【非鐡の旅K】奄美大島の鐡要素

■はじめに
 これまで、沖縄県の各島で鉄道の遺構を追ってきたりしている(拙稿「RACで行く大東島の旅」および「沖縄1万円旅(鐡ネタ落穂拾い)」)。沖縄には現在はモノレールしかないが、以前は多くの軽便鉄道があり、またサトウキビ鉄道も運行されていたため、上記のような旅が可能であった。
 さて、今回は鹿児島県の奄美大島である。この島は過去も現在も(おそらく未来も)鉄道不毛の地であり、鐡旅などは不可能な所である。
 しかし、そこを敢えて無理矢理にこじつけるのが、今回の目的である。
(旅行記というほどのものではないため、簡易に記載しておきたい)

@マングローブ林

■2015.4.4
 マイル特典のJAL航空券で奄美空港へ向かい、空港案内所で「しまバス」の3日間乗車券を4,200円で贖う。奄美訪問は2回目であるが、前回はレンタカーで周ったため、便利であったものの「記憶に残っている景色は道路ばかり」であった。今回は、景色を堪能するために路線バスの旅である。
 15時01分のバスで、「あやまる岬」へと向かった。

@長閑で美しい

 海岸線などを歩いたりして、まずは最初の鐡ネタである。
 「いきなり子ども騙しではないか」と言われそうだが、その通りである。

@「ゆめの島」駅に停車中の「あやまる」号

 鉄道路線であるため、当然のことながら踏切やトンネルも(以下略)。

@一応、鉄要素

 15時51分のバスで名瀬市内へ移動し、ネット検索上最安値だったホテルに投宿。

■2015.4.5
 早朝に起床し、ホテル前のバス停を5時02分という驚くような時間に出発するバスで古仁屋へ向かった。車内は、早朝に到着したフェリーからの乗客が数人いたが、古仁屋まで乗っていたのは私を含めて2人だけであった。
 7時00分のフェリーで、加計呂麻島の瀬相(せそう)へと向かった。さすがに、鐡要素は皆無の島である。バスで西阿室へ向かう。乗客は、私とおじいさん1人だけであった。

@何もない集落

 帰りのバスを待つと2時間半にもなってしまうため、歩いて瀬相の集落へと戻った(所要時間約50分)。そこからさらに50分ほど歩いて、この島で数少ない観光地である島尾敏雄文学碑へ向かった(バスが走っている道路であるが、いかんせん1日に4本しかないため、歩くしかない)。
 文学碑を拝んでから、特攻隊基地跡を見て回る。

@だんだんと「普通の旅行記」になってきました

 呑之浦の集落まで戻り、そこで数少ない路線バスを待ち、生間港へと向かった。
 フェリーで古仁屋へ移動し、スーパーで地の練り物を買ったりしてから、名瀬方面へ向かう路線バスに乗り込んだ。
 古仁屋を12時55分に出発し、13時42分に「マングローブパーク前」で下車。ここに来るのは2回目である。

@古仁屋出発時

 さて、ここでの鐡ネタである。「ただの階段じゃないか」と言われそうだが、まさにただの階段である。しかし実は、数年前まではここに「マウンテンライナー」というモノレールがあったのである。実は奄美大島で鉄道「ぽい」ものはこれくらいしか知らなかったので来てみたのであるが、まさかなくなっているとは思わなかった(気になる方は、「マングローブパーク マウンテンライナー」で検索してみてください)。

@今となっては、階段です

 展望台からの景色や施設の展示物を見てから、(バス路線はあるが本数が少ないため)30分ほど歩いて次の目的地である「奄美アイランド」へ向かった。
 さて、これまでは子ども騙しの連続であったが、ここは本格的な鐡ネタが多くある場所である。
 まずは、屋外の入口付近にある台車である。案内板も何もないので意味不明であるが、実はここには旧い国鉄の車両(客車)が展示してあったのである。数年前に水害でこの施設が大被害を受けた際、どうやらかなり壊れてしまったらしい。

@壊れる前に来て見たかった

 そのすぐ隣りにあるのは、旧国鉄の「壮瞥駅」である。なぜ北海道の駅舎がここにあるのかというと、国鉄からJRになる際にテレビ番組の企画でオークションにかけられて、そしてここに移設されたということである(ウィキペディア情報)。
 災害の修理を経たためか、他のサイトにある写真とは少しく変わっているが、壁にある時計には「北海道(旧そうべつ駅)電気時計」という説明版が残っている。

@駅舎

 続いては、先の写真の左下に見えているのでお気づきとは思うが、市電である。この車両は京都市電のものであるが、やはり水害の影響でかなり壊れてしまっていた。

@しかし、残っていてよかった

 数少ない展示物とミニ動物園(鳥とサルのみ)を見てから、数少ないバスをひたすら待ち、16時22分のミニバスで西仲間へ行き、そこで名瀬市街地方面行に乗り換えて、17時過ぎに戻ってきた。スーパーで奄美産の刺身などをあれこれ買い、酔いどれてから就寝。

■2015.4.6
 さすがに、もう逆立ちしても鐡要素は見付けられない。よって、島西部方面へ行くバスに乗り、途中下車などを繰り返しながら「徳浜の断崖」や「群倉」、「国直海岸」などを適当に観光し、昼過ぎに名瀬へ戻ってスーパーで自分用土産をあれこれ買い、連絡バスで空港へ向かってから15時35分発の便で奄美を飛び立った。

@断崖

 

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