ぶらり韓国Part3

■はじめに
 久々の、と言っても仕事も含めれば9か月ぶりの韓国である。さすがに鐡ネタも吸い尽くした感があるが、探せばまだまだ残されている。今回の目的は、主に以下の2点である。
・2014年5月から本格的に運用している「ITXセマウル」に乗車
・2014年8月から運行しているDMZトレイン(白馬高地行)に乗車

 5月後半になってから韓国内でMERS(中東呼吸器症候群)が流行し始めニュースを賑わせており、本来なら渡航の延期も考えるべきであるが、すべての旅程を固めてしまった後(しかも特典航空券を利用)であったため、とりあえず(?)行ってみることにした。

@白馬高地にて

■2015.6.6
 成田から釜山に飛び、鉄道と地下鉄を乗り継いで釜山駅に到着したのが14時15分頃であった。ITXセマウルの出発まで50分くらいあるが、何度も訪れている地なので特にすることもない。
 窓口で予約済みの切符をすべて発券してもらい、しばらく駅周辺を散策してからホームへと向かった。ほどなくすると、6両編成のITXセマウルが入線してきた。

@まだまだ新しい

 これまでのセマウルは1等(特室)と2等の区分があったが、ITXになってからは1等がなくなりすべて同じである。また旧セマウルやムグンファでは定番の「カフェカー」も連結されておらず、座席のみのシンプルな編成となっている。
 しかし、KTX山川がKTX(フランス製)の悪いところばかりを真似してしまっていたのとは違い、ITXセマウルは車内のデザインも洗練されており、居心地はかなり良いと言えるだろう。意外と言っては失礼だが、完成度は高いと思われる。

@座席

 定刻の15時05分に、列車はゆっくりと動き出した。走行していく感覚もスムーズであり、室内の騒音も少ない。
 出発時は閑散としていた車内であったが、亀浦で乗客が増え、その次の停車駅である勿禁ではさらに増えて7割くらいの乗車率となった。長距離の乗客はKTXに乗る(この列車で釜山からソウルまで乗る人はまずいない)が、都市間輸送としての需要は意外にあるようである。

@沿線の様子(地元のローカル鉄道)

 東大邱や大邱でも多くの乗客が入れ替わり、ほぼ100%の乗車率となった。
 幹線ということもあり、沿線風景は概して地味である。これといった撮影ポイントもないが、車内にあったKTX Magazineの表紙がITXセマウルであったので、それを撮っておいた。

@偶然

 このままソウルまで行っても夜遅くなってしまうのと、明日の朝も手持無沙汰になってしまうため、今日は大田で降りることにしている。
 晴天の中を走り続け、18時過ぎに大田に到着した。市場や繁華街を徒歩散策して、駅から15分程度のところにある安ホテルに投宿。

@アーケードの巨大な電光掲示

■2015.6.7
 7時頃にホテルを出て、大田駅へと向かった。駅舎内には有名なパン屋さんがあり、朝6時半から営業中である。一番有名なのは「そぼろパン」(揚げドーナツ風)であるが、朝から甘いものもアレなので、次に人気らしい「ニラパン」を買ってみた。

@「おやき」風の具材で美味

 7時21分発のKTX山川に乗り込み、一路ソウルを目指す。途中の五松付近では、つい先月に運用を開始したばかりである湖南高速本線の高架が見えた。これの開通によって木浦方面は格段に便利になったようであるし、そのうち乗りに来なければならないだろう(こうして、未経験の鐡ネタは増えていくのであった)。

@次回以降に

 8時24分にソウルに到着し、駅構内で両替をし、手持無沙汰で駅周辺を適当に歩いて時間をつぶした。それでも時間は余ってしまったので、仕方なく9時前にホームへ行ってみると、9時27分発予定のDMZトレインはすでに入線していた。
 3両編成の改造車であり、昨年度に乗車した都羅山行のDMZトレインと全く同じ造りである。

@1年ぶりに

 徐々に乗客が増え、約7割程度の乗車率で定刻に出発した。清凉里まではぐるっと遠回りしていくのと、通勤路線でもあるため、かなりの徐行運転である。
 車内では、到着後のツアーについての説明があった(ハングルのみ)。私の韓国語能力では理解できるのは5%以下であるが、予習をしてあるので問題はない。しばらくして係員(女性が3人いる)が、切符とツアーについて確認に来たので、「アンボグァングァン」(安保観光)と答えておいた。

@こっちに参加する

 次第に景色は長閑になり、11時35分に新炭里に到着した。ここまでは乗車済みであったが、ここから先の1駅(終着の白馬高地まで)が初乗車となる区間である。
 新線区間は意外に長く、真新しいトンネルをいくつも抜けて行った。11時44分、まだ新しい白馬高地に到着した。

@いざ観光へ

 人の流れに身を任せて駅近くの小屋まで行き、安保観光のバスのチケットを買った(1人18,000ウォン)。バス2台分ほぼ満席であったが、幸い私の隣りには誰も来なかった。
 12時過ぎに出発し、3分程度ですぐに停車。まずは、ツアーに無料で付いてくる昼食である。バイキング形式であるが、目の卑しい私はいつものようについ取り過ぎてしまい、お腹はかなり苦しくなった。

@無料の割に充実した内容

 無料のインスタントコーヒーも頂いてから、やっと観光の開始である。白馬高地、労働党舎をガイド付きで観光したが、鐡ネタではないので割愛。
 上記が終わってから移動していると、ガイドが車内で「モノレール」を連呼している。なんのことかと思っていると、次に到着したのはモノレール乗り場であった。ネットでの予習(各旅行記サイト)ではこのようなものはなかったはずであり、どうやら最近になってツアーの内容が変わったようである(そういえば、各観光地を訪問する順番も違っている)。

@これに乗る

 切符売り場は100%ハングルであったが、私の拙い韓国語でなんとか1枚の切符をゲット(2,000ウォン)。モノレールで高台まで上がるとそこは大きな建物(資料館+展望台)であり、そこから北朝鮮を眺めたりした(写真撮影は禁止)。
 しばらく見学してから下界に降り、土産物屋を物色してから再度バスで移動。次の見学地は鶴の博物館と廃駅(月井里駅)である。このツアーに参加したかったのは、このような鐡ネタが多いからでもあった。

@緊張して撮影(周囲には銃を構えが軍人が数人いる)

 その後はバスで白馬高地駅に戻り、ツアーは終了である。時間にして約4時間弱、無料の昼食も付いてたったの2,000円程度であるから、かなりお得であると言えよう。
 鐡ネタに関しては、モノレールが追加された代わりに、金剛山鉄橋が削除されてしまったようである(個人的にこの鉄橋は楽しみにしていたので、少し残念ではある)。

@この先が繋がるのはいつのことか

 復路のソウル行は、16時06分に出発した。疲れもあって少しウトウトしていたが、漣川で停車したので車内にあったテレビ(案内)を見てみると、どうやらここで10分程度の休憩があるようである。
 下車してみると、野菜やモチなどの即売会が行われており、そこに乗客たちが群がっていた。近くには、旧い建造物もあり、それの写真を撮っている人もいる。

@しばし休憩

 同駅を16時50分に出発し、1時間半ほど揺られてソウルへと戻った。地下鉄に乗り継ぎ、常宿としている1泊15,000ウォンの激安宿に投宿。

■2015.6.8
 今日は有給を取っているが、午後に野暮用があるため、朝一番の飛行機で帰らなければならない。
 何度か利用したことのある金浦空港であるが、降りてばっかりで、ここから飛び立つのは初めてである。出国審査前にある不便なラウンジで朝ラーメンを頂き、今回の韓国旅行を締め括った。

@定番

 

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