【どこかに鐡D】徳島空港編

■はじめに
 5回目となる「どこかに鐡」であるが、7月の最終週末である。観光シーズンであり、そもそも航空券は手配しにくい季節である。いつもは朝に検索してみるが、今回は申し込み開始日すぐの24時過ぎに検索してみた(といっても夜中まで起きていたわけではなく、海外出張中であり、夕方に仕事が終わった時間が丁度日本時間のその時刻であっただけである)。
 まず、往路出発9:00〜11:59、復路到着16:00〜18:59で検索したが、当然のように「該当なし」である。前回との違いは、往路の時間帯を5:00〜8:59にしても、到着時間帯を19:00〜23:59にしても、該当なしになってしまう点である。往路出発を12:00〜15:59にしてやっとヒットしたが、何回やっても岡山・徳島・大分・熊本しか出ない(もうそれしか選択肢がない)状態である。我儘は言えないので、それで申し込みを確定させた。
 徳島はこの旅の2週間前に行くことになっているため一番避けたいところであるが、結果は、やはりというか徳島であった。
 ということで、物珍しいものはないが、JRの徳島線や牟岐線を再訪してくるのみである。
(註:台風やその他のトラブルにより、旅行内容は現地で大きく変更された)

@坪尻駅にて

■2018.7.28
 今回の往路出発は15時30分であり、ただ単に移動するだけが関の山である。しかし、JALがこの春に規則を改訂し、出発前の同区間の便に空席がある場合は特典航空券を変更できることになっている(昔も同様に可能であったが、最近しばらくは不可であった)。よって、それを狙うことにしている。

 6時半過ぎに羽田空港に着いたが、7時05分発の便(電光掲示板)は△マークであり、まだまだ残席がある。
 しかし誤算であったのが、上級会員用カウンターですら長蛇の列なのである(もしかしたら、西日本豪雨の影響かもしれない)。出発の20分前までに手続きをする必要があるため、ここで諦めかかったが、JALのターミナルが南北に分かれていることを思い出し、東日本方面に飛ぶ便を扱うカウンター(北ウイング)に急いで行ってみると、こちらはガラガラだったので手続きをしてもらえた。

@予定外のハードルが

 しかし、ここでもなぜか手続きができなかった。後でわかったのだが、機材不具合→機材変更→遅延となり、手続きが一時中断していたのである。
 受付嬢が、仮の「ダブルブッキング」状態にしてくれ、いったんゲートを通ってラウンジに行き、7時過ぎにラウンジカウンターでやっと手続きをしてもらった。早朝からあたふたしたが、結果的には当初と同じ「非常口窓側」もキープできている。

 朝一便に乗れた場合には、「貞光で途中下車して旧い町並みを歩く」「スイッチバックのある坪尻駅に行く」ことにしている。遅れが50分以内ならなんとかなるが、徳島空港到着時典で定刻からちょうど50分遅れであった。微妙なところだな…と思っていたところ、どういうわけかドアが開かない。なんと、片側のエンジンを切ることができず(=ドアも開けられないし作業車両も近づけない)、非常用電源車を持ってきてそれを接続してエンジンを止めるという。数多く飛行機に乗ってきたが、初めてのタイプのトラブルである。
 結局、ドアが開いたのは定刻から1時間以上遅れであった。

@非常用電源車とは

 さて、旅程が詰まっている場合にはキーッとなってしまいそうな遅延であるが、「どこかに鐡」シリーズはそういう類ではないので、気楽なものである(逆に、「良いネタを拾った」と思える程度である。

 空港連絡バスで徳島駅へ。当初狙っていた9時50分発はつい15分ほど前に出てしまったので、次は10時55分である。この列車は穴吹止まりであるため、貞光に行くことはできない。ということで、携帯で少し検索し、阿波川島で降りてみることにした。

@やっと鐡ネタに

 徳島を定刻に出発。徳島線は何回か乗車したことがあるが、穴吹付近までは超絶地味な景色が続く(ほとんど川に沿わないため)。
 携帯の位置ゲームで暇を持て余しつつ、11時31分に阿波川島に到着した。駅から歩ける範囲に「岩の鼻」というものがあるという情報を得たため降りたのであるが、実際に行ってみるとかなりの高さの岩であり、しかも登るべき階段が藪に埋もれてしまっている(後で地図をよく見てみたら、東側からぐるっと迂回すべきだったようである)。結局、河岸から普通に写真を撮影しただけであった。

@せっかく来たので

 ということで駅に戻ったが、阿波池田行の出発まで30分以上ある。台風12号の影響で曇っている=前回訪問時ほど暑くはないが、そうはいってもそれなりの暑さである。近くにはコンビニすらないし、数少ない小さなスーパーも廃墟と化している。どうしようかと思って適当に街を歩くと、市立図書館を発見したので、そこで涼んでから駅に戻った。
 同駅12時35分発の列車で、ひたすら西へと向かった。景色は地味であるが、学駅はその名から有名であり、入試前になると入場券が大量に売れる駅である。

@あやかりたい

 穴吹付近に近づくと吉野川が寄り添ってきて、やっと景色に目が行くようになった。
 阿波池田の1つ手前の佃で下車し、多度津行を待つ。じきにやってきた1両のディーゼルカーに乗り込み、接続通りに13時41分に出発した。
 出発するとどんどん路盤の勾配がきつくなり、左手に大きく景色が広がっていった。いくつかトンネルを抜け、13時52分、坪尻到着。

@スイッチバックのある秘境駅

 まずは、ここまで乗ってきた車両のお見送りである。運転手が反対側の運転台に移動し、いったん本線を外れた引込線まで移動し、再度反対側の(元から運転していた方の)運転台に戻り、私の目の前を通って多度津方面に走り去っていった。

@さようなら

 さて、阿波池田方面の各駅停車がやってくるまで、1時間ほど時間がある。気候の良い季節ならば道路まで続く獣道(かなり急勾配で崖同然)を歩いてもいいが、この暑さ+大量の蚊では不可能である。ということで、待合室でPCをつつき、たまに通過する特急列車の写真を撮ったりして時間を潰した(それにしても、待合室に蚊よけスプレーが寄贈してあったのには感謝である)。

@お見送り

 その後は、蚊に刺され過ぎない程度に、この駅の名物(踏切の近くにある商店跡、いったん盗難されて青森県で発見された駅スタンプ、らぶらぶベンチ、等々)を確認した。秘境駅だけあって訪問記はネット上に数多あるので、詳細が気になる方はそちらをご参照ください。

@らぶらぶベンチとは(滑るので必然的に二人とも中央へ)

 14時54分発の各駅停車で阿波池田に向かい、30分ほど乗り換え時間があったので「うだつ」のある街を少しだけ歩いた。

@貞光の町を歩けなかった埋め合わせ

 その後は、15時39分発の各駅停車で徳島に向かった。1泊3,300円の安ホテルに投宿。

■2018.7.29
 今日は牟岐線を往復し、途中下車して朝市などにも行く予定である。台風は三重県から奈良県を経由して兵庫県方面に向かっており、早朝の徳島市内は「普通の雨」である。
 しかし、JR四国は予防線を張って「全線始発から運休」にしてしまった。日本ならではの対応であるが、先日の大雨の後であるから、仕方ないかもしれない。
 どうしようもないため、まずは駅に行って前回訪問時に購入していた「四国再発見早トクきっぷ」を払い戻しした。

@手元に残らないため記念撮影

 さて、代替旅程案を考えねばならない。未訪問の観光地をネットで検索したりして、大麻比古神社へ行くことにした。本来の旅程でも牟岐線乗車後にドイツ村に訪問する予定であったため、そこから「一足伸ばす」だけである。雨は大したことないが運行再開しないことにはどうにもできないため、10時頃までホテルに留まり、その後上記の観光地を訪問することにした。
 「予定のない日曜の朝」のようにだらしなくテレビを見て、10時前にチェックアウトした。8時頃に降っていた強い雨はすでに上がり、晴れ間も見えているが、そうそう簡単にJRは動かない。というわけで、とりあえずラーメンである。

@有名(肉増し)

 食べ終えてから駅に向かったが、まだ動いていなかった(和歌山県などは朝から運転再開していたので、徳島県も遅くとも昼前にはと思っていたが、考えが甘かったようである)。バス乗り場へ行って単純往復で行けそうな観光地を検討したが答えは出ず、結局「13時05分発(当初の旅程で乗る予定であった列車)までに運転再開がなければ、空港へ行ってしまう」ことにした。飛行機は17時台に飛ぶ便だが、他にやることがないのだから仕様がない。外は晴れているのに…、と思うが、安全のための規程などに沿っているのであろうから、JRを責めることはできないだろう。
 結局、どうにもならないようなので空港へ向かうことにした。ただいつもと違うのは、リムジンバスではなく路線バスで空港へ行くという点である(丁度良い時間のリムジンバスがなかったため)。

@いつもと違う

 さて、今回の旅は出だしから最後までトラブル続きであったが(特に2日目などは、ほとんど何もしていない)、捨てる神あれば拾う神ありで、13時半過ぎに到着した空港で1つ前の15時台の飛行機に変えることができた(空港到着時は×印になっていたが、13時台の飛行機の「空席待ち」結果のアナウンスがあったのでカウンターに戻ったところ、15時台の便が△印になっていたので、慌てて手続きをした次第である)。今日は午前中の徳島−羽田便が3便も運休になったため午後の便は軒並み朝から×であったのだが、これで家に早く戻ることができる。
 今回はトラブル続きであったが、メインの坪尻駅は訪問できたし、予定外にラーメンも頂くことができたから、良しとしよう。ということで、まだまだ時間が余っているので、ラウンジでこの旅行記を仕上げて、ネットにアップしてしまうことにした。

@こんなに晴れているのに…(空港ラウンジより)

 

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