やって来ました

 5貫で2,000円はなかなかの高設定であるが、白えびなど地元の食材もあり、内容は充実しているといえる。何せ車内で握っているのであるから、「おすし感」は昨日よりもこちらの方が上であろうか。
 14時25分に高岡を出発。しばらくは住宅街を抜けると工業地帯となるが、通称「食パン列車」と言われていた583系がなぜか係留(放置?)されているのを発見した。

@目敏く

 工業地帯が終わると、お待たせの日本海である。今日は残念ながら昼過ぎから雲が多くなってしまったが、それでも立山連峰は見えているし、かなりの良い景色である。地味な七尾線(しつこい)が、かわいそうなくらいである。

@これまた景勝路線

 カウンター席は海側を向いているので、複数人でもカウンター席がお勧めである。
 観光列車にありがちな「沿線住民のお見送り」について、昨日と今日はほとんどないなと思っていたが、氷見到着の直前になって集団によるお見送りがあった。
 14時59分、終着の氷見に到着した。その後は、街中にある怪物くんやハットリ君の像や絵をあれこれ見て回ってから、ハットリ君車両で高岡へと戻った。乗り継ぎの関係で、家に着くのは21時半過ぎになる予定である。

@最後はハットリ君で

 

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