インドネシアで落穂拾い

■はじめに
 春分の日を含めた3連休、どこへ行くのも旅費は高いが、ずいぶん前(半年以上前)にANAのサイトを覗いてみたところ、ジャカルタへの往復が6万円程度であったので、とりあえず購入しておいた。
 ジャワ島内の鉄道は5年半前にかなりの部分に乗車しているが(拙文「インドネシア、ジャワ島一周の旅」参照)、未乗車の区間はたくさん残っている。今回はジャカルタ周辺ということで、
・メラクまでローカル線で往復
・ジャボタベック(近郊列車)でボゴールまで往復
 を制覇するという感じである。
(現地で予定を変更し、「ジャカルタの交通博物館を見学」も追加することにした)

 最近のインドネシアの鉄道に関するニュースと言えば、ジャカルタからバンドンまでの高速鉄道で中国が「怪しい条件」で日本を差し置いて落札したニュースである。結局、中国側からきちんとした書類が提出されないことや、耐震計画が曖昧なこと、融資に関する条件が落札前とは異なっていたことなどが影響し、未だに着工されてないのが現状である。

@メラク駅にて

■2016.3.19
 今日は、飛行機でひたすら移動するだけである。
 羽田へ移動し、朝からラウンジでビールにまみれる。時間になったので搭乗口に向かったが、なんだかいつもとカラーリングが違うようである。どうやら、映画「スターウォーズ」とのコラボ企画のようで、外装だけでなく座席上部や客室乗務員のエプロンなども同様のカラーリングであった。

@イベント

 ジャカルタ(スカルノ・ハッタ)空港には、16時過ぎに到着した。
 ホテルへの移動はタクシーが楽であるが、私の場合は公共交通機関を利用するのが旅の目的の一部でもあるため、以前も利用したことのあるダムリ社のリムジンバスで移動することにしている。第2ターミナルの端にあるカウンターで4万ルピア(約400円)のチケットを買い、1時間ほどでガンビール駅に到着した。

@こんなチケット

 前回ジャカルタを訪問した際は、ガンビール駅やコタ駅付近のホテルを利用した。しかし今回は、メラク行の列車がアンケ(Angke)駅から出発するため、そちらに近いホテルを予約している(アンケ駅付近は下町であるためほとんどホテルの類はないが、アンケ駅とコタ駅の中間くらいの場所に1件あったのである)。
 そこまでの移動も、やはりタクシーではなく公共交通機関である。トランスジャカルタ(詳細は余所様のサイトをご参照ください)に乗れば、コタ駅までは一直線である。
 ガンビール駅から20分ほど歩き、モナス(独立記念塔)付近の専用バス停でICカードを買った。4万ルピアのうち半分の2万ルピアがカード代であるが、日本円にすればたったの200円であるし、それに「どこまで乗ってもたったの3,500ルピア(35円!)というのもお得な設定である。2万ルピアあれば5回乗れるし、それ以上は積み増しすればいいだけである。

@これで乗る(中にICカードが入っている)

 1番系統に乗り込む。専用道路であるため、渋滞知らずでコタ駅に到着した。
 予約したホテルは12番系統のバス停の近くであるが、どうやら本数があまり多くないようである。面倒なので、コタ駅からは25分ほど歩いてホテルへ向かった。
 さて、元々アルコールの入手が難しいインドネシアであるが、昨年春からさらに法律が厳しくなり、コンビニ等でのアルコール販売が禁止されてしまったのである。今回こそ厳しいかと思ったが、今回泊まるホテルが中華系であり、フロント近くの店でビールを売っていたのでなんとか「禁酒」を避けることができた(ただし、大瓶1本が約850円という高値であったが)。

@飲めるだけでありがたい(ツマミはホテル横のコンビニで入手)

■2016.3.20
 さて、今日はメラクまでの往復であるが、事前の情報収集は難儀を極めた。日本人の鉄道好きでインドネシア旅行記を書いている人はたくさんいるのであるが、なぜかメラク方面はほとんどなく、あったとしてもかなり昔(コタ駅から出発していた時分)のものなのである。結局、英語であれこれ検索し、今はアンケ駅が始発であることなどを突き止めたが、それが合っているかどうかは行ってみないとわからない状態である。
 6時過ぎにホテルを出て、1.5キロほどの距離にあるアンケ駅へと向かった。まずは線路に突き当たるまで西へ移動し、そこから線路沿いに南下するのであるが、鉄道沿線にびっしりと貧しい家々が連なっており、いわゆる「スラム状態」である。しかし、他の東南アジア諸国とは違って、インドネシアの場合はどこかのんびりとしており、危険な雰囲気はない。

@線路沿いの家々

 踏切で撮影をしていると、急に警報器が鳴ったので待っていたら、貨物列車が通り過ぎた(この後の乗車中にも、数本の貨物とすれ違うことになった。意外に貨物量は多いようである)。
 開店前の屋台群を抜けて行くと、アンケ駅が見えてきた。よく言えば駅ビルであるが、かなりおんぼろである。事前にグーグルマップ等で調べていたからわかったが、そうでなければ駅とは気づかない可能性もあろう。

@ボロいです

 中央から構内に入ってみると、右手に窓口があり、インドネシア語で「メラク行は3番線で7時09分発」「料金は8,000ルピア」と書いてある(インドネシア語はできないが、固有名詞と数字だけ解読可能)。事前にネット上で調べていたが、ここでやっと「アンケ発で合っている」ことを確認できた。
 それにしても、片道4時間以上も乗車するのにたったの80円とは、格安もいいところである。

@こんな切符

 出発までまだ30分以上あるというのに、ホーム上はかなりの人だかりである。何両編成かは不明であるが、人の少なそうな最後尾付近で待つことにした。
 待っている時間も、ここでは暇ではない。というのも、日本から譲渡された車両がジャボタベックで使用されており、数分おきに旧JRや旧私鉄各社の車両がやってくるので、それを見ているだけでも充分に面白いのである。

@懐かしい

 日本からのお下がり車両を何両も見ているうちにメラク行の出発予定時刻である7時09分を過ぎたが、当然のようにやってくる気配はない。しばらくしてアナウンスがあり、7時18分に機関車に牽かれた客車がやって来た。荷物車1両+客車8両という編成であり、完全に停車する前から乗客は車両に飛び乗ったりしている。私も、それに続いて車両に乗り込んだ。

@やっと入線

 メラク方面の列車に関する古いブログでは「非冷房でロングシート」というような記述があり、かなり過酷であったようだが、この車両は全車冷房でありボックスシートである。これで、先述した通り約80円であるから、充分にお買い得であろう。
 しかし、冷房といっても普通の家庭用の冷房機が各所に付いているだけである(実際、車内の人が多くなるとかなり利きが悪くなるのであった)。

@部屋用クーラー?

 7時18分に出発。すぐ次のデュリ(Duri)で乗車率はほぼ100%になり、タナアバン(Tanah Abang)を過ぎて路盤が分岐し、その後も停車毎に乗客は増えて行った。立つ人も増え始め、そのうち通路とデッキはかなりの乗客で埋まっていった。

@貨物列車発見

 しばらくは街中を走っていたが、じきに緑が多くなっていった。
 駅に着く度に時刻を確認したり、その他の状況をチェックしたりするのであるが、いかんせん窓が奇麗でないので旅行記に載せられるような写真を撮れないのが玉に瑕である。座席も埋まっているため、撮影のためにデッキへ移動したりすることもできない。
 9時25分、大きな操車場が見えてきて、ランカスビトゥン(Rangkasbitung)に到着した(ちなみに、この駅までは電化されており、ジャボタベックも並走している)。半数近くの乗客が降り、家庭用クーラーも若干やる気を持ち直したようである。

@保線用の車両でしょうか

 同駅を定刻から10分遅れの9時30分に出発。駅に停まるごとに乗客は少しずつ減っていき、景色も田んぼが中心になっていった。
 10時20分、Walantakaで客車列車とすれ違った。1日に2本しかないアンケ行ではないことは確実であるため、短区間の列車もあるようである。
 10時47分、Karangantuでかなりの乗客が降り、やっと私の隣りの席も空いた。

@よってデッキまで行って外の撮影を

 11時を過ぎると、係員が車内を掃除し始めた(終着が近い合図である)。しばらくすると大きな工場がちらほらと見え始め、その後左手に海が見え大きな船も目に入ってきて、そして定刻から22分遅れの11時40分にメラクに到着した。私は後ろから2両目に乗っていたのだが、いかんせんホームがないので降りるのも大変である。

@終着

 さて、特に用事はないので近辺を彷徨うだけである。駅舎のある側(北側)から外に出てみたが、商店があるのみであとは操車場であり、明らかに袋小路である。その反対側(南側)に階段があったので、「これか」と思って上がってみると、船の券売所がありそこから先は進めそうにない。

@駅舎があったらそっちから出るものと思うじゃないですか

 どうしようかと思っていると、怪しげな外国人(私のこと)を見付けた駅員が簡単な英語で尋ねてきた(職務質問?)ので、「2時のこの列車でジャカルタへ行く」と説明すると、安心したように去っていった。
 さて、駅の出口であるが、列車の横を通ってさらに線路の上を歩いている人が多くいる。その後ろを付いて行ってみると、どうやらそれが外に出る正式なルートのようであった(そのような所を歩いたため、冒頭の写真が撮れたのである)。

@ここを歩く

 折り返しの出発まで2時間以上あるが、目的は「海を見る」くらいである。暑いので冷房完備のファストフード店でもあれば入るところであるが、生憎そのような店はない。大きな通りを10分くらい歩いたところに、若干敷居の高そうな店があったので、冷房はないがそこで昼食にすることにした。
 言葉は話せないが、とにかく「アヤム(鶏肉)」とオレンジジュースと言うと、山のような料理がやって来てしまった。一瞬焦ったが、どうやら「好きなものを選んで、手を付けた分だけ支払う」というものらしい(他のテーブルでも、同様に山盛りになっている場所もあった)。1品が日本円で200〜300円程度、これにご飯代やジュース代を入れるとそれなりの金額になるため、ローカル的にはかなりの高級店だったようである。

@2品を選択(味は良かったです)

 続いては、海である。しばらく通り沿いに歩いたがいつまでたっても海が見えないため、適当なところで海側に続く私道のような砂利道に入っていき、やっと海に辿り着くことができた(フィリピンの下町みたいなところでこんな真似はできないが、インドネシアならきっと大丈夫だろうという判断に基づく)。

@海です

 その後はひたすら駅方面へと戻り、コンビニでスポーツドリンクを買って体を冷やし、また歩き続ける。先ほども歩いた「駅へ向かう線路上」を歩くのであるが、その入口には「メラク駅はこっち」みたいな案内板があった。やはり、このルートが駅へつながる正式なもののようである。

@駅に行くためにはここを歩くこと

 切符を買うため駅舎に行ってみたが、到着時に声をかけてきた例の駅員が「車内で」と言ってきたので、冷房の効いている車内で待つことにした。しかし、出発10分前に検札が来てしまった。どうしたものかと思ったが、近くにいた夫婦が身振り手振りで「ホームの上で買える」みたいなことを教えてくれたので、なんとか無事に切符を手にすることができた(駅員のアドバイスはいったい何であったのか…)。

@ホーム(駅舎とは反対側)にある小屋で買えます

 14時00分、定刻ぴったりに出発した。駅に停まるごとに乗客は増えていき、室内用クーラーはあまり効かなくなっていった。
 16時頃には、電化区間の始まるランカスビトゥンに到着してさらに乗客は増えた。同駅出発は16時15分の予定であるが、対向の16時02分発のメラク行が遅れているようである。その到着を待ち、16時22分に出発した。
 沿線では複線電化の工事が進行中であり、しばらくすればこのような待ち時間も解消されるのであろう。

@工事中

 18時を過ぎると夕日が左手に沈み、右手から近郊路線の路盤が合流してきて、定刻から15分遅れの18時37分にアンケに到着した。
 駅前は朝とは違って、大賑わいである。夜市のような雰囲気であり、多くの店で賑わっている。夜用のツマミでもあれば買おうと思ったが、果物等以外は衣服や日用品が中心のようで、これといったものはなかった。

@駅前の露店

 屋台群を過ぎて線路沿いの通り(朝方に「スラム街」などと表現してしまったところ)に行くと、今度は飲食物の小さな屋台(リヤカー風)が多くなった。よってここで鶏の唐揚げや豆腐の揚げ物など、何種類かを買った。値段が付いてないものは適当に大きな札(1万ルピア=100円)などを出してみたが、たいていは1個20〜30円程度、かなり大きな唐揚げでも70円程度であった。
 ホテルへ戻り、またしても耐え切れずに高いビールを2本頼み、酔いどれる。

@ビール2本=1,700円、それに対し惣菜すべて=約200円弱

■2016.3.21
 今日はジャボタベックでボゴールに行くだけの予定であったが、それだけではすぐに終わってしまう。そこで、こちらに到着してからホテルの無線LANを使用して少し検索してみたところジャカルタ市内に交通博物館があることを知ったため、そちらにも訪問することにした。
 朝7時前にホテルを出て、コタ駅へと向かった。5年半前にも訪問した駅であるが、相変わらずこの周囲は交通量が多く、道を渡るのが大変である。

@思い切って渡るのがコツ

 前回はここからすぐ近くのジュアンダまで「お試し」で乗っただけであるが、その当時は切符であった。ネットで調べたところ、最近はICカードになっているようで、それを窓口で買うらしい。その情報を元に駅構内に行ってみると、なんとさらに進化をして、自動券売機が導入されているではないか。まだ使い慣れない人も多いようで、数人の係員が待機してあれこれ指南をしている。

@どんどん変わっていきます

 英語のメニューもあるため、難なくICカードを手にした。ボゴールまでの料金はたったの5,000ルピアであるが、カード代として10,000ルピアが必要であり、トータルで15,000ルピアである。なおこのカード代は、カード自体を返せば返金されるようであるし、また目的地までの料金を積み増すことによって2回目以降に使用することもできる(私は復路のボゴールからマンガライまでに関してもこのカードを再利用し、また記念に持って帰るためカードは返さなかった)。

@たった100円なら、よい記念品に

 自動改札を通り、ボゴール行が入線しているホームへと向かった。以前は行先表示も日本語そのままであったり、車内にも日本語による説明がそのままであったりしたのだが、今はそういうことはなくなっている。きちんと洗練されたということであるが、日本語の表示板などが面白かった身としては、少し寂しいものもある。

@先頭がホームから外れて写真が撮れないため、向かいに入線してきた車両を撮影

 数人の清掃人がモップで車内を清掃しており、綺麗に保たれている。先頭と最後尾は女性専用車両であるが、警備の人が乗車しており、そういう面でも「きちんと」している(バスのトランスジャカルタも「女性専用」の乗車ゾーン(バスの前側)があるので、知らない人は要注意である)。

@車内はそのまま「JR」という雰囲気ですが

 7時16分、ラッシュとは逆向きであるため、まばらな乗客で出発した。
(不人気のメラク行とは違って、ボゴールへの旅行記や訪問記は山ほどあるため、私のところでは詳細は省略します)
 途中ではそれなりの混雑となり、8時51分にボゴールに到着した。
 東側に駅舎があるが、人の流れはそちらではなく南側へと続いている。どうやらそちらに新しい駅舎ができたようであるが、それにしても簡素な作りである。「機能的」と言えばいいのだろうが、味気ないと言うこともできる。

@すっきり

 東側の旧駅舎はまだ壊されずに残っているためそちらに行って見たが、雰囲気としてはこちらの方が100倍上である。旧い構造の駅舎では自動改札の設置などが難しかったのかもしれないが、その辺りは改修工事でなんとかならなかったのであろうか。
 駅舎から北側へは瀟洒な建物が連なっており、周囲は問屋風の商店が多く集まっている。良い雰囲気の場所であるが、人の流れが変わってしまったので、商売にも影響があるかもしれない。

@駐輪場みたいになっていました

 駅へと戻り、コタ駅で買ったカードにマンガライまでの料金4,000ルピアを積み増した(カードを入れるとデフォルトでインドネシア語の案内になってしまったが、適当にボタンを押してなんとか手続きした)。
 1時間強でマンガライに到着。この駅は数本の路線が交差する駅であるため、鉄道の撮影目的の人による訪問記が各所にある。私が降りた直後も数本の列車が行き交ったが、最近は比較的新しい車両ばかりで、もう国鉄時代の旧いものなどは見かけるのが難しいのかもしれない。
 駅舎を出て、同駅の北西にあるトランスジャカルタ乗り場へ行き、あれこれ乗り継いでカンプンランブタン(Kampung Rambutan)のバスターミナルへ向かった。

@乗り換えターミナルにいた猫

 交通博物館(Museum Transportasi)への訪問記は多くはないがちらほらあり、このバスターミナルからタクシーに乗るのが手っ取り早いようである。交渉は面倒なので厭だが、選択肢がないので仕様がない。
 バスターミナル内にはタクシーが入って来られないようで、歩いて幹線道路まで行き、そこに停まっていたブルーバード系(信頼ができる会社)のタクシーに聞いたところ、珍しく「メーターを使う」とのことで、有難くそれに乗車した。
 博物館は、Taman Miniという巨大テーマパークの一部である。入口まではメーターで1万7,000ルピアくらいで着いたが、そこから園内をあれこれ彷徨い(運転手があれこれ園内の人に尋ね)、やっと見つけた頃には約2万8,000ルピア(+園内に車が入るための料金1万ルピア)であった。

@無事到着

 たった5,000ルピアの入場料を払い、園内へ入っていく。すぐ右手に鉄道の展示があり、数両の客車やSLが展示されていた、詳細は不明であるが、ラックレールのようなものまで放置してあった。

@意味深

 敷地内は線路だらけであり、坂を下ったところにも機関車などが展示してあった。「なるほど、それなりに鉄道関係の展示があるのだな」程度に捉えて、敷地東側の方に適当に歩いてみると、そこにはなんと大きなターンテーブルとSLがあり、その奥にはさらに十数両のSLが展示されているではないか。あまり状態は良くないので「SLの墓場」と言えなくもないが、予想外の充実度合いである。

@SL多し(これはほんの一部)

 敷地内を歩いて行くと、他にもSLや客車の展示があった。飛行機や車、船の展示もあるが、実物(車両)に関しては鉄道が最多のようであった。

@いろいろあり

 建物内にも展示があり、その1つへ行こうとすると、やたら一部だけ混雑していた。そこを通り抜けようとした瞬間、いきなり「アクションッ!」の声がかかり、遠くから男性が走ってきて、安岡力也のような風体の人と格闘(ぽい)ことをし始めた。どうやら、映画かテレビの撮影のようである。なんとなく足を止めたせいで大事にはならなかったが、アクションの掛け声があと2秒遅ければ「変な外国人が割り込んだせいでNG」になるところであった。

@言い換えれば、それだけ客は少ない(撮影向きの場所)
*現地の有名人かもしれないため、顔はボカしておきます。

 時刻は2時、そろそろバスターミナルへ向かいたいところであるが、敷地内にはタクシーはいない。テーマパークの出口まで歩けばいるかもしれないが、出口自体がかなり遠く、そこまで歩くのなら残りも歩いても構わない(かなり疲れるだろうが)。そう思って博物館の敷地外に出ると、頭の上をモノレールが走っていった。行先は不明であるが、敷地内で完結することは確かなはずである。
 あれに乗るのも面白そうだと思い駅らしき建物に行ってみると、なんと料金が3万ルピアである。300円と思えば普通かもしれないが、公共交通機関などの安さ(4時間乗って80円)を考えると、かなりの観光地価格である。

@気になる存在

 異国の地で300円をケチッても仕様がないので、切符を買って階段を上がってモノレールに乗り込んだ。乗客は、当然のごとく私1人だけである。
 折り返しで入口方面に行くのかと思っていたが、車内にいた係員は「あっち」と反対側を指差すではないか。「しまった、逆方向か。まぁ、終着で戻ればいいか」と思い、腰を据えた。しばらくして出発。
(ちなみに、パッと見はモノレールであるが、実際はレールが2本あるので「普通の鉄道」である)

@こんな風景(前側の窓が開きっぱなし)

 出発すると、すぐに左手に曲がり始めた。「敷地内を一周するパターンか」と気づき、それなら適当な場所(入口付近と思われるところ)で降りればいいだけである。それらしき場所で(敷地内を東西にロープウェーも走っているので、それを目安にして)下車した。
 下車したのはいいが、往路はタクシーで来てしまったため、詳細な位置が不明である。悩んだ挙句、結局ここからタクシーでバスターミナルへ行くことにした。
 3台ほどブルーバードタクシーが停まっていたので声をかけたが、「メーターは使わない、料金は5万ルピア」と強気である(距離的には、2万ルピア以下で移動できるはずである)。ブルーバードでないのも1台来たので念のため尋ねてみると、今度は7万と来た。「4万」と紙に書いたが、人の良さそうな運転手が5万ルピア札を揺らしながら、英語で「家族もいて大変なんだ」などと言うので、しょうがないので5万で行ってもらうことにした。

@敷地内にはたくさんの博物館があるので、1日中暇つぶしができそう

 タクシーで、バスターミナルへ移動。カンプンランブタンのバスターミナルからもスカルノ・ハッタ空港へのエアポートバスが30分に1本程度あるが、まだ時刻に余裕はあるし、トランスジャカルタのICカード内の残高もあるので、ガンビールまで移動してそこからエアポートバスに乗ることにした。
 トランスジャカルタに乗り込み、路線図と睨めっこしながら2回ほど乗り換え、ガンビール2で下車して、5年半前にも乗車した覚えのある場所からダムリ社のエアポートバスに乗り込んだ。
 3連休の海外旅行で多少せわしなかったが、それなりに充実した内容であったと思う。

@交通博物館には、昔のダムリ社バスもあった

 

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