【その他・昔鐡D】駅弁(西日本)+α編

■はじめに
 ついに「駅弁紹介」にまでなってしまった昔鐡シリーズの駅弁編第二弾、西日本編である。
 しかし、過去のデータを整理してみたところ、北海道など複数の駅弁を紹介できた都道府県が多くあった東日本に比べて、西日本は圧倒的に数が少なかった(これは心情的に、北海道の海鮮や東北の肉類に「うっかり惹かれている」ためであると思われる)。ということで、甲信越地方もこちらに含めることとし、それでも数が少ないため、+αとして駅蕎麦も紹介したいと思う(駅蕎麦についても、東日本がほとんどであるが)。
 東日本編に引き続き、こちらも空腹時に一読いただければ幸いである。

@HIGH RAIL 1375特製弁当(本文には出てきません)

■山梨県
 小淵沢駅は駅弁で有名であり、中でも「元気甲斐」はその内容、歴史、知名度、どれに関してもトップクラスであろう。
 飯田線方面を旅行した際、小淵沢駅で元気甲斐を買っておいて、その日の夜に宿泊先で酒のアテとして頂いた。細々した料理がたくさんあるため、ツマミにもなるのである。

@信州食材と一緒に(2015.8 小淵沢駅)

 小淵沢駅で駅弁を売っている業者のもので2番手に有名なのは「高原野菜とカツの弁当」であろうが、残念ながらまだ買ったことはない(つい別のものを買ったり、売り切れていたりしたため)。
 その代わり、その業者の「甲州ワインで育った牛と豚の弁当」を買ったことがある(業者のウェブサイトを見ると、今は売っていない模様)。ただし、これを買ったのは新宿駅である(山梨方面に旅行に行くため、「そちらの弁当を」という基準で購入)。

@2種類楽しめます(2014.6 新宿駅)

■新潟県
 新潟県にも色々な駅弁があるが、写真を撮ったものは1葉もなかった。しかし、仕事(出張)で昼食用に手配したのが1つあったので、それを紹介したい。
 手配したのは、直江津駅の「謙信公お立ち飯」である(私も入れて4人分)。「毘」の紙の中には塩が入っており、これは上杉謙信の「敵に塩を送る」にちなんだものである。

@話のタネに(2007.6 上越市)

■長野県
 長野県の場合、「信州〜」という弁当が色々あるが、「長野県に行ったらこれ!」という決定的なものが思い浮かばない気がする。駅でも、どうしても「おやき」などを買ってしまう。
 まず紹介するのは、塩尻駅の「とりめし」というシンプルなネーミングの駅弁である。中身の写真を撮っていなかったのでネットで画像検索してみたが、意外にボリューム満点であった。

@掛け紙だけで(2009.3 塩尻駅)

 続いては、長野駅の「牛ずし」である。寿司といっても握りや押し寿司ではなく、普通の弁当のような見栄えである(ただし、酢飯である)。
 会社の同僚のハイキングに行った際、帰り際に長野駅で買い、家で夕食として頂いたものである。

@善光寺の唐辛子付(2014.10 長野駅)

■静岡県
 伊豆地方は海鮮が有名であるが、意外に駅弁を買うことが多くない。なんというのか、遠くに行けば行くほど「旅行中だから駅弁でも買うか」と思うのかもしれない(よって、近場ではあまりそう思わない)。
 伊豆急下田駅など数駅で購入できるのが、「金目鯛の塩焼き弁当」である。金目鯛が厚切りであり、食べ応え十分である。

@この地域の魚と言えば(2020.1 伊豆急下田駅)

 続いては若干の変化球であるが、大井川鐵道の「大井川ふるさと弁当」である。SL乗車時に、「せっかくだから」ということで予約しておいたものである。素朴ながらもバラエティに富んでいる内容であった。

@絵葉書付(2014.12 新金谷駅)

■静岡県
 短絡的であるが、静岡県=うなぎ、である。お菓子も弁当も、うなぎである。
 ということで、豊橋駅で買った「うなぎ飯」である。「豊橋名産」と書いてあるが、うなぎが国産でない旨が掛け紙のどこかに貼ってあり、「正直だな」と思った記憶がある。

@お米は国産(2015.8 豊橋駅)

 続いてはかなりの変化球であるが、名古屋市にある「リニア・鉄道館」で買った「特撰名古屋」である。名古屋駅などでも買えたようであるが、パッケージはリニア・鉄道館バージョンになっている。

@ザ・名古屋的な食材(2012.3 名古屋市)

■岡山県
 「しいたけ弁当」ということで、いきなり超絶地味な弁当である。昔は津山駅で売られていたが、今では観光センターでしか買えないようである。となると、厳密にはもう駅弁ではないが、「元駅弁」ということで紹介したい。

@素朴です(2009.3 津山市)

 続いては、いかにも「企画物」の駅弁である。岡山駅で買った「岡山名物 食べくらべ」であるが、B級グルメである「えびめし」と「デミグラスソースカツ丼」が頂けるという内容である。何の変哲もない幕の内を買うよりは、この方が思い出には残るであろうか。

@単純ですが(2016.4 岡山駅)

■広島県
 広島で一番、というか、西日本で一番有名な駅弁と定義しても過言ではないのが、宮島の「穴子飯」である。値段設定が高めなので手は出しにくいが、せっかく宮島まで行ったのなら手に入れたい一品である。

@上品な味わい(2008.9 宮島口駅)

■徳島県
 徳島県は「駅弁のない県が」長く続いていたが、2003年頃に復活。ただし、2016年に業者が撤退して、また元の状態に戻ったらしい。
 紹介するのは、徳島駅で買った「阿波地鶏弁当」である。掛け紙以外は普通の弁当のようでもあるが、「駅弁」という表示が重要なのである。

@特急列車内で頂く(2011.2 徳島駅)

■愛媛県
 松山駅の駅弁は、2018年4月に業者が撤退してしまったが、同年8月に復活したとのこと。それがこの「醤油めし」である。醤油といってもどぎつい醤油味ではなく、ほのかな香りのする炊き込みご飯であった。

@「うまいぞなもし」(2019.3 松山駅)

■高知県
 高知駅で買ったのは「日曜市のオバア弁当」である。内容は、野菜やこんにゃくを使用した田舎寿司(魚介類の代わりに野菜等を乗せたもの)である。田舎寿司は、実際の高知日曜市でも有名なグルメである。

@素朴な内容(2011.2 高知駅)

■福岡県
 福岡県と佐賀県には「かしわめし」が有名な駅が多く、中でも一番有名なのは折尾駅であろう。手元に折尾駅の「かしわめし」の掛け紙が残っているが、写真はない。掛け紙の日付を見ると「2000年10月」とあり、まだネガフィルムをメインで写真を撮っていた時代である(弁当の写真を撮る余裕などない時代)。
 ということで、1つ目は小倉駅の「かしわめし」である。

@おかずも豊富(2013.2 小倉駅)

 続いての駅弁は、福岡県との関係性があるようでなさそうな「博多風チキン南蛮弁当(鶏南蛮)」である。チキン南蛮といえば宮崎県であるが、博多風と書いてある。なぜこれを買ったのかは思い出せないが、要するにがっつりしたものが食べたかったのであろう。

@からだすこやか茶Wで相殺(2016.2 博多駅)

■佐賀県
 福岡県の折尾駅に負けないくらい有名なのが、鳥栖駅の「かしわめし」である。鳥栖は焼売でも有名であるため、焼売多めのかしわめしもあったので、それを頂いた。

@両方楽しむ(2018.3 鳥栖駅)

 佐賀県でもう一つ紹介するのが、佐賀駅の「佐賀みつせ鶏 とりトロ弁当」である。この写真は出張時に買ったものであるが、今年の3月に佐賀駅で同じものを買っている。しかし、「駅弁」マークはなくなり、売り場も駅の奥まった場所にある店舗のみになっていた。つまり、今はもう駅弁ではないようである。

@当時は駅弁でした(2008.6 佐賀駅)

■長崎県
 長崎県で駅弁を買った記憶はないなと思って写真データを整理していたところ、意外な所(東京のデータ)から出てきたのは、長崎駅で買える「ながさき鯨カツ弁当」の派生である「龍馬が愛した器 望龍碗」である。これは、新宿の京王百貨店で開催されていた駅弁大会で購入したものである(その手の大会には行ったことがないが、器目当てで初めて行ったのである)。
 この器には後日談がある。弁当を2つ買ったのであるが、器自体は1つあれば十分であるため1つをオークションに出したところ、定価以上で売れてしまった(つまり、私は中身をタダで食べたようなものである)。だったらもっと弁当を買って売ればよかったかとも考えたが、そんな転売ヤーみたいなことをしても面倒なだけであろう(稼げるのは小銭だけである)。買いたい人に多くのモノが行き渡ることが、大切である。

@あと1つの器は残してある(2010.11 新宿区)

■熊本県
 熊本県の一番手は、人吉駅の「栗めし」である。人吉駅は、観光列車も数種類やってくるし、有名駅弁も複数種類あるため、旅の風情が未だに残っている駅であると言えるであろう。

@懐かしい味(2019.9 人吉駅)

 人吉駅で買えるもう一つの有名駅弁が、「鮎ずし」である。写真データは圧倒的に古い1999年であり、これは私が初めてデジカメを買った年である。当時はまだ駅弁などの「おまけ写真」を撮る癖がなかった頃であるが(フィルム写真の癖が抜けておらず、写真というものは「いざというときに覚悟して撮る」と思っていた)、それでもこれを撮ったということは、それだけ印象深かったのであろう。

@インパクト大(1999 人吉駅)

 熊本県最後の駅弁は、八代駅の「阿蘇赤うし弁当」である。この弁当を買い、「阿久根ツーリングSTAYtion」(旧い寝台列車を使用した宿泊施設。今は廃業)で頂いたものである。

@がっつり系(2010.10 八代駅)

■鹿児島県
 さて、最後に紹介するシリーズは、駅弁好きには有名な嘉例川駅の駅弁2つである。まずは、オーソドックスな「百年の旅物語 かれい川」である。地元料理の「がね」など、野菜中心の(というか、肉や魚が一切ない)素朴なメニューである。「九州駅弁グランプリ」で連覇を果たすなど、年々その存在感を増している駅弁であり、私も覚えているだけで3回も買っている。

@超素朴(2011.12 嘉例川駅)

 上記シリーズの第二弾として2013年から追加されたのが、「花の待つ駅 かれい川」である。こちらも素朴な内容ではあるが、肉や魚の具材があり、デザート(団子)も付いている。普通の弁当に片足近づいてはいるが、元来の素朴さはキープしていると言えよう。

@これも素朴(2020.1 嘉例川駅)

 さて、西日本(実質、中日本を含む)の駅弁を紹介してきたが、まだ25点だけである。ということで、ここから先は「駅蕎麦」を追加で紹介したい。
 なお、駅蕎麦編についても、そのほとんど(7点中6点)が東日本のものである。

■北海道
 まずは、北海道旅行好きで蕎麦好きならば外せない、音威子府駅の駅蕎麦である(宮脇俊三氏推奨でも有名)。ここを訪問した際は、蕎麦を注文するのはもちろんであるが、お土産を買って帰るのが定番である。真っ黒い蕎麦であり、見た目も味もインパクトの大きい蕎麦である。

@お土産は必須(2014.1 音威子府駅)

 北海道で蕎麦が有名な地域となれば幌加内町がダントツであるが、新得町も片手くらいの順位には入ってくる(生産量に関して)。ということで、新得駅にも駅蕎麦があり、土産品として駅売店で蕎麦も売っている。

@売店では「新得町民そば」を購入(2010.11 新得駅)

■青森県
 続いては、十和田観光電鉄(2012年廃止)の三沢駅にあった「とうてつ駅そば」である。「スペシャルそば」には、天ぷらと山菜と生卵がトッピングされている。
 廃線後もしばらく駅は残り、蕎麦屋は営業していたのであるが(私がこれを食べたのはその時分)、現在は駅舎も取り壊されてしまっている。なお、蕎麦屋自体は市内に移転して健在とのことである。

@味わいのある駅舎でした(2015.2 三沢駅)

■岩手県
 次に紹介するのは、三陸鉄道久慈駅の駅蕎麦である。この駅は駅弁「うに弁当」が有名であるが、駅でふらっと買うことはまずできない(予約の電話をしても「もういっぱいでね」と言われてしまう始末)。ということで、いつもスルーしていたのだが、この日は「せめて蕎麦でも」と思って「ほたてそば」を食べたのである。

@せっかくなので海の幸を(2015.2 久慈駅)

■千葉県
 次はぐっと関東まで南下して、我孫子駅の「弥生軒」である。ここの有名ポイントは2つあり、「画家の山下清が働いていた」というのと、「唐揚げそばのボリュームが半端ない」という点である。唐揚げは1つでも充分に大きいため、2つ入りを頼むとかなりしんどい量であった。

@苦しい…(2017.3 我孫子駅)

■山梨県
 上記に負けないくらいのボリュームで勝負しているのが、小淵沢駅にある蕎麦屋で頂ける「山賊そば」である。小淵沢駅は駅弁でも有名であるが、それと同じ業者が営業している店舗である。

@こちらも大きい(2015.8 小淵沢駅)

■兵庫県
 さて、西日本唯一の駅蕎麦は、姫路駅の「えきそば」である。ここのポイントは、麺が黄色いという点である(「かんすい」を使っているため、ラーメンの麺のよう)。

@異色の蕎麦(2010.9 姫路駅)

■山形県
 さて、駅弁と駅蕎麦の紹介は以上であるが、最後のデザートとして、峠駅の「峠の力餅」を紹介したい。駅弁の立ち売りがほとんど見られなくなって久しいが、この力餅は、未だに駅のホームで立ち売りをしているのである。応援も込めて、ぜひお求めいただきたい一品である。

@がんばれ(2007.9 峠駅)

 

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