各駅停車だけでJR北海道の全路線制覇(後編)

■はじめに
 湿った大雪のせいでJRの運休が多発し現地での予定変更を余儀なくされ、釧網本線と石北本線の乗車を断念。すでにタイトル(全路線制覇)の意義を失っているが、後半も当初の旅程通りに各線を乗り潰していくことにしている。

【当初の旅程(後半)】
6日目:稚内→旭川→深川→留萌(宿泊)。
7日目:留萌→深川→岩見沢→追分→新夕張→追分→苫小牧→鵡川→苫小牧→札幌(宿泊・年越し)。
8日目:札幌→小樽→長万部→東室蘭→苫小牧(宿泊)
9日目:苫小牧→南千歳→追分→苫小牧→室蘭→東室蘭→函館(宿泊)。
10日目:函館→森→函館→新函館北斗→新青森→八戸→盛岡(宿泊)。
11日目:盛岡→一ノ関→仙台→原ノ町→いわき→自宅最寄り駅へ(帰宅)。

@鵡川駅にて

■2022.12.30
 早朝に起きてJR北海道のウェブサイトを確認すると、宗谷本線の一部に遅れが出ているだけで、それ以外は順調に動いているようである。今日以降は年末年始の移動になるので、JRとしてもなんとかして動かしたいところであろう(特に特急は)。
 せっかく最北の地に来ているので、路線バスに乗ってノシャップ岬に向かった。こんな季節のこんな時間に来る人はいないようであり、雪の様子(足跡なし)からすると今朝は私が1人目の訪問者のようであった。

@寒い

 安宿に戻ってチェックアウトギリギリの10時前までラウンジで休み、チェックアウトをしてから駅の売店へ…と思ったが、なんと今日からもう休業である(大晦日と元旦は危ないと思っていたが、まさか30日からとは思わなかった)。今日はここで「北海道のおいしいもの」として蟹の駅弁を買おうと思っていたが、いきなり挫折である。
 すぐ隣にコンビニがあるが、それでは味気ない。道路向いにスーパーがあったので、そこに行くと稚内産のタラの揚げ物や道産豚のカツ丼があったので、それを代替で頂くことにした。

@代わりの品々

 今日の1本目は4時間弱も乗車するため、酒も買って昼から「呑み鉄」である。
 定刻の10時28分、1両の列車は稚内を出発した。無事稚内を脱出となり、少しほっとした気分である(雪次第では足止めも考えられたため)。
 南稚内を出発して抜海に向かうと、だんだん高台に上がって行く。しばらくすると右手に「利尻富士」の杭状の標識があり、それと利尻富士(利尻島)をいかに上手に撮影するかが、この路線に乗る時の個人的なミッションなのであるが、今日は曇っていて利尻島の欠片も見えなかった。

@失敗(雲の向こうが利尻島)

 しばらくすると、抜海が近付いてきた。この駅は、昔は映画のロケ地にも使われたりしたところであるが、あまりにも乗降客が少ないため、廃駅が囁かれている(JR北海道はここ数年、各地で廃駅を進めている)。駅を存続させるために、地元住民があれこれと運動をしているようであるが(詳細はネットをご参照ください)、行く末は厳しそうである。
 しかし、抜海に近付くとまさかの青空である。もう少し雲の動きが異なれば、利尻富士も拝めたかもしれない。

@晴れてきた

 それにしても、人工物がほとんどない素晴らしい景色の連続である。やはり個人的には、宗谷本線の音威子府以北と根室本線の花咲線部分は、日本離れした景色としてはお勧めの場所である。
 11時34分、幌延に到着した。本来はここで13分ほど停車するが、対向列車が遅れているため30分ほど停車するという(駅員に確認したところ、名寄での列車接続はする予定とのこと)。
 時間があるので、適当に散策。駅に観光品を中心した売店があったので、下沼駅をデザインした変なクッキーを買ってみた。

@実際の下沼駅と同じデザイン

 幌延出発後は、アルコールの影響もあって少しウトウトと。目を覚ますと、右手には天塩川が沿っており、やはり素晴らしい景色である。
 警笛を鳴らしたので前方に行ってみると、路盤上に鹿である。横に逃げればいいものの、ひたすら路盤に沿って逃げるため、列車も鹿を追い続けるだけである。2分ほど追いかけて、やっと鹿の群れは横に逸れて行った。

@追走中

 なお旅行記の前編で書いたように、宗谷本線は27日まで雪で運休であった。特に音威子府付近の降雪が影響したということであるが、確かに雪深い状態が残っていた。北海道の雪は湿気が少ないためあまり高くは積もらないのであるが、駅付近の施設などに「どうやったらこのように積もるのか」という形で雪が乗っている(見た目は越後地方の雪のよう)。それは木々も同様で、細い枝などは耐え切れずに折れているのもあった。

@雪山状態

 音威子府着は13時29分。その後は南下し続けて、終着の名寄には定刻から13分遅れた14時30分に到着した。続いて乗るのは、14時42分発の旭川行快速「なよろ」である。
 この駅では特急と行き違うのであるが、やって来たのはなぜか来年3月で引退となるノースレインボーエクスプレスである。通常運用されている車両で28日に故障が発生した影響で、29日からこの車両が臨時運用されているようだが、まさかここで遭遇するとは思わなかった。これが見納めであろうか。

@引退間近

 定刻に名寄を出発し、塩狩峠を超えて旭川へ。旭川で16時12分発の各駅停車に乗り換え、16時35分に深川に到着した。ここで留萌本線に乗り換えとなるが、出発は18時09分であるため、時間は余りまくっている。
 留萌本線は国鉄時代には羽幌線を従えた「本線」であったが、民営化に伴って羽幌線がなくなり、JRになってからも2016年には留萌から増毛が廃止となり、そして来年4月には石狩沼田から留萌も廃止となってしまう予定である。存続する深川から石狩沼田までも、安泰というわけではない。

@駅のホワイトボードは留萌本線特集(右下にはノースレインボーも)

 駅近くのスーパーに行ったり待合室で旅行記を書いたりして時間を潰してから、ホームへと入って行った。しばらくして留萌からの1両編成の列車が入線して来たが、廃線が近いからか、意外に多くの乗客が降りてきた。
 6番線へ移動し、留萌行が入線してくるのを待った。しばらくして、雪だらけの列車が入線してきた。

@留萌行

 定刻に深川を出発したが、いかんせん外はもう真っ暗であり、景色を見ることはできない。来年の2月くらいに、乗り納めで再訪しようかと思う(3月は青春18きっぷが使えるため混雑が予想されるので、少し早めに来ておこうと思う)。
 携帯すら圏外になる峠区間を走行したりして、定刻から少し遅れた19時15分に留萌に到着した。
 さて、今日は「北海道のおいしいもの」を買うことができない。そこでスーパーに行って何かないか探してみると、蟹やイクラが入った寿司が半額になっているのを発見した。寿司屋で買うほど上等ではないが、無理やり「北海道のおいしいものF」として寿司を入れることにしたい。

@生寿司(1,450円−725円)

■2022.12.31
 早朝にJR北海道のウェブサイトを確認すると、各地域の運行状況はすべて○であった。これは久々(23日以来?)である。
 5時49分発の列車に乗るべく、5時半前にホテルをチェックアウトした。今日はかなりの寒さである。
 留萌から石狩沼田まではまだ余命3か月あるが、駅スタンプはすでに「ありがとう留萌本線」であるし、駅構内にも廃駅となる各駅の紹介が掲示されている状態であった。

@すでに「さよなら」モード

 定刻に留萌を出発。こんな時刻に乗るのは私だけかと思っていたが、出発直前にあと1人乗り込んできた。しかし、運転手と保線要員3人がいるので、乗客よりもJR関係者の方が人数は多い。
 石狩沼田では、地元客が2人乗車して来た。少ないとはいえ、ここから先は多少の需要があるから延命されるのであろう。
 6時44分に深川に到着し、函館本線の各駅停車に乗り換えて岩見沢に到着した。
 ここで小一時間あるため、「北海道のおいしいもの」として蕎麦を頂こうと思った(蕎麦は新夕張で頂いているが、あの時はカレー蕎麦という変化球であったため、普通の蕎麦を頂こうと思ったのである。今日が大晦日であることも理由である)。しかし、朝から営業しているはずの駅近くの蕎麦屋は、大晦日だというのに休業であった(蕎麦屋なら大丈夫と思ったのだが)。仕方なく、駅南側にあるレールセンター(旧北海道炭礦鉄道岩見沢工場)に行って時間を潰した。

@敷地内には入れません

 岩見沢9時03分発の室蘭本線に乗車(当然のように1両編成である。もとより、札幌近郊の電車以外(つまりディーゼルカー)はすべて1両編成なので、この後は記載しなくてもいいであろうか)。そして定刻に出発した。
 追分には9時49分に到着。実はここで、鉄道資料館もある道の駅に行こうと思っていたのであるが、出発前に確認したら大晦日は休業であった。仕方なく旅程を変更し、明後日に乗る予定であった石勝線の追分から南千歳までを乗車することにした(こうすることで、明後日の旅程に余裕ができる)。

@次回に持ち越し

 駅待合室にある展示物や駅前にあるSLの車輪を見たりしてから、10時14分発の列車に乗り込み、南千歳で下車した。次に乗る新夕張行は千歳発なのでここで降りなくてもいいのだが、この駅で駅弁が買えるかもしれないと思ったからである。
 しかし、駅弁屋も今日から休業であった。仕方なく、快速エアポートに乗って千歳に向かった。千歳駅近くにある商業施設にも行ってみたが、やはり北海道らしい総菜は皆無である(年末であるため、オードブルなどが中心である)。仕方なく諦めて駅に戻り、11時11分発の新夕張行に乗り込んだ。

@言うまでもなく1両(結局書く)

 定刻に出発し、南千歳と追分を経由して、新夕張へと向かった。12時20分に到着。思えば、ここでカレー蕎麦を食べたのは5日前のことである。
 すぐに折り返し、追分へ。追分で13時34分発の苫小牧行に乗り込んだ。しばし走行し、苫小牧には14時09分に到着した。ここで日高本線に乗り換えることになるが、待ち構えていたのはラッピングされた車両であった。

@車内も改装されていた

 14時33分、苫小牧を出発した。道東も鹿が多いが、この路線の勇払から浜厚真までも区間も鹿が多いところである。時折、警笛を鳴らして走り続けた。
 15時03分に鵡川に到着し、15時12分に折り返しで出発。苫小牧到着後は各駅停車に乗り換え、南千歳乗り換えで札幌に到着した(16時57分着)。安ホテルに投宿。
 さて、「北海道のおいしいもの」として、小樽の名店の「鶏の半身揚げ」を買おうと思い、新札幌駅に向かったが、18時前なのにもう営業終了であった(大晦日なので時短営業)。仕方なく、スーパーでの安食材で年明けである。
【改訂版旅程】
7日目:留萌→深川→岩見沢→追分→千歳→新夕張→追分→苫小牧→鵡川→苫小牧→札幌(宿泊・年越し)。

■2023.1.1
 正月番組を見ながら部屋でゆっくりとし、8時前に札幌駅に向かった。

@謹賀新年

 8時06分の列車で、まずは小樽へ。小樽到着後は、駅前にある大規模小売店舗で冬用のハーフブーツを購入した(履いてきた10年選手のブーツの底が剥げ始めていたため)。
 駅に戻り、9時38分発の倶知安行に乗り込んだ。これまでとの違いは、ディーゼルカーなのに2両編成、という点である(中国人を中心とした観光客対応のため)。

@初2両

 定刻に小樽を出発。函館本線のこの区間(小樽から長万部)は、北海道新幹線開通時に廃止となる予定である。余市までは鉄道での存続も検討されたが、結局廃止ということで落ち着いた。「これだけ乗客がいるのに」と思うが、倶知安への観光客は新幹線を使うであろうし、それ以外の駅での乗降はほとんどないのであるから、仕方ないのであろう。
 峠を越えて、11時55分に倶知安に到着した。ここで1時間半以上も時間があるが、元旦であるためどの商店も施設も閉まっている。
 しかし、ここで「北海道のおいしいものG」として蟹の登場である。さすが大都市札幌、元旦の朝8時でも駅弁屋が開店していたのである。

@蟹かに合戦(1,400円)

 待合室で、美味しく頂いた。
 どこも閉まっていることは分かりつつも、しばし駅付近を散策。しかし寒すぎたので、すぐに待合室に戻って旅行記の作成である。「いつの間にか中国に来たのか」と錯覚するくらい、周囲の会話は中国語だらけである。
 小樽方面行だけでなく、次に私が乗るべき12時35分発の長万部行にも、中国人を中心にした大量の観光客が待っている。1両編成であるので、通路まで満員になって出発した。

@新幹線が来るので、倶知安の未来は明るい

 身動きも取れないくらいの車内である。「どうせニセコで降りる人も多いのだろう」と思っていたが、意外に数人しか降りなかった。ほとんどの人が、長万部まで行くようである。私は最前部を確保して、前方を眺め続けた。
 蘭越辺りまでは路盤も見えていたが、目名付近になると対向列車も少ないため、降雪がある部分はレールが全く見えなくなっている。線路のない場所を走っているようで、少しく不安になる。

@道路…ではなく線路

 1時間半以上も立ち続けて、14時14分頃に長万部に到着した。
 さて、ここで1時間20分くらい暇があるが、元旦なのでどこも閉まっているはずである。シャッターが閉じている観光案内所にあった掲示を見てみると、とある温泉旅館は日帰り入浴を受け入れているようであったが、そこまで往復歩くことを考えると少し慌ただしい。結局、適当に散策をするだけであった。

@散策中に特急と遭遇

 駅へ戻り、15時34分発の東室蘭行に乗り込んだ。当然、1両のディーゼルカーである(よって写真は省略)。
 室蘭本線のここから先、長万部から豊浦までは運行本数が少ないため、今回の旅程のボトルネックにもなっている。今日も札幌や小樽や倶知安で大量に時間を潰したが、いくら早く出発しても結局この区間で同じ列車になってしまうのである。
 本数が少ないのは、人家が少ないからである。中でも有名なのが、小幌駅であろう。周囲に人家がないばかりか、アクセスする道路がないため、鉄道でしか行けないのである。JR北海道が廃駅にしそうな条件は揃っているが、逆に秘境過ぎるため観光客(鉄道好き)が訪れることもあり、今日まで生き残っている。今回も、2名下車して3名乗車してきた。

@小幌駅

 だんだんと薄暗くなり、日が落ちたところで東室蘭に到着。すぐに接続して、17時02分に同駅を出発した。暗闇を走り、18時28分に苫小牧に到着。駅前の商業施設で夜用食材を買って、安ホテルに向かった。
 なお、今日のホテル代は4,250円であるが、実は今回の旅の10泊のうち、唯一の4千円台である(残りはすべて3千円台で、しかも三千円ちょっとくらいが多い)。25〜27日は旅行支援があったが、それ以外が斯様に安いのは、実はコロナ禍が収まっていない8月後半に手配していたからである(昨日の札幌のホテルなど、3,400円で泊っているが、普通に予約すると6,000円以上はするのである)。コロナも厄介であるが、実はこういう面では得をしている場合もある。

@苫小牧駅前はイルミネーション中

■2022.1.2
 当初旅程では石勝線の乗り残し区間を乗るために7時の列車に乗って南千歳に行くことにしていたが、その区間は一昨日に片付けているため、旅程に余裕ができている。
 7時半前にホテルをチェックアウトして駅に向かい、7時50分発の東室蘭行に乗り込んだ。車両は昨晩の苫小牧行と同じキハ143系(50系客車を改造したもの)であるが、この車両の窓はかなり汚くてしかも二重窓であるため、景色の写真が撮れないのが厳しい(よって我慢の時間を過ごす)。
 東室蘭到着後は室蘭行(同じくキハ143系)に乗り換え、室蘭には9時26分に到着した。まずは、歩いて旧室蘭駅跡に向かった。

@SLもある(背後が旧駅)

 ちなみに旧駅には観光協会が入っており、鉄道関連を含めた様々な展示物があるということである。「どうせ正月2日目だから閉まっているだろう」と思ってドアに手を掛けると、なんと開いているではないか。ありがたく、あれこれと展示物を見学した。

@色々あり

 続いては、「北海道のおいしいもの」として北寄貝を頂きたい。北寄貝は、苫小牧の「ホッキカレー」や駅弁「ほっきめし」などが有名であるが、母恋駅(室蘭駅の隣駅)の「母恋めし」も有名である。母恋駅売店は5日まで休みであるが、本店は2日から営業しているという。「これは購入確定」と思ったが、残念、そこまで行く路線バスが今日は運休であった(バス停の掲示で気付いた)。
 作戦を変え、地元のスーパーである。そこに行けば、ホッキの炊き込みご飯や「室蘭やきとり」があるかもしれない。ということで、すでに開店いていたスーパーに行ったが、それらしきものは皆無。11時開店の別のスーパーに行ってみると、ありました、室蘭やきとりを無事に購入して、「北海道のおいしいものH」の達成である。

@室蘭やきとり(538円)+おにぎり(171円)

 駅に戻り、待合室で頂いた。甘くて香ばしいタレが印象的であり、もし家で食べていたら残っていたタレは保存して二次利用したであろう。
 ちなみに、室蘭のやきとりはすべて豚肉である。これは、函館付近にあるハセガワストアのやきとり弁当にも同じことが言える。
 11時46分発の列車に乗り東室蘭へ移動し、しばし時間調整をしてから12時28分発の豊浦行に乗り込んだ。今度の車両はH100系であり、窓も奇麗であり二重になっていないので、景色は堪能できる。暖房の効き具合も、うすら寒いキハ143系とは違って、きっちり温かい。

@北舟岡駅は海のすぐ近く(吹雪いてきてしまった)

 13時19分、豊浦に到着した。長万部行が来るまで1時間半くらいもあるためここで散策する予定であったが、猛吹雪である。仕方なく、50分くらい待合室で待機をした。
 雪も少し治まり気味になってきたので、D51が置いてある場所まで行ってみることにした。この季節(冬季)は保存車両にはカバーが掛けられている可能性が高いが、無事にその姿を拝むことができた。

@雪がありますが

 雪が舞う中を十数分かけて駅に戻り、この時点で14時35分頃。そしてその3分後には、いつの間にか一面は青空になっていた。「だったらあと10分後に行けばよかった」と思うが、それは結果論である(14時48分発の列車に乗るためには、ギリギリの行動はできない)。
 そしてホームに向かおうとすると、遠隔アナウンスで「13分ほど遅れています」との非情なアナウンスが。仕方なく、再度待合室で待ち続けた。

@急に晴れても…(特急通過中)

 15時00分頃にやって来た1両編成の長万部行に乗り込む。なかなかの乗車率で、今日も小幌では6人ほど下車していった(保線作業員も3人下車)。斯様に観光には貢献している小幌駅であるが、メンテナンス経費も掛かるので(先ほど下車した保線要員はホーム等の除雪のため)、そのバランスが重要なのであろう。
 長万部到着後は、今日もまた50分くらいの妙な待ち時間があり、待合室で時間を潰してから16時18分発の函館行に乗り込んだ。後は、ひたすらこれに3時間くらい乗るだけである。海側の席を確保できたが、景色が見えるのは最初の1時間くらいだけであり、それ以降は暗闇になってしまうが。

@八雲で長時間停車(もう暗い)

 19時20分に函館に到着。安ホテルへ向かう前に駅に近いスーパーに行ってみると、なんと鶏の半身揚げが4割引になっているではないか。小樽の名店の品ではないし、品名が微妙に「揚げ」ではなくて「焼き」になっているし、そして微妙に小ぶりであるが、これは大晦日の穴埋めをしなければならない。ということでリベンジ買いをして、「北海道のおいしいものI」として無理やり取り入れ、後は安ホテルでこれを分解しながら食べるだけである。
【改訂版旅程】
9日目:苫小牧→室蘭→東室蘭→函館(宿泊)。

@若鶏の半身焼き(842円−337円)

■2022.1.3
 函館本線は、森駅以南が海線と山線に分かれている。当初旅程では海線経由で森まで行って山線経由で函館まで一旦戻ってくることにしていたが、それだと5時49分発の列車に乗らなければならない。早起きの私でもそれは面倒になってきたため、「どうせ海線は昨晩に暗闇の中で乗ったから」ということにして、山線経由で行き、同じく山線経由で新函館北斗まで戻る旅程にした。
 こうすることにより、最初は8時17分発の列車となる。ということで、朝から豪華に「北海道のおいしいものJ」として、海鮮丼の登場である。うに丼と行きたいところであるが、この季節のうには北海道の生うにではないので(海外産もしくは冷凍もの)、ホタテやエビを中心に選んだ。

@彩味丼(1,800円)

 食後は駅に行き、8時17分発の長万部行(もちろん1両)に乗り込んだ。新函館北斗に行く乗客もおり、意外に混雑している。
 定刻に函館を出発。今日は函館でも吹雪いているが、岩見沢地方が特に雪が激しいようであり、根室本線や石勝線に多数の運休が出ているようである。
 いつも写真撮影をする「小沼越しの駒ヶ岳」は撮影できなかったが、大沼公園を過ぎると雲が流れて晴れてきた。赤井川で長時間停車をしたため、しばし駅付近を散策

@晴れ模様

 10時06分、森に到着した。これで、JR北海道の在来線はすべて制覇…になる予定であった(実際は、釧網本線と石北本線を乗り残しているが)。
 折り返しまで2時間弱も時間があるため、まずは徒歩で桟橋跡や神社などを適当に散策した。
 さて、森駅といえば駅弁「いかめし」で有名である。デパート等で行われる駅弁大会で一番売れる駅弁として有名であり、言い換えればどこでも買えてしまうが、やはり森で買うのが本筋であろう。「正月だから」と諦めていたが、駅近くの店舗には幟が出ていて営業しているようであった。ということで、「北海道のおいしいものK」は、いかめしである。

@いかめし(880円)

 当初予定していたミッションをすべて終え、ここからは帰京の旅である。11時54分発の列車に乗り、新函館北斗まで戻って来た。
 ここからは、新幹線での移動となる。北海道&東日本パスの場合、新函館北斗から新青森までの特定特急券(空いている席に座れる)を買えば、この区間だけは特別に新幹線に乗ることができるのである。特急券の価格も4,000円であり、これによって大幅に時間を節約することができる(当初は「フェリー移動案」も考えたが、無理であった)。

@これで移動

 12時51分発の新幹線に乗車し、空いている席に着席。青函トンネルを抜けて新青森で下車し、JRで青森へ。その後は青い森鉄道といわて銀河鉄道を乗り継いで、盛岡まで移動した。この時点で18時であり、安ホテルに投宿して終了である。
 さて、すでにもう北海道を脱出してしまっているが、「北海道のおいしいものL」として鰊(にしん)である(函館で入手済み)。函館の「鰊みがき弁当」は、私が好きな駅弁のかなり上位に入るものである。同じ味を期待して真空パックの鰊を買ってみても、固くて苦いため、どうしても再現できない味である。
【改訂版旅程】
10日目:函館→森→新函館北斗→新青森→八戸→盛岡(宿泊)。

@鰊みがき弁当(1,000円)

■2023.1.4
 今日は、まず5時51分発の列車に乗り、一ノ関、小牛田、仙台、原ノ町、いわき、勝田、我孫子で乗り換えて自宅最寄駅まで移動する予定である(到着予定時刻は17時37分)。それなりに大移動(大旅行)であるが、10日にわたる北海道旅行を終えた後となると、これについて記述するのは「蛇足」であろう。よって、これで終了である。

@旅行記では紹介できなかったラッピング車両

 

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