【猫鐡D】能古島・相島・地島編

■はじめに

 今回の猫鐡の行先は、福岡県である。猫島として有名なところとして4つほどあるのだが、週末だけですべてを回るのは不可能のようであった。仕方なく、小倉沖にある藍島については次回に繰り越すことにした。
 しかし、3島回るだけでも簡単ではない。当たり前だが九州は遠いので、普通に家を出たのでは到着が昼になってしまい、午後に1島、翌日曜に1島行くのが精いっぱいである。
 あれこれ考え、往路はLCCの早朝便に乗ることにした。こうすることにより、旅費もかなり節約できる(たったの5,400円)。
 これに乗るためには金曜夜に成田入りしなければならないが、普通のホテルに泊まって大金を使ってしまっては本末転倒である。そこで、成田市内にあるバックパッカー用の宿(共有ベッドで2,700円)に泊まることにした。基本的にこういう宿には泊まらないが、ほぼ寝るだけであるから問題ない。


@相島にて

■2016.12.10
 4時40分過ぎに宿を出て、5時02分京成成田発の列車で成田空港へ向かった。早朝というのに、LCC利用者で第3ターミナルはかなり混雑していた。6時05分発の福岡行に搭乗。
 ほぼ予定通りに飛び、福岡空港から地下鉄で姪浜まで行き、30分弱歩いて9時半頃には能古渡船場に到着した(ここへの移動はバス利用が推奨されているが、普通に歩ける距離である)。

@晴天なり

 次の船の出港まで45分くらいあるので、適当に港付近を散策し、10時10分頃に能古島からやってきた船に乗り込んだ。船はたくさんの観光客を飲み込んだが、ほとんどの人は「アイランドパーク」などが目当ての観光客であろう。

@大きな船

 約10分で能古島に到着。まずは漁港方面に歩いてみたが、猫のネの字もいない(空振りである)。しばらく歩くと民家もなくなってしまったので、集落の方に戻り、割烹旅館の入口でやっと見つけたが、猫島というほどの量ではない。

@飼い猫のようでもある

 集落内にある神社や寺院などをあれこれ見て歩き、その途中でやっとノラらしき1匹を見つけたが、警戒して茂みに入ってしまい、どうやっても出てきてくれない。

@警戒中

 その後もあれこれ歩いたが、猫は見つけられなかった。能古島は大きな島なので、きっと別の場所(北部など)にいるのかもしれない。それでも、「収穫ゼロ」だけは避けられたのでよかった。
 その後は、目的を普通の観光に変えて再度あれこれ歩き回った。

@変死体2つ発見(正体は農閑期の案山子)

 さて、猫はほとんど見つけられなかったが、時間は昼時である。能古島といえば「のこバーガー」ということで、早速頂いてみた。厚切り玉ねぎの輪切りがインパクトがあり、出来立てということもあって美味であった。

@ジュースは売店で買ったもの

 猫は不作だったが、バーガーが美味しかったので良しとしよう。
 12時00分の船で戻り、歩いて姪浜駅へ。地下鉄とJRを乗り継いで福工大前駅までやってきた。ここから相島への渡船場までは100円のコミュニティバスが出ており、それを利用することにしている。
 少し遅れて14時05分にやってきたバスに乗り込んだ。約10分で渡船場である。
 ターミナルの自動販売機で片道切符(460円)を買い、乗り場へと向かった。

@次はこういう船

 14時40分に出港。今日は晴れているが、日本海だけあってそれなりに波が高い。17分程度で相島に到着した。
 午前中(能古島)とは違い、今度はいきなり下船時から数匹のお出迎えである。猫目当ての観光客も多いようで、あれこれと猫写真を撮っている人が多い。

@いらっしゃいませ

 下船したすぐ近くには猫の碑もあり、一部の島のように猫が邪魔者にはされていないようである(ただし、「エサは与えないで」との貼り紙はあり)。
 港沿いに歩いていくと、いるわいるわ、とにかくあれこれ写真を撮り続けた。猫銀座と名付けるほどの密集地帯はなかったが、1匹を相手にしていると他のも寄ってきて、プチ銀座が形成された。

@プチ銀座

 集落の外れまで歩いていくと、はぐれ猫のような黒猫が1匹いた。こいつが人懐っこい奴で、写真が撮り難い(少し離れると「まっしぐら」にこちらに向かってくるため)。しかも、写真を撮った後に歩き始めると、ずっと犬のように付いてくるではないか。

@かわええ

 ゆったり1時間ほど散策してから港に戻り、土産物店で地のかまぼこを買うと、店の人が「こっちにもちらほらいる」ということなので、そちら(南側)に行ってみると、ちらほらどころではなくたくさんいた。
(ちなみにここで買ったかまぼこは、「これぞ魚」という風味のするもの(宇和島のじゃこ天のよう)で、美味であった)
 まずは塀の上にいた奴(かなりの美人さん)の前に貝殻を置き、撮影(表紙写真)。続いては、「縦列駐車」をしている奴らである。

@寒そう

 その他、波打ち際の壁の高い部分に引っ掛かるようにいる奴らもたくさんいた。波にさらわれて落ちそうであるが、慣れており大丈夫なのであろう。

@落ちませんように

 その後は、猫たちと一緒に落ち行く夕日を眺め続けた。
 午前中の不作を補って充分なくらいに堪能し、17時00分の船で対岸へと戻った。その後はバスで福工大前駅に戻り、JRで赤間へ移動し、税込み4,000円以下の格安ホテルに投宿した。

■2016.12.11
 6時50分の列車で1駅だけ移動し、東郷へ。渡船場へ行くバスは4分の乗り継ぎで好接続であるが、地元民らしき3名は途中で降りてしまい、終点まで乗っていたのは私だけであった。これまでの経験則(猫目当ての客が多い=猫も多いが、そうでない場合は不作)からすると、厭な予感もする。
 ターミナル(新宮港)に到着してからは時間があったので、朝日が出る前の海岸を散策した。

@ご来光直前

 地島へのアクセスは、たいていは「ニューじのしま」であるが、現在はドック中ということで、「しおかぜ」が宛がわれている(本来「しおかぜ」を使用している大島航路は、フェリーで代替している)。
 7時45分に出港。

@これで移動

 船内はそれなりに賑わっているが、私以外はほぼクーラーボックスを抱えた釣り人(+数人の島民)である。泊港を経由して終点の白浜港で下船したが(降りたのは数名)、竿を持っていないのは私だけであった。
 もの寂しい小さな集落(数えられるくらいしか家がない)であり、大不作の予感もしたが、さっそく白い1匹がお出迎えしてくれたので安心した。

@いた

 さらに集落の奥を歩いてみると、他にもちらほらといた。大不作も覚悟していたので、このくらい出会えれば充分である。

@民家の入口にて

 そう思って小さな集落を歩いていると、先ほどの船で届いた新聞を配っていたおばさんが「猫見にきたと?」と聞いてきた。「それもあります」と答えると、「呼んであげるよ、いっぱい来っから」ということであった。どういうことかと思ってその場は別れて歩いていると、数匹の猫が屯しているところがあった。するとそこに先ほどのおばさんがやってきて、「これが〇〇(猫の名)、そんでこれが〇〇」と紹介してくれる。聞くと、ここはおばさんの家だという。
 「少し中(外の通路のこと)に入って写真撮っていいよ」ということだったので、ありがたく撮影させてもらった。

@猫銀座

 後ろを振り向くと、港で出迎えてくれた白猫もいつの間にかいた。おばさんによると、港に居ついてしまったので「なんとかしてくれ」と頼まれてしまったそうで、この子も面倒を見ているという。
 猫島というよりは、猫家+αという感じであるが、たくさん出会えたので良かった。
 さて、復路は島の南側にある泊港を11時40分に出る船で帰ることにしているので、時間はたくさんある。まずは25分ほど歩いて島の北端まで行き、展望台からの眺めを堪能した。

@大島

 続いて南下し、途中別の展望台に行ったりして(ここに至るまでに400段の階段があり、かなり難儀した)、1時間半ほどのトレッキングを経て10時過ぎに泊の集落にやってきた(それにしても、歩いている間に出会った人は皆無である。釣り人には有名であるが、猫探しの人やその他普通の観光客はあまり訪れない島なのかもしれない)。
 さて、こちらも大きくはない集落だが、早速1匹を発見した。

@不機嫌?

 集落の中を歩き続けると、山のようにはいないが、あちらに1匹、こちらに2匹という感じで、数匹見ることができた。
 船の時間までまだまだあるため、釣り人がたくさんいる防波堤の方に行ってみると、こちらにまで数匹の猫がいた。もしかしたら、釣り人から雑魚のおこぼれをもらえるのかもしれない。

@狙っている?

 地島の2つの集落を堪能してから、予定通り11時40分の船で新宮港へと戻った。
 すぐに空港へ行っても時間が余るため、歩いて道の駅へ行って地の弁当(ふぐめし)を食べ、さらに歩いて宗像大社へと行った(いずれもバスを使用しなかったのは、適当な時刻のものがなかったため)。
 ということで、後はJRとバスで北九州空港へ移動し、帰るだけである。復路はLCCではなくてJALであるが、かなり早めに買っておいたので、懐は痛くない(9,990円)。

@思えば鐡の写真が1枚もなかったので、最後に…

 

■ 鐡旅のメニューへ戻る

 「仮営業中」の表紙へ戻る

inserted by FC2 system