JR九州の様子を確かめに行く旅
■はじめに
今年の1月に、JR北海道の各路線(災害で不通となってこの先廃線が確実な路線や、今は大丈夫だが近い将来廃線になりそうな路線)に乗車してきた。
JR九州にも、豪雨や地震で長期不通となっている路線がたくさんある。今回はそれらの一部に訪問して、代行バスなどに乗ってくる予定である。ただJR北海道との違いは、あちらが「すべての路線でお先真っ暗」であるのに対して、JR九州の各路線は、日田彦山線以外は確実に将来的に再開する目途がある、ということであろう。
・日田彦山線代行バス
・久大本線代行バス
・豊肥本線(肥後大津駅)
(日豊本線は、昨年12月にめでたく復旧したので対象外)
@光岡駅にて(久大本線代行バス)
■2018.3.10
往路は大分空港利用である。通常であれば京急で羽田へ行き、連絡バスで大分駅に向かうが、現地で使用する青春18きっぷを最大限に活用するため、羽田までは大森駅からの路線バス、大分空港からは、まず路線バスで杵築バスターミナルへ向かい、そこでプチ観光をしてから、再度路線バスで杵築駅へと向かった。
@やっと鉄道に乗る
大分で、久大本線に乗り換える(2両編成のディーゼルカー)。今回の旅でこの路線の代行バスに乗る予定であるが、日程の関係からそれは明日である。今日はひたすら、プチ観光をするだけである。
途中の由布院駅で、「ゆふいんの森」号が入線しているのを見かけた。災害後は運休していたが、昨年7月中旬より小倉経由の迂回路で運行を再開した特急である。
@遠回りですが、観光地ですから
そのまま乗り続け、14時38分に豊後森に到着した。乗り継ぎまで1時間以上あるため、ここでもプチ観光である。
久大本線は何回か乗車したことがあるが、豊後森駅付近を散策するのは約10年ぶりである。当時との違いは、扇型車庫付近がきれいに整備されて観光地化されたことであろう。前回訪問時は、車庫付近は荒れ放題であった。駅も新しくなり、見違えるようである(街の雰囲気は同じであるが、SLを全面に出した観光キャンペーンのような広告があちらこちらで増えていた)。
@天気もよし
100円支払って併設されている小さな博物館を見てから、駅へと戻った。
15時44分発の列車に乗り込み、16時17分に日田到着。少し早いが、明日の旅程の関係から今日はここまでである。
ホテルに荷物を置いて、プチ観光として豆田町へと向かった。その途中、駅の裏手にSLがあるのを発見した(建物の陰にあり、これまでその存在に気づいたことがなかった)。
@SL連投
古い町並みを歩き、スーパーで安食材を購入して、ホテルでそれらを頂いてから就寝。
■2018.3.11
6時過ぎにチェックアウトをして、駅の窓口で青春18きっぷにハンコを押してもらってから、駅前に停車している代行バスに乗り込んだ。手前の大型バスは光岡に行く久大本線代行であり、私が乗る日田彦山線代行は、後ろにいる小さいバスである。
@待機中
出発の10分前に乗り込んだが、私1人だけである。結局、私1人だけで出発した(なお話し好きの運転手によれば、通学や通院で普段は3人くらい乗っているそうである)。
走り出したのはいいが、霧が濃くて外もあまりよく見えない。そもそも路盤とは並走していないので、落下した鉄橋の様子などは見ることができないが。
@光岡駅手前付近
光岡で1人増え、乗客は2人となった。ここまでは、久大本線代行バスと同じルートである(よって、久大本線代行バスに乗る必要はない)。たった1駅間であるが、川の橋脚が落ちてしまったということで、復旧には少しく時間がかかるようである。
同駅前を出発し、10分ほどで夜明駅に到着した。ここから先が、やっと日田彦山線区間となる。
@久大本線の下をくぐる
川の付近は今も荒れている部分が多く、畑に丸太が転がっているような場所もある。車内から撮影することはできなかったが、日田彦山線の路盤も、所々でゴミが散らばっていたりしており、特に大鶴駅から宝珠山駅付近は影響が大きいようであった。
東峰村役場前バス停から先はルートの関係で日田彦山線からは離れた道を走行する。峠を越えて路盤と合流し、彦山駅に到着した。
@風格のある駅
豊前桝田で1人乗客が増え、定刻より5分早着の7時55分に添田に到着した(各駅はほぼ時刻通り、もしくは1分程度の早着であったので、終着の到着時刻は遅延を見込んで定刻を遅れ目にしていると思われる。それが証拠に、往路の最終区間(道の駅から添田まで)が10分であるのに対して、復路では4分になっている)。
@到着
さて、添田であるが、観光するような要素は正直ない。戻りのバスが出るまで45分もあるので、とりあえず8時09分発の列車で西添田まで行き、そこから歩いて戻ってくることにしている(両駅間は非常に近い)。鉄道にも乗ることができ、散策もでき、暇つぶしにもなる。
ということで、件の列車に乗り込んだ。
@立派な2両編成(ガラガラ)
長閑な街中をプラプラ歩いて添田駅まで戻り、日田行の代行バス(往路と同じ車両)に乗り込んだ。往路との違いは、あれよあれよという間に乗客が増え、なんと11人にもなったことである。さすがに立つ人はいないが、なかなかの盛況である。
@小さい代行バス
バスは8時45分に出発し、元来た道を戻って行った。たくさんいた乗客であったが、彦山駅で半分ほどが降りてしまった。その格好からして、山歩き(散策)のようである。
峠を越えると、またちらほらと乗客は増え始め、私の隣の席にもおばあさんが座った。このまま日田まで行くと戻るのに時間を要してしまうため、9時53分に到着した光岡駅で下車した。
さて、ここから先は普通に久大本線に乗るだけである。
@久留米行
10時20分に到着した日田からの代行バスからそれなりの乗客(15人くらい?)を引き継いで、列車は10時45分に出発した(斯様に待たされるのは、「久留米からの列車が10時13分に到着」「10時20分に到着した日田からのバスがその乗客を乗せて日田に戻る」という連絡によるもので、逆の流れの乗客の接続は考慮されていないためである)。
ぼんやりと車窓を眺め、11時46分に久留米に到着した。熊本行の各駅停車が出発するまで45分程度の中途半端な時間があるが、予備知識なしで行ってみた駅近くのお寺の梅が満開であり、拾い物をした気分になった(後で調べた寺の名は、読んで字のごとく「梅林寺」であった)。
@梅満開
梅を愛でた後は、熊本へ下っていくだけである。しかし、九州北部のこの辺り(折尾や鳥栖などの近く)にきて、「かしわめし」を食べないという手はないであろう。ということで、駅の売店で買ってしまった。
@車内でいただく
各駅停車で熊本に向かい、続いて乗るべきは豊肥本線である。30分弱の待ち合わせ時間があったので、ぶらっと外に出てみた。路線の運休や再開とは関係ないが、見慣れた熊本駅舎も余命わずかのようである。
@記念撮影
14時31分の列車で、肥後大津へと向かった。15時03分に到着。
肥後大津から先も代行バスがあるが、朝晩を中心に通学などを支援するものとなっている。時間も合わないし、地元民の迷惑になっても仕様がないので、今回は乗ることはしない。
それにしても、駅から歩いてすぐの踏切付近ですら、まるで廃線跡のような荒れ具合である。この先再開する予定であるからいいが、なんだか物悲しい感じであった。
@廃線しません
その後は駅前のスーパーでお土産(と言っても、地元JAのブロッコリーやしいたけ、くまモンマーク付きのわかめや「南関あげ」など、安物ばかりであるが)を買い、未だにそのサービスを継続している空港への無料バス「阿蘇くまもと空港ライナー」で空港へ行くだけである。
@重宝しています