【petit-tetu】ルクセンブルクお試し訪問

■はじめに
 今回の出張先はパリ(フランス)である。いつもより自由に使える時間が若干多いため、今回はルクセンブルクまで足を伸ばしてみることにした。
 本来であれば山岳路線に興味が惹かれるが、そこまでの余裕はない(不可能ではないが、遅延によって復路の飛行機に乗り遅れたのでは意味がない)。ということで、以下のような旅程になった。

初日(仕事終わり):夕方、パリ東駅からメッス行のTGVに乗り、同駅でルクセンブルク行に乗り換え(ルクセンブルク泊)。
2日目:市内観光後、ルクセンブルクからブリュッセル(ベルギー)へ移動し、2時間ほどぶらついてからシャルルドゴール行のTGVに乗車。夜便で羽田へ(機内泊)。

@ブリュッセル南駅にて

■2017.5.15
 半年ぶりのパリであり、空港から市内に行く列車の乗り方にもずいぶんと慣れてきたものである。
 この日は市内に移動して、明日以降の仕事に備えるだけである。

@空港からこれで移動

■2017.5.18
 昼過ぎに仕事を終えてから、時間に余裕があったためしばし市内の有名どころを徒歩観光した。パリ東駅には、16時頃に到着。すぐ近くにあるパリ北駅は利用したことがあるが、ここは初めてである。

@荘厳な造り

 電光掲示板には各列車の出発時刻と番線が記されているが、16時40分発のメッス行の番線は空欄のままである(欧州にありがちだが、どこに入線するかは直前にならないと分からないのである)。
 出発の15分前になってやっと表示されたので、その番線へと向かった。

@久々のTGV

 8両編成であるが、私の乗る号車は「18号車」である(当然、1号車からは始まっていない)。その車両に行って席に辿り着くと、私の横は「ほとんど壁」ではないか(窓際を指定した意味なし)。韓国のKTXでも同様の席が多くあり、「フランス規格に無理やり違う座席を宛がったせいか」と思っていたが、本国でも同様であった。
 定刻に出発し、15分もすると高速走行をし始めた。パリ発メッス行で途中の停車駅はゼロであるため、寝過ごす心配はない。

@晴れ間も見えてきた

 新幹線と比較すると、贔屓目だからかもしれないが、こちらの方が上下の揺れが大きいと言える。まぁ、新幹線と違ってこちらは土の路盤の上を走ることも多いが。
 農村風景を見ているうちに、あっという間にメッスに到着した(定刻より2分早着の18時02分)。次に乗るべきは、18時16分発のルクセンブルク行の普通列車である。

@切符は通しで1枚(ネットで購入済)

 先ほどのTGVとは違って普通の列車であるが、自由に座れるため、こちらの方が景色の見え方は断然に良い。
しかも2階建て車両であるため、上の階からの景色は更に良い。
 対抗列車の入線を待ち、2分遅れで出発した。

@よく見える

 やはり高速鉄道よりも、このくらいのスピードの方が旅情があって良い。独断と偏見であるが、時速200キロくらいを超えると私の叙述能力が劣ってくる気がする。120キロ程度で、ほどよく駅を通過するくらいがベストである(停まり過ぎるのも食傷気味になるので)。
 そんなどうでもいいことを考えていると、原子力発電所の冷却塔が見え始めてきた。ということは、まだフランス国内である(ルクセンブルクに原子力発電所はない)。

@モクモク

 森林を超え、引込線の多い駅に到着すると、駅の表示も車両も先ほどとは大きく変わっており、いつの間にかルクセンブルクに入っていたようである。

@初めてのルクセンブルク

 その後も快走し、定刻の2分遅れとなる19時18分にルクセンブルクに到着し、駅から徒歩5分程度にあるホテルに投宿した。歩いてすぐの場所にミニスーパーがあったので、そこで買ったチキンとビールで一献し、就寝。

■2017.5.19
 7時過ぎにホテルの朝食を頂き、身軽な格好で市内散策へと出かけた。
 普通に観光する予定であったが、偶然鐡ネタを発見した。旧市街に至る橋の上であるが、トラムの路盤が工事中だったのである。

@開通はいつ?

 その後は、旧市街の有名どころを徒歩観光である。
 ホテルに戻って荷物をまとめ、駅に移動してお土産(王室御用達のチョコレート)を買い、10時09分のブリュッセル行に乗るべくホームへと向かった。ホーム上には私が気に入っている「ゴムのお化け」みたいな車両がいたが、どうやらこれではないようである。

@残念

 程なくして、ブリュッセルからの列車が入線してきた(折り返しこれがブリュッセル行となる)。しかし、乗り込もうとすると車掌が「ダメダメ」というジェスチャーをする。そのうち、出発時刻も過ぎてしまった。
 この後の列車の動きが、とにかく非効率この上ない。電気機関車を先頭にしてきて頭端式のホームに入ってきたため、そのままでは機関車が最後尾になってしまう。ということで、1.電気機関車を切り離す、2.別のディーゼル機関車が後ろからやってきて客車を連結して一旦ホームを出る、3.空いたところで電気機関車単体がホームを出る、

@3.の場面(電気機関車の右奥遠くに見えてるのが客車)

 4.ディーゼル機関車が客車を押して入線してくる、5.ディーゼル機関車が切り離されてホームを出て行く、6.電気機関車が入線してきて客車と連結する、である。
 こんな非効率なことをしているおかげで、出発は14分遅れであった。

@これは4.の場面

 朝方からぱらついていた小雨が、出発後には本格的な雨になっていった。窓に水滴が付いており、もう撮影は不可能である。
 11時半過ぎくらいには小さな峠越えもあったが、撮影ができないので目に焼き付けるしかない。とある駅でしばらく停車したので、外の写真を撮るためにデッキまで行ってみた。

@撮影タイム

 途中駅では数分遅れていたが、ブリュッセル中央には定刻の13時22分に到着した。つい1年前に来たばかりなので、土地勘はある。
 適当に市内散策・観光をして、徒歩でブリュッセル南駅まで移動した。

@定番の絵

 ホームへと行き、15時14分のTGV(シャルルドゴール空港を経由する)の入線を待ち、しばらくしてやってきた当該列車に乗り込んだ。
 自席へ行ってみて驚いたが、これはもう「完全に壁」ではないか。これを窓側といって発券してはいけないと思う。

@見えません

 定刻に出発。私の前のボックス席に誰もいなかったので、ありがたくそちらに移動することにした。
 例の法則(高速走行は叙述能力を衰えさせる)が発揮され、またしてもぼんやりの連続である。

@晴れ間も見えてきた

 パリまで一直線かと思いきや、途中でスイッチバックとなってしまった。ボックス席にも人が来たので、仕方なく「壁側の席」へと戻った。
 シャルルドゴール空港駅に到着し、後はもう日本に帰るだけである。

@乗ってきたのは左側

 

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