【petit-tetu】福井の鉄道遺構と黒部峡谷

■はじめに
 久々の国内出張は京都の日本海側と福井である。仕事は金曜日に終了して直帰=土日に自腹で滞在することも可能、ということで、まずは福井県内にある鉄道遺構(旧北陸本線)を巡ることにした。今から20年くらい前にバイクのツーリングで訪れたことがあるので、久々の再訪である。
 日曜は、富山県にある黒部峡谷鉄道に乗ることにした。こちらも、10年ぶりくらいである。

@えちぜん鉄道福井駅にて

■2017.10.28
 昨晩は仕事を終えてから芦原温泉に移動し、素泊まりの安プランで宿泊したのだが、夜中にカンカンと五月蠅かったようなおぼろげな記憶がある。朝散歩をしてみると、駅近くで大規模な火事があったせいであった(この日夕方の地元テレビニュースでもやっていたし、翌日には自宅で見ていた全国ニュースでも放映していた)。近くの宿の宿泊者は避難させられたようであり、私の宿もあと数十メートル近ければ叩き起こされていたかもしれない。
 それはさておき、7時19分の列車(えちぜん鉄道)に乗ってJR福井に戻る。

@今日の始まり

 福井駅のすぐ近くで予約済みレンタカーを借り、急ぐ旅でもないのでまずは東尋坊へと向かった。まだ朝ということでまばらな観光客と共に、絶壁を拝む。

@写真は鐡ネタで(三国港駅)

 その後は、海岸沿いに敦賀方面へと向かった。というのも、日本国内のほとんどの海岸沿いの道路はバイクやレンタカーや徒歩で通ったことがあるのだが、この部分だけ未だに手付かずだったためである。
 越前岬を経由し、敦賀市街の手前で国道476号に合流した。しばらくすると、トンネル跡が見えてくる。

@雨が降ってきたので車内から撮影

 旧北陸本線はこの国道の途中から分岐するが、現在は「近代化遺産周遊ルート」の一部となっているため、その案内板に従って左折すれば迷うことはない。

@案内板

 そこから先の道路は、いかにも廃線跡といった感じの線形である(急カーブがなく、坂も緩やか)。この廃線跡兼道路を走り続けると、トンネルに行き当たる。元の線路が単線=幅がないため、5分間隔で信号が入れ替わるようになっている。

@入口

 このトンネルを過ぎると、信号のないトンネル(短いため、対向車がいるかどうかは目視で確認)を2つほど抜けた。この調子でいくつかのトンネルを抜け、その景勝で有名であった高台を通り、今庄方面に抜けるだけである。
 という感じで走り続けていたのであるが、なんと今庄方面が通行止めである。つい5日前に大きな台風が通過したので、その影響かもしれない。

@無念

 仕方ないので、国道を経由して今庄方面に迂回して、反対側からも少しだけアクセスすることにした。
 今通ってきたトンネル群を抜けて戻り、国道476号などで今庄に抜け、そこから旧廃線跡である道路を再び辿ることにした。まず見えてくるのが、大桐駅跡である。

@ホームも残っている

 さてこの先どこまで行けるかであるが、しばらく走ったところでもう通行止であった(高台までは行けず)。近くでは北陸新幹線のトンネル工事をしており、三世代(旧北陸、北陸、新幹線)のトンネルの様子を見ることができたといえる。

@開通迫る

 トンネル工事現場付近でUターンして、元来た道を戻る。せっかくなので、現世代の北陸トンネル出口付近にある公園に車を止めて眺めていると、ちょうど特急列車が通過していった。

@グッドタイミング

 福井へ戻ってレンタカーを返却し、JRで粟津まで移動して粟津温泉にあるビジネスホテルに宿泊(金沢マラソンと富山マラソンが同日にあり、金沢や富山のホテルが取れなかったため)。

■2017.10.29
 粟津からJRで金沢へ移動し、新幹線開通によって第三セクターとなった2つの鉄道を経由して富山へと移動し、いったん下車してコインロッカーに仕事の荷物を預けてから、魚津に移動した。ここからは、富山地方鉄道(地鉄)での移動となる。
 新魚津の駅にやってきた車両は、残念ながら東急のお下がりであった。比較的新しいのは構わないのだが、ロングシートなのである。

@地鉄の車両に乗りたかった

 当該列車は電鉄黒部から特急となり(そのため110円取られてしまう)、12時少し前に宇奈月温泉に到着した。歩いて隣りにある宇奈月(トロッコ列車の駅)に行き、ネット予約済みの切符を発券してもらった。
 この路線は観光路線であるため、関連する旅行記は山ほどあるだろうから、私のところでは簡略に紹介するだけにしたい。

@久々の乗車(係留中の機関車)

 今日は残念な雨(2週連続の台風接近)であったが、それはそれで水墨画のような雰囲気でもあった。雨の日も、悪くはない。

@紅葉も奇麗

 予想外であったのは、雨のため思ったより寒かった点である。終着の欅平に着くころには、体は完全に冷え切ってしまった。散策は二の次として、まずは食堂に駆け込んで「暖かい汁もの」という理由で「白エビのかき揚げ蕎麦」を頂くことにした。

@少し復活

 その後はビジターセンターで暖まり(見学より暖が優先)、それからさらに体を温めるために片道15分ほど早歩きで雨中の散策をした。
 14時37分の列車で戻り、再度凍えてしまった体を宇奈月駅前にある黒部川電気記念館で温め直し、地鉄の宇奈月温泉駅に向かった。帰りの列車は、地鉄らしいボロ車両である。

@これに乗りたかった

 黒部峡谷鉄道に関する前回との大きな違いは、台湾の阿里山森林鐵路とのコラボ企画で、各電気機関車に共通のヘッドマークがあったことである。私は目敏くすぐに気づいたが、さて一般の観光客にはどのくらい理解されていたのか、知りたいところではある(おそらく、このヘッドマークなどよりも、駅員のハロウィンコスチュームの方が気になっていたに違いない)。

@ぜひ気づいてください

 

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