東京→大阪、JRの鉄道を利用しない旅

■はじめに
 東京から大阪への移動手段は、ほとんどの人の場合は新幹線であろう(マイル積算の都合や趣向の関係で、飛行機に乗る人もいるが)。その所用時間は平成4年の「のぞみ」誕生に伴い2時間半となり、今や日帰りも当然のものとなっている。
 今回、東京から大阪まで「JRの鉄道」を利用せずに行ってみようと思う。ただしこれは独自の思いつきではなく、昭和57年に宮脇俊三氏が実施し、「東京−大阪・国鉄のない旅」として発表した作品にヒントを得たものである。
 その作品では東京から大阪まで1日で移動しているが、当時とは交通事情は大きく変わり、特に地方のバス路線などの衰退が激しく、今となっては同じような行程は辿ることができない。そこで今回は、体育の日を含めた3連休を利用してゆっくりと移動してみることにした。
 本来はJRバスも除外するつもりであったが、そうなるとさらに首を絞めることになってしまうため、1か所だけ利用することにした。また、JR以外の交通手段がまったくない場所も1か所あるのだが(新所原から二川まで)、そこは歩くことにした。
 出来上がった旅程は、以下の通りである(移動中、下記に若干の変更を加えた。最終旅程と金額は旅行記の最後にて)。

・1日目
 東京→新宿(メトロ)
 新宿→小田原(小田急)
 小田原駅→箱根町(箱根登山バス)
 箱根町→三島駅(東海バス)
 三島駅→沼津駅(東海バス)
 沼津駅→沼津港(伊豆箱根バス)
 沼津港→土肥港(戸田輸送船)
 土肥港→清水港(駿河湾フェリー)
 清水港→新清水駅(無料連絡バス)

・2日目
 新清水→新静岡(静岡鉄道)
 静岡駅→東名掛川(JR東海バス)
 掛川→新所原(天竜浜名湖鉄道)
 新所原駅→二川駅(徒歩)
 二川駅→豊橋駅(豊鉄バス)
 豊橋→中部国際空港(名鉄)
 中部国際空港→津なぎさまち(津エアポートライン)
 津新町→久居(近鉄)

・3日目
 久居→伊賀神戸(近鉄)
 伊賀神戸→伊賀上野(伊賀鉄道)
 伊賀上野駅→名張駅(三重交通)
 名張→大阪難波(近鉄)
 なんば→梅田(大阪市営)

 路線バスがあるのにあえて船に乗ったり(沼津−土肥間)、名鉄から近鉄に名古屋で乗り継がずにあえてセントレア経由にしたり、また3日目は時間が余っているため観光目的で伊賀方面に寄り道しているが、それ以外はひたすら大阪を目指す旅程となっている。

@上野市駅にて

■2012.10.6
 今回の旅の出発点は、数日前に改装を終えて公開されたばかりの東京駅である。よく利用する駅であるし、つい数日前にも訪れたばかりであるが、今日はこれから大阪へ向かう(しかも通常の手段とは異なる)ことを思えば、感慨一入である。
 多くの人が、新駅舎を写真撮影している。私は、階段を下って地下鉄丸の内線乗り場へと向かった。まずは、出だしとしては地味だが、地下鉄で新宿へ向かうことになる。

@3階建てが復活

 約20分で、新宿駅に到着した。小田急乗り場へ向かい、7時21分発の小田原行急行の先頭車両に陣取った。
 列車は定刻に出発。予備校時代に見慣れた代々木にある「開かずの踏切」も、まだ現役である(しかし、私がこの辺りをよく彷徨していた20年前には踏切番がいたが、その小屋は撤去されてしまっていた)。
 各所において複々線工事が行われているため、高架に登ったり降りたりして面白い。そのうちに立派な複々線区間になり、それが終わると複線になり辺りの景色も緑が多くなり、小田原には8時56分に到着した。
 続いて乗車するのは、箱根町行の路線バスである。箱根登山鉄道に乗るという選択肢もあるのだが、ここはあえて乗り換えの少ない方法を選んだ。

@続いて乗るのは路線バス(SUICAなども使える)

 定刻の9時15分に出発したが、それにしても、峠道に入ってからは山道を減速せずにどんどん快走していくので、横Gに抵抗するために手すりにしがみ付かなければならないほどであった。それでいて、箱根町には定刻より6分遅れの10時09分であった。このバス会社の場合、元の時刻表自体が厳しく設定されているのかもしれない。
 しばらく湖畔を散策し、次に乗り継ぐバスを待つ。大阪に向かうのに、芦ノ湖畔をうろつくというのも酔狂なものである。
 三島駅行のバスが箱根港方面からやってきたので、それに乗り込んだ。

@旧めのバス(もぎり式の回数券なら使える)

 今度のバスは、「いかにも路線バス」というのんびりしたスピードで走っていく(それが当たり前なのであるが)。おかげで眠たくなってしまうが、峠を下っていくので所々では下界の町を見渡せる箇所があり、車窓はなかなか良いものであった。
 のんびりゆったりと走り続けるバスであるが、運転台にある時刻表を覗きこむと時刻通りである。こちらのバス会社は、時刻設定にゆとりがあるようだ。

@少し停車してほしいような景色

 三島駅に到着後、30分ほど時間があったので、三島コロッケを買ってそれを齧りながら市内を適当に歩いて時間を潰した。
 次のバスは沼津駅行である。12時00分に出発したが、病院などあちらこちらを経由していくので、どこを走っているのか掴めなくなってきた。
 本来はこのバスで沼津駅まで行き、そこから沼津港行のバスに乗り換える予定であったが、沼津駅が近づき、標識に「←沼津港」というのが見えたので、思い切ってそこで降りてみることにした。一人旅ならではの決断である。
 降りたのは「三枚橋」というバス停である(後になって地図で確認したが、判断は間違っていなかったようだ)。
 炎天下のもと、港方面へ向かってひたすら歩く。それにしても、10月とは思えないような酷暑である(30度近く、さらにアスファルトの照り返しがあるため)。サングラスと日焼け止めを置いてきたことを後悔するくらいであったが、しかし、港近くでは廃線になった蛇松線跡を偶然見付けしたりして、歩けばこその発見もあった。

@廃線跡

 歩くこと約30分、沼津港に到着した。高速船の切符売り場などは旧い建物であるが、市場周辺はお土産センターや飲食物店などが山のようにあり、けっこう賑わっている。お腹が空いているば新鮮な魚でも食べたいところであるが、先ほどのコロッケと、朝の新宿駅でなぜか食べてしまったカレーがまだ腹に残っている。
 ぶらぶらと見て回っていると、とある店でカサゴのから揚げを売っていたので、それを夜用の食材として確保しておくことにした。
 さて、次に乗るべき交通手段は高速船である。静岡県東部は路線バスだけで繋ぐことができないが、ここから船を乗り継ぐことによって、清水まで進むことができるのである。

@ホワイトマリン号

 一時は廃止も取り沙汰された航路であるが、3連休の初日ということもあり、30人くらいの乗客で賑わっていた(それでも、満席には程遠いが)。
 14時00分、小さな船体はエンジンを唸らせながら出航した。天気も良く、右手には大海原、左手には伊豆半島が見え続ける。ウミネコも、乗客や乗員が投げるパンくずなどを目当てに追いかけ続けてくる。

@出航直後

 14時31分、戸田港に到着した。いわゆる「途中寄港」程度に思っていたのだが、ここで乗客の4分の3くらいは下船してしまった。
 数人だけの乗客となり、船は再度南下して、14時49分に土肥港に到着した。
 ここで乗り継ぐフェリーまで2時間半ほどあるため、まずは適当に町内を散策した。大きな花時計の近くに観光案内所があり、ここで次に乗るフェリーのチラシがあったので手にしてみると、なんと100円の割引券付ではないか。散策した価値アリである。

@砂浜

 その後は寺院などを訪問し、16時半過ぎにフェリー乗り場へと向かった。
 ターミナル横で海を覗いてみると、まるで熱帯魚のような鮮明な青色の魚群がたくさんいる。それ以外にも、小魚などがたくさん泳いでいる。それだけではなく、数十センチの大物まで(鯛のようなものから、巨大なウツボまで)おり、船会社の職員たちがそれをモリで突こうと試みていた(残念ながら失敗していたが)。
 とにかく、豊かな海である。
 17時過ぎ、清水からやってきたフェリーが接岸した。ほどなくし、それに乗り込む。

@先ほどの船とは規模が違う

 17時20分に出航したが、残念ながら夕日は沈んでしまった後であった。あと1か月早ければ、沈む夕日を眺めながらの航行を体験できるであろう。
 すっかり日も暮れた18時26分、清水港に到着した。目の前にあった無料送迎バスにて、新清水駅まで送ってもらう。
 安ホテルに荷物を置き、ここ清水のB級グルメである「もつカレー」を頂こうと思って近場の店に行ったが、混雑のためか持ち帰りできないと言われてしまった。仕方がないので、スーパーの平凡な食材での夕食となる。ただし、沼津港で買っておいたカサゴがあるので、「地のものゼロ」は回避することができた。

■2012.10.7
 朝5時に目をさまし、色々と身支度を済ませ、ホテルの目の前にある新清水駅へと向かう。今日の一番手は、清水鉄道の始発列車である。

@久しぶりに乗ります(十数年ぶり、2回目)

 列車は定刻の6時00分に出発した。始発なので回送同様と思っていたが、意外に数人の乗客がいる。それどころか、草薙駅から大量の中学生が乗り込んできてしまった。
 生徒たちは、県総合運動場という駅で下車してしまった。場所柄からして何かの大会があるのだろうが、それにしても早い集合時間である。
 新静岡に到着後は、少し時間があったので駿府公園をぶらつき、その足で静岡駅へと向かう。次に乗るのはバスであるが、残念(?)ながらJRバスである。

@JRハイウェイバス

 宮脇俊三氏も件の作品で国鉄バスを除外していたため、私も最初はJRバスを使わないつもりでいた。しかし、静岡から掛川までの区間は、空港バスなどを利用すれば移動は不可能ではないが、えらく接続が悪くて半日程度を無駄にしてしまうのである。背に腹は替えられないため、この旅行記のタイトルを少し回りくどくした次第である。
 バスは定刻の7時00分に出発、さすがにハイウェイバスだけあって、高速道路に上がってからは快走し続けた。
 定刻より若干遅れた7時55分、東名掛川バス停に到着した。インターにあるバス停であるが、幸いに掛川駅からは歩いて15分程度である。
 次の手段は、天竜浜名湖鉄道である。以前は国鉄だった路線であるが、赤字のため廃線対象となり、その後第三セクターが運営するようになった鉄道である。おかげで、今回の旅行では「非JR」の一部として、これを利用することが可能なのである。

@これに乗るのも数年ぶり

 新所原までの切符を買い、意外に真新しい1両のディーゼルカーに乗り込む。この列車は途中の宮口という駅までしか行かないが、掛川で時間を潰しても仕様がないので、これで行けるところまで行っておくことにした。
 最初から10人程度しかいなかった乗客は駅ごとに減り、最後の数駅は私一人だけであった。この路線は駅舎などが国登録有形文化財に指定されているものが多く、終点の宮口もそのうちの1つであった。

@何もないところですが

 新所原行が来るまで40分ほど時間があったので、散策して近場にあった神社などを尋ねる。それにしても、今日も季節外れの酷暑である。
 ほどなくしてやってきた10時03分発の列車で、新所原へと向かう。時折浜名湖を見遣りながら、定刻の11時04分に到着した。
 さて、ここから隣駅の二川までは、何をどうしてもJR以外の手段がないため、徒歩での移動となる。そのための腹ごしらえではないが、前もって目をつけておいた駅舎併設のうなぎ屋でうな丼を頂いた。天竜浜名湖鉄道は駅舎併設の喫茶店や食堂が多いことで有名であるが、この店もそのうちの一つである。

@一番高いやつ

 うな丼を平らげ、二川方面へ向かおうとすると、どこからともなく大きな太鼓の音が聞こえて山車がやってきた。それを見守る観衆はほぼゼロであるが、こういう地の祭りに偶然出会うのは意外にうれしいものである。
 国道を西へ歩き始めると、ほどなくして「愛知県」という標識、つまり県境が現れた。某テレビ局で「路線バスだけで長距離移動をする」という番組があるが、いつもネックになるのが都道府県の境界である。届け出の関係で煩雑にでもなるのであろうか、たいていの路線バスは一つの県内で収まるようになっているようで、よってこの「新所原−二川」区間も路線バスは皆無なのである。
 おかげで4キロ近くも歩かなければならないが、前半はともかく、後半は旧二川宿の街道を歩くことになるので、退屈はしない路である。

@観光気分で

 全体を通して早歩き気味に歩き続け、二川駅に到着したのは12時17分、豊橋駅へ行くバスの出発3分前であった。このバスは1時間に1本しかないため、良い具合である。
 バスに揺られること約30分、豊橋駅に到着した。
 「非JR」を謳うのであれば、ここから名鉄と近鉄の各特急を乗り継げば、夜遅くならないうちに大阪に着くことができる。しかし、今週末は3連休であるため、あえて特異な経路を取ることにしている。

@名鉄といえば、これ

 まずは名鉄の特急で神宮前まで乗り、そこで中部国際空港行に乗り換える。空港から津へ行く高速船に乗ることで、伊勢湾をショートカットするという手段である。
 久々の中部国際空港(セントレア)、小一時間ほど余裕があったので、しばらくはデッキで離着陸を見たりして時間を潰した。
 15時半を過ぎてから、高速船乗り場へと向かった。出発の10分くらい前に乗り込んだが、最新の船のようで、椅子も真新しく全体的に「新品」の香りが漂っていた。

@乗船率は3割程度でした

 定刻の16時00分に出航、航海中も、揺れなくスムーズであった。「津なぎさまち」には、やはり定刻の16時45分に到着した。
 昨日から「津まつり」が開催されており、大賑わいの大通りを歩いて近鉄の駅へと向かった。途中、津のB級グルメである「津ぎょうざ」を手に入れるため、某ラーメン店に向かったのだが、「津まつり会場で出店しています」との貼り紙があり休業であった。昨晩のもつカレーといい、今回は二晩連続で空振りであった。
 仕方なく、手ぶらで津新町まで歩く。そこから近鉄に乗ること2駅、本日の安宿のある久居へと向かった。津まつりのおかげで津市内のホテルが取れなかったためこの町に泊まることになったのであるが、そういう事情でもなければ来る機会はない土地であろう。
 ホテル近くのスーパーで平凡な惣菜を入手し、ホテルに投宿。幸いなことに、すぐ隣りが近鉄の線路で、往来する列車が良く見える部屋であった。

@翌朝撮影(ただし、普通の宿泊客の場合こちら側は「騒音が酷くて良くない部屋」である)

■2012.10.8
 朝の8時過ぎにホテルを後にし、久居発8時32分の各駅停車に乗り込む。宿泊していたホテルの脇をかすめて行き、この列車の終着駅である伊勢中川に到着した。
 この駅には、個人的に少し思い出がある。今から20年以上前、学生のクラブ活動で名古屋に行き、その帰りに大阪へ戻る際、同級生と共に特急券を節約して急行か何かに乗り、その乗り継ぎの関係でこの駅に予定外に来たのである。そして夕食時であったので駅前の店でうどんを注文し、普通のうどんとは全く違う代物(いわゆる伊勢うどん)が出されたため、それが印象に残っているのである。
 その残像でも思い出せればと思っていたのだが、駅の両側とも再開発されたようで、だだっ広い駐車場や真新しい建物があるだけで、それだと思わしき店は特定できなかった。

@伊勢中川からは、これに乗ります

 名張行の各駅停車に乗り込み、最前部を陣取り前を見続ける。山間部にある東青山という駅に9時過ぎに到着したが、ここで2本の特急に追い抜かれるため、8分も停車するとのことである。
 山間の駅であり、辺りには公園があるだけである。その長閑な雰囲気の中、特急列車が轟音を立てて通過していった。

@左側の時は止まっている感じ

 東青山を出発した後、ひたすら長いトンネルを抜け、しばらくすると伊賀鉄道に接続する伊賀神戸である。
 伊賀鉄道は元は近鉄の一部であったが、赤字のために平成19年に経営が実質切り離されたものである。悪く表現すればトカゲの尻尾切りをされたわけであるが、地味な路線だから仕様がないのであろう。私はこの路線に乗ったことがなかったので、少し寄り道になってしまうが、伊賀上野の観光も含めて乗ることにしたのである。
 上野市までの切符を買おうとしたのだが、窓口に記念切符の宣伝か掲げてあるのに気付いた。値段も正規の料金と変わりないため、せっかくなのでそちらを購入する。切符自体にハーブの香りが付いているという、なかなか手の込んだものであった。

@このような切符

 9時42分、上野市行の列車は出発した。私が乗っている列車は可愛い忍者のキャラクターがデザインされているが、行き違う列車は松本零士デザインの鋭い目つきのカラーリングである。入線してくる目つきも、なかなかに鋭い。

@きらーん

 広小路付近からは民家すれすれを超低速で走るようになり、定刻の10時20分に上野市に到着した。
 さて、1時間半ほど時間があるので、伊賀上野観光である。意外に人気があるようで(ほどんどの旅行客は車で来ている)、多くの家族連れが、子どもに忍者のコスプレをさせて町を闊歩させている。中には外国人の子までいた。
 私は独り者なので、伊賀上野城だけで充分である。天守閣をじっくり堪能し、外に出てみるとなにやらテレビ撮影をしている。よくよく見てみると、芭蕉の格好をした「よゐこ」の有野君ではないか(伊賀上野は松尾芭蕉でも有名である)。芸能人オーラが足りない(失礼)ためか、気づいている人はとても少なかった。

@天守閣(有野君も数枚撮ったが、出していいのかわからないので封印)

 駅へと戻り、11時48分発の伊賀鉄道で伊賀上野へと向かう(上野市からバスで直接名張へ行くこともできるが、伊賀鉄道の未乗区間を作りたくなかったためである)。
 伊賀上野には11時55分に到着した。ただ単にJRと接続しているだけで、予想していた通り駅周辺には何もないところである。
 散策は5分で終わり、あとはバスが来るまで駅の待合室で時間を潰した。
 次に乗るべきは12時40分発の名張行バスである。運転手は女性で、乗客からの観光地に関する質問にも丁寧に答えてあげていた。

@少し旧めのバス

 バスは定刻に伊賀上野駅を出発、ほどなくすると上野市駅近くまで戻ってしまい、ここで乗客は私一人だけになってしまった。
 その後はちらほらと乗客が増え続け、名張には13時29分に到着した。すぐに大阪へ向かうほど急いではいないので、小一時間ほど名張市内を散策した。旧い街並みが残されているのだが、観光客はほぼ皆無である。私は天邪鬼なので、観光地化されて人で賑わっている街よりも、このような街を歩く方が好きなので、気に入ってしまった。

@江戸川乱歩の生誕地でもあるらしい

 ここから先は特急に乗るつもりであったが、ここまで一貫して特別料金が必要な列車に乗ってこなかったので、最後も普通の急行に乗ることにした。その方が、最前部に陣取って前方も眺められるという利点もある。
 14時27分発の急行に乗り、前方を眺めること1時間と少し、大阪上本町に到着した。ここで地下鉄に乗り換え、大阪には16時少し前に到着した。
 3日間かけて辿り着いた、「いつもの大阪」である。
 さて、これから東京へ戻らなければならない。当然、新幹線であっという間である。

@東京駅同様、こちらも新しくなったばかりですが


*ちなみに経費を計算すると、以下の通りとなった(実際は回数券や割引券の使用によりこれより若干安いものもあるが、それは反映させていない)。

 東京→新宿(メトロ) 190円
 新宿→小田原(小田急) 850円
 小田原駅→箱根町(箱根登山バス) 1,150円
 箱根町→三島駅(東海バス) 940円
 三島駅→三枚橋(東海バス) 570円
 沼津港→土肥港(戸田輸送船) 2,500円
 土肥港→清水港(駿河湾フェリー) 2,200円
 清水港→新清水駅(無料連絡バス) 0円
 新清水→新静岡(静岡鉄道) 290円
 静岡駅→東名掛川(JR東海バス) 870円
 掛川→新所原(天竜浜名湖鉄道) 1,280円
 新所原駅→二川駅(徒歩) 0円
 二川駅→豊橋駅(豊鉄バス) 430円
 豊橋→中部国際空港(名鉄) 1,590円
 中部国際空港→津なぎさまち(津エアポートライン) 2,400円
 津新町→久居(近鉄) 200円
 久居→伊賀神戸(近鉄) 610円
 伊賀神戸→上野市(伊賀鉄道) 350円
 上野市→伊賀上野(伊賀鉄道) 250円
 伊賀上野駅→名張駅(三重交通) 740円
 名張→大阪上本町(近鉄) 980円
 谷町九丁目→東梅田(大阪市営) 230円

 トータルで、18,620円である。新幹線「のぞみ」の正規料金14,050円と比べて高くなってしまったが、これは値段の高い船を道楽で入れたり、寄り道をしたからである。三島から土肥までを東海バスにし、豊橋から上本町を名鉄と近鉄で乗り通せば、13,510円で行くことが可能である。
 そのくらいの差ならば、あとは時間を取るか、旅情を取るか、だけである。

 

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