【非鐡の旅Q】ANAとJALを「勝手に応援」仮想旅

■はじめに
 どこぞの携帯電話の宣伝文句のようなタイトルであるが、コロナの影響で海外旅行が実質不可能になり約1年半、国内便の利用率も低いことも重なり、各航空会社の経営はかなり厳しい状態にある。ということで、海外旅行「もどき」を経験することにより、またそれに対してしかるべき対価を支払うことにより、微力ながら応援しようという考えである。
 一番「らしい」のは、ANAが時折実施しているチャーターフライト(エアバスA380を使用)であるが、競争率が高くて惨敗続きである(抽選制のため)。そういう事情もあり、申し込み順で経験ができる「翼のレストラン HANEDA〜地上でファースト・ビジネスクラス体験〜」を利用することにした。このプランは、国際線用機材において各クラスで提供される料理(と酒)を楽しめるもので、私が申し込んだビジネスクラスで29,800円。「ビジネスクラスに乗る」と思えば割安であるが、「ランチ」と思えば割高である。まぁ、今回は応援も込めているから気にならないし、そもそもランチ目的の人は乗らない(特別の思いがある人だけが利用するもの)であろう。

@羽田空港にて

■2021.4.24
 11時までに受付をする必要があるため、10時半少し前に羽田に向かい、まずはJAL側の第1ターミナルへ寄り道をして(理由は後述)、地下連絡通路を経由してANA側の第2ターミナルへ移動した。
 案内書に「受付場所は14番カウンター」とあるが、最近は搭乗時にカウンターへ寄ることがないのでどこだがよく知らない。探してみると、一番端であった。

@受付

 受付を済ませ、搭乗券を受け取った。国際線形式の紙搭乗券であり、ビジネスのCが懐かしい感じである。それ以外に、ラウンジ招待券と、手書きのメッセージも受け取った。

@まずは荷物検査へ

 セキュリティーを過ぎて、せっかくであるからラウンジへ寄ることにした。ラウンジといっても、国内線エリアであるため、いつものラウンジ(国内線利用時に入ることができる場所)である。

@いつものビールといつものお菓子

 1杯だけ飲み、11時10分過ぎに指定されているゲートへと向かった。一番端のほうにある69番ゲートであったが、中央部の便利なゲートは通常の国内線に割り当てるためであろう。
 行先は、搭乗券にもあった「フランクフルト」である(理由は、食事中のアナウンスにあったが、ビジネスクラスを初めて設定した路線であるからだという)。

@羽田発フランクフルト行

 スタッフやシェフに迎えられながら、早速機内に入る。すでにほとんどの座席は埋まっているようであった。
 今日のビジネスクラスであるが、主に長距離路線で用いられている機材であり、フルフラットになるものである。ビジネスへのアップブレード(インボラ)は何回か経験があるが、短・中距離の路線ばかりであり、これに当たったことはまだない。

@今日の座席

 さて、まずは座席周辺にあるもののチェックである。使用しない枕や毛布を横に避け、最初は紙袋の中を確認である。ANAのカレーやスープ、機内誌やミニタオルが入っていた。機内誌はずいぶん小さい規格になっていたが、今後はずっとこうなるのであろうか。

@お土産一式

 続いては、ポーチの中である。いわゆるアメニティであり、耳栓など「長距離便」では必須のアイテム揃いである。長距離便でのビジネスの経験がないため、この一式がデフォルトなのかどうかは不明であるが、海外旅行が可能になったら、これをこのまま持って行ってもよさそうである。

@今日は使用しません

 11時30分にプランが開始。機内アナウンスがあり、あれこれと説明があった(詳細省略)。「この便の機長は」ではなくて「この便のシェフは」となっていたあたりが、いつもと違う点である。
 なお、動かないため、当たり前であるがシートベルトの着用は不要である。しかし、雰囲気作りのため、例のビデオはきちんと流れた。

@安全のために

 通常のビジネスと同様に、まずは離陸前のウェルカムドリンクからである(今日はこれのあとも動かないが)。やはり、国際線ビジネスに乗る場合は、最初の1杯はシャンパンであろう。そして通常のビジネスと同様、手酌のエコノミーとは違い、注いでもらえるのが良い。

@まずはこれから

 準備にあれこれ時間がかかるようであり、最初の料理が提供されたのは12時を過ぎてからであった。しかし、プランは14時半までであるため、急ぐ必要はない。
 まずは、アミューズ(「抹茶アーモンドパイスティック」「サーモンの彩りテリーヌ、アボカドサラダ」)である。

@軽いものから

 さて、最初のシャンパンなどはとっくに空になってしまっている。今日の酒は、ビジネスだけあっていつも(エコノミー)よりも上等なものが揃っているため、まずは大吟醸酒である七田を頼むことにした。

@こんなラベル

 しばらくして、前菜が提供された(和洋から選べるが、今回は和食にしてある)。中央部が「龍盛り(白魚菜の花湯葉揚げ、蛍烏賊青海苔揚げ、揚げそら豆)」「しらすの玉子焼き」「串打ち(合鴨味噌漬け、赤蒟蒻)」「生姜砧甘酢漬け」「桜鱒味噌幽庵焼き」であり、両脇の小鉢は「蒸し鶏の白酢掛け」と「煮穴子 白滝真砂和え」である。七田をお代わりし、肉類もあるため、ついでに赤ワインも置いていってもらった。

@こんな状態に

 なお座席の写真を見れば一目瞭然であるが、幸運にも今日は窓側席であった。「動かないからどこでも同じだろう」と思われるかもしれないが、やはり窓側で外が見えたほうが雰囲気も良い。それに、さらに運よく滑走路側であったため、頻繁にある離発着を見ていると、なんだか「ただ自分の便が遅延しているだけ」のようにも思えてくる。

@行ってらっしゃい

 あまりに酒を急ピッチで頼む私が「酒好き」と思われたようであり(当然と言えば当然か)、客室乗務員が別の日本酒もお勧めしてきたので、もちろんそれ(満寿泉)もいただくことにした。

@呑み過ぎ

 さて、メイン(主菜)である「銀鱈西京焼き 肉すい豆腐」の登場である(ご飯、お吸物、香の物もセットで)。

@肝心の写真が手振れ…

 銀鱈は日本酒であるし、肉すい豆腐は赤ワインである。交互に飲んでいるうちに、さすがに酔い過ぎてきてしまった。
 さて、コースの締めはデザートである(ピエール・エルメ・パリによる「エモーション フレーズ ピスターシュ」(ピスタチオのジュレ、イチゴのコンポート、ピスタチオ風味ダコワーズ、ピスタチオ風味ババロア))。

@締め

 すっかり酔っ払い状態になり、14時45分頃に飛行機を降りた。後は、自宅に帰るだけである。

 さて、実はこれ以外にも「国際線の雰囲気」を楽しむことができる方法がある。それは通販で国際線エコノミー用機内食を購入することである。ANAが通販サイトで今年に入ってから始めたもので、発売日である毎週水曜日は、いつもすぐに売り切れてしまうほどの人気である。ということで、私も4月になってから買ってみた。3種類(それぞれ4つで12個入り)で、値段は9,000円。1食当たり750円であり、大きさからするとかなり割高であるが、「応援」であるから問題はない。

@海の幸丼


@天玉丼


@大阪大黒ソースチキンカツカレー

 さて、もうお気づきの方もいるであろうが、「ANAばっかりで、JALがないじゃないか」と思われたかもしれない。もちろん、JALに関しても何かないか探したのであるが、残念ながら同様のプランは提供されていないのである。
 そこで、何か参加できるものはないかと探したところ、航空教室(工場見学)があったので、それに参加してみることにした。時は少し溯り、4月10日である。「画像の二次利用は控えてください」とあったので(たぶん、格納庫内の映像などが問題)、当たり障りのない画像を1枚だけ紹介したい。

@こんな様子(冒頭)

 上記航空教室(オンライン)は、参加費無料である。食事プランと通販で4万円近く使用しているANAとの差が歴然であり、オンラインのJALショップで何かないか探したが、残念ながらJAL独自の食材等は見つけられなかった。
 ということで、上述「翼のレストラン」の参加前に羽田のJALショップ「BLUE SKY」に向かい、購入したのがこれらである。3点合わせて、たったの600円だけの「応援」である。両社の上級会員を持っているものの、どちらかというとJAL派の私であるので、実際に海外旅行に行けるようになったらそちらで貢献したいと思う。

@今はこれが精一杯

 

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