【petit-tetu】地元応援「県境を越えない」鐡旅

■はじめに
 新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言も5月後半に解かれたが、だからといってウイルスが消えたわけではない。私の職場(東京新橋)にある酒場でも、ここぞとばかりに狭い机で集団で呑んでいる人も出始めたが、とてもあんなことをする気にはなれない。上記の通りの状況であるし、それに個人的なことであるが、私もそれなりの年齢であるし、軽い喘息の気もあるし、幼少の頃に病弱であったためBCGも受けていない(=「あの説」に頼ることもできない)など、注意を要する部類であると思っている。
 そうは言っても、旅には行きたい。しかし、各自治体の方針などに目を通してみると、6月19日くらいまでは「県境をまたぐ移動は自粛」というものが多かった。
 ここでふと思ったのが、私の所在地である。東京勤めであるが、数年前に中古マンションを買ってからは、千葉県に住んでいるのである。考え方を変えれば(屁理屈をこねれば)、千葉県内なら自粛要請の対象外である(もちろん、移動自体を減らすのが推奨されているのは理解しているが)。
 ということで、密になる場所に行くのは県内でも論外であるが、ガラガラのローカル線に乗る分にはいいであろう(と言い訳をした)。観光関係はどこも大変そうなので、お金を落としてくるのも重要な要素である。今回の旅の主な目的は、以下である。

・県内ローカル線(私鉄)に乗車
・地味な(観光地ではない)民宿に投宿
・地元過ぎて未乗車の近郊鉄道に乗車

@高滝駅にて

■2020.6.14
 ということで、早朝に家を出て最寄駅から移動して、やって来たのはJRの五井駅である。説明するまでもなく、小湊鉄道との接続駅である。「いすみ鉄道」との連絡切符である「房総横断乗車券」を買って、そちらのホームへと移動した。

@久々です

 しばらくして入線してきたのが、折り返し7時11分発の列車となるキハ200型車両である。昭和30年代の車両であり、「よく動いているな」と感心するばかりである。

@お疲れさまです

 この車両に乗る際は、いつも最前部に乗ることにしている(前方が見渡せるため)。しかし、その部分のシートには「コロナウイルス対策のため着席はご遠慮ください」のような紙が貼ってあった(路線バスでも、運転手に近い席を閉鎖していることがあるが、それと同じである)。ただしロングシートであるため、その隣に座れば最前部も同様である。

@見晴らし良し

 定刻に出発。車内は2両合わせて10人くらいの乗客であり、ほどよい閑散具合である(密とは程遠い)。もちろん、鉄道会社としてはもっと密になってほしいのであろうが(前回(3年前)はトロッコ列車に乗車しており、多数の観光客で満員であった。それとはかなり対照的である)。

@SLトロッコは休憩中

 県内旅行(しかも宿泊付き)であるため、このまま乗り通してしまったのでは時間が余り過ぎてしまう。ということで、小湊鉄道内で2回ほど途中下車することにしている(件の「房総横断乗車券」は、途中下車が可能である)。
 ギシギシときしむ車体の音を楽しみつつ、房総を横断し続けた。

@行き違い

 7時57分、高滝に到着。まずは1回目の途中下車である。ここで、1時間半ほどの時間がある。
 しかし、駅周辺に特に何かがあるわけでもない。ぶらぶらと歩き、ダムと神社を見て回った。

@意外に立派な神社(人皆無)

 今回は近郊の旅であり、ネタも少ない予定である。ということで、ダムで発見したこの絵も「鐡ネタ」として無理やり含めることとしたい。

@鐡です

 あれこれ歩いても時間は余り、しばらくは駅の待合室で時間を潰した。待ちかねて、やっと9時30分発の列車が入線してきた。

@やって来ました

 しばらく揺られ続け、養老渓谷で下車した。
 ここでは2時間以上も時間があるため、まずは渓谷付近を少しだけ散策して、立國寺(出世観音)に行ってみた。階段ありトンネルありで、趣深いアクセス路であった。

@疲れた(ここも人皆無)

 養老渓谷でのあと1ネタとしては、パン屋を想定していた。しかし、行ってみると臨時休業であった。ということで、数少ないネタを失ってしまった。

@道路脇の看板のみ掲載

 駅に戻り、付近の店で購入したアイスを待合室で食べたが、それでもまだ45分ほど時間が余っている。雨も降り出してきたため、待合室でおとなしく待つばかりである。
 小湊鉄道に関して、旅行記前半で「前回はトロッコ列車に乗車」と書いたが、その時の様子について「こちらをご覧ください」と引用しようとしたところ、なんと旅行記を書いていなかった。地元過ぎるため、「旅行記にすることもなかろう」としたようである。
 3年前の春、養老渓谷駅から歩いて撮影スポットへ行き、待ち構えて撮影したのがこの1葉である。

@美しい(こんな綺麗な写真を撮っていたのに、旅行記を作らなかったとは…)


@途中駅で買ったお弁当


@トロッコ列車

 以上、3年前の回顧録であった(当然ながら、今はトロッコは運休中である。早く、元の状態になることを願うばかりである)。

 12時14分の列車に乗り、1駅で終着の上総中野に到着である。24分の接続時間があるが、雨が酷くなってきたため、またしても待合室で待機である。
 しばらくして、いすみ鉄道が入線してきた。

@次はこれに乗る

 かなり新しい車両である。キャラクターも、以前はムーミンであったが、地元自治体のキャラクターに変更されていた。車内も、それらキャラクター一色である。

@勝浦ですね

 定刻の12時45分に出発。車内は、ボックス席に1人程度の込み具合であった。
 いすみ鉄道内でも、大多喜かどこかで途中下車しようかと思っていたが、旅程作成時点でこれといったものが思い浮かばず、今回は乗り通すだけである。雨がかなり大粒になってきたため、結果論としては正解であった。
 13時49分、終点の大原に到着した。JRとの接続時間がかなりあるが、この駅の売店には地の物がたくさん売っているので、それでも見たり(買ったり)する予定であった。しかし、残念ながら休業中であった。

@まだ「通常運転」にはならず

 さて、大雨ということもあり窓越しの撮影もしなかったため、いすみ鉄道の紹介がほとんど皆無である。ということで、またしても3年前の旅行からの紹介である。
(最前部に陣取り、沿線の菜の花をずっと見つめ続けた。なお、車内は超満員であった。こちらも早期の「原状復帰」を望むところである)

@綺麗

 14時26分の外房線に乗車。まだ宿に行くには早いため、勝浦で下車した。幸い、雨も上がったので街中散策である。
 歩き出すとすぐに、武漢からのチャーター機で帰国した人を隔離したことで有名になったホテルが見えてきた。「応援を込めて、あそこに宿泊すればよかったかな」とも思ったが、今回は民宿に泊まるのも重要なタスクである。
 それにしても、閑散とした市街である。上記帰国者を受け入れたことによる風評被害で、観光客が減ったとの報道もあったが、その後の緊急事態宣言もあり、ダブルパンチであったことだろう。

@駅には色々あり

 15時39分の外房線に乗り、安房天津で下車した。今日は、この駅付近にある地味な民宿に投宿することにしている。
 宿に荷物を置いてから、海際の道を散策した。隣駅は安房鴨川であり、大観光地である。遠くにはそれらしきビルも多く見られるが、今回は「人が少ない場所」に行くことが目的の旅であるから、これでよい。

@海辺の情景

 宿に戻ってからは、お待ちかねの夕食である。いやはや、2食付きで税込み6,500円にしては、予想以上の充実具合であった。千葉県内の旅行は、いつも「どうせ2時間くらいで家に帰れるから」と、日帰りばかりであったが、泊りの旅行も良いものだと実感した。

@充実

■2020.6.14
 さて、ローカル線と民宿というタスクを終了したため、今日は戻るだけである。しかし、外房線でまっすぐ戻ったのではすぐに家についてしまうため、あえて内房線経由で帰ることにしている。
 9時前に宿を出て、安房天津駅へ。9時12分の列車に乗って、次の安房鴨川で乗り換えた(ここからが内房線となる)。

@館山では30分以上も待ち時間あり

 その先、君津で乗り換えて、千葉に到着したのは12時半過ぎである(内房線経由にしたせいで2時間ほど余計に時間を要したが、まだまだ昼である)。
 さて、ここから先はJRで帰らずに、京成千葉線と新京成線を経由して帰ることにしている。京成千葉線は乗車済であるが、新京成線は、その気になれば家から40分くらいで歩いて行ける駅もありながらも、まったく乗ったことがないのである。というのも、この路線の沿線には観光地もなく、ショートカット路線でもないため、沿線住民でもない限り乗ることがないのである。

@あえて千葉中央駅へ

 13時20分発の列車に乗車。京成津田沼から件の新京成線に乗り入れ、松戸へ。約1時間の「ご近所初体験」の旅であった。
 私は実は松戸市民であるが、JR沿線からは離れているため、松戸駅に来るのは久々である。今回は旅行ということでもあるので、駅スタンプを初めて押してみた。

@灯台下暗し

 

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