【猫鐡・最終章】田代島・網地島編

■はじめに
 約1年半ほど続けてきた猫鐡であるが、日本国内の島々を巡り続け、今回が最終回である(そのうち、「補足の旅」があるかもしれないが)。トリを飾るのに相応しく、宮城県の猫島として昔から有名な田代島などを巡ることにしている。
 これまでの猫鐡では島に宿泊したことがないが、今回は初めて島に滞在することにしている。これまでもチャンスがないわけではなかったが(もちろん、島によっては宿泊施設らしきものが皆無というところもあったが)、結局、島の対岸にある都市のビジネスホテルに泊まった方が便利で安価なのである。今回の田代島の場合、船代が高くて往復するとかなりの額になることと、島内に夕食の評価が良い民宿があるため、滞在することにした次第である。


@田代島にて

■2017.12.16
 宮城県となれば、最安の第一候補は当然東北新幹線の「お先にトクだ値」であるが、それ(35%割引)とほぼ同額の割引設定を発見したため、今日は成田からのANA便である。
 離陸してからは約1時間で仙台空港に到着した。ここから先の移動は、久々に乗車する「仙台空港アクセス線」である。

@ゆるキャラがお出迎え

 11時27分発の快速に乗って仙台に到着すると、いつも以上に改札口付近が騒がしい。ICカードだったのでいったん改札の外に出てみると、「仙台駅開業130周年」ということでイベント(音楽会)を行っているようであった。
 正直イベントはどうでもいいので軽く受け流したが、なんと改札近くで銘菓「萩の月」を無料配布するというではないか。タダには弱いので、早速頂戴する。

@おめでとうございます

 12時17分の仙石東北ラインに乗り、東北本線から仙石線に乗り入れて13時15分に石巻に到着した。船の出向時刻は15時30分であり、乗り場まで歩いても30分程度であるため、少し時間がある。ということで、以前も訪れたことのある日和山公園の展望台まで登ってみた。
 10年くらい前には出張で何回も来た石巻であるが、その変り様ときたら。海岸近くにあった病院や会館の建物もすべて取り壊され、辺りは整地された区画ばかりになってしまっている。

@今は昔

 来た道で下に降り、海岸沿いを歩いて船乗り場まで行った。
 これから乗るのは15時30分発の便であるが、田代島の仁斗田まで約45分で1,230円もする。先週の九州で乗船したのは市営航路などが中心であったため恐らく補助なども手厚いのだろうが、普通に収支を考えるとこのような値段になってしまうのだろう。

@これで移動

 仁斗田に到着した頃には、もう薄暗くなり始めている。民宿の人が港まで来てくれていたのでその人が運転する高齢者向けの4輪車の後をついて行き、年季の入った宿に投宿。軽くシャワーを浴び、夕食はなんと16時50分に開始となってしまったが、どうせ今日はやることはないから(猫を探すのは明日明るくなってから)、これでよい。
 豪華な海の幸を突きながら酔いどれて、就寝。

@アワビとカキの美味しいこと(7,500円也)

■2017.12.17
 さて、猫鐡も正真正銘の最終日である。
 今日は9時46分の船で網地島に行くことにしているため、それまでが勝負である。早めの朝食を頂いてから7時くらいに宿を出て、まずは島の北側にある集落の大泊に向かって歩き始めた。
 峠道というほど険しくはないが、それなりの坂道を上り続ける。途中には猫神社などもあるが、一匹狼みたいな猫が時折道路上に現れるので、驚く。

@日々の糧はどうやって入手?(少しピンボケ)

 約30分ほど歩き、大泊に到着した。震災前はここにも定期船が来ていたが、現在は波止場などが再建中であるため営業は中断中である。数えるほどの民家も人の気配がないが、不思議に猫だけは4匹ほどいた。お腹が空いているのであろう、寄ってきて何かくれと鳴く。私はエサを与えない派なので何も持っていなかったが、今日ばかりは「何か持ってくればよかった」と思った。

@持ってないのですごめんなさい

 今来た道を戻り、途中で右折してマンガアイランドへと向かった。ここも猫スポットである。途中のどうでもいい道端にも猫が休んでいたりするので、さすが猫島である。

@踏みそうになる

 マンガアイランドに到着して母屋の近くに行くと、ちらほらと10匹くらいが散らばっていた。塒らしき箱で寝る奴や、朝の運動として木材で爪とぎをする奴、テーブルの上から「なんかくれ」攻撃で鳴き続ける奴(表紙写真)などがいる。

@寝起き

 集落に戻り、私が泊まった宿の近くで朝にはいなかった集団の撮影などをして、いったん港に出た。待合所の近くにも塒用の箱がいくつかあり、ここで寝ている奴も数多い。

@おはようございます

 再び集落に戻り、まだ歩いていない裏路地をいくつか歩いたが、そこかしこで猫と遭遇する。愛媛県の青島みたいに異様な数がいるわけではないが、やはり猫島として有名なだけはある。若い子猫もいるということは全頭去勢などもされていない証拠であろうから、個体数も安定しているのだろう。

@若猫

 とある路地で、また集団と遭遇。皆さん朝の日向ぼっこのようである。

@たくさん

 再び港へ戻り、9時46分発の船に乗り込んだ。さようなら田代島。

 約15分で、網地島に到着。まずは集落内を適当に歩いたが、山ほどはいないがいくつかの猫と遭遇した(片手を超えるくらい)。逃げる奴もいたので、田代島ほど観光用に飼い慣らされてはいないようである。

@警戒

 さて、こちら側(港から東側)の集落の散策は10分程度で終了である。戻りの船の出港は14時00分であるため、時間は余り過ぎている。ということで、島の南部にある集落の長渡(ふたわたし)まで歩いてみることにした。
 途中から雪雲から流されてきた小雪も舞う中約1時間ほど歩き、やっと長渡に到着した。発見できた猫は、叢にいた1匹だけであった。

@しかもピンボケだったため代替としてこの写真を

 再度1時間かけて戻り、途中の分岐で西側の集落へと行ってみた。こちら側で出会った猫は1匹だけであったが、途中の高台からの景色の美しいことときたら。

@最後は絶景で絞め

 網地港に戻り、14時00分の船に乗り田代島経由で石巻に戻った。猫鐡もこれが一応の区切りかと思うと、感慨一入である。
 石巻からは仙石東北ラインで仙台に戻り、復路は「お先にトクだ値」で購入した切符で上野まで戻り、しばし猫とはお別れである。

@おしまい(網地島にて)

 

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