【猫鐡C】湯島編

■はじめに

 今回の猫鐡は、初の九州上陸である。「ふっこう割」を使うと場合によっては半額くらいで行くことができるため、九州行を決定した次第である。ふっこう割関連ツアーの良いところは、駅前ビジネスホテルも2食付旅館も設定金額があまり変わらない点である。よって、宇土半島にある旅館(夕食には飲み放題が付いている)を選択してある。
(ツアー料金31,800円−ふっこう割15,000円=16,800円)
 利用空港は熊本空港であり、往路は朝一番の便である。以前の品川暮らしなら始発で間に合ったが、今は(県境ギリギリとはいえ)千葉県民である。よって、金曜の夜は大森駅付近のカプセルホテルに泊まることとした。2便目にすればこのようなことをする必要はないが、そうすると湯島まで行くことができない。それに、カプセルホテル代を足してもまだ2万円以下である。
 鐡ネタについては、熊本電鉄で再利用されることになった地下鉄銀座線の車両に乗ってくることにした。


@湯島にて

■2016.11.19
 羽田から飛び立ち、熊本空港へ。これまでは空港連絡バスで熊本市内に向かっていたが、今は肥後大津駅行のシャトルバスが無料で運行されているため、そちらを利用することにしている。
 小型の車両に6人の客を乗せて、約15分弱で肥後大津駅に到着した。

@こういう車両

 8時57分発予定の列車は、大雨の影響で約15分ほど遅れて出発した。しばらくすると、バケツをひっくり返したかのような大雨になってきた。猫鐡の基本は散策であるため、このままでは厳しいことになってしまう。
 熊本での乗り継ぎは元から25分以上の乗り継ぎ時間があったため、問題はなかった(しかし、ちょうど入線していたSLの写真は、タッチの差で撮ることができなかった)。

@残り香だけ

 しばしホームで待ち、10時になってやっと入線してきた10時00分発の三角行に乗り込んだ。カラーリングこそ塗り替えられているが、国鉄時代から活躍している年代物である。

@これに乗ることができるのはいつまでか

 少し遅れて熊本を出発し、三角線に入ってからは海を眺めつつ車内を過ごした。まだ昼前であるが、熊本駅構内で買った弁当で早めの昼食である。

@駅弁よりこういう弁当の方が安くてボリュームがある

 久々にやってきた三角駅に到着してからは、駅付近にある展望台付近などを散策して、バス乗り場へと向かった。
 さて、今日明日と何回かバスと電車に乗る予定である。それぞれ小銭で払ってもいいのであるが、せっかくなので「くまモン」のICカードを買うことにした。割引等はなく、逆にデポジットが発生してしまうが、支払いが簡単だし記念にもなる。

@2,000円(うち500円がデポジット)

 「さんぱーる」行の路線バス(といってもとても小さな車体)に乗り込み、約25分で終点に到着した。湯島へ行くためには途中の大矢野庁舎前で下車して別系統に乗り継ぐことを推奨しているサイトが多いが、さんぱーるからでも800メートル程度しかないため、充分に歩ける距離である。
 物産館などを物色してから、海際に歩いて行った。先ほどまでの雨雲はどこへ行ったのか、もうほとんど「晴れ」である。
 船の待合場所へ行ってみると、「200メートルほど移動しました」とあるではないか。仮設の施設のようであるが、ますますさんぱーるに近い場所である。

@これに乗る

 意外に多くの乗客を乗せ、船は13時15分に出港した。湯島までは約30分の船旅である。
 島に着くと、さっそく3匹のお出迎えである(しかも人懐こい)。港には猫の碑があり、猫スポットを紹介した案内図もある(島内には、猫スポットを示した目印もあるとのこと)。これまで訪問してきた猫島では、露骨に猫を問題視しているところもあり、それが影響してかかなり個体数も減っていたところもあったが、ここは好意的に受け止めているようである(なお、猫は勝手に動くので、必ずしも目印付近に多いとは限りません)。

@猫案内図(右下は島内各所にある目印の看板)

 まずは左手に歩き、軒下にいる一匹猫などを数匹見てから、また港へ戻ってきた。人懐こいが、言い換えれば「なんかよこせ」という感じですり寄ってくる。

@軒下の例

 続いて右側へ歩いていくと、こちらでもちらほらと猫と遭遇し続けた。

@家族ですか?

 それにしても暑い。薄手のコートはもちろん、上着も脱いでいるが、最後の長袖が恨めしいくらいである。Tシャツとサングラスを置いてきたことを後悔するくらいの暑さである。
 集落が途切れたところで小高い部分に上がってみると、中学校跡であった。跡地には、大きな十字架が置かれている。

@夏ですか?

 汗だくになりながら、高台を歩き続けた。高見島に行った際には高台にある人家はほとんど廃屋であったが、この島はまだまだかなりの人が住んでいる。それに伴って、猫もたくさん高台で見かけることができた。

@港以外にも多し

 約1時間ほどかけて島内を散策し、やっと港に戻ってきた。もうこれ以上は歩く気力もなく、待合室で島に来てから2本目の飲料を飲み干し、この旅行記を書いたりして時間を潰した。
 その間も猫がすり寄ってくるが、どうやら私の荷物を気にしているようである。エサなど持っていないはずなのだが、…とここでふと思い出したのは、さんぱーるで「魚コロッケ」なるものを買っていたのである。猫がバッグの中を弄ろうとしたので、あわててチャックを絞めた。

@狙われています

 待合室の外に出てみると、観光客がエサやちくわを猫にあげており、人だかりならぬ猫だかりができていたので、それを見て船がやってくるまでの時間を潰した。

@迫ってくる

 16時00分発の船で戻り、予約しておいたタクシーで三角へと向かった。私は原則として国内旅行でタクシーは使用しないが、三角からの路線バスに間に合う方法がなかったため、今回は仕方がない(熊本行の超特急バスに乗って途中からタクシーに乗り継ぐ方法もあったが、遅延等でうまくいかないことも予想されるため、最初からタクシーに乗ることにした。結果的に2,900円かかったが、今回はふっこう割のおかげで元が安いので、痛手ではない)。
 タクシーのおかげで40分ほど暇ができたので、再度駅付近を散策。

@夕日

 17時30分のバスに乗り、約50分で旅館前バス停にて下車した。
 今日は懐石料理で、しかも飲み放題付きである。あれこれ頂きながら、ビール2本、日本酒2号、芋焼酎2杯で、かなり酔っぱらった。
(そもそもの設定(飛行機代込みで31,800円)が本当かどうか怪しいくらい充実していたが、翌朝にもらった明細には本来の値段として11,500円と書いてあった)

@いろいろ

■2016.11.20
 適当に決めた宿であったが(2食付きと飲み放題が決め手)、昨晩の路線バス内から周囲に旧い町並みが残っていることに気づいたので、出発前に周囲を散策してみた。
 朝の割に人が多いと思ったら、どうやら月に1回の朝市の日とのこと(奇遇である)。みそ工場などでは「詰め放題」などもやっており、「いったいどこからこんなに多くの人が」というくらいの混雑ぶりであった。

@車輛通行止め

 8時40分のバスで松橋へ移動し、JRで上熊本へ移動する。熊本で乗り換えとなるが、偶然にも昨日とほぼ同じ時間帯(ちょっとだけ早い)である。よって、SL人吉号の出発するホームへ行き、撮影+お見送りをした。

@SLは生き物

 各駅停車で北上し、すぐに上熊本に到着した。通称「青ガエル」が引退するということで、今年の2月に来たばかりである(拙文“惜別「青ガエル」(+JR完乗)”参照)。物好きとは思うが、今回はメインではなく「おまけ」である。
 しばらくすると、銀座線(と表現したくなる)が入線してきた。違いは、大きな「くまモン」が熊本らしさを表現している点である。

@未だ違和感も

 外装だけでなく、車内もくまモンづくしであった。
 11時20分に出発。つい数か月前に乗ったばかりなので新鮮さはないが、車内は快適である。
 それにしても、乗客はたったの4人である。いかにも「乗ることが目的」な一人旅が2人(私を含む)と、中高年夫婦(車体を撮影していたので、目的はほぼ似たようなもの)だけ、つまり地元民はゼロである。日曜の午前という事情もあるが、収支が気になるところではある。

@北熊本駅には、青ガエルが係留されていた

 さて、これで目的は終了である。あとは市内散策をして熊本城の現状を確認し、肥後大津へ移動して無料シャトルで空港へ行き、羽田へ飛び立つだけである。

 

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