【petit-tetu】道東を三日で散歩

■はじめに
 今年の連休後半はバルト三国に行くことにしているが、前半の三連休について家にいてももったいない。そこで数か月前にあれこれ検索し、比較的飛行機代の安かった道東に行くことにした。往路はオホーツク紋別空港で、復路は女満別空港である。
 ぶらっと行ってくるだけ(適当に移動して安温泉宿に泊まるだけ)であるため、旅行記にはなり難いとは思うが、備忘録も兼ねて書いておくことにした。ネタが多くないとはいえ、1時間近くも乗車する「無料バス」など、これまでにない経験もする予定である。

@留辺蘂駅にて

■2018.4.28
 ゆっくり身支度をして羽田へ行き、10時45分発の紋別行に搭乗した。1日1往復しかない地味な航路であるが、さすがに今日は満席である。
 羽田混雑の影響で15分ほど遅れ、12時45分頃に到着した。

@お出迎え

 ここから遠軽まで移動するのであるが、その手段は路線バスではなくて「無料バス」である。紋別空港では紋別までの無料バスもあり、利用者促進にあの手この手のようである。
 紋別行のバスは目の前にある大型バスに勝手に乗るだけでいいが、遠軽行は3日前までに電話で予約をしなければならない(それだけ、利用者が少ないのであろう)。

@こちらが遠軽行

 大型連休の初日であるが、バス利用者は私を入れても3人だけであった。飛行機が遅れたこともあり、当初予定の12時50分から18分ほど遅れた13時08分に出発。
 この辺りは何度も来たことがあるが、一番思い出深いのは15年ほど前、折り畳み自転車で紋別空港に向かっていた際、地図が古くて海側にある旧空港へ行ってしまったことである。国道へ戻り、新空港までちょっと距離があるためタクシーを呼ぼうと思い、道端にあったログハウス風の喫茶店に飛び込んで呼んでもらった思い出がある。
 数年前、レンタカーで移動中にその店の脇を通ったら休業してしまっており、今日そこを通ると、もう廃墟になっていた。時の移ろいは空しいものである。

@廃墟

 無料バスは遠軽まで直通かと思っていたが、3人のうち1人が中湧別で降りるようで、道の駅に入って行った。ここは旧国鉄の駅跡があり、以前にも何度か訪れた場所である。

@再訪

 遠軽に近づくと、量販店や大型店舗が増えていった。小さな町であるはずだが、オホーツク海側から来ると、もう大都会という感じである。バスは、駅前ではなくそこからほど近いスーパーの横で終点となった。実際の所要時間は50分だけであり、ほぼ予定の14時に到着した。天候(吹雪など)を想定して、余裕のある時間設定にしているのであろう。
 スーパーで買い物をしてから、遠軽駅に向かい、切符を購入した。

@遠軽駅

 旭川方面に行く特急を見送り、しばらく待合室で時間調整をし、14時49分発の特急に乗り込んだ(留辺蘂まではすぐだが、列車の本数が少ないので特急に乗らざるを得ないのである)。
 大連休初日というのに、車内(自由席)の乗車率は25%程度であった。大丈夫だろうかと思う(JR北海道全体、大丈夫ではないが)。

@ガラガラ

 久々に常紋トンネルを抜け、いつの間にか廃駅となってしまった金華を過ぎ、留辺蘂に到着した。降りたのは、私を含めて2人だけである(本当に大丈夫だろうかJR北海道)。ここで降りたのは、今日の宿泊先である温根湯温泉へ行くためである。
 北海道の地理に明るい方なら「留辺蘂まで下りてくるのなら、往路も女満別空港にした方が楽だろう」と指摘するであろう。その通りであるが、「久々にオホーツク紋別空港を利用してみたかった」「長時間の無料バスを使ってみたかった」ため、このような旅程にした次第である(私の旅行は、移動がメインであるのでこれで問題ない)。
 すぐに温根湯に移動しても時間を持て余すので、留辺蘂にあるスーパーを2件ほど回って夜の食材を揃え、次のバスである16時34分発に乗って温根湯へと向かった。
 終点である道の駅に到着。ちょうど、17時の「世界一大きい鳩時計」が動き出す時刻であった。

@この後、巨大な鳩が登場(上部から)

 素泊まりの安宿に投宿し、温泉に浸かって安食材を頂いてから就寝。

■2018.4.29
 早朝にも温泉に浸かってから、6時半過ぎのバスで留辺蘂に戻った。昨日のバスも終点到着時は私を含めて2人だけであったが、今日も同じ人数である。
 駅で少し時間があったので、近所を散策して無理やりの鐡ネタを発見。

@懐かしい

 20年くらい前に温根湯に泊ったことがあり、留辺蘂駅付近もなんとなく覚えている。駅前のボロボロだったバス発着所は新しい建物になっているが、逆に駅の中は寂しくなっている。掲示を見てみると、2年前から窓口営業を停止し、無人駅になった模様である。そこそこ大きな集落なのに、無人化してしまうとは、大丈夫か(以下略)。
 7時22分の各駅停車で網走に行くのだが、やってきたのは4両編成であった。平日は通勤通学で賑わうためだからであろうが、今日はもちろん空いている。
 9時04分、網走に到着した。

@4両の最後尾は観光カラー(もちろんこれに乗った)

 ここでも1時間20分ほど時間があるため、スーパーで買い物の前に「旧網走駅跡」に行くことにしている。
 網走には指折り何回かわからないほど来ているが、旧駅跡があるとは知らなかった。実はスーパーの場所を探す際にグーグルマップを用いたのだが、その際にマップが近隣の商店や名所を勝手に表示し、そのうちの1つが旧駅跡だったのである。
 そこへ行ってみると、確かに説明版が置いてあった。

@現在の網走駅開業後も「浜網走駅」として存在していたとのこと

 9時半開店のスーパーで買い物をしてから駅に戻り、快速「しれとこ摩周」に乗り込んだ(呼び慣れた名称は「しれとこ」だが、先月から「摩周」も追加された)。もう何度目の釧網線かわからないが、今日ももちろん海側の座席を確保である。

@貫禄の1両編成

 10時24分に出発。快晴の空と海を眺めつつ、11時06分に知床斜里に到着した。ここからは、斜里バスで知床五湖に行くことになっている。
 バスは駅前から11時30分に出発した。乗車率は3割弱程度である。ウトロを過ぎ、世界遺産の区域に入って行き、12時55分に知床五湖に到着した。250円を支払い、40分のショートコースを散策(5湖すべてを見るコースは、未だ冬季閉鎖中)。
 普通の写真については他の旅行記の方が立派なものが多いと思うが、1枚だけ掲載しておく。

@天気よし

 14時00分発のバスでウトロに戻り、徒歩で付近をぷらぷら観光をしてから、高台にある素泊まりゲストハウスに向かった(普段はゲストハウスには泊まらないが、ここはカプセルホテル風に区切られている空間であったため、予約した次第である)。
 本館の温泉に浸かってからは、網走のスーパーで買った食材とウトロのコンビニで買った安酒で一献し、就寝。

@オロンコ岩の頂上から

■2018.4.30
 さて、今日はただ帰るだけである。7時台のバスでは早すぎ(途中で降りてみたい場所もなく)、9時台まで待っていても仕様がない。そういうことで、8キロほどウォーキングをしてオシンコシンの滝まで行き、そこから路線バスに乗ることにしている。
 7時少し前に宿を出発。海に出てからはひたすら国道を歩くだけであるが、天気も良いので、散策日和である。
 2時間弱で、オシンコシンの滝に到着した。

@久々に来ました

 しばし休憩してから、9時40分のバスで知床斜里に向かった。
 同駅では50分ほど待ち合わせ時間があるため、近くにある道の駅やスーパーなどへ行って時間を潰してから駅に戻り、11時12分発の快速「しれとこ摩周」を待った。

@やって来ました

 今日は季節外れの暑さで、道東だというのに25度を超えている。クーラーのない車内はかなり蒸し暑かったが、オホーツク海の美しさは昨日と同様であった。
 さて、今日は「秘境駅でありながら空港アクセス駅」である西女満別駅から歩くことも想定していたが、予想外の暑さであるため歩くのが億劫に思えてしまい、知床斜里で切符を買う際に手前の女満別にしてしまっている(そこから空港アクセスバスにも乗車できるため)。
 網走で乗り換え、女満別には12時19分に到着した。

@今日も観光カラーの気動車

 女満別駅には貨物の車掌車を連ねた施設があるのだが(上記写真の左手)、それにしてもその放置度合いと来たら(雑草に埋もれそうになっていた)。以前に来た際は綺麗に整備されていたのだが、そんなに観光客がわんさと来る場所ではないから、仕様がないのであろう。
 駅の反対側へ行って湖を見たが、3分で終了である。この後は道の駅にでも行こうと思っていたが、路線バスの出発までまだ1時間20分もあり、とても埋め合わせられそうにもない。そこでスマホで空港までの徒歩時間を検索させると「50分」と出たので、結局歩いていくことにしてしまった。
 暑かったが、ローカルスーパーでお土産を買ったり(地元のアスパラガスなど)、農場の猫や滑走路への誘導灯の写真を撮ったりして歩けば、これもまた散策気分である。

@誘導灯

 

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