【どこかに鐡K(最終章)】松山空港編

■はじめに
 1年を通してほぼ毎月実施してきた「どこかに鐡」シリーズであるが、今回をもってひとまず終了としたい。企画に(勝手に)便乗させていただいたJALには、ひたすら感謝である。
 さて肝心の最後の行き先であるが、申し込み開始日に試みたところ、どうしても訪問済みの空港が混ざってしまう。別の週末にすることも考えたが、そうしたところで確証は得られないため、仕方なく再訪の可能性を認めることにした。
 それでも、検索結果(4つ)のうちなかなか未訪問の空港が3つにならず、100回以上検索を繰り返し(100回検索するとその日はそれ以上できなくなるが、ブラウザを変えると検索可能という裏技がある)、帯広・青森・松山・那覇が出たところで申し込みを確定させた。青森は第2回目で訪問済みであるが、もし青森になった場合は、津軽海峡を渡って「道南いさりび鉄道」にでも乗り、「仮想・函館空港編」として仕立て上げるしかない。
 季節的に帯広や青森は避けたいし、那覇は良いシーズンではあるが、鐡ネタはほとんど皆無である。翌日に行先決定のメールを受け取った後にJALのウェブサイトを開き、「松山松山!」と念じながら予約画面を見ると、見事に松山であった。
 松山といえば伊予鉄があるが、全路線乗車済みであるし、これに乗るだけではネタ不足であろう。ということで、初日は「内子・大洲街並散策1日パス」を利用して両都市の観光と下灘駅訪問をし、翌日は伊予鉄で高浜へ行き興居島に渡ることにした(が、2日目については現地で予定変更)。

@下灘駅にて

■2019.3.9
 7時25分の便で松山に飛び、連絡バスでJR松山駅へ。すべて順調であったが、特急「宇和海」の出発は1時間に1本程度であり、次の列車まで50分くらいある。ということで、まずは「内子・大洲街並散策1日パス」を駅で購入し、その後は大手町駅付近にあるダイヤモンドクロス(鉄道同士が直角に交差する場所)を眺めに行ったりして時間を潰した。

@こんな感じにクロス

 JR駅に戻り、1番線へ。思えばこの「どこかに鐡」シリーズは私鉄やJRの各駅停車の旅ばかりであり、特急に乗るのは珍しい(大分で1回乗ったぐらい)。件の切符は2,780円で青春18きっぷ1回分より数百円高いだけであるため、今回は特急を選択した。
 しばらくすると、折り返し10時14分発となる宇和海が入線してきた。

@珍しく特急で

 到着→車内清掃→乗車となり、私が乗り込むとすぐに出発した。乗客が少ないから問題ないが、多客期は遅延しそうな時刻設定である。
 さて、車窓よりも前に、腹ごしらえである。というのも、松山駅で駅弁を見つけたのでそれを買っているのである。松山の駅弁は一時消えうせたが、紆余曲折を経て復活したとの由。

@いただきます

 田舎景色の中を快走するが、振り子方式も手伝って怖いくらいの体感速度である。「青春18きっぷの旅でもよかったかな」と思いかけたが、途中駅の内子で行き違った1両の各駅停車はロングシートであったので、やはり特急で正解であった。
 あっという間の10時48分に伊予大洲に到着した。観光列車の「伊予灘ものがたり」に乗り継ぐ人も数人いるようで、私も撮影のためだけにそちらのホームに向かった。

@撮るだけ

 当初はこれに乗ることも考えたが、こういうのは複数人で乗って楽しいものである。お一人様は街歩きがよかろうという結論に至り、今日はひたすら散策である。
 ということで、約2時間の街歩きである。大洲城を皮切りに、旧い町並みなどを歩き続けた。

@もう満開!

 駅に戻り、12時43分の宇和海14号で内子へ。乗車時間はたったの10分間である。
 内子は以前に歩いたことがあるが、1時間ほどしかなくかなりせわしなかった。今日は2時間あるので、内子座を含めてゆっくり回ることができる。
 今日のフリー切符を持っていると、通常400円の内子座が300円になる。ということでそれを出そうとしたら、「今日は1階が使用中で2階のみですので、200円になります」という。どうやら、中学生のブラスバンド練習であった。

@内子でも満開

 時間にゆとりがあったので15分ほど彼らの練習風景を聴き、駅に戻った。
 続いて乗るのは14時53分発の宇和海18号である。周囲で待っている人々が話す言葉は韓国語と中国語であり、時代を反映している。
 待つことしばし、ディーゼル特急が入線してきた。

@宇和海の車両は冒頭と同じなので、駅前のSL写真を

 特急宇和海は3両編成が多いが、時間帯によっては2両編成もある。運悪く18号がそれに当たっており、車内はかなり混雑していた。私はなんとか通路側席に座ることができたが、デッキに立っている人も数人いる。
 16分で伊予市に到着し、ここで下車。乗り継ぎ時間が1時間以上あるが、特にすることもないので、近くにあった物産館やスーパーを物色した。

@今回は縁のなかった伊予鉄(郊外電車)を撮影

 駅に戻り、16時12分発の1両編成各駅停車に乗り込んだ。向かうのは下灘駅である。
 下灘駅は海岸近くの高台にあり、海とのマッチング(特に夕日)で最近有名になってきた。逆に、有名になり過ぎていてあまり私の足は向かなかったが、今回の切符の有効範囲内で行ける鐡ネタとしてはここぐらいしか思いつかなかったので、訪問することにした次第である。
 揺られること23分、下灘に到着した。

@背景は海

 到着時点でホーム上はかなりの人出である(彼らは自家用車で来ている)。自身が乗ってきた列車を見送ってからは、片道20分くらいかけて海岸まで往復し、駅に戻ってからは夕方便の「伊予灘ものがたり」の到着を待った。
 しばらく待つと、音楽を奏でながら2両編成の列車が入線してきた。

@本日2回目の遭遇

 17時半頃に観光列車の出発を見送り、17時51分発の各駅停車で松山に戻った。駅近くにある3,000円の激安ホテルに投宿し、近場のスーパーで愛媛産の刺身を山ほど買って来て、酔いどれてから就寝。

■2019.3.10
 さて、今日は興居島に行くことにしていたが、実は雨予報であり、外を見ると予報通りの雨である。島旅は良い天気で歩くのが醍醐味であり、雨では興味半減である(しかも、降雨時に船にも乗りたくない)。ということで、予定を変えて道後温泉をぶらぶらすることにした。昨日は3時間以上も歩いたため右足首も少し痛く、よって今日は予定変更でプチ湯治である。
 7時半頃にホテルを出て、伊予鉄の市内電車乗り場へ。「どうせならボロい方がいいな」と思っていたら、期待通りのボロ車両であった。

@どうせなら

 25分ほど揺られて、道後温泉へ。商店街を歩き、現在改装中(一部のみ入浴可)の道後温泉本館へ。久々にここの湯に浸かった。
 その後は市電で大道街まで戻り、アーケードを散策してから市駅前から空港行のバスに乗り込んだ。
 後は11時50分の便で東京に戻るだけだが、朝っぱらから風呂に長湯したせいで、もう完全にビールモードである。しかも、アーケード街で鬼北町(日吉村)の特産品販売コーナーがあり、キジ飯や、地場のしいたけ等を使用した惣菜を買ってしまっている。ということで、朝の10時過ぎからラウンジで一献である。

@こんな感じに

■おわりに
 12回実施した「どこかに鐡」であるが、最終候補(4か所)に一度もならなかった空港は以下の通りである。
 女満別・函館・名古屋・大阪・長崎・鹿児島・奄美大島・宮古・石垣
 このうち、女満別や鹿児島などは「検索途中」には何回も出てきた記憶がある(当たらなかったのが不思議なくらい)。逆にその記憶すらなかったのは、名古屋・奄美大島・宮古・石垣である。これらは、レア度(便数)からいって、なんとなく理解できる。大阪や長崎は「ちらほら」しか記憶がないため、これは意外であった。
 最終候補に残った数ランキングは、1位岡山(6回)、2位松山・宮崎(4回)、3位帯広・青森(3回)であった。「どこかに鐡」実施前は「大阪や小松ばかりで、北海道や九州は少ないのだろう」と思っていたが、実際の行き先も含めて、意外に遠隔地が多かった気がする。検索途中での出てくる確率の高さ(あくまでイメージ)は、広島や徳島であった。
 参考までに実際の行き先などを一覧にすると、以下の通りである(〇は実施、×は最終4候補)。
旭川  ×
女満別
釧路  〇6/16
帯広  ×××
新千歳 ×
函館
青森  ×〇4/14×
三沢  ××
秋田  ×〇8/18
山形  ×
小松  ×
名古屋
大阪
南紀白浜××
岡山  ×××××〇2/2
出雲  ×
広島  〇3/31
山口宇部××
高松  〇5/19
徳島  ×〇7/28
松山  ×××〇3/9
高知  ××
北九州 ×
福岡  〇1/12
大分  ×〇12/23
熊本  ×〇10/13
長崎
宮崎  ×××〇11/17
鹿児島
奄美大島
那覇  ××
宮古
石垣

 個人的には、これを機に南紀白浜や出雲に久々に再訪したかったが、それらに巡り合えなかったことは残念である。そのうち、用件を作って行かねばなるまい。

@最終日到着時の羽田空港(右側の飛行機は私の旅行記とは関係ありません)

 

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