猫鐡J】深島編

■はじめに
 猫島の多くは瀬戸内海や九州北部にあるが、例外的にそれ以外の場所にある島もある。最も有名なのは宮城県の田代島であるが、今回の訪問先である大分県の深島もその類である。
 船が1日に3往復しかなく、最も楽なのは日曜の午前に往復するパターンであるが、その場合は土曜日の宿を佐伯市の蒲江(船の発着する町)で探さねばならず、これはこれで面倒である(民宿ならあるだろうが)。また、蒲江に行く路線バスの本数自体が極端に少ないのも悩みの種である。
 ということで、猫鐡としては日豊本線で移動すべきであるが、それは諦めてレンタカーを利用することにした。それでも土日では厳しいところがあるため、以下のように旅程を設定した。

金曜夜:仕事終わりに大分行の最終便に乗って移動(別府泊)。
土曜:レンタカーで蒲江まで移動。12時の船で深島に行き、17時着の船で蒲江に戻り、レンタカーで別府まで戻る(別府泊)。
日曜:特にすることもないので、レンタカーで大分の鐡ネタ拾い。夕方の便で羽田へ。

@深島にて

■2017.6.24
 別府駅近くのレンタカー屋で、朝の8時から夜の20時まで目一杯予約してある。船の発着時間を考えると、復路は3時間だが往路は若干余裕があるので、蒲江へと南下する際に佐賀関まで行ってみたり、佐伯市内で唐揚げの店(予め目を付けておいたところ)に行って買い食いをしたりした。

@大分と言えばこれ

 蒲江にある道の駅で船乗り場を教えてもらい、その辺りに向かったのだが、旅客船らしき姿が皆無である。小さな待合場に貼り紙があり、「ドック入りのため休航」とあったので大いに焦ったが、前後を読むとドック入りは来週の月曜からの1週間であった。
 さらに別の貼り紙があり、今日は事情があって乗り場が西方へ少し変更するとのこと。そこに向かうと小さな旅客船があり、ほっと胸を撫で下ろした。
 船員にレンタカーを停める場所を教えてもらい、乗船。

@これで移動

 これまでの猫鐡では「ぱらぱら」程度に雨は降られることもあったが、たいていは天気に恵まれてきた。しかし、今日は昼前から本格的な雨である(予想によれば、夕方には警報が出るような大雨になるとのこと)。雨だと猫が出てこない場合が多いので、少しく心配である。
 12時00分、私と2人のおばさんを乗せた船が出港した。おばさん達は途中の屋形島で降りてしまい、深島に向かうのはどうやら私だけのようである。
 出港してから30分後、島に到着した。私の心配を余所に、いきなり「ずぶ濡れ猫」のお出迎えである。

@濡れすぎ?

 小さな集落に入っていくと、いるわいるわ、大漁(大量)である。ここ最近は、猫がいるという噂なのに現実的には必死になって探しても数匹だけ、ということもちらほらあったが、今日はまさしく猫島である。

@雨宿り中

 奥の方(と言ってもかなり小さい集落なので、すぐに到達)に行ってみると、久々に猫銀座を発見した。みなさん、雨宿り中のようでもある。

@久しぶりの猫銀座

 島のみそ工場や小さな集合住宅、個人宅前にいる猫の写真を撮ったりしたが、30分もあればもう終了である。船の時刻表の都合上、滞在時間は4時間もある。
 「灯台40分」という標識があり、晴れていれば草が茂るその道に分け入ってもいいのだが、今日はそうはいかない(だんだん雨も強くなってきた)。廃校となっている小学校分校まで行ってみたりしたが、もうネタ切れである。

@こちらも雨宿り中

 比較的新しい待合室(船用)があったのでそこに入ると、マンガの単行本シリーズがあり、25年以上前に読んだことがあるものだったので2時間以上かけて懐かしくそれを読破したが、それでもまだ3時半である(復路の出港まであと1時間)。ということで、再度集落内を適当に歩いてみた。
 道端に小さな家具が捨てられているように置いてあり、昼過ぎに到着した時もそこにいる猫の写真を撮ったのだが、雨が強くなったせいか、人口密度(猫口密度?)が先ほどより上昇していた。

@定員以上?

 集落の奥の方にいた2匹のヤギの相手をしたりしたが、また雨が強くなってきたので待合室に戻り、16時半頃にやってきた船に乗り込んだ。
 このように猫がたくさんいる島の場合、たいてい同業者(猫撮影目当て)がいるのだが、復路の乗客は当然私だけである(往路が私だけだったのだから)。雨のせいもあるだろうし、場所柄とても行き難いというのも、同業者が少ない理由かもしれない。

@子猫も発見(頑張って!)

 蒲江に戻り、佐伯までは高速道路の無料区間を利用し、その後は一般道を利用して別府まで戻った。お昼に佐伯で買ったチキン(夜用も買っていた)と蒲江のスーパーで買ったアジの刺身などで一献し、就寝。

■2017.6.25
 昨日と同じレンタカー店に行き(連続で借りると駐車する場所が必要なため分割して予約)、今日は鐡ネタ探しである。サブテーマであるため、簡潔に紹介したい。
 まずは内陸部を走って耶馬渓方面に行き、現在はその大部分がサイクリングロードになっている耶馬渓鉄道の廃線跡探しである。

@乗ってみたかった

 続いては、上記の廃線跡からは逸れてしまうのであるが、耶馬渓鉄道の旧い車両をたくさん利用しているレストラン+民宿である。店舗前に客車2両とSL1両、隣りの敷地にも3両ほどの客車があり、なかなかの壮観であった。

@店舗前

 昼時になったので宇佐市内で今日も唐揚げを買い、続いては宇佐神宮である。というのも、参道の途中に大分交通宇佐参宮線で使用されていたSLが展示されているのである。実は数年前に一度来たことがあるのだが、今日のルートと被っているので再訪した次第である。

@お久しぶりです

 さて、後は大分空港へ戻り、羽田便に乗るだけである。

 ちなみに今回の別府での宿は、ただ単に値段優先で選んだだけである。しかし、偶然かな、宿の共有スペースで猫写真の展示会が行われているではないか。

@偶然その1

 さらに温泉に入ってみると、湯船にあったのは「別府大分間の路面電車で使用されていた敷石」ということではないか。それぞれ単なる偶然であるが、「猫鐡」の宿泊利用先としては最適の宿であったとも言えよう。

@偶然その2

 

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