【どこかに鐡E】秋田空港編

■はじめに
 さて、6回目となる「どこかに鐡」であるが、8月中旬の週末であり、前回にも増して予約が取り難い時期である。なお、「どこかにマイル」は対象期間外がいくつか設定されており、8月12〜19日の羽田到着便がそれに該当するため、今回は2泊して月曜(20日)の午前に戻ってくる旅程を狙っている。
 申し込み初日にさっそく検索してみたが、出てくるのは三沢・秋田・小松・岡山・広島の5つの空港だけである。広島空港は初回で訪問しているため、三沢・秋田・小松・岡山のパターンで申し込みを確定させた。季節柄、できれば少しでも北の方に行きたいが、観光シーズンであるから、なかなか難しいであろう。
 しかし、翌日に判明した結果は、意外にも秋田であった(絶対に小松だと思って諦めかけ、行先を検索し始めたところであった)。

 秋田の鐡ネタとなれば、由利高原鉄道や秋田内陸縦貫鉄道であるが、先述した通り今回は2泊するため、時間に余裕がある。ということで、青春18きっぷを活用して北東北地方を周遊してくることにした。
 さらに、現地の情報を収集している際に、ちょうどこの時期に秋田県立博物館と秋田県立美術館で「あきた大鉄道展」をやっているという情報を得たため、それも加えることにした。

【旅程】
土曜日:朝一便で秋田空港へ飛び、バスとJRで追分駅へ移動して博物館へ。鉄道展を見た後、快速「リゾートしらかみ」で弘前へ。市場で買い物をしてから、大館へ移動(大館泊)。
日曜日:JR花輪線といわて銀河鉄道経由で盛岡へ移動し、快速「ジパング平泉」で一ノ関へ。各駅停車で北上まで戻り、北上線と奥羽本線経由で秋田へ。美術館で鉄道展を見てから、ホテルへ(秋田泊)。
月曜日:朝一便で羽田空港へ飛び、その足で出勤。


@盛岡駅にて(ジパング平泉)

■2018.8.18
 8月5日の大雨で東北地方のいくつかの路線が運休となり、16日にも梅雨前線による豪雨で奥羽本線や花輪線が運休となりヤキモキとさせたが、その影響も金曜(17日)の昼までにはほとんどなくなり、予定通りに旅行は進められることとなった。
 最寄駅を始発駅の列車で出発し、6時31分に羽田空港へ。7時00発の便で秋田に向かい、定刻より少し早い8時頃には無事到着した。

@晴れてよかった

 連絡バスで秋田駅に向かい8時54分に到着したが、タッチの差で8時52分発の各駅停車は出発してしまっている。これは予定通りであるため、9時28分発を待つ間に駅弁でも手に入れようかと思って改札口付近に向かうと、電光掲示板に9時07分発の「あきた鉄道フェア1号」(追分行)があるではないか。ネットの時刻表にも冊子のそれにもなかったものであり、よくわからないが、時刻的にはぴったりである(追分駅で、9時30分発の博物館行無料バスにも連絡できる)。ということで、駅弁を買ってからその列車に飛び乗った。

@臨時列車

 気になるのは、「鉄道フェア」「大鉄道展」と微妙にネーミングが違う点である。スマホで調べてみると、今日(18日)限定で土崎駅付近の車両センターで鉄道フェア(車両展示や物販など)が行われており、そのための列車のようである(行先が追分駅であり、博物館への無料バスとも連絡しているのは、JRの気配りであろうか)。今日だけのイベントということもあり、一瞬そちらにしようかとも思ったが(実物の車両も見られるし)、しかし史料などの充実度合では博物館・美術館であろうから、やはり予定通りに鉄道展に行くことにした。
 臨時列車の乗客のうち土崎駅で下車した(フェアに行く人たち)は半分くらいで、残り半分は私と同様に鉄道展が目当てのようである。じきに追分に到着し、連絡バスに乗り換えた。

@これで移動

 無料バスは、10分弱で博物館に到着した(本来の予定では追分駅から25分くらいかけて歩く予定であったので、臨時列車のおかげで随分助かった)。建物に近づいてきた際に思い出したが、以前に駅から歩いて来たことが1回ある(1階にある常設展は無料であり、暇つぶしにそれを見に来たのであった)。あちこち旅行していると、まれにこういうこと(予期しない再訪)がある。
 美術館との共通券を800円で購入し、展示物を色々と見ていった。

@多種多様あり

 後ろの方で「あと〇分!」などとあり、じきに甲高いハイテンションの女性の声が響き渡ってきた。どうやら、地元局によるテレビ撮影のようである。私の間抜け面が映ってはまずいので、そそくさと避けながら展示物を見ていった。

@個人的に思い出深いのはこの辺り

 10時40分の無料バスで駅に戻り、少し時間があったので国道近くにあったコンビニで酒などを入手した(今日はひたすら列車に乗っていればいいだけなので。本当少し先にあるスーパーに行きたかったのだが、時間がなさ過ぎて断念)。
 駅はもとより、近隣の商店も甲子園で快進撃を続けている金足農業高校一色である。もちろんここが秋田県だからでもあるが、そもそも、金足農業はこの駅のすぐ近く、博物館に行く途中に校舎があるのである。

@翌日も快勝して決勝に(さて結果は)

 ホームに行き、11時04分発のリゾートしらかみ号を待つ。暑い時期の徒歩旅行は気温に左右されるが、今日はこれに4時間以上揺られていればいいだけである。このリゾート列車にはもう片手回数くらい乗っているが、暇潰しの旅には最適である。

@やってきた

 追分を出発し、安酒と安ツマミで一献である。東能代で進行方向が変わり、ここから先が五能線である。ということで、安ツマミから五能線用の弁当にシフトチェンジである(いつもは安食材であるが、今日は奮発して高い駅弁を秋田駅で仕入れてある)。

@あわび

 リゾートしらかみに関する旅行記は数多あるため、ここで紙幅を割かなくてもいいであろう(他の方の詳細な旅行記をご参照ください)。御多分に漏れず、能代駅でのバスケットチャレンジや、後半部分での津軽三味線や語り部など、乗客を飽きさせない工夫がいくつもあるすばらしい乗り物である。

@とりあえず海写真だけでも

 ぼんやりと車内を過ごし(酒の力で居眠りもし)、15時49分に弘前到着。大館行まで1時間半以上もあるため、市場にいって恒例の「いがめんち」などを買い、また別のスーパーに行って食材を揃えたりした。
 17時29分の各駅停車で大館に向かい、18時11分着。駅近くの安ホテルに投宿。

■2018.8.19
 6時過ぎにホテルを出て、駅へと向かう。駅前には小坂線の廃線跡があり、これまでも何度か見てきたものであるが、なんだか工事をやっているようである。もしかしたら、近いうちに廃線跡も消えてしまうのかもしれない。

@見納め?

 青春18きっぷに押印をしてもらい、ホームへ。JR東日本では見慣れた2両編成のディーゼルカーである。1両でもいいのでは、と思ったが、切り離せないタイプ(両端に運転席があるタイプではない)のようである。
(最初はまばらな乗客であったが、最後の「いわて銀河鉄道」の部分では立つ人もいたので、やはり2両必要なのであろう)

@今日はこれから

 定刻の6時22分に出発。花輪線は、弘前方面と盛岡方面をショートカットする路線でありながら、「単線非電化」「途中でスイッチバック」などの悪条件のため、短絡路線とは成り得ていない。よって通しで乗る乗客は物好き(鉄分多めの人)くらいであり、ほとんどが短距離の利用である。私も、仕事ならばバスを利用するであろう。
 スイッチバックをする十和田南までは、地味な景色の連続である。

@遺跡+行き違いの列車(十和田南駅にて)

 十和田南を出発してしばらく走行し、八幡平を過ぎた辺りから峠のように木々が深くなっていき、景色も良くなってくる。曇天なのが残念であるが、のんびりとそれらを眺め続けた。

@川の流れ

 好摩でいわて銀河鉄道に合流し、9時40分に到着した盛岡で650円を支払って改札を出た(この区間は青春18きっぷが使えないため)。
 JR側のホームに移動し、次に乗るべきは9時58分発のジパング平泉である。お目当ての列車は、すでに入線していた(表紙写真)。指定席には人がちらほらといるが、自由席はガラガラ(数えるほどの客)である。

@窓向きの指定席

 4両編成であり、先頭等最後尾が展望室付きの指定席、中間2両が自由席である。指定席は席が窓側に向いており、入口部分はデザインが凝っている。旅の出発前に「指定席購入も」と思いかけたが、東北本線の景色は地味(海際などは走らない)なので、自由席で充分との結論に至った。

@指定席入口

 指定席車両はかなり改造されているが、元は国鉄型の特急車両である。盛岡を定刻に出発すると、その揺れ・モーター音はまさに「東北本線の特急」である。私が一人旅をできるようになった歳には、すでに盛岡まで東北新幹線が開通しており、特急「はつかり」の乗車体験は盛岡以北だけしかない。よって、盛岡以南をこの感覚で乗車するのは初めてである。「上野発青森行の特急はつかり」なんて臨時列車を、イベント的に走らせれば絶対乗るのだがなぁ…などとどうでもいいことを考えながら乗車し続けた。

@自由席は昔のままの席

 定刻の11時15分に一ノ関に到着。過去に2回ほど街歩きを済ませた街であるが、1時間強の時間があるので、ぐるっと歩いて旧い家屋を見学したり、物産館で一関名物の餅(エビ)を昼用に買ったりした。

@旧家屋(見学無料)

 12時28分の各駅停車で、北上まで戻る。中途半端な乗り換え時間は駅前にある物産館(潰れたデパートを改装したような建物)で時間を潰し、駅に戻って13時40分発の北上線に乗り込んだ。

@次はこれ

 2両編成であり、ぱっと見は朝に乗車した花輪線と似たような感じであるが、こちらは1両での走行が可能なタイプ(両端に運転席あり)である。定刻に出発。
 東北本線から逸れて西へ向かい、いくつかの駅に停まったところで、貨物列車(レール運搬用)とすれ違った。貨物と言えば幹線や臨港の支線などを走るものであり、本州を横断するタイプの路線にはほとんどないものと思っていたので、これは意外な感じがした。

@それとも普通のこと?

 「ほっとゆだ」付近では山深くなるが、それ以外はいたって平凡な景色である。
 定刻の14時51分に横手に到着し、奥羽本線に乗り換えて秋田には16時08分に到着した。
 駅前の安ホテルに荷物を置いてから、大鉄道展の別会場である秋田県立美術館へと向かった。

@お堀の蓮が見頃

 博物館で買った入場券(共通券)を提出し、展示室へと入った。博物館ほどの量ではないが、こちらにも様々な実物展示があり、美術館ということもあって、JRのポスターなど美術的要素のある展示品が多かったように思える。

@実物もあり

 その後は、いつも通りにスーパーで安食材を揃えてからホテルに戻った。

■2018.8.20
 さて、今日は秋田から出勤するだけである。秋田駅発7時15分のバスに乗ればいいのだが、どうせ暇であるので、始発列車で和田駅まで移動してそこから歩くことにした(以前にも1度経験あり)。徒歩で約1時間40分であるが、朝の運動(ウォーキング)を兼ねれば、問題はない。

@「こまち」と「あきたこまち」?(本当の品種は不明です)

 

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