【どこかに鐡G】宮崎空港編

■はじめに
 「どこかにマイル」の申し込み開始日(往路便の1か月前)に申し込みを試みたが、秋の観光シーズンというのも影響しているのか、なかなか候補が出てこなかった。往路便を遅らせてもダメ、復路便を午前にしても同様で、候補が出てくる時間帯は往路出発が16:00〜18:59、復路到着が12:00〜15:59だけのようであった。これでは、「行って泊まって帰ってくる」だけである。
 しかし、よほどのことがない限り「土曜の便が全部満席」ということはないであろうし、万が一そうなったところで、空席待ちを続ければ早めの便に乗れる可能性は大である(つまり、朝早くから空港に行って空席のある便に変えてもらう、という手段である)。ということで、帯広・岡山・宮崎・那覇の候補が揃ったところで申し込みを確定させた。
 翌日に判明した行先は、宮崎空港であった。しかも往路は18:55発(20:45着)、復路は(10:30発)12:00着であり、出発・到着の時間帯いずれもギリギリという悪条件で、もしこの通りになってしまったらしたら現地では寝ている時間だけしかない。
 いずれにしても、往路を朝や昼の便に変更できれば日南線を久々に乗車することにして、万が一予定通りの便にしか乗ることが出来なければ、宮崎空港線だけでお茶を濁してチキン南蛮でも食べて帰ってくるだけである。
 宮崎空港発の飛行機は6往復あるが、どれに搭乗できるかによって旅程は以下の通りとなる(なんだか、却って面白くなってきた)。
8:00 油津を観光してから志布志へ。鉄道関係の跡を見てから宮崎へ。
10:00 志布志に直行して、折り返し宮崎へ。
11:45 油津のみ観光をして、宮崎へ。
14:40 日の暮れた青島だけ観光をして、宮崎へ。
16:25 宮崎直行。
18:55 宮崎直行(それでもホテルに着くのは21時半過ぎ…)。
 日曜日は、都城付近まで行って廃線跡巡りである(これは確定)。

@宮崎空港駅にて

■2018.11.17
 「はじめに」にある通りすべてのフライトに対する旅程を作成し準備をして、始発電車で羽田空港へ向かった。結果は、無事に朝一番の8:00に変更することができた(朝起きて空席をチェックした時点で残り5席であり、続く10時の便に至っては〇(空席多し)であったので、多少は安心していたが)。
 空路、宮崎へ。2日前までは雨予報であったのだが、予想外の快晴である。

@南国宮崎はこうでないと

 JRの出発までしばらく時間があるため空港内の売店などを見て時間を潰し、駅へ向かって10時36分の列車に乗り込んだ。1駅で下車し、日南線に乗り継ぐ。

@国鉄風車両1両のみ

 10時40分に田吉を出発。1両のくせに、車内は意外に混んでいて窓側の席は空いていなかった。しかし予想通りに青島で観光客などが下車し、すぐに空いていった。時折海が見えるのは左側の席であるが、この時間帯は日光が直撃であるので、右側(山側)の席に陣取った。さすが南国だけあり、車内はクーラーが効いている。
 11時52分、油津で下車。駅は広島カープ一色である。

@カープ駅

 駅だけでなく、街中や商店街もカープ一色である(鯉神社やカープ一本道など)。
 それらを見てからは、夜用食材の「下見」である(復路にも30分ほど油津で時間があるため、ここで食材を揃えることにしている)。いくつかの刺身に目星を付けていると、地物の握り寿司を発見したのでつい昼用として買ってしまった。
 それをスーパー内にあったベンチで頂いてから、街中にある運河や旧い家々などを徒歩観光した。

@観光客は少ない

 観光地というわけではないが、私個人としては、大観光地よりこういう街の方が好きである。できれば宮崎市ではなくてこういう街に泊まりたかったが、今回は往路が不確定であったので仕方がない。
 小一時間観光をして駅に戻り、志布志への切符を購入してホームに入ると、「海幸山幸」が係留されているではないか。南郷発着の観光列車であるが、あちらには停める場所がないのであろう。

@そのうち乗りたい

 以前、この「どこかに鐡」シリーズで宮崎が候補に入った際には、仮旅程として海幸山幸の乗車を検討していた。今回、やっと宮崎が当たったが、いかんせん「往路未確定」「復路午前出発」では、どうにも手が出ない。
 ということで、私が乗るのは13時39分発の快速「日南マリーン」号である。快速といっても、通過する駅は片手以下(私が乗る区間は全駅停車)であるが。

@やって来ました(1両のみ)

 定刻に油津を出発。先述した通り、時折海が見えるのは左手であるが、それは復路に取っておいて、またしても右側に座って車窓を眺め続けた。当然、地味である。
 地味な景色を見続けて、14時50分に志布志に到着した。まず見るべきものは、鉄道記念公園であろう。5分ほど歩いてたどり着くと、SL、車掌車、気動車(キハ52)が見えてきた。12月になるとクリスマスイルミネーションをするということで、SLは装飾の準備中であった。

@ということでキハの写真を

 戻りの列車の出発まで時間があったのでスーパーに入ってみると、こちらにも佐多産のうまそうな刺身があるではないか。つい、かんぱちのカマの塩焼きなどと一緒に買ってしまった(もちろん、油津のスーパーでも追加補充する予定である)。
 15時51分の列車で、油津へ。海側の席に座ったが、昼過ぎまであれほど快晴であったのに、雲が多くなってしまっている。しかし、それはそれで景色の良いアクセントである。

@これもアリ

 17時04分に油津に戻り、下見をしたスーパーで弁当と刺身を手に入れ、駅に戻って17時41分の日南マリーン号(宮崎行)に乗り込んだ。日の長い西日本とはいえ、出発時にはもう真っ暗である。仕方なく、この旅行記をノートPCで打ち始めた。
 19時03分、宮崎到着。もう食材は揃っているので、酒だけ買って後は安ホテルに直行するだけである。

■2018.11.18
 5時過ぎにホテルを出て、20分ほど歩いて宮崎駅へ向かった。5時36分発の2両編成鹿児島中央行の各駅停車に乗り込む。

@今日はこれから

 いつも朝早くから行動しているが、最低限「明るくなってから」である。真っ暗の中を移動しても景色は見えないためであるが、今日は10時30分の飛行機で戻らなければならないため、仕方がない。
 携帯の位置ゲームをやりながら時間を潰し、都城到着の少し前に夜が明け始めた。6時33分、都城到着。やっと明るくなったが、霧がかなり濃い。
 さて、これから乗るのは6時52分発の志布志行バスであり、奇しくも国鉄志布志線の代替バスである。

@やって来ました

 似たような系統で鹿屋行のバスなどもあるが、それらは駅から徒歩数分の場所にあるバスターミナルから出発する。1日4往復(休日は3往復)しかない志布志行だけ都城駅前を経由するが、これはもしかしたら代替バスであるからかもしれない。
 霧の中を走り、志布志線の起点駅であった西都城駅を経由し(やはり代替バスであることが理由?)、約20分で到着した今町局前バス停で下車した。歩いてすぐの場所にあるのが、今町鉄道記念公園である。

@靄に包まれた公園

 廃線になってしまったのは仕様がないが、こうして綺麗に整備されているのは「恵まれている」方であろう。SL以外にも線路の一部や信号機も残っており、苔むしたプラットホームは逆に味わいが深まっている。

@訪れる人は少なそうですが

 あれこれ撮影を済ませてからは、廃線跡を都城方面に向かって歩き始めた。全面舗装されているため、歩きやすい道である。よって、朝のジョギングやウォーキングをしている初老の人とたくさんすれ違った。
 路盤だけでなく、橋梁も残っている(「残っている」というよりは、廃線後に改修して新しい橋にしているが)。大隅橋は、急行「大隅」に由来するとの由。

@先ほどの路線バス内からも確認しました

 その先も、ひたすら歩き続ける。2か所ほどでキロポスト(数字は解読不能)が残っていたのが嬉しかった。
 西都城に近づき、川を越えたところにある鉄道記念公園以降は廃線跡がわからなくなったが、既存の道を歩いて西都城にたどり着いた。駅近くにある記念碑を撮影して、廃線跡巡りは終了である。

@無事終了

 さて、後は「往路に見ることができなかった日豊本線の車窓でも見ながら空港へ行くか」となるが、残念ながら接続の関係で鉄道は不可である。よって、西都城バスセンター(駅前すぐ)からの空港連絡バスに乗ることにしている。
 高速道路を走っているうちに、やっと霧が晴れた。あと1時間遅く出発すれば、日豊本線の車窓を見ることができ、鉄道記念公園も霧なしで撮影できたが、それは結果論であろう。

@締めはバスで

 

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